命日や忌日の前夜を「逮夜(たいや)」と呼び、逮夜法要を執り行います。「逮夜」は通夜とも混同されやすく、何のためにあるのか、どのようなことをするのか知らない方も多いでしょう。
この記事では「逮夜」と通夜の違いをはじめ、逮夜を行うために重要な逮夜表について解説します。逮夜法要の流れ、逮夜法要に出席する際のポイントなどもまとめました。
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こんな人におすすめ
逮夜表について知りたい人
逮夜と通夜の違いについて知りたい人
逮夜と通夜は混同しやすい言葉ですが、それぞれ意味や執り行うタイミングが異なります。ここからは、逮夜と通夜が行われる日取りの違いについて見てみましょう。また、現代ではなぜ逮夜をよく知らない方がいるのか、その理由についても解説します。
逮夜とは、命日や忌日の前夜を指す言葉であり、「次の日に及ぶ夜」という意味を持っています。
葬儀後、忌中と言われる四十九日間は故人の成仏や良い来世を願い、一定周期で法要をします。亡くなった日(命日)から数えて7日ごとに執り行う法要が「忌日法要(中陰法要)」です。逮夜法要では、命日の前夜や忌日の前夜に僧侶を招いて法要を行い、列席者に食事を振る舞うのが一般的です。
通夜はその名前の通り、元々はろうそくの火を絶やさず灯して、夜通し故人を見守るものでした。葬儀などと異なり、家族や親族が集まって故人との別れを惜しむという意味合いが強いのが特徴です。現代では夜を徹さずに終える「半通夜」が主流になってきています。葬儀は昼に行われることが多いですが、半通夜であれば故人とお別れできる機会になるでしょう。
法要は故人の冥福を祈る重要な儀式である一方で、時間や費用がかかるものです。高齢化や少子化が進む中で、遺族や参列者の負担を減らし、無理のない範囲で供養ができるよう、葬儀や法事は簡略化される傾向にあります。
昔は逮夜と忌日の2回にわたり法要を行っていましたが、現代では逮夜法要を省略するケースも多くあります。逮夜法要自体が減ったのも、認知度が低下した一因でしょう。
幾度も訪れる逮夜の日にちを把握し、スムーズに法要を行うために使われるのが「逮夜表」です。ここでは逮夜表の概要や、忌日法要(中陰法要)と逮夜の計算方法について解説します。逮夜表を活用し、法要日程をあらかじめ把握しましょう。
逮夜表とは、逮夜法要の日程が書かれた表のことです。忌中に行う法要のことを中陰法要とも呼ぶため、逮夜表は「中陰表」とも呼ばれています。忌中(四十九日)が明けるまでは7日ごとに法要がありますが、遺族がどのような日程で法要を営むか分からないと困るでしょう。そのため、葬儀の際には僧侶から法要日程が書かれた逮夜表をもらいます。
ここでは、忌日法要(中陰法要)と逮夜の計算方法について解説します。忌日法要は7日ごとに行われますが、亡くなった日を1日目と数えるため、命日が日曜なら初七日は土曜、逮夜はその前夜の金曜と日にちが2日ずれるので注意しましょう。以下では具体的な日にちを例に挙げて、法要と逮夜の日程を表にしました。
令和3年8月25日(木)が命日の場合 | ||
忌日法要(中陰法要) | 逮夜 | |
初七日 | 令和3年8月31日(火) | 令和3年8月30日(月) |
二七日 | 令和3年9月7日(火) | 令和3年9月6日(月) |
三七日 | 令和3年9月14日(火) | 令和3年9月13日(月) |
四七日 | 令和3年9月21日(火) | 令和3年9月20日(月) |
五七日 | 令和3年9月28日(火) | 令和3年9月27日(月) |
六七日 | 令和3年10月5日(火) | 令和3年10月4日(月) |
七七日(四九日、満中陰) | 令和3年10月12日(火) | 令和3年10月11日(月) |
忙しい現代において、逮夜法要を省略するケースも増えています。そのため、逮夜法要をどのように執り行えばよいのか分からない方もいるでしょう。ここでは、逮夜法要の流れや規模、お布施などの基礎知識について紹介します。
逮夜法要は、家族や親しい親族といった身内のみで執り行うのが一般的です。通夜や葬儀には故人や遺族の関係者が広く集まりますが、逮夜法要は忌日法要に関連するため、葬儀などよりは小さな規模になります。
もちろん家族のみで行うという決まりはありません。特別親しかった方がいれば身内でなくともご案内してもよいでしょう。
逮夜法要の内容や流れは、基本的にはその他の法要と同じです。まず僧侶が入場したら、施主が挨拶をして、僧侶の読経が始まります。
その後、施主から順番に焼香を行い、僧侶の説法が終わると僧侶退場です。最後は喪主による法要終了の挨拶が述べられ、参列者を交えた会食に移る流れとなるでしょう。会食は時間の関係や施主の都合などにより、行わないケースもあります。
お布施は、僧侶の読経などに対する謝礼としての意味合いが強いものです。逮夜法要でも忌日法要と同様、僧侶に読経を頼む場合はお布施をお渡しします。翌日に忌日法要(中陰法要)がある場合であっても、それぞれにお布施を用意しましょう。僧侶を呼ばずに身内だけで逮夜法要を済ませるという場合は、お布施は必要ありません。
加えて、お布施とは別に、会食(お斎など)をしない場合は「御膳料」を、また会場まで来ていただいた感謝の気持ちとして「お車代」を忘れずにお渡しします。これも通常の法要と同様です。
逮夜法要の案内を頂いたときは、マナーをしっかりと守って参列したいものです。いざ参列するとなると、服装や香典など不安な点もあるでしょう。ここからは、逮夜法要に呼ばれたときに押さえておくべきマナーについて解説します。
逮夜法要では会食をすることも多いため、施主がスムーズに準備ができるよう、案内状の返事はなるべく早く返すよう心がけましょう。
また逮夜法要に限らず、弔事に来てほしい旨を伝えられたらできるだけ出席します。スケジュールや時勢の関係からどうしても伺えない場合は、電話などで先方にお詫びを伝えましょう。
参列する際は喪服の着用が一般的です。通夜は、思わぬ故人の訃報に接したことを表すために喪服を避けるという考え方もあるでしょう。しかし逮夜は予定が立つ法要のため、普段着ではなく喪服が適しています。
また三回忌までは喪主より「平服でお越しください」といった指定がなければ、基本的には準喪服を着用します。法事に平服で出席する際は、普段着ではなく略喪服と呼ばれる地味な服装を選びましょう。華美な色柄物やアクセサリーの着用、殺生を連想させる毛皮やワニ革などの小物は避け、肌の露出も少ない服装が適しています。
逮夜法要には香典も必要ですが、翌日の忌日法要とともに一連の儀式と見なすこともあります。逮夜法要と忌日法要(中陰法要)の両方に参列するならば、どちらか一方のみで包んでも問題ありません。しかし地域や家庭によっても考え方は異なるため、心配な方は事前に周囲に相談するとよいでしょう。
昨今では少なくなった逮夜法要ですが、営むべきか悩む方もいるでしょう。最後に、逮夜法要をするかしないかについて判断する際のポイントを解説します。法要の傾向を知り、ご自身に合った形で故人と向き合いましょう。
法要は行う側も、参列する側も時間や費用など負担がかかるため、逮夜法要か忌日法要のどちらかを営むのが一般的です。また、近年では忌日法要のみにする方が多数派です。通夜と違い、逮夜法要を省略しても失礼には当たりませんので、無理のない範囲で執り行うのがよいでしょう。
逮夜法要は仏教の儀式ですが、神式においても忌日から10日ごとに儀式を行う50日間の霊祭が存在します。しかし、神式の霊祭も近年では減少傾向です。仏教における逮夜法要と同様かそれ以上に行う方が少なく、ほとんどの場合省略されます。
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逮夜は、命日や忌日の前夜を指す言葉です。葬儀前日に行われる通夜とは意味が大きく違うものになるので、間違えないよう注意しましょう。
忌日法要を前倒しにしたり、法要自体を省略したりするケースが増えており、現代ではあまり逮夜法要をしない傾向にあります。しかし、故人をより丁寧に供養したい、故人と親しかった方たちと思い出を語らいたいといった場合には、逮夜法要を検討しましょう。
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湯灌は故人の体を洗って清める儀式のことです。ホゥ。