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お通夜の流れや日程、マナーなど基本的な事項を解説!香典や持ち物についても紹介

作成日:2021.11.25

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お通夜を人生で経験する機会はそう多くありません。そのため、通夜の流れや日程、マナーなど基本的なことでさえ、完璧に理解し実践できている人は少ないと思います。

お通夜は亡くなった人を供養する大切な儀式です。最後のお別れの場のため、礼節をわきまえることは非常に重要です。そこで本記事では、お通夜に参列するにあたって、抑えておくべき基本事項を具体的な例を交えながら、どこよりも詳しく解説していきます。

通夜とは?

「通夜」とは臨終を迎えて葬儀までの一連の儀式のことです。通常、夕方18時頃から始まり、約2~3時間かけて行います。心をこめて故人と別れの挨拶を行います。

通夜の中にも、死亡日の夜に故人の納棺を家族・親族のみで行う仮通夜と、故人が生前交流のあった人々を招く本通夜があります。本来行われていたかしこまった通夜の儀式は年々省略される傾向にありますが、通夜本来の意味合いを知っておくことは非常に重要です。

1.お通夜の意味

お通夜では、葬儀・告別式の前夜に、親族や親しい友人などゆかりの深い人々が集まって、故人の冥福を祈り、別れを惜しみます。故人と過ごすことのできる、最後の場です。遺族は夜通し灯明と線香の火を絶やさないようにします。

2.仮通夜

お通夜には、死亡当日の夜に納棺して親族だけで行う「仮通夜」と、その翌日に一般の弔問客を迎えて行う「本通夜」があります。仮通夜は親族だけで故人を見守り、一緒に過ごすことが目的であるため、基本的には特別何かを行うということはありません。

仮通夜でもご僧侶を招いて読経してもらうこともありますが、近年は省略されることがほとんどです。服装も、かしこまった礼服である必要はなく、派手な色のものや動物の皮を使ったものなどでなければ平服でかまいません。

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通夜・告別式・葬式 違い

お通夜などを経験することはそう多くはないため、亡くなった人を悼み供養する儀式の「通夜・葬儀・告別式」を詳しく説明できる人は少ないと思います。

とはいえ、遺族側・参列側どちらも知っておいて損はありません。通夜は葬儀・告別式の前に執り行われるもので、葬儀と告別式を合わせたものを葬式と言います。

1.告別式とは

告別式とは宗教儀式を伴わないお別れの式です。告別式は社会的な儀式として執り行われます。地域の人の他、これまで一緒に仕事をしたことがある人、恩義を感じている人など故人とよい関係を築いてきた人のために、別れのあいさつができる場を提供したのが告別式です。

告別式では、主に仏教では焼香、神道では玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行い、弔辞、献花などをします。

2.葬式とは

葬式とは、葬儀と同義だと思われますが、実際には違います。葬式とは宗教的な儀式である「葬儀」と社会的な儀式である「告別式」の2つを含んだ式と定義されています。

宗教的な葬儀では仏様や神様に故人の見守りをお願いし、葬式では宗教的な意味も含めて家族や知人が故人を偲び見送ります。

一般的に「お葬式」といわれるものは、葬儀と告別式を合わせたものです。お葬式がとり行われるということは、葬儀と告別式を続けて、もしくは葬儀と告別式が一緒になった式であるという意味です。そのため葬式のマナーや服装は、葬儀・告別式と同じと考えればよいです。

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通夜の日程を決める際の注意点

通夜や葬儀の日程を決めなければいけないタイミングは突然訪れるものです。「大安」に行うのはよくなさそうだと考える人は多いと思いますが、実は問題ありません。このように、意外と通夜の日程を決める際の注意点や配慮すべき点は知られていないのです。

いざという時にスムーズに通夜の日程を決められるようにしておきましょう。

1.一般的には臨終の翌日に通夜を行う

一般的には、臨終の翌日に通夜を行いますが、明確な決まりはありません。通常、亡くなった日の夜に仮通夜を行い、翌日の夜に通夜を行います。亡くなった当日に通夜を行うことは例外を除きありません。

とはいえ、通夜に参列する人々や会場の都合など、通夜の日程を決める際の注意点は多数あります。

2.友引など六曜による日柄を避ける

「先勝(せんしょう)」、「友引(ともびき)」、「先負(せんぷ)」、「仏滅(ぶつめつ)」、「大安(たいあん)」、「赤口(しゃっく)」といった中国から伝わった暦である六曜のなかで、通夜を行うのは避けたほうが良いとされる日があります。それは、友引、仏滅、赤口です。

友引は「友を引き連れていく」と考えられ、縁起が良くない印象であることから、通夜を避けることが多いです。友引の語源を辿ると、実は「共引」という漢字を用いており、正しくは「物事の勝敗が決まらず引き分けになる日」という意味を持っています。

他にも仏滅や赤口に通夜を行うことは避けることが多いですが、深く気にする必要はありません。というのも、日本の通夜と中国思想の六曜は関係がないからです。とはいえ、友引は定休日としている葬儀場もあるため、注意が必要です。

3.夕方以降になくなった場合は後ろ倒しにする

一般的には亡くなった翌日に通夜を行いますが、故人が亡くなった時間帯や日取りによっては、通夜を翌日に行わないケースもあります。例えば、亡くなった時間が夕方以降の場合は、準備の関係などから通夜や葬儀の日程を1日ずつ後ろ倒しにするのが一般的です。

通夜の準備は「喪主・世話役の選定」「関係者への連絡」「通夜振る舞いの準備」「遺影の用意」「喪服や数珠の用意」など多岐に渡ります。そのため、通夜の日程を後ろ倒しにすることは悪いことではありませんので、夕方以降に亡くなった場合は通夜の日程を後ろ倒しにしましょう。

4.葬儀社や会場の空き状況を確認して決める

通夜は自宅で行うこともありますが、葬儀は葬儀会場で行うのが一般的です。アクセスの利便性、参列者の規模に合う会場かどうかも検討しなければなりません。

見落としがちなのが、葬儀社や会場の空き状況です。年末年始など、葬儀社が営業していない期間に亡くなってしまった際は、何日も通夜や葬儀を行うことができません。

僧侶の都合がつかないという理由で日程を調整しなければならないケースもあるので、通夜の日程がずれてしまっても落ち着いて対処しましょう。

このような日程調整の関係から、葬儀場に一度連絡を入れるのがオススメです。

5.僧侶の日程を確認する

通夜や葬儀の際、どちらも僧侶に読経をしてもらわなければならないため、不在では行えません。僧侶の日程も必ず確認するようにしましょう

通夜や葬儀が重なってしまうと、スケジュールを押さえにくいこともあります。通夜や葬儀を行うことが決まった際には、できるだけ早く菩提寺に連絡しましょう。

菩提寺は納骨後もお付き合いが必要です。トラブルが起きないよう、僧侶側の都合にもきちんと配慮しましょう。

6.火葬場の状態を確認する

通夜や葬儀を行う必要があるとわかったら、火葬場の空き状況も確認が必要です。希望の日時に火葬場が予約で埋まっていることも考えられるので、日程は細かく決めすぎず、大まかな予定を組んだ段階で確認すると良いでしょう。

予定していた火葬場が予約できなかった場合は、利用可能な日時に合わせて通夜や葬儀の日程を調整しなければなりません。日程を優先したい場合は、ほかの火葬場をいくつかあたって、空いているところを予約しましょう。

7.参列者の都合を確認する

親族の予定が合わず、通夜の日程を変更する場合もあります。急な訃報で、親族が駆けつけることができないことも多いからです。

その他にも、遠方にいる方や親交の深かった方に参列してもらえるよう、都合を確認して日程調整をしましょう。

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通夜の時間

お通夜は、18時または19時の開始が一般的です。受付開始は、お通夜の開始時間の30分~1時間ほど前です。遺族・親族の場合は1時間前には会場に到着し、控室で待機するのが良いでしょう。

弔問客は、お通夜開始の15分前に集まることが多いです。遺族・親族も、開始15分前には控室から会場に移動します。

お通夜の所要時間は、儀式だけなら1時間くらいが一般的です。ただし、弔問客の人数によって焼香に要する時間が変わるため、終了時間は前後します。

通夜式の後には、弔問客に対する感謝の意味を込めた飲食の接待である「通夜ぶるまい」が行われます。通夜振る舞いの所要時間は、1時間程度です。

遺族・親族は、通夜式が始まる1時間前に会場に到着し、

・通夜式:1時間
・通夜ぶるまい:1時間

の時間を過ごすので、お通夜の所要時間は約3時間が目安です。

通夜の流れ

通夜は葬儀・告別式の前にとり行う儀式です。故人との関係性にもよりますが、とり行う時間帯や1時間~2時間といった所要時間の短さから、通夜のみに参列する人が多くなってきています。

この通夜の時間にどんな流れでどんなことが行われるのかを理解しておくと、お通夜当日をスムーズにお迎えすることができます。

1.通夜の準備

受付、祭壇、供花・供物の配列、通夜振る舞いなどの斎場設営自体は葬儀社が行いますが、通夜の準備に関する細かな指示については喪主の判断が仰がれます。

葬儀社が「誰から贈られたのか」を記録した供花リストをもとに、故人との関係性や社会的地位を確認しながら供花の配列を決定します。供花の順番は重要なため、最終的な確認は喪主が行うようにしましょう。

その他にも「葬儀社が用意した礼状・返礼品の数に不足がないか」「世話役が割り振られているか、人数が揃っているか」の確認も入念に行います。

世話役は案内係、受付係、会計係、返礼品係、それらの係をまとめる世話役代表に分けられ、それぞれの方々への役割の伝達などを行います。

2.受付準備

受付係や会計係などの受付を任されている世話役は、通夜開始時刻30分前には待機し、準備を開始しておかなければなりません。季節によっては上着や小物等を預かる携帯品係がいると受付がスムーズに進むので、必要に応じて配置しましょう。

受付前列には芳名帳(芳名録)の記入と香典を預かる受付係を、受付後列には芳名帳と香典を確認したうえで現金を管理する会計係をそれぞれ配置します。芳名帳は香典返しを後日送る際には必要となる大切な記録です。香典と芳名帳との照合はきちんと行いましょう。

3.遺族・親族・僧侶入場

通夜開始時刻の約10分前になると葬儀社担当者から集まるよう指示があります。弔問客や遺族は着席して待機し、僧侶の入場から通夜が開始します。受付係や会計係は全ての対応を終わらせてからの着席となりますが、ここで気をつけておきたいのが席順です。

一般的に席順は故人との血縁の近さや関係性等で決まります。祭壇から向かって右側の席に遺族、左側の席に親しい友人や仕事関係者、そのほか一般弔問客は左右席の後方となっているので、特に世話役はあらかじめ席順を確認しておくと安心です。

4.開式

通夜は開式宣言により始まります。この開式宣言は、式場のスタッフが行います。

また、葬儀社のスタッフが務めることもあります。喪主側で用意することほとんどありません。

5.読経・焼香

まずは僧侶による読経が行われます。読経の時間は30分程度ですが僧侶の意向や宗派によって幅があります。

その後にお焼香が始まります。

葬儀社の司会進行係や僧侶の案内によってお焼香が開始し、順番は「喪主→遺族→親族→弔問客」と故人の関係が深い順、席順で行います。席順はお焼香の順でもありますから、席順決めでは入念な準備と確認をしておきましょう。

6.閉式・通夜終了

僧侶が退場すると、次は喪主挨拶です。

・弔問客への謝意
・故人死去の報告
・故人生前・療養中のご厚誼
・翌日執り行う葬儀の時間

が手短に伝えられるほか、最後には通夜振る舞いの席への案内があります。

これで閉式し、通夜は終了します。

7.通夜振る舞い

通夜振る舞いとは、遺族が弔問客への謝意を込めて酒食を振る舞い、弔問客は故人を偲びながら接待を受ける食事の席のことです。

別室にて料理やお酒でもてなしながら故人の思い出を語り合ったり、弔問客に感謝を伝えたりといった接待は主に遺族が行います。

8.通夜振る舞いの席、散会

弔問客は随時散会が多いものの喪主による閉めの挨拶でも終了となり、通夜振る舞いの所要時間は1時間前後が目安です。全てを終えても、日をまたぐ前に終了する可能性が高いです。

通夜にかかる費用

通夜にかかる金額は約30~50万円です。

費用の内訳は「会場代」「飲食代」がメインとなっています。規模や参列者の人数によって費用が増減します。

また、葬式と通算して考えるべきお布施代はのぞいています。お布施は僧侶へお礼としてお渡しするお金のことで、全国の平均相場は47万円ほどと言われています。

通夜にかかる料金の詳細を解説しますので、参考にしてください。

1.会場費

一つ目の費用は、会場代です。会場代は、その名の通り通夜を執り行う会場の使用料で、平均的には、約20~30万円かかります。

通夜で使用する会場は、主に以下の3種類があります。

・葬儀社が運営する式場
・寺院が運営する式場
・公営の貸し式場

葬儀社所有の式場は比較的低価格でご利用可能です。特別に式場を用意したい場合などは、寺院等運営の式場を使用しますが、その場合は金額が若干高くなります。

公営の貸し式場を利用する場合は、約10万円以下でも使用可能なケースがあります。

2.通夜振る舞いの費用

二つ目は、通夜振る舞いにかかる費用です。参列者へのお礼として、通夜で振る舞う飲食物の料金となります。通夜料理は、葬儀社に人数と内容を伝えれば、用意してもらうことも可能です。

参列者が30人いる場合の平均的な金額は、約20万円です。ただし料理のランクによって大幅に変動します。費用の中には、飲食代だけでなく配膳料なども含まれます。

3.お布施

お布施とは、お勤めいただいた僧侶に支払うお金のことです。お布施の金額は明確に決まっていません。

お渡しする金額は通夜だけでなく、葬儀や告別式の内容にもよりますが、全国平均は47万円と言われています。このお布施の金額には、読経料(どくきょうりょう)・戒名料(かいみょうりょう)・お車代(おくるまだい)・御膳料(ごぜんりょう)が含まれています。

これらのデータを参考にしつつ、なかなかお布施代を決定できない際は、葬儀の担当者に相談するのも手です。

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通夜に参列する際の服装

訃報を受けお通夜に参列する場合、どんな服装をして参列するのが適切なのか解説します。亡くなった方の時間や日取りによっては、亡くなった当日にお通夜が行われるため、参加する側にも準備する時間がないこともあります。

男性も女性も喪服を来ていくことが推奨されてはいますが、場合によっては平服での参列も可能です。

喪服は正喪服、準喪服、略喪服と格式によって3つに分けられます。正喪服は最も格式の高い喪服で、葬儀や告別式、一周忌までの法要で喪主などの主催側が着用します。

準喪服は、一般的な喪服のことで、お通夜やお葬式に参加する際に着用します。略喪服は三回忌以降の法事や急な弔問の際に着用します。

当記事でご紹介する喪服の基本ルールは、一般的にお通夜に参加する際に着用される準喪服に準じたマナーです。

1.男性の服装

男性の喪服の基本は、黒で光沢素材ではないスーツを着用することです。ジャケットのデザインはシングルブレストでもダブルブレストでも問題ありません。パンツは裾がシングルのもの、つまり裾上げがされていないものを着用します。

ワイシャツは色柄物やボタンダウンのシャツは避け、白無地のレギュラーカラーのものを選びます。ネクタイは光沢の無い黒無地が推奨されています。ベルトは目立つバックルや蛇柄などのデザインのものは避け、黒無地でシンプルなデザインのものを選ぶと良いです。

靴下は黒の無地です。靴は、エナメルやスエード素材ではなく革靴で、金具などの飾りが付いていないもので、さらに紐で結ぶタイプのデザインのものを履きましょう。

ジャケットやスーツ、シャツ、小物などに共通して言えるのは、光り物を避け、黒に統一すれば良いということです。

2.女性の服装

女性における喪服では、黒の光沢素材ではないアンサンブルやワンピース、パンツスーツを着用することが基本です。スカートの丈は、短くても膝が隠れる程度のスカート丈のものが一般的です。夏場にお通夜に参加する場合は、肌の露出を避けるという点から、トップスの袖丈は短くても五分袖までが推奨されています。

ストッキングは30デニール以下の肌が透ける薄手の黒色のものを着用するのが推奨されています。寒さ対策をしたい場合は、厚手のタイツはお通夜では不適切なため、ベージュのストッキングの上から黒ストッキングの重ね履きがオススメです。

パンプスの素材は布または革のもので、エナメル素材は避けるのが一般的です。高いヒールのパンプスやミュールやサンダルはマナー違反に相当するので、着用しないようにしましょう。

3.平服で参列する際の服装

喪服で通夜に参列するのが推奨されていますが、会社帰りなどやむを得ない場合は、礼服・礼装でない平服を着用することも可能です。その場合、地味な色で肌の露出が少ない平服ならば問題はないとされています。

4.コートやセーターについて

冬の寒い時期にお通夜に参加する場合は、コートやセーターを着用することも可能です。その場合は、黒の光沢素材ではないシンプルなデザインのものを選びましょう。コートは、動物の殺生を連想させる毛皮やファーが付いたものは厳禁です

コートやマフラー、手袋は、斎場に着いたら場内に入る前に脱ぐことが推奨されています。ただし、焼香場所が屋外に設置されている場合などは、焼香台の前に行く焼香時のみコートを脱ぎ、それ以外の時は着用していても差し支えありません。

5.アクセサリーや小物について

通夜を含む葬儀には、光るアクセサリー類は全て外すのが原則です。結婚指輪は、光沢の少ないシルバー系は大丈夫ですが金色の指輪は外すのが一般的です。

忘れがちなアクセサリーのひとつにピアスがあります。特に耳に複数付けている場合は、外すのを忘れやすいので注意しましょう。

6.化粧について

通夜や葬儀に参列する際は、片化粧と呼ばれる化粧をするのが推奨されています。片化粧とは、

・ナチュラルメイク
・濃すぎないアイシャドウ
・透明なマスカラ
・唇の色に近い薄い色の口紅

を満たすもので、通夜や葬儀の際にするメイクのことを指します。

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通夜に参列する際のマナー

故人とのお別れの場である通夜では、マナーを遵守するのが必須です。とはいえ、通夜に参列する機会はそう多くないことから、一体何がマナーなのかをご存知ない方も多いと思います。ここでは通夜参列の際の重要なマナーを二つに絞って解説します。

1.遅刻をしない

斎場には遅刻しないように到着しましょう。しかし、遅刻しないように注意する一方で、斎場に早く着きすぎることは控える必要があります。

そのため、斎場にはお通夜が始まる15分ほど前に着くのが良いとされています。もし、お通夜の始まる時間に遅刻しそうな場合は、斎場に連絡を入れるようにしましょう。焼香が行われている時間内であれば駆けつけるのが良いとされています。

2.忌み言葉を避ける

忌み言葉(いみことば)とは、その場に相応しくない縁起の悪い言葉のことで、通夜や葬儀の最中は使うべきでない言葉とされています。不幸が重なることや繰り返されることを連想させる言葉、生死についての直接的な表現が忌み言葉として知られています。

忌み言葉は、日常の会話の中でよく使う言葉も多く、無意識のうちに使ってしまうことが多いです。

お通夜に参加した際には、受付でのあいさつや弔電、弔辞、通夜振る舞いの席での会話など、遺族に対して言葉を発する際に忌み言葉に気を付けることもお通夜に参加する際の最低限のマナーであり常識だと言えます。

▼仏式における忌み言葉

浮かばれない
迷う

▼キリスト教式・神式における忌み言葉

成仏
供養
冥福
往生

▼重ね言葉

重ね重ね
次々
再三
くれぐれも
いよいよ
度々
ますます
いろいろ

▼繰り返すことを連想させる言葉

再び
再々
続く
引き続き
追って 追いかける
次に
また
なお
相次ぐ

▼直接的な表現

死亡
死去
死ぬ
生きる
ご存命中
生存中
自殺
事故死
急死
逝く

▼縁起の悪い数字


▼不幸や死を連想させる言葉

別れる
切る
切れる
離れる
離縁
終わる
破れる
割る
去る
痛い
飽きる
病む
病気
冷える
消える
冷める
倒れる
忙しい
流れる
壊れる
降りる
褪せる
衰える
短い

通夜の持ち物

急なお通夜の際でも、マナーとして持っていきたい必需品があります。そのお通夜へ参加する際に最低限必要な持ち物は、香典と数珠です。この香典を包むのが袱紗(ふくさ)と呼ばれるものです。

1.数珠

数珠仏式のお通夜に参加する際に必需品である仏具です。数珠の珠の数は108個で人間の煩悩の数と同じとされ、これを手に仏さまに手を合わせることで煩悩が消滅し、功徳を得られると言われています。

数珠は宗派ごとに決まった正式な数珠と、すべての宗派で使用できる略式の数珠があります。とはいえ、数珠は故人の宗派に合わせ必要はありません。ご自身の宗派の数珠、またはすべての宗派で使用できる略式の数珠を持参するのが一般的です。

数珠の素材は大きく分けて木の珠と石の珠があります。宗派による素材の決まりはありません。

数珠に付けられている房の形も梵天房(ぼんてんふさ)、頭付房(かしらつきふさ)、紐房(ひもふさ)があり、素材も正絹や人絹、色もさまざまです。房の形や素材、色も宗派による決まりはありません。

2.香典

香典は故人の霊前に供えるもので、線香やお花の代わりです。香典の金額は、故人との関係性で決まります。香典額は、血縁関係が近いほど高額となりますが、ご自身の年齢や葬儀の大きさ、故人の知名度など、さまざまな要素を踏まえて香典額を決めましょう。

香典を準備する際に忘れてはいけないことは、非常識と言えるほどの高額の香典を包まないということ。これは喪家が準備しなければならない香典返しに配慮をするという意味でもあり、香典マナーの1つです。

香典を包む不祝儀袋も袋に直接水引が印刷されている略式のものから、豪華なものまで種類が豊富です。不祝儀袋は香典の金額に見合ったものを選びます。

不祝儀袋はコンビニエンスストアでも購入できますが、結婚式と違い訃報は突然なため、数種類の不祝儀袋を準備しておけば、どのような関係性の故人のお通夜に参加する場合も慌てることなく香典の準備ができます。

▼金額別の不祝儀袋の種類
金額 不祝儀袋の種類
5,000円未満 水引が袋に印刷されたもの
5,000円~20,000円 黒白の水引のもの
30,000円~50,000円 高級感のある和紙に双銀の水引のもの
50,000円~100,000円 級和紙に双銀の豪華な水引のもの

不祝儀袋には表書きが必要です。訃報を受けた際に故人の宗教や宗派を聞くことができれば、それに合わせて不祝儀袋を準備します。しかし、宗教がわからない場合は、すべての宗教で使用できる「御霊前」で準備しましょう。

故人が浄土真宗だとわかっている場合は、「御仏前」を準備します。これは、浄土真宗では人が亡くなるとすぐに仏になるとされているため、お通夜での香典も「御霊前」ではなく「御仏前」です。

故人の宗教は仏教だということは分かっているけれども宗派が分からないのであれば、どの宗派でも使用できる「御香典」を準備します。また、キリスト教式の場合の不祝儀袋は「お花料」、神式の不祝儀袋は「御玉串料」としましょう。

表書きには名前も必要です。名前は薄墨の筆や筆ペンを使用して書きます。これは、ペンが無く硯(すずり)で墨をすっていた時代に、訃報を聞いて不祝儀袋を準備する際「涙が落ちて墨が薄くなった」や「急なことで墨を濃くする時間もなく駆けつけた」等という意味から今でも不祝儀袋には薄墨が使われています。

硯(すずり)をすって筆を使う機会はあまりないため、弔事用のペンとして薄墨の筆ペンを準備しておくと良いでしょう。

香典に使うお金についてもマナーがあります。香典には新札(折り目の付いていないお札)は使用しません。新札は亡くなることを予測し準備していたという印象を与えるためです。とはいえ、使い古したお札ならば良いというわけでもありません。

あまりに折り目の多いお札は見苦しく礼儀に欠けます。もし、新札しか手元にない場合は、一度お札に折り目を付けてから使用します。

お金については、新札を使用しないというマナー以外にも、お札の向きを揃えて入れることも大切なマナーです。お札を入れる向きに関しては正式な決まりはありません。

3.ふくさ

不祝儀袋の準備をしたら、袱紗(ふくさ)に包みます。袱紗(ふくさ)に包み香典を持っていくことは香典のマナーです。袱紗(ふくさ)には慶事用と弔事用があります。掲示用の袱紗(ふくさ)は暖色系、弔事用は寒色系です。ただし、紫は両方で使用できます。

袋状の袱紗(ふくさ)は、そのまま不祝儀袋を入れれば良いですが、風呂敷タイプの袱紗(ふくさ)は包み方にもマナーがあります。

つめ部分を左側にして袱紗(ふくさ)の中央よりやや右よりに香典を置きます。袱紗(ふくさ)は右側、下、上、左側の順に折り、最後につめをかけて留めます。結婚式などの慶事の場合とは逆の包み方のため、注意が必要です。

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枕花とは?通夜で飾られる花について

枕花は、故人の枕元にそっと飾る花を指します。親しい友人など、故人との関係が深い場合に贈ることが一般的です。通常は通夜の前までに届くように手配しますが、早く届きすぎてしまうとマナー違反になるため、タイミングに注意する必要があります。

1.枕花とは

枕花は故人の枕元に飾るものなので、長く飾れるフラワーアレンジメントなどを選ぶことが一般的です。枕花を贈る場合は派手な色の花は避け、大きすぎないサイズを選びます。とくに喪家から辞退の連絡がなければ枕花を贈っても問題ありませんが、事前に確認することをおすすめします。

2.手配の方法

枕花の手配方法として最も有効なのは、葬儀をとり行う葬儀社に依頼する方法です。葬儀社では、その地域の風習や宗教などを考慮して、花の選定から配送までを行ってくれます。

枕花の相場としては、1万円程度が一般的です。白をベースとしたシンプルな洋花にアレンジメントを施し、故人の枕元に飾るのに適切なサイズにまとめていただけます。

3.飾り方

枕花は亡くなられた棺のそばに配置します。その際に、故人との関係が深い方から順番に、故人のそばに飾ります。

宗教上の理由や地域差によって、枕花の飾り方には違いがあります。例えば、棺とともに枕花を入れたり、葬儀終了後もしおれた花を一枚一枚取り除き、綺麗な花を飾ったりすることもあります。

4.キリスト教の通夜の場合の注意点

キリスト教の通夜の場合の注意点として、送るべき花の種類が違うことが挙げられます。仏教や神教で送られる、大きめの菊はあまり使用されない傾向にあります。

またキリスト教の場合、枕花を持ち運ぶ可能性があります。そのため、持ち運びしやすい様に小さめの籠に生花をセットして送る場合もあります。 

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供花とは?枕花との違いを解説

亡くなった方がその後の世界で幸せになれるよう、冥福を祈る意味を込めて送られるのが「供花」です。「くげ」の他に「きょうか」「くか」とも読みます。

1.供花とは

お通夜に参列した経験がある方は、会場の周辺に飾られたお花を見たことがあるかもしれません。これが供花です。「花を供える」という文字のとおり、関係者が供えたお花は全て供花として扱われます。

供花で送るべき花の種類は、宗派によって異なります。日本人に多い仏教では、「供物(くもつ)」として飲食物や線香を供えるケースも多く見られます。

遺族を慰める意味があるともいわれていますが、無理に用意して送る必要はありません。あくまでも参列者の気持ちを表す物である点を理解しておきましょう。

2.手配の方法

一般的には供花を用いる宗派でも、遺族が辞退する可能性を認識しなければなりません。というのも、規模の小さい家族葬を営む場合は、参列とともに供花も断るケースが多いからです。

遺族側の負担になりかねないので、参列が決定している段階であっても、まずは遺族に供花を送りたい旨を伝えて了承を得ましょう

可能であれば、連絡したときにお花の種類や色なども尋ねられると安心です。辞退する旨を知った後、無理に送るのはマナーとして適切ではありません。遺族の考え方や意思を優先し、最適な環境で参列できるよう準備を整えましょう。

3.供花を送るタイミング

供花の準備を始める段階で、お通夜の日程はすでに決まっているケースがほとんどです。依頼する葬儀社を選定し、具体的なスケジュールを共有した上で詳細の希望を伝えましょう。極端に早急な依頼でなければ、当日に合わせて調整してくれます。

葬儀社の他、供花以外のお花を販売する業者への依頼も可能です。近隣に店舗がない方は、インターネットから注文できる業者を探しても良いでしょう。遠方から送られる場合、到着日時にも注意が必要です。

宗教による供花の種類

これから供花の用意を始める方は、宗派によって異なる種類に注意が必要です。よく見られるのは白菊や胡蝶蘭といったお花ですが、他にもさまざまな選択肢があります。

故人が無宗教の場合や、厳密なマナーにこだわらない方であれば自由に選んでも問題ありません。3種類の宗派における、供花の適切な種類・色を解説します。

1.仏教

宗教の中でも、特になじみ深いのが仏教でしょう。仏式のお通夜を営むケースも多く見られるため、供花も比較的用意しやすい宗派といえます。一般的に利用されるのは以下のようなお花です。

・白菊
・黄菊
・ユリ
・胡蝶蘭
・カーネーション

供えるために複数のお花をアレンジし、籠(かご)に入れて送ることもあります。上記の他、白色が基調の生け花であれば多様なお花を利用できます。白色や薄いピンク色をメインに仕上げられるよう意識しましょう。

2.神道

神道のお通夜で供えられるお花は、仏式と同様であると考えると選びやすくなります。祭壇に関するマナーは異なりますが、供花はユリやカーネーションからきれいな物を選ぶと良いでしょう。籠を用いてアレンジするのもよく見られる送り方です。

ただし、極端に派手なカラーバリエーションをそろえるのは適切といえません。白色をメインに構成し、お通夜にふさわしい雰囲気になるよう心がけられると安心です

3.キリスト教

仏式や神式とは大きく異なるキリスト教では、生け花の供花のみが適切とされています。籠に入れた物は問題ありませんが、お花の種類やアレンジの仕方に注意しましょう。マナー違反となるのは、以下のような供花です。

・造花
・菊
・スタンドフラワー
・花輪

白色のお花を用いるケースもありますが、菊のように日本を思わせる種類はおすすめできません。ユリ・カーネーションといった洋風なお花に限定し、失礼にあたらない範囲でアレンジを施しましょう。

供花を送る際の礼名の書き方

お通夜で供花を持って参列する際には、札名を添える必要があります。遺族が「誰から送られたか」を判断する物でもあるため、準備の段階で忘れないよう注意しましょう。

故人との関係性によって、適切な書き方は異なります。法人・個人など明確にした上で作成することが大切です。3つのパターンを想定し、それぞれの札名について解説します。

1.法人で供花を送る場合

故人が勤めていた会社などから法人単位で送る場合は、会社名や代表者の名前も正確に記載しなければなりません。以下の3つに書き漏れがないよう把握しておきましょう。

・会社名(正式名称)
・肩書
・代表者名

会社名を記載する際は、「営業部一同」といったかたちで詳細情報も反映します。略称を用いた場合、遺族が認識できなくなるかもしれません。代表者名は、関係者の中で高い役職に当たる方を記載するのが一般的です。役職がない場合は年齢で判断すると良いでしょう。

2.個人で供花を送る場合

個人的に供花を送るのであれば、自分の氏名のみを記載するかたちで問題ありません。札名の中央に、フルネームで記載します。名字または名前のみを記すのは適切といえません。参列者の数が多い場合、複数の同名者が存在して判別しにくくなるためです。

参列者が持参した供花は、会場内に定められた場所にまとめて配置されます。同じ名字が並んだり不適切な記載があったりすると、マナー違反に感じる方もいるでしょう。

大勢の参列者が目にする物でもあるため、形式的なかたちに沿う意識が大切です。会社の関係者から個人で送る場合は、氏名に加えて会社名・肩書を記載します。

3.連名で送る場合

2人以上の方が共同で送る場合は、札名を見て詳細が分かるよう全員分を記載しましょう。会社から送るのであれば、地位の高い方から順番に連ねます。友人同士で連名とする場合は、きれいな並びになるよう五十音順で書くと良いでしょう。

人数が多すぎて読みにくい札名にならないよう注意も必要です。何十人と記載できるほどスペースがないケースがほとんどなため、大人数になる場合は「友人一同」のような内容に変えましょう。

連名でも読みやすい札名は、2人~4人が目安です。場合によっては5人前後の余裕がある札名もありますが、4人を超える連名は煩雑な印象を与えるケースが多いと考えましょう。

4.子供や兄弟と連名で送る場合

故人の子供や兄弟、親戚と連名で送る場合、「兄弟一同」などと書くことが多いです。
子供の場合、右から順番に、長男、次男と年齢順に書いていきます。

通夜に参加する際の受付の仕方

こちらでは、通夜に参加する際の受付の仕方について解説します。通夜は突然執り行なわれるものなので、事前の準備が非常に難しいです。

前もって流れを把握しておくことで、当日も慌てずに、スムーズに通夜へと参列できます。受付自体はそこまで難しいものではないので、知識として流れを覚えておきましょう。

1.通夜開始前に受付を済ませる

通夜会場に到着したら、まずは開始前に受付を済ませてしまいます。通夜は結婚式などとは違い、誰が参列するかを喪主や遺族が把握していません。よって前もって受付を済ませないと、参列した証明ができないので注意しましょう。

なお、通夜は平日の夜に行なわれることが多く、仕事の都合などで間に合わないこともあるでしょう。通常の場合、通夜は遺族や親族を中心に執り行われるため、参列者の遅刻がマナー違反というわけではありません。

20分~30分ほどの遅刻であれば受付にも担当者がいるため、できるだけ急いで駆けつけることが大切です。

1時間以内の遅刻の場合は通夜が進行されているケースが多いため、担当者の案内にしたがって焼香を済ませられます。ただ、2時間以上の大幅な遅刻が想定される場合は通夜が終了している可能性が考えられるため、あらかじめ連絡して遺族の都合を確認することが大切です。

通夜が終了した後は遺族といった亡くなった人と近しい人しか残っておらず、翌日の葬儀に備えた準備が必要です。そのため、亡くなった人とよほど親交が深くない限りは遅い時間に訪れるのは避けた方がよいでしょう。

2.香典を渡してお悔やみの言葉を述べる

受付に到着したら、まず「このたびはご愁傷様です」とお悔やみの言葉を伝えましょう。長々と話し込むなら受付の仕事を妨げてしまうことになりますので、お悔やみは短くシンプルに伝えます。

お悔やみでは「重ね重ね」や「追う」などの忌み言葉、「死んだ」「生きていた時」などの直接表現は使いません。死因を尋ねることも避けましょう

記帳のタイミングは香典を渡す前である場合もあれば、後になることもあります。受付係がタイミングを促してくれますので、慌てる必要はありません。香典を渡す際には表書きが受付係から読める向きにします。

なお、受付が終了するくらい通夜に遅れた場合には、喪主や遺族にお詫びと弔意を伝え、香典を直接喪主に渡すようにしましょう。

お詫びと弔意は長々と伝えるのではなく、遅刻した理由は排除してできるだけ簡潔に伝えることが大切です。

香典を渡すタイミングを逃した場合は翌日の葬儀、または後日改めて喪主の自宅を訪れて渡します。なお、葬儀社のスタッフといった第三者に香典を預けるとトラブルに発展する可能性があるため、避けるようにしましょう。

3.芳名帳へ記帳する

受付係から促されたら芳名帳へ記帳します。芳名帳は通夜の参列者を遺族が把握する上で欠かせないものです。香典を渡すかどうかに関わりなく、参列したら必ず記帳しましょう。

「親しいから」と名前しか書こうとしない人もいます。しかし、芳名帳に書かれた住所は、遺族が行う挨拶まわりや香典返しの際に必要な情報です。遺族の仕事を増やさないためにも、住所まできちんと記入するようにしましょう。

芳名帳とは別に香典帳が用意されている場合もあります。香典を持参しているなら、その両方に記帳するようにしましょう。

受付する際の注意点

こちらでは、受付する際の注意点について紹介します。芳名帳に記入する際、どう書けば良いのか迷うこともあるでしょう。最低限のルールやマナーを押さえておけば、いざというときにも慌てずに済みます。

故人や遺族との関係性はそれぞれに違います。自分の立場をわきまえておくことも、正しいマナーで通夜に出席する上では必要です。以下を確認して、礼儀正しく受付を済ませるように意識してみてください。

1.夫婦での出席では夫はフルネーム、妻は名前のみ

夫婦で出席した場合には、2人が共に出席したということが遺族に分かるよう、2人分の名前を書きます。まず夫の名前をフルネームで記入します。その横に妻の名前を書きますが、記入するのは下の名前のみです。

住所は自宅の住所を夫の欄に記入します。妻の欄は空白でかまいません。妻の欄に住所を記載しても問題はありませんが、受付は混雑することが多いため、次の人を待たせないためにも書かないほうが無難です。

なお、芳名カードに記入する場合には、1枚に2人分の情報を記入できます。中には2人分の芳名が記入できる芳名カードもあります。その場合にも、夫はフルネーム、妻はファーストネームを記入しましょう。

夫婦で出席する場合は、夫はフルネーム、妻は名前のみということを覚えておいてください。

2.親族の場合でも記帳

親族であれば「喪主も顔を知っているから芳名帳に記帳しなくても分かるだろう」と考えてしまいがちです。しかし、通夜・葬儀で喪主や遺族はとても慌ただしくしています。

多くの参列者に挨拶しなければなりませんし、お寺や葬儀会社との対応、お金の管理など、考えることも多いのです。

通夜当日は参列したことを把握していても、後日になると「誰が来ていたかな……」とうっかり忘れてしまうケースも珍しくありません。繰り返しになりますが、葬儀中の喪主や遺族は非常に忙しいです。忙しさを少しでも和らげるためにも、記帳はしっかりと行いましょう。

また、葬儀の後に行う挨拶回りや香典返しの段取りを喪主本人がするとは限りません。その場合、段取りを依頼された人にとっては芳名帳の情報が頼りなのです。親族であってもきちんと記入することで、喪主や遺族の負担を減らせます。

3.会社の代表で参列する際は部署・役職も記載

会社を代表して通夜に出席するということもあるでしょう。その場合には、会社の代表として来たことがはっきり分かるように記入します。

住所は会社の住所を書きます。会社名を書いた後に「代表 ○○○○」と自分の名前をフルネームで書きましょう。会社の規模にもよりますが、できれば部署や役職も添えます。故人と特に面識がない場合には、個人名は書かずに会社名のみを記入するケースもあります。

複数人で参列している場合は、最も立場が上の方が役職などを書くと良いでしょう。なお、会社の代表として出席する場合には名刺が必要となるシーンも出てきます。忘れず持参するようにしましょう。

また、会社から香典を出すときは、お金を出し合う人数で書き方が変わるので注意が必要です。3名以下であれば全員記名しましょう。3人の場合はひとり目を中央に書き、残り2人を左に連ねます。2名では氏名が中央に集まるように書くのが通例です。

大人数で出し合うときは全員の名前を書き連ねることはせず、代表1名を書くか、会社名や部署名などの団体名を記入します。4人以上でグループ名や代表者だけを書く場合は、グループ名か代表者のどちらかを袋の中央に書きます。部署から出す場合は部署名も記載するとわかりやすくなるでしょう。

4.代理の場合は受付で伝える

代理で出席する場合には、まず受付にその旨を伝えます。それから、本来参列するはずだった人の住所と名前を記入します。きちんと記入できるよう、正確な住所などをメモして行きましょう。その後、(代)あるいは(代理)と書き、必要であれば自分の名前を記入します。

会社の上司などから代理を頼まれた場合には、会社の住所と会社名をまず記入します。その後、上司の部署・役職などと共に名前を記入します。その後、(代)あるいは(代理)と書き、自分の名前を記入します。この際、代理を頼んできた相手の名刺も用意しておくとよいでしょう。

妻が夫の代理として親族以外の通夜に出席する場合には、夫の名前を書き、その後(内)と記します。親族の通夜であれば(家)と記入することで、家族の代表者が来たことを示せます。

5.香典を預かっている場合は伝える

通夜に参列できない人から香典を預かることもあります。その場合には、受付で預かっている旨だけでなく、だれから預かっているのかということもきちんと伝えるようにしましょう。仕事関係であれば、本人の会社名や役職なども知らせ、名刺を渡すようにしてください。

香典を預けた人の住所氏名は芳名帳に記帳しなければなりません。香典返しは香典ごとに行なわれるものなので、住所がないと遺族が困ってしまいます。通夜や葬儀は終わってからもやることがたくさんあるので、なるべく負担を減らせるような心配りを行ってみてください。

なお、自分の香典を渡す際に預かっていることを伝えておけば、うっかり記入を忘れてしまっても、受付係が記入を促してくれるでしょう。流れを忘れてしまいそうであれば、前もってきっちり「預かってきました」と伝えることが大切です。

6.家族ぐるみの付き合いの場合は子どもの名前で記載しても良い

子どもを連れて通夜に参列することもあるでしょう。その場合には、親の名前だけを芳名帳には記入します。

とはいえ、子どもの名前を記入してはいけないというわけではありません。故人や遺族と特に親しい場合には、子どもの名前も記入できます。子どもも一緒に駆けつけてくれたことが遺族にも分かると、慰めとなるでしょう。

また、家族葬などごく親しい人のみで執り行われる通夜の場合には、子どもの参列にも大きな意義があります。芳名帳があれば記帳しましょう。

7.芳名カードは全て記載

芳名帳ではなく芳名カードが使用されるケースも多くあります。会葬カードは横書きであることがほとんどで、他の人と並べて記入する必要もないため、字が苦手な人や書き方に迷うシーンでも気兼ねなく記入できます。

会葬カードには、住所や名前、会社名や役職、そして故人との関係性を示す項目があります。面倒くさがらず、できるだけすべての項目に記入しましょう。こうしておけば、挨拶状や香典返しの送付などがスムーズに行えるため、遺族にとっても助けになります。

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通夜での香典の金額相場

香典を用意する上で、まず気になるのは具体的な金額でしょう。香典の相場は、故人や喪主との関係性や年齢によって決まります

宗教や宗派、地域や家庭ごとの考え方、習慣もあるので、場合によっては同じ参列者の意見を参考にするのも良いでしょう。今回は、関係別の大体の相場を紹介しておきます。

1.親や兄弟などの近しい関係の場合

故人が親や兄弟、叔父叔母などの場合は、香典の相場も高くなっています。というのも、関係性が近いほど、香典の金額も高くなるのが一般的だからです。

いずれの関係性においても、義理の両親や兄弟も同額が相場ですが、地域や家族ごとの考え方によって金額が異なるケースも少なくありません。

【故人が親の場合(義理を含む)】
年齢 金額
20代 3~10万円
30代 5~10万円
40代以上 5~10万円
【故人が兄弟の場合】
年齢 金額
20代 3~5万円
30代 5万円
40代以上 5万円
【故人が叔父・叔母の場合】
年齢 金額
20代 1万円
30代 1万円
40代以上 1~3万円

上記は相場なので、多少であれば高くても低くても問題ありません。ただしあまりにも高すぎると、かえって遺族に気を遣わせてしまいます。

さらに香典返しを用意するのにも手間がかかるので、なるべく相場内でおさめる意識を持ちましょう。低すぎる場合も、故人や遺族に失礼にあたる可能性があります

2.友人や知人などプライベートな関係

故人が友人や知人、その関係者などプライベートの関係の場合は、どのくらい親しかったかによって金額を調整します。

特にお世話になった友人や、付き合いの深かった近所の人などは、まとまった金額を包むことも少なくありません。「友人一同」のような連名で用意することもあります。

【故人が友人・知人】
年齢 金額
20代 5,000円
30代 5,000~1万円
40代以上 5,000~1万円
【故人が友人・知人の両親】
年齢 金額
20代 3,000~5,000円
30代 3,000~1万円
40代以上 3,000~1万円
【故人が先生】
年齢 金額
20代 3,000~5,000円
30代 3,000~1万円
40代以上 3,000~1万円
【故人が近所の人】
年齢 金額
20代 3,000~5,000円
30代 3,000~1万円
40代以上 3,000~1万円
【故人が仲人】
年齢 金額
20代 1万円
30代 1万円
40代以上 1万円以上

プライベートな関係は間柄が多岐にわたるため、関係性の深さから香典の金額を決めるようにしましょう。こちらも親族のときと同じく、高すぎたり低すぎたりすると、遺族に迷惑がかかる可能性があります

3.会社の同僚や上司など仕事での関係

故人が仕事の関係者の場合は、親族や友人の場合よりもやや金額は下がります。ただし、あなたの立場や年齢によっては、まとまった金額を包む必要があるでしょう。

特にお世話になった関係者の場合も、相場より高めの金額を用意することがあります。また、個人ではなく会社名義や複数人での連名で出すケースも多いです。

【故人が同僚】
年齢 金額
20代 5,000円
30代 5,000~1万円
40代以上 1万円以上
【故人が上司】
年齢 金額
20代 5,000円
30代 5,000~1万円
40代以上 1万円以上
【故人が部下】
年齢 金額
20代 5,000円
30代 5,000~1万円
40代以上 1万円以上
【故人が上司の家族】
年齢 金額
20代 5,000円
30代 5,000~1万円
40代以上 1万円以上
【故人が同僚・部下の家族】
年齢 金額
20代 3,000~5,000円
30代 3,000~1万円
40代以上 3,000~1万円

このように、香典の相場は基本的に年齢や立場が上がるほど、金額も上がるものと考えましょう。後述する香典の成り立ちを考えると、年長者や立場が上の人ほど、高額を渡して遺族を手助けする必要性もあります。

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香典の包み方・マナー

香典にはさまざまなマナーがあります。通夜をはじめとした法要では、宗教や宗派ごとの決まりごとも多いです。基本的なマナーを確認しておき、失礼がないように気を付けましょう。

こちらでは、香典の6つのマナーについて紹介します。当日慌てないようにするためにも、ぜひ確認しておいてください。

1.お札の枚数は「1・3・5・10」の基本を守る

香典の金額では、「1・3・5・10」などの数字を使うことが多いです。これは結婚式の祝儀などと同じで、偶数の割り切れる数字を使ってしまうと、遺族と故人との関係が切れるという意味を連想されてしまいます。

亡くなった故人と遺族は、葬儀の後も供養やお参りなどで続いていきます。よって、基本的には奇数を念頭に入れて、故人との関係性や年齢を参考に金額を決定すると良いでしよう。

ただし「死」や「苦」などを連想することがないよう、「4」や「9」の数字が入る金額は控えるようにします。これは香典をはじめとして、さまざまな弔事に言えることです。よって5万円以上の金額を渡したいと考えている場合は、キリのいい10万円を用意します。

遺族にネガティブなイメージを抱かせてしまう危険性もある上、お悔みの気持ちで正しく伝わらなくなってしまうこともあり得るからです。

2.3,000円以下の香典はなるべく避ける

香典を用意する際、3,000円以下はなるべく避けましょう。これは金額自体がマナー違反というよりは、香典返しに見合わなくなってしまうからです。近年は、香典返しを当日おこなうケースも増えています。

香典返しは、香典の半額程度の品物を返すというのが一般的です。遺族は2,000~3,000円程度のお返しを用意していることが多く、それに加えて通夜振る舞いもあります。そのため、3,000円以下の香典だと、かえって遺族に負担をかけてしまうのです。

ただし、故人と顔見知り程度の浅い関係なら、3,000円の香典でも問題ありません。もしくはすぐに3,000円以上が用意できない場合も、気持ちという意味で3,000以下の金額でも良いでしょう。

ただしその場合は、香典返しの辞退を申し出たほうが無難です。辞退は受付で申し出が可能なので、遺族に直接伝える必要がありません。ただし確実に伝えたい場合は、香典袋に記載しておくと良いでしょう。

3.宗教に合わせて香典袋を選ぶ

香典袋は、故人の宗教に合わせたものを選びましょう。例えば、以下は宗教ごとに良いとされる香典袋の種類です。

・仏式であれば、蓮の花がデザインされた香典袋
・神式であれば、蓮の花がデザインされていない香典袋
・キリスト教であれば、百合の花や十字架が取り入れられたデザインがされている香典袋

水引事情も、宗教によって異なります。

・仏式であれば、黒白か双銀色。
・神式であれば白。
・キリスト教の場合は、水引は使わない

上記は基本的なルールですが、地域によっては黄白の水引を使用することもあります。その際は、向かって右側の水引を濃い黄色にします。

故人の宗教や宗派がわからず、周囲に確認できない場合もあるでしょう。その際には、白無地の袋を選ぶようにします。

特定の絵柄やデザインがなければ、マナー違反になることはないからです。水引も無くても構いません。「御香典」と表書きをすれば、シンプルですがいずれの宗教、宗派でも問題なく渡せます。

4.使い古したお札や新札を避ける

香典袋に入れるお金は、新札を避けるようにします。これは新札を用意して不幸を待っていたような印象を与えてしまい、マナー違反に当たるからです。

遺族はただでさえ、故人を亡くした悲しみを抱えています。そこにさらに不幸を予想していたとされる新札を渡してしまうと、遺族を不快にさせる可能性が高いです。結婚式などの祝儀では新札が望ましいとされていますが、葬儀の場合は反対なので注意が必要しましょう。

ただし、使い古したお札もまた汚く見えてしまいます。わざと古くて汚れたお札を用意するのではなく、極端なダメージのない、一般的なお札を包むようにしましょう。

なお、香典で新札を使わないという風習は、葬儀だけに当てはまるものではありません。一周忌・三回忌など、法事の場で使用するお札も同じ考えで用意します。

5.内袋には裏向きで入れる

香典袋には、お札を裏向きに入れるのがマナーです。肖像画が裏になるようにして包みます。これには「顔を伏せる」という意味があり、弔事に対する悲しい気持ちが込められています。複数枚のお札を入れる場合は、すべての向きをそろえるようにしましょう。

6.香典は袱紗に入れて持ち歩く

香典は、袱紗に入れて持ち歩くようにします。袱紗はもともと、貴重品や贈り物を持ち運ぶ際に、汚れがつかないように使われてきた袋です。袱紗に香典を包むのは、相手への敬意を表し、悲しみを共感しているという気持ちを表現できます。

袱紗のカラーバリエーションは豊富ですが、弔事では紺・深緑・グレー・紫などの寒色系が好ましいです。紫に関しては慶事と弔事の両方で使用できるので、1枚用意するなら紫を選びましょう。

袱紗の種類は、香典やお布施など、包む金額によって変わります。各袱紗の特徴と包む金額は、以下の表のとおりです。

種類 特徴 実際に包む金封の金額
金封袱紗 金封を入れやすいよう袋状になっている 1~3万円
爪付き袱紗 最もシンプルな四角い布状 最もシンプルな四角い布状
台付き袱紗 簡易の切手盆が付いている 3万円以上

金封袱紗は表中では略式の袱紗ですが、最近では手軽に利用されるようになっています。このように、紫は慶事でも弔事でも使えること、金封袱紗が略式であることを考えると、1枚だけを用意するならば紫の台付き袱紗を選ぶと良いでしょう。

包み方は、まずは袱紗を裏向きで置き、その上に金封を表書きが読める方向で置きます。このとき、中心よりも右側寄りに置きます。これは、金封袱紗同様に左開きにするためです。

次に、右側を中に折り込みます。その後は右側→下側→上側の順番に折ります。残った左側を折って包み、つめをさして留めます。

略式の金封タイプの場合は開きを左側にし、右側に香典袋を入れます。

香典袋の書き方

ここでは、香典袋の書き方について紹介します。香典を提出する機会はそこまで多くないため「経験はあるけど覚えていない」という方も多いでしょう。

香典を遺族が確認した際に、情報がわかりづらかったり、失礼な書き方になっていたりすると、せっかくの故人を偲ぶ気持ちが伝わりません。

香典は自身の気持ちを伝えるためのものなので、正しい書き方で相手に思いを伝えられるようにしましょう。

1.名前

香典の送り主の名前はフルネームで、正式には水引の下に薄墨で書きます。薄墨で書くのは、涙が墨で薄くなるという意味があります。

香典を複数人でまとめて渡すのであれば、次のように書きます。

名前の書き方
夫婦で参列する場合 夫婦共に故人と縁が深かった場合は連名にします。一般的には夫の名前だけでもかまいません。
2人で一緒に香典を包む場合 横に並べてそれぞれの名前を書きます。3人まで並べて構いませんが、四人以上の場合は「○○一同」と書きます。
会社の部署や複数人で包む場合 表書きには「○○有志」「○○会社経理課一同」のような一同の名称だけを書きます。参列者名簿には参列する全員の名前を書いておきます。
会社で香典を出す場合 会社名、役員の場合は役職を書きます。一行に収まらない場合は改行してもかまいませんが、氏名は中央にくるように書きます。

2.代理で参列する場合の名前

たとえば取引先などから会社に葬儀の案内が届いたとしても、社員全員が参列することは難しいという場合も多いでしょう。このような場合には、会社の社長や上司といった方の代理で参列することも少なくありません。

会社の方の代理で参列する場合、香典袋の中央より右側に会社名を、中央に役職、名前を記載します。

「株式会社〇〇 代表取締役社長 △△ △△」のように代理で参列するよう依頼した方の会社名や役職、名前を記載しましょう。参列後は葬儀に参列し香典をお渡しした旨を報告しておくことが大切です。

夫の代わりに妻が参列するのもよく見られるケースです。この場合の表書きには夫の名前を書き、その下にやや小さめの文字で「内」と記載することで妻が代理で参列したということを表せます。

3.金額

金額は旧字体の漢数字で書きます。日常的に使われる漢数字の「一」や「二」は線を一本加えるだけで違う漢字に変わってしまいます。中に入れている金額と異なる漢数字にさせないために、画数の多い旧字体での記入が一般的です。

一は「」、「二」は「」となります。「万円」は「萬円」と記入しましょう。以下に、そのほかの旧字体の例をご紹介します。

・千円→壱阡円
・三万円→参萬円
・五万円→伍萬円
・十万円→壱拾萬円

旧字体を使わない漢数字もありますが、旧字体が推奨される漢数字は旧字体にしておきましょう。

また、袋によっては金額の欄が設けられています。横書きの欄であれば、算用数字(アラビア数字)で書いても問題ありません。金額の欄が縦書きであれば、先ほど紹介した旧字体の漢数字で金額を記入しましょう。

横書きの場合は「1」「2」などの算用数字でもいいのですが、縦書き同様旧字体の漢数字を用いても構いません。算用数字が気になる場合は、旧時代の漢数字で記入しましょう。

金額の欄が縦か横かによって記入する文字の種類が異なるため、不祝儀袋の購入前にどちらであるかを確認してみてください。

金額の最後に「也」と書く方もいますが、つけてもつけなくてもどちらでも構いません。「也」とは「~円ちょうど」という意味があります。「円」より金額が小さい「銭」という単位があった時代に使われていましたが、「円」のみになった現在は不要だとされています。

4.筆記用具

金額の記入には薄墨の筆ペンや毛筆を使いましょう。薄墨には「涙で墨が薄まる」という意味があります。弔事のときは薄墨での記入がマナーとなっているため、記入時は墨の色にも注意しておきましょう。

外包みへの記入は毛筆や筆ペンがマナーとなっていますが、中袋への記入は黒いサインペンでも構いません。外包みと内袋の両方を毛筆や筆ペンで書いてもよいですし、毛筆が書きにくいのであれば中袋のみサインペンを使用しましょう。

宗教ごとの香典の書き方

宗教によって、不祝儀袋の表書きが異なります。ここでは、仏教・神式・キリスト教式、それぞれの書き方をお伝えします。

宗教によって書き方を変えないと、用意した香典が失礼に当たる可能性があるので注意が必要です。相手の宗教を確認して、適切な香典を用意しましょう。

1.仏式

仏式の香典では、無地の熨斗(のし)袋に白黒の水引がかかっているもの、または蓮の花の絵が描かれた熨斗袋を使用します。宗派が分からない場合の表書きは、「御霊前」と書くことが多いです。

ただし「御霊前」が使えるのは四十九日前までであり、それ以後の法事の際(四十九日、新盆、一周忌など)は「御佛前」「御仏前」を使用します。これは、故人が四十九日の後に仏の元に向かうという、仏教の教えによるものです。 関西・北陸地方では黄白の水引を使う場合があります。

浄土真宗曹洞宗では「御霊前」という言葉は使用せず、葬儀の際は「御仏前」「ご香典」「御香資」と書きます。浄土真宗の教えでは、亡くなったと同時に仏になるものであり、仏様の前に供えると考えるためです。その他の宗派では、「御霊前」「御香典」「御沸料」と書きます。

2.神式

神式の香典では双銀の水引がかかっているものを選び、表書きは「御玉串料」「ご霊前」「御榊料」「御神饌料(ごしんせんりょう)」「御弔料」「御神前」などと書きます。神式では葬儀後の法事として五十日祭や式年祭などを行いますが、その場合も同じ表書きで問題ありません。

玉串とは参拝者や神職が神前に捧げるもので、榊(さかき)などの常緑樹の枝に紙垂(かみしで)を付けたものになります。神式の場合も宗派は多くありますが、それによって表書きが変わることはありません。

3.キリスト教式

キリスト教式では、ユリの花や十字架が描かれたキリスト教用の不祝儀袋、または白無地封筒を選びます。表書きは「御花料」と書くのが一般的です。

キリスト教ではお香を供えるという概念がなく、香典という考え方がないため、弔慰金(ちょういきん)という名前で呼ばれます。葬儀後の法事として追悼ミサや記念集会を行いますが、その場合も同様に、表書きは「御花料」を使います。

また、カトリックでは「御霊前」の表記が認められていますが、プロテスタントではこれを認めていないため、キリスト教でも宗派が分からない場合は、「御花料」と書いておくといいでしょう。

4.無宗教・宗教が分からない場合

宗教者を招かない無宗教葬を行う場合や、故人の宗教・宗派が分からない場合は、特に決まりはありません。白無地袋に白黒の水引がかかっているものを選び、表書きは「御霊前」と書きます。

香典は、喪家の宗教や宗派に合わせて用意するのが丁寧とされているため、できれば参列前に喪家の宗教・宗派を確認し、どうしてもわからない場合のみ「御霊前」と書くとよいでしょう。

通夜での焼香のやり方、作法

こちらでは、焼香のやり方や作法について紹介します。右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香(まっこう)をつまみ、目の高さまで持ち上げるのが基本動作です。

この動作を「おしいただく」といいます。そして指をこすりながら香炉の中に落とします。これを1回~3回行うのが、焼香のやり方です。

焼香には「立礼焼香(りつれいしょうこう)」「座礼焼香(ざれいしょうこう)」「回し焼香(まわししょうこう)」の3種類があります。葬儀式場の規模や様式によって、焼香のやり方が異なるので確認しておきましょう。

1.立礼焼香

立礼焼香は、椅子席の式場で行われることが多いです。

1.香の順番がきたら、祭壇に進み、遺族に一礼します。
2.焼香台の一歩手前まで歩き、遺族や祭壇を見て一礼(または合掌)します。
3.宗派ごとの作法に従って、抹香(まっこう)をつまみます。
4.抹香を香炉の中へ落とします。
5.宗派ごとの作法に従って、1回~3回繰り返します。
6.改めて遺影に向かって合掌し、一礼します。
7.遺影の方を向いたまま、二、三歩下がり遺族に一礼し、席に戻ります。

2.座礼焼香

座礼焼香は、畳敷きの式場で行われることが多いです。基本的な順序は立礼焼香と同じですが、真っすぐ立たず、移動の際は腰を落とし、焼香の際は正座します。

1.焼香の順番が来たら前に進み、焼香台の手前で座って、遺族に一礼します。
2.仏壇(祭壇)の遺影に向かって一礼します。
3.その後、立ち上がらずに膝で焼香台まで寄り合掌します。
4.宗派ごとの作法に従って、抹香をつまみます。
5.抹香を香炉の中へ落とします。
6.宗派ごとの作法に従って、1回~3回繰り返します。
7.焼香が済んだら合掌をします。
8.仏壇(祭壇)前から下がり、遺族に一礼してから立ち上がって戻ります。

3.回し焼香

回し焼香は、会場が狭い場合などに行われます。自分で向かうのではなく焼香炉を回し、受け取った焼香炉を自分の前に置き、焼香が終われば隣の人に回します。

1.香炉が回ってきたら、軽く礼をして受け取ります。
2.香炉を自分の前に置き、仏壇(祭壇)に向かって合掌します。
3.宗派ごとの作法に従って、抹香をつまみます。
4.宗派ごとの作法に従って、1回~3回繰り返します。
5.合掌してから一礼します。
6.次の人に香炉を回します。

椅子席の場合は自分の膝の上にのせましょう。

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通夜の喪主挨拶のマナー・行うべきこと

こちらでは、通夜の喪主挨拶のマナーや、行うべきことについて紹介します。葬儀の喪主は、お葬式全体の決め事をするだけでなく、様々な場面において挨拶を行うことになります。通夜での挨拶は、故人への想いや、参列者への感謝の気持ちを伝える大切なことです。

喪主として正しい行動が取れるよう、内容を確認しておきましょう。

1.忌み言葉・重ね言葉を使わない

挨拶で気をつけなければいけないのは、忌み言葉(いみことば)です。忌み言葉とは、葬儀の場で使ってしまうと失礼にあたる言葉です。また、繰り返しとなる重ね言葉(かさねことば)も使ってはいけないとされています。

忌み言葉・重ね言葉 理由
重ねる、重ね重ね、再三、くれぐれも 不幸が重なる事を意味するため。
また、たびたび、しばしば、ますます 不幸が再び来ることを意味するため。
死ぬ、死亡、九、四 「苦しむ」「死」を直接連想させるため。

2.メモを見ながらでも問題ない

挨拶は全て覚えなければいけない、と思っている方も多いかと思いますが、故人に対する想い、参列者に対する感謝を伝えることが目的なので、メモを見ながらでも問題ありません。

メモを持たずに挨拶に臨むと、言葉に詰まり、正しくない言葉使いをしてしまい、かえって式の進行を妨げてしまう恐れがあります。メモを見ながら、しっかり言葉を伝えましょう。

3.簡潔にまとめる

挨拶は簡潔に、葬儀の挨拶は3分程度に収めるのがよいでしょう。長すぎるとスケジュールの進行に支障が出る可能性があります。故人との思い出や参列者へのお礼の言葉を簡単に述べ、進行に影響がない挨拶を考えてみてください。

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喪主挨拶の例文

通夜では、挨拶をしなければならない場面がいくつかありますので、それぞれの状況に合わせた文例をご紹介します。文例を参考にしていただければ、簡単に挨拶文を作ることができるはずです。

すべてを覚える必要はないので、メモに残すなどして、いつでも確認できるようにしておきましょう。

1.僧侶への挨拶例

【ご僧侶へ逝去の連絡をする時】

お世話になっております。○○町の○○でございます。先程主人の○○が亡くなりまして、ただいま自宅へと連れ戻りました。ご住職様に枕経をお願いしたいと思うのですが、ご都合はいかがでしょうか。

【ご僧侶が枕勤めに来られた時】

お忙しい中、ご足労いただきありがとうございます。○○もさぞ安心していることかと思います。不慣れではありますが、ご指導お願いいたします。では、よろしくお願いいたします。

なお枕勤め(まくらづとめ)とは、ご遺体を病院から安置先へ搬送した後に、安置した故人のそばで枕経(まくらきょう)を読んでいただく儀式のことです。

【ご僧侶が通夜に来られた時】

お忙しい中、お越しいただきありがとうございます。予定通り始めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【通夜での読経後にお布施を渡す時】

本日はご多用のところ、大変丁寧なお勤めを賜り、誠にありがとうございました。お陰様で、無事通夜を執り行うことができました。どうぞお納めください。

2.お手伝いの方や弔問客への挨拶例

【世話役・お手伝いの方への挨拶】

本日はお世話になります。至らぬ点などありましたら遠慮なくおっしゃってください。わからないことだらけなのでご迷惑をおかけすることもあると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

【弔問客に対する挨拶】

お忙しいところ、お越しいただきありがとうございます。生前は大変お世話になりました。○日○時に息を引き取りましたが、お陰様で大変安らかな最期でございました。

通夜での献杯の仕方は?

故人へ敬意を表する目的で、葬儀や法事後に食事の席を設けることがあります。スタートする時に、「献杯(けんぱい)」とかけ声をかけることはご存じでしょうか。誤って「乾杯」と声掛けしてしまわないためにも、前もって知識を身に付けておくと安心です。

そこでこちらでは、通夜での献杯の仕方について解説します。当日しっかりと行事を進められるよう、ぜひ確認してみてください。

1.喪主に依頼された人が担う

献杯は、喪主に依頼された人が担うことが大半です。基本的に通夜や葬儀の挨拶は喪主が行うため意外に感じるかもしれません。

とはいえ、故人とそこまで縁の無い方が行うことはなく、基本的には故人に親しい親族が行います。故人の兄弟や叔父叔母など、ある程度年齢を重ねていて、献杯の経験がある方に依頼されるケースが多いです。

仮に親族がいない場合は、友人や会社関係の人などに依頼されることもあります。こちらもある程度年齢を重ねていて、マナーや作法がしっかりとしている方が選ばれやすいです。

また献杯は基本的に「通夜振る舞い」など、会食の前に行なわれます。よって会食の進行の妨げにならないよう、スムーズに挨拶を行う必要があるのです。

葬儀自体が突然執り行なわれるものなので、献杯の依頼も前日~当日になってしまうことは珍しくありません。よって依頼を受けた際に、しっかりと遂行できるよう、あらかじめ「どういうことを話せば良いのか」を考えておきましょう。

2.挨拶を述べてから献杯を行う

献杯のかけ声を行う前に、簡単に挨拶を述べます。これは結婚式の乾杯の音頭などを想像するとわかりやすいでしょう。

親族の場合は、故人の幼少期のエピソードを話したり、身内しか知らないような故人の優れている点などを取り入れたりします。故人に思いを馳せられるような内容が好ましいです。

もし親族ではない人が献杯を求められた場合は、関係性によって内容を変えましょう。仕事関係の場合は、故人がどのような仕事ぶりだったかを話します。

友人関係の場合は、友人にしか見せない普段の様子や、人となりを混ぜて話すと好印象です。身内には見せていないような一面を見せることで、より故人を偲ぶ時間が深いものになります。

ただし、挨拶は簡潔に短くまとめるようにしましょう。故人との交流を考えるとついつい長く話してしまいがちですが、食事の前の行事なので、参加者に長いと思われないようにしてください。

3.タイミングは流れによって異なる

献杯を行うタイミングは、流れによって異なります。基本的には、通夜や葬儀が終わった後の会食の始まりに行います。通夜であれば通夜振る舞い、葬儀であれば火葬後の精進落しのタイミングがほとんどです。

また会食の中では、参加者全員に飲み物が行き渡り、喪主の挨拶のあとに行うことが一般的ですが、会の状況によっては前後することもあります。会食時の流れについては次の項で詳しく解説するので、参考にしてみてください。

突然献杯をお願いされると緊張してしまいますが、流れをしっかりと把握して、内容を予め決めておくとスムーズに行えます。

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献杯の流れ・挨拶例

こちらでは、献杯の流れや挨拶例について紹介します。葬儀自体が人生においてそこまでたくさん経験するものではないので、献杯に関しても知識があまりないという方が大半でしょう。

献杯の概要や関連したマナーや注意点を知っていれば、葬儀や法事後の食事の席で役立ちます。そこでここでは、献杯に関する基礎知識を確認していくので、ぜひご覧ください。

1.流れ

献杯の手順は、以下の7つです。

1.故人の位牌や遺影の前にお酒を供える
2.会の参列者にお酒などの飲み物を注ぐ
3.喪主(もしくは他の遺族代表者)が、会食開始の挨拶を行う
4.喪主が献杯のかけ声を依頼した人を紹介する
5.依頼を受けた人が挨拶を述べ、献杯の言葉をかける
6.参列者が献杯と唱え、黙祷や合掌を行う
7.喪主の挨拶とともに、食事を開始する

杯を捧げて故人に敬う気持ちを表すことを献杯(けんぱい)といいます。葬儀や法事後に食事の席が設けられた時に代表者の挨拶が済み、会食がスタートする前の声掛けとして使用する言葉です。

献杯は、基本的には葬儀の精進落としの後に行われます。親類の元に故人が火葬を済ませて、戻ってきたタイミングで食事をする流れです。

また、献杯は葬儀だけでなく、法事のお斎(おとき)の際も行います。お斎とは、法事の後に僧侶などと一緒に食事をする意味です。ただし、法事の場合は百箇日、一周忌、三十三回忌など法事の種類も葬儀と違って多いのが特徴です。

どれかひとつだけの法事で献杯を行えばよいわけではありません。法事をする度に食事の席を設け、献杯を行うことが理想となります。故人に敬意を表す意味でも、法事のお斎の際の献杯も欠かさずに行うようにしましょう。

2.作法

献杯は乾杯とは意味が大きく違っているため、乾杯のように高らかに発声して手を挙げるようなものではありません。故人を偲ぶための作法があるので、いくつか紹介します。

まず「献杯」という発声は、静かに落ち着いた声で行います。会場の雰囲気も厳かであることが多く、大きく元気な発声は似合いません。

そして杯を高く上げることはせず、少しだけ持ち上げる程度に留めます。顔より上など、高く掲げることは避けましょう。さらに献杯の後は、近くにいる人と杯をあわせないようにしてください。なるべく音を立てず、静かに進めるのがマナーです。

献杯のかけ声の後は、一口だけ口をつけ、静かに杯を置きます。この際、乾杯のように拍手は行なわず、黙祷や合掌で故人を偲びます。そして喪主や代表者からの「お召し上がりください」という言葉を持って、食事を開始します。

会食においても、大きな声を出さず、お酒もほどほどの量に抑えておきましょう。

3.挨拶の注意点

こちらでは、挨拶の注意点をいくつか紹介します。献杯を行う前の挨拶は、できるだけ短くするのがポイントです

故人を想うからこそ、挨拶はつい長くなってしまう部分でもあります。しかし挨拶が長くなりすぎてしまうと、周りも「まだなのか」と感じてしまうこともあるかもしれません。手短に、1分程度にまとめるようにしましょう。

また献杯を行うマナーとして、挨拶では縁起が悪いとされる忌み言葉を使うのは控えます。忌み言葉とは「たびたび」「くれぐれも」などの重ね言葉です。故人に敬意を表す献杯を行う前に、忌み言葉を使用するのは故人に失礼となります。

あわせて「四」「九」「死去」「生きる」といった言葉も使用を控えましょう。これらは「死」をイメージしやすい言葉です。遺族や親族、故人と親しい関係にあった人からすると、ダイレクトに「死」を感じてしまう点も注意しましょう。

4.献杯の挨拶例

献杯は挨拶を行う人が喪主ではないことも多いため、いくつかパターンを分けて紹介します。

【葬儀での献杯】

■喪主自身が挨拶を行う場合

本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。 故人も安心してくれていることかと思います。 この席では、父が好きだった酒を味わいながら、思い出話を伺えればと思っております。 それでは、まずは献杯させていただきます。献杯。

■故人の友人が挨拶を行う場合

故人とは学生時代からの友人の○○と申します。
このたびは突然のことで、未だに信じられない気持ちでいっぱいです。
今でも、目を閉じると彼の元気な姿が思い起こされます。
彼のことですから、きっと我々のことを見守ってくれていることでしょう。
どうか安心して、安らかに眠ってください。
それでは、これより献杯させていただきます。献杯。

■故人の親族が挨拶を行う場合

故人の弟でございます。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。
葬儀もおかげ様で無事に終えることができ、兄も一安心していることでしょう。
今日は兄の思い出を皆様と語らいながら、冥福を祈りたいと思っております。
それでは、献杯のご唱和お願いいたします。献杯。

【法事・法要での献杯】

■故人の親族が挨拶を行う場合

故人の長男の○○でございます。
本日はご多用のところ、お集まりいただきましてありがとうございました。
おかげ様で、無事に四十九日の法要を終えることができました。
忌明けを迎え、父も安心していることと思います。
今日は懐かしい思い出話でもお伺いできればと思っております。
それでは、献杯させていただきます。献杯。

■喪主自身が挨拶を行う場合

本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。
おかげ様で無事に一周忌を済ませることができました。
懐かしい皆様に囲まれ、母も喜んでいるでしょう。
今日は皆様と共に故人を偲びたいと思います。
それでは、故人の冥福を祈りまして、献杯。

通夜での食事会、通夜振る舞いとは?

通夜が終わったあと、参列者に食事が振る舞われる事があります。これは「通夜振る舞い」と呼ばれるもので、故人を偲ぶ場として提供されます。

こちらでは、通夜振る舞いはどのようなものか、どのような料理を用意すれば良いのかについて解説します。内容を把握して、参列者が満足の行く会が執り行えるようにしましょう。

1.通夜振る舞いとは

通夜振る舞いとは、故人を偲ぶ場として通夜の後に行われる食事会のことを指します。この形式は地方によっても異なり、料理や酒を頂くこともあれば、お菓子を持ち帰るだけであったり、お茶だけを頂いたりする場合もあります。

料理の場合、大皿での料理やオードブルなどが多いです。特別なテーブルマナーがあるわけではありませんが、ただ食事をするわけではなく、思い出などを語り、遺族たちの心を慰めるという意味もあります。

2.料理内容

通夜振る舞いで出される料理は、元来は肉や魚を使わない精進料理が好まれていました。しかし最近は、大人数で食べやすいように、大皿で刺身や寿司を出すことが増えています。サンドイッチもよく使われるメニューのひとつで、和食にこだわる必要はありません。

飲み物は、日本酒やビールといったアルコール類を用意することが一般的です。故人が好んで飲んでいた銘柄があれば、優先的に選んでもよいでしょう。

参列者のなかには、車で駆けつけてきた人や子どもがいることを考慮して、ソフトドリンクも用意しておくのがおすすめです。昨今は食物アレルギーも増えていますので、アレルギー食品を避けるといった配慮もできると、参列者も安心でしょう。

3.通夜振る舞いは行なわない場合もある

お通夜は参列者も急いで駆けつけるため、通夜振る舞いに参加する時間までは取れないことも少なくありません。また、十分なスペースのある部屋を用意できないといった理由から開催しないというケースも最近では増えました。

地域によっては、昔から通夜振る舞いの慣習がないところも多いようです。また、家族葬では基本的に通夜振る舞いはありません。折詰や商品券、ビール券といった粗供養品を渡すことで通夜振る舞いとすることもあります。

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通夜振る舞いの流れ

通夜振る舞いに参加するにあたって、勝手に着席して食べ始めるのは好ましくありません。一連の流れがあるので、失礼がないように覚えておきましょう。

十分なスペースを用意できない場合には、焼香から通夜振る舞いの席へと案内され、食事に手をつけたら退席するという流れにする形式もあります。以下で、一般的な流れを確認しましょう。

1.通夜振る舞いへの案内

お通夜の最後に、喪主もしくは葬儀社のスタッフから、通夜振る舞いに関する案内があります。案内に従って会場に向かいましょう。場所がわかっていても、勝手に入ってしまうと失礼になりかねないので注意が必要です。

通夜振る舞いに参加する際に、特別な受付などは必要ありません。席順も特に決まっていませんが、故人の写真や喪主に近い席には親族が集まることが一般的でしょう。途中で退席することも考えて、親族の間に割って入るような席は避けるのが無難です。

2.開式の挨拶

喪主の挨拶があってから、会食が始まります。それまでは勝手に食事に手を付けないようにしましょう。挨拶は特別な内容を用意する必要はなく、当たりさわりのない定型文で基本的に問題ありません。

【通夜振る舞いの挨拶例】

本日はお忙しいところ、夫○○のためにご焼香を賜りまして誠にありがとうございます。
また、故人が生前賜りましたご厚誼に対しましても、心からお礼申し上げます。
ささやかではございますが、故人の供養のためにも、どうぞお召し上がりください。

また、開式の挨拶と一緒に、お通夜に駆けつけてくれた僧侶の方に、喪主が代表してお礼を述べます。通夜振る舞いに僧侶の方も同席しているときは、近くに座っている人も、お礼の気持ちを伝えておくとよいでしょう。

3.会食開始

会食が始まると、遺族は参列者の席を回ってお酌をしながら挨拶します。気持ちだけが先行して話が長くなってしまうこともありますが、参列者は、あまり遺族と話し込まないように配慮するとよいでしょう。

お酌をされたら必ず飲まないといけないというルールはありませんが、ただ断るだけだと失礼にあたる可能性もあります。運転ができなくなるから、体質的に飲めないからといった理由を添えておくとよいでしょう。

4.閉式の挨拶

多くの場合、開始から1時間程度でお開きとなります。通夜振る舞いの終了も、喪主の挨拶を機とすることが一般的です。会式の挨拶と同様、特別なものではなく定型的な内容で手短に済ませて問題ありません。

【閉式の挨拶例】

本日はお忙しい中、父の通夜にご参列くださいまして誠にありがとうございました。
皆様のおかげをもちまして、滞りなく通夜を終了させていただくことができました。生前の父についての、いろいろなお話をお聞かせくださってありがとうございました。皆様から、私ども家族も知らないような、父の優しい一面を伺うことができました。本人も今頃大いに照れている事と思います。

父が生前、皆様に大変親しくお付き合いいただいたこと、改めてお礼申し上げます。
また、入院中は沢山の方にお見舞いいただき、ありがとうございました。故人に代わりましてお礼申し上げます。

まだまだ父を偲んでいただきたいところでございますが、夜もふけて参りましたので、本日はお開きとさせていただきます。
尚、明日の葬儀・告別式は、午後一時より当斎場にて予定しておりますので、お時間が許すようでしたら、お見送りいただければと存じます。どうぞお足元にお気をつけてお帰りください。

参列者としては、通夜振る舞いの場にあまり長居しすぎるのも好ましくないとされています。閉式の前に帰るときは、遺族の方に「お先に失礼します」とだけ伝えておくようにしましょう。

このタイミングで、告別式の日時と会場についての案内をされることがあります。事前に伝えられていることが一般的ですが、確認のためにもしっかりと耳を傾けておきましょう。

通夜振る舞いのマナー

こちらでは、通夜振る舞いに関するマナーについて紹介します。通夜振る舞いはただの会食ではなく、故人を偲ぶことが大きな目的です。

そのためお酒が入って気分が良くなったとしても、マナーを守り、遺族たちの心を慰めることを意識しましょう。通夜振る舞いに参加した経験がそこまで多くない方は、ぜひ以下の内容を参考にしてみてください。

1.通夜振る舞いは極力参加する

通夜振る舞いに参加する範囲については、地域によっても異なります。

一般的に関東方面では、学校・会社関係者、近所の方など一般会葬者も含めて通夜振る舞いに参加します。逆に関西方面では、遺族や親族のみで通夜振る舞いを行うことが多いようです。基本的には、その地域のしきたりに合わせるのがよいでしょう。

通夜振る舞いがある場合は、通夜式で僧侶が退場した後、喪主の挨拶と共にアナウンスされるため、参加する範囲内であればその指示に従うようにしましょう。

また上記で紹介した範囲外であっても、故人や遺族との関係性が深い場合や、遺族から参加を請われた場合は、参加する様にしましょう。

通夜振る舞いではお箸をつけることが供養になるとされているため、参加する場合は一口でも頂くのが礼儀になります。通夜振る舞い自体は1時間程度行われますが、故人や遺族と親しい間柄である場合を除いて、あまり長居はせず30分程で退席するのがよいでしょう。

参加をどうしても辞退する場合は、遺族や世話役の人たちに通夜振る舞いを辞退することを告げて挨拶し、目立たないように退席します。このとき、やむを得ない事情があることを伝えておくと丁寧です。

ただし、それでも重ねてお願いされた場合には、一口でも箸を付けるほうがいいでしょう。
その後、タイミングをみて挨拶し退席します。

2.故人に関係ない話は避ける

通夜振る舞いでは、故人に関係のない話はなるべく避けましょう。会の目的はあくまでも「故人を偲んで思い出話などをする」という点です。関係のない話ばかりだと、故人を思う会ではなくなってしまいます。

「故人とはこのような思い出があった」「故人はこういう性格だった」というように、故人に対しての話題をなるべく増やしましょう。もちろん故人の話ばかりでなく、久しぶりに会った遺族や知人との近況報告などをしても問題はありません。

とはいえあまりにも故人以外の話題が多くなりすぎると、せっかく会を開いてくれた遺族に対しても失礼に当たります。ただの飲み会ではないことを理解して、しっかりと故人を偲ぶ形を作りましょう。

3.大きな声を出したり、大きく笑ったりしない

思い出話をしていると、会話が弾んでしまうこともあると思います。しかし、通夜振る舞いでは大声で話したり笑ったりするのはマナー違反とされています。そもそも「偲ぶ」とは、過ぎ去った物事や遠く離れている人・場所などを懐かしい気持ちで思い出すことです。

故人との別れを噛み締め、その人について心を込めて想うことが求められます。特に遺族は、故人に対して深い悲しみを持っていることでしょう。

そのような状況で、大声で話したり、大きく笑ったりしてしまうと、遺族の「ゆっくり送り出したい」という思いを裏切りかねません。通夜振る舞いはあくまでも故人を偲ぶということを忘れないように、節度を持って会に参加しましょう。

4.遺族に対する配慮をする

通夜振る舞いでは、遺族に対する配慮を行うことも大切です。通夜振る舞いの間も、遺族は忙しく動きます。参列者への挨拶だけでなく、会の進行状況やおもてなしなど、やるべきことは様々です。

そのため、遺族と長く話し込んだりして、行動の妨げにならないように気をつけましょう。また通夜振る舞いにおいて遺族はもてなす側とはいえ、身内を亡くしています。そのため気遣いを忘れないことが大切です。

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まとめ

通夜中はいろいろとやることが多く、礼儀や作法についても決められているポイントが多いです。身内が亡くなって間もない状態での通夜なので、心身共に疲れているかと思われます。

前もって知識だけでも知っておくだけで、進行のスムーズさは大きく変わります。いざというときにしっかり対応できるように、不安な部分は確認しておいてください。

小さなお葬式では、ベテランのスタッフが日夜葬儀に対する相談を承っております。不明点があれば何でもご確認ください。