香典はボールペンで書いちゃダメ?薄墨を使う意味とともに解説

香典はボールペンで書いちゃダメ?薄墨を使う意味とともに解説

香典袋を書く際、「何を使って書くのか」「基本的な書き方はどうすればよいのか」など、気をつけたい点はさまざまあります。基本的な知識としてポイントを押さえておかないと、いざ香典を渡した際に遺族側に不信感を与えたり、迷惑をかけたりすることになりかねません。

しかし、香典袋の書き方には複数のマナーがあるため、難しいと感じる方もいるでしょう。今回は、香典袋の書き方について、一般的な書き方や使用するペンの種類、香典袋の選び方についても解説します。妥協せずに、しっかりとマナーを守って丁寧に執筆できるかどうかで印象が左右されますので、ぜひ参考にしてください。

こんな人におすすめ

香典袋の書き方を知りたい方

香典を書く時に用いるペンの種類を知りたい方

香典袋の選び方を知りたい方

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伝承されてきた香典袋の書き方

年を重ねるにつれて、書く機会が多くなってくるのが香典袋です。書き方やマナーをしっかり覚えてしまえば、書く度に頭を悩ませることも少なくなります。書き方によって遺族に与える印象も変わってくるので、しっかりと押さえておきましょう。ここでは、香典袋の書き方について紹介します。

「外袋」と「中袋」とは

香典袋には、「外袋」および「中袋」の2つがあります。「中袋」とは、遺族に渡す現金を封入するための袋です。「外袋」とは、現金の入った中袋を覆うように包むための袋です。それぞれに役割が異なるので、覚えておきましょう。

日常的に手にするものではないので、「どう書いて良いかわからない」ということもあるでしょう。まずは、何を書けばよいのか、具体的な項目を簡潔に解説します。

外袋と中袋に書く項目

外袋と中袋に書く基本的な項目は、それぞれ以下の通りです。

・外袋:「表書き」「名前」
・中袋:(表面)「金額」
    (裏面)「郵便番号」「住所」「名前」

まずは「表書き」から解説していきます。最も難しいのは、この「表書き」でしょう。表書きとは、香典を贈る名目のことです。例えば、仏式の葬儀の場で用いる「御霊前」や、四十九日以降に用いる「御仏前」あるいは「御沸前」などが挙げられます。これらはあくまで仏式上の言葉なので、故人が信仰していた宗派や宗教で左右されるということを念頭に置いておきましょう。

名前の記入方法についても注意点がいくつかあります。自分のみの香典をお渡しするのであれば自分の名前だけで構いませんが、家族や会社といった団体あるいは組織から一括して香典をお渡しすることもあるでしょう。その場合は、ケースごとのポイントがあります。

夫婦2名で出すケースの記入方法は、「夫の名前のみ記入する」あるいは「夫の名前の左隣りに名字なしの妻の名前を書く」の2通りです。基本的には夫のみで問題ありませんが、地域によって風習が異なることもあるので、親族や葬儀場のスタッフなどにあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

会社や友人など、複数人で一括してお渡しする場合は、基本的に年長の方や役職が上の方を主として書くのが一般的です。2名の場合は年長者や役職が上の方を「右」に、3名以上の場合は年長者や役職が上の方の名を「センター」に書き、左に流れる形で名前を書いていくのが基本とされています。

次に、中袋について解説していきます。中袋については、金額の表記の仕方に注意が必要です。基本的に表記には「大字」を用いることとされています。大字とは旧字体の漢数字のことであり、それに伴って綴り方も縦書きが通常です。例えば、「一」は「壱」、「二」は「弐」、「円」は「圓」などの旧字体の漢数字を使って、縦書きで綴った表記をすることになります。

具体的な書き方の例としては、封入している額が7,000円ならば「金七仟圓」、50,000円ならば「金五万圓」といった形です。特に「圓」の表記には地域によって「円」でも良いこともあれば、「圓」が望ましいこともあるので、注意を払って書きましょう。

書く時に用いるペンの種類とは

ここからは、香典を書く際に用いるペンについて紹介します。日常的に使用していて書きやすいボールペンを用いたいと考える方もいるかもしれませんが、果たしてボールペンは適しているのでしょうか。確認しながら見ていきましょう。

ボールペンってどうなの?

「外袋」か「中袋」、どちらに書くかによってボールペンを用いて良いかどうかが変わってきます。結論から言うと、「外袋」にボールペンを用いることは相応しくないとされていますが、「中袋」では用いても良いとされています。ただし、地域によって変わってくるため、事前にリサーチするのが望ましいでしょう。

「中袋」を書く際にボールペンを用いて良いとされる根拠は、金額や個人情報を記入するからです。「中袋」には、金額や香典の贈り主などの正確な情報を遺族側に伝える役割がありますが、そうした情報を薄墨や濃墨で書くと、文字の滲みによって読みにくくなる事態が起こりかねません。

そうした事態になると、遺族側が香典返しの際に誰からいくら香典をいただいたのかが分からず困ってしまいます。そこで、「表記通りの金額が入っているか」「住所が適切に記されているか」などといった正確な情報を伝えるためにも、「中袋」にはボールペンやサインペンを用いても良いとされているのです。

「外袋」には薄墨や濃墨がマナー

一方、「外袋」に表書きや名前を書く際には、ボールペンを用いることは相応しくないと言えます。遺族側に渡す際、最初に目に付くのは「外袋」であるため、ボールペンで執筆した場合見た目が良くないことが想像できるでしょう。

また、一般的な風習に則ってないため、受け取った側も不信感を抱いたり良く思わなかったりする可能性もあります。自身の誠意や同情の意を示すためにもボールペンの使用は控えたほうが賢明です。

基本的に、「外袋」は薄墨を用いて書くのがマナーとされており、「故人を失った悲しみの涙で墨が薄くなった」「急な訃報で慌てて葬儀に参加したため、十分な濃さの墨が用意できなかった」といった諸説から、そのマナーができたとされています。

また、法要によっては薄墨と濃墨との使い分けが必要とされており、葬儀や告別式には薄墨を、四十九日以降は濃墨を使用するのが一般的です。前者は、急な出来事であるため濃墨が用意できず薄墨を用いたという旨を表しています。

後者については、四十九日以降の法要のスケジュールを前もって把握できているため、濃墨を使用するのが定石です。前者と後者の使い分けにおいて、知らない方や間違える方もいるので、使い分ける理由を一緒に覚えておくと良いでしょう。

また、例えば京都においては、「外袋」を書く際は薄墨を使用せず濃墨を使用するなど、地域によって風習やマナーに違いがあるので、事前に確認しておくのが賢明だと言えるでしょう。

薄墨・濃墨がない時はどうすればいいの?

薄墨や濃墨がないため、ボールペンで書きたいと思う方もいるでしょう。しかし、一般的なマナーとしては薄墨や濃墨を使うことがふさわしいので、いざという時に備えておくのが賢明だと言えるでしょう。

薄墨や濃墨は、スーパーや100均ショップなどで筆ペンが販売されていますので、お手頃な値段で購入できます。また、コンビニエンスストアにも置いてあることが多いので、いつでも購入可能です。

香典袋は不幸があったときに書くのが一般的なので、前もって準備するのは不吉だと感じるかもしれません。しかし、筆ペンや濃墨は祝い事にも使えるので、あらかじめ準備しておくと良いでしょう。

香典袋の選び方

香典袋の書き方と筆記用具だけ注意しておけば、香典袋の種類は何でも良いと考えるかもしれません。しかし、仏教かキリスト教かといった宗教の違いや、浄土真宗などの仏教の宗派によっては香典袋の選び方が異なるので、注意が必要です。ここでは、宗教・宗派における適切な表書きとともに、香典袋の選び方について見ていきましょう。

日本の三大宗教における香典袋と表書き

日本の三大宗教である「仏教」「神道」「キリスト教」は、各々特有の香典袋や表書きがあります。仏教の宗派も同様です。一般的には、故人が信仰していた宗派・宗教に則って香典袋や表書きを使い分けるのが基本となります。

宗派・宗教の垣根を超えて広く使える形として一般的に知られているのは、水引が付いた「白黒結び切り」の香典袋に、「御霊前」という表書きの形式です。しかし、仏教の宗派の一つである浄土真宗とキリスト教では使用できないので注意しましょう。ただし、この表書きを「御香典」に変更すれば、浄土真宗であっても使用して構いません。

キリスト教式では、可能な限り水引なしの十字架、あるいは花模様の香典袋を用意しますが、ない場合は白封筒でも良いとされています。キリスト教式での表書きにおいては、プロテスタントであれば「お花料」、西方教会(カトリック教)であれば「御ミサ料」が良いでしょう。

神式の場合は、一般的に双銀か双白の結び切りの香典袋を用意し、表書きは「御玉串料」あるいは「御榊料」が基本とされています。宗派や宗教ごとの香典袋や表書きをすべて覚える必要はありませんが、使えるものと使えないものがあるということを知っているだけでも、いざという時に役に立つでしょう。

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まとめ

香典袋の書き方に際して、ボールペンを用いて良いかどうかは「外袋」「内袋」で決まります。また、香典袋の書き方・選び方に対してもしっかりと要点を把握することで、遺族側の気持ちに寄り添うことができるでしょう。

書き方や筆記用具に関してはあくまで一般論であり、すべての地域で共通するとは限りません。少なからず地域差がありますので、事前に親族や葬儀社に確認するといった対策を講じることが賢明です。

今回紹介した以外にも、香典袋の書き方について疑問が生じることもあるでしょう。そうした場合は、小さなお葬式にぜひご相談ください。香典袋のマナーに精通したスタッフが疑問に対して丁寧にお答えいたします。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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