故人を見送る際「棺桶」や「遺体」という言葉をよく耳にしますが、これらの意味を正しく理解されている方は実はあまり多くありません。
また、故人を火葬する際、棺桶に入れてもよいものと入れてはいけないものが存在することをご存じでしょうか。棺桶に入れてはいけないものを知っておくと、いざというときに火葬場に迷惑をかけずにすむでしょう。
そこで、この記事では棺桶や遺体の意味、棺桶に入れてはいけないものについて解説します。
<この記事の要点>
・棺桶とは故人を納めるための入れ物のことで、遺体が入っていない状態を指す
・遺体とは死人の体のことで、死者への敬意が込められた言い方である
・金属製やガラス製の装飾品は燃えにくいため、棺桶に入れてはいけない
こんな人におすすめ
棺桶とは何かを知りたい方
棺桶の中に入れてはいけないものについて知りたい方
ご臨終~納棺までの流れを知りたい方
棺桶とは、故人を納めるための入れ物のことです。鎌倉時代には「座棺」と呼ばれる儀式が主流であり、遺体を収めるための円形の入れ物が桶に似ていたことが名前の由来です。また、発音は「霊魂を受け継ぐ」という意味から来ています。
柩(ひつぎ)と混同されやすいですが、その違いは遺体が納められているかどうかです。遺体が入っていない状態が棺桶、遺体が納められると柩となります。
棺桶にはさまざまな種類があり、代表的なものが以下の4つです。
・木棺
・布棺・布張棺
・エコ棺
・エンバー棺
また、形にも以下のような種類があります。
・箱型(キャスケット型)
・山型
・かまぼこ型
・コフィン型
・インロー型
ご覧の通り、棺桶にはさまざまなタイプがあるので、故人にふさわしいものを選びましょう。
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棺桶のサイズや種類、副葬品を入れる際の注意点について
遺体とは、死人の体のことを指します。ここでは、遺体と死体の違い、使い分けについて見ていきましょう。
遺体と似た言葉として、死体が挙げられます。遺体は死体と比べて、死者への敬意が込められた言い方だといえるでしょう。そのため、ニュース等では遺体という言葉が用いられることが多いですが、死というものを端的に伝えるために、死体という言葉を用いることもあります。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
故人との別れを惜しむため、棺桶の中に思い出の品を入れることがあるでしょう。しかし、棺桶の中には何でも入れていいわけではなく、入れてはいけないものがあります。以下のものを棺桶に入れてしまうと、火葬時に問題になるので注意しましょう。
・金属製やガラス製の装飾品
・革製やビニール製のもの
・燃えにくい容器に入っている飲料
・カーボン製のもの
・水分をたくさん含んだもの
・分厚い本
・生きている方の写真
・現金
・爆発する可能性のあるもの
それぞれ、棺桶の中に入れてはいけない理由とともに詳しく紹介します。
金属製やガラス製の装飾品は非常に燃えにくく、遺体を汚してしまうので、以下のようなものは入れてはいけません。
・眼鏡
・指輪
・腕時計
・入れ歯
・義手や義足
上記は、誰しもが身につける可能性があり、誤って入れてしまう可能性が高いので注意しましょう。また、これらの装飾品を納めたいのであれば、火葬場に相談すると御遺骨と一緒に骨壷に納めてくれます。
革製やビニール製のものは、燃やすと溶け残るだけでなく、有毒ガスを発生させたり、御遺骨を汚したりする可能性があるので、革製やビニール製の以下のようなものは入れないようにしましょう。
・洋服
・靴
・おもちゃ
炉を痛めるので、多くの火葬場では上記のようなものを禁止しています。
故人と一緒に好きな飲み物も入れてあげたいところですが、燃えにくい容器に入っている飲料は避けた方がよいでしょう。
下記のような缶や瓶などは、燃え残るうえに有毒ガスを発生させる恐れがあるので入れてはいけません。
・缶ビール
・一升瓶
・ペットボトル
もし、飲料を入れるのであれば、紙パックのものにしましょう。
以下のようなカーボン製のものは、炉の故障に繋がる可能性があります。
・ゴルフのクラブ
・釣竿
カーボン製の商品はアウトドアで使うものやスポーツ用具に多いため、たとえ故人の趣味の道具であったとしても入れないようにしましょう。
水分をたくさん含んだ以下のようなものは、火葬の進行を遅らせるため控えた方がよいでしょう。
・果物
果物などは、故人が好きだったものとしてそのまま入れてしまわずに、ドライフルーツを入れたり、写真や絵に収めたりするなどして対応しましょう。
以下のようなページ数が多い本やハードカバーの本は、燃え残りや灰が大量に出ることがあるのでやめておきましょう。
・ハードカバーの本
・辞書
・アルバム
もし、故人が読書好きの方だったのであれば、一部のページを切り取るなどして対応してください。
棺桶の中に、生きている方の写真を入れるのは避けましょう。「生きている方の写真を入れるとその人もあの世に連れていかれる」という俗説があるからです。ただ、ペットの写真は例外ですので、故人が寂しくならないように写真を入れてあげましょう。
故人が、あの世に向かう道中でお金に困らないように棺桶の中に現金を入れたいところです。しかし、硬貨は燃えないうえに、現金を燃やすこと自体が違法なので現金は入れないようにしましょう。
以下のような、燃やすと爆発する恐れのあるものは、入れないようにしましょう。
・スプレー缶
・ライター
・電池
・ゲーム機
・医療器具
火葬時、棺桶の中に入れてはいけないものがある一方で、棺桶の中に入れるべきもの、あるいは入れてもよいものもあります。
あの世へ行かれる道中が少しでも充実することを願い、以下のようなものを入れてあげましょう。
・手紙や寄せ書き
・嗜好品
・少量の衣服
・思い入れのあるもの
・千羽鶴・朱印帳
・お花
・故人が写っている写真
ここからは、なぜ入れるべきか、なぜ入れてもよいのかを1つずつ紹介します。
故人が生前にもらっていた手紙や、最後に伝えたい思いなどを綴った手紙を棺桶の中に入れるケースは多いです。また、寄せ書きに用いる色紙を入れても問題ありません。
故人が生前に嗜んでいた飲食物やタバコなどは入れても大丈夫です。しかし、水分の多い食べ物や燃えにくい容器に入っている飲料は入れてはいけませんので、乾燥しているものや紙パックに入っているものにしましょう。
故人がよく着ていた洋服は、少ない枚数であれば入れることが可能です。しかし、金属やプラスチックの装飾品がついている場合は、取り外す必要があります。
故人と一緒に火葬したいものや、後で目にした時に辛いので現世に残しておきたくないものもあるでしょう。炉のトラブルに繋がらないものであれば入れることができます。
例えば、以下のようなものです。
・ぬいぐるみ
・書籍
・楽譜
燃えるかどうか心配なものがある方は、火葬場のスタッフに確認しましょう。
千羽鶴や朱印帳は、死後の幸福の意が込められています。千羽鶴は、大きすぎたり、量が多すぎたりすると火葬の進行を妨げる可能性があるので注意しましょう。
故人が好きだったお花を入れましょう。しかし、血を連想させる赤色、黒色のお花や棘や毒のあるお花は避けるように注意が必要です。
また、色の濃いお花を入れると、御遺骨に色が移ってしまうかもしれないので、色が薄いお花や白いお花を入れるようにするとよいでしょう。
生きている方が写っている写真は入れてはいけませんが、故人が写っている写真は入れても問題ありません。故人の個性にあった写真を選びましょう。
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小さなお葬式で葬儀場をさがす
ご臨終から納棺までには、ある程度決まった流れがあります。あらかじめ認識しておくと、いざというときに慌てずに済むでしょう。
ここからは、納棺までの一連の流れをわかりやすく紹介します。
ご臨終の際には、医師から死亡判定がなされた後に死亡診断書が出されます。
水を用意して、脱脂綿などを用いて故人との関係が深かった順に唇を潤します。これを「末期の水」あるいは「死に水」といい、あの世に行く道中で、喉が渇かないよう願いを込めた行為です。
故人の体をアルコールやお湯で拭き、口や耳などに脱脂綿を詰める「清拭」と呼ばれる措置を行います。清拭の後、身繕いがされるので、遺族は衣服を用意しておきましょう。
格好を整え、薄化粧をすることを死化粧と呼び、生前の面影に近づけるために行います。死化粧は、病院でやってもらうか、遺族が行うか選ぶことが可能です。
死化粧の後、遺体は霊安室に移されます。この際、親族へ訃報を送るようにしましょう。
遺体の搬送先を、自宅にするのか斎場にするのかを決めます。搬送先が決定したら、次に葬儀社の手配をしましょう。
遺体は搬送先が自宅や斎場に限らず、まず布団の中に安置します。この時、遺体は「北枕」にしてください。
枕飾りとは故人の枕元に置く祭壇のことを指します。枕飾りに必要なものは以下の通りです。
・白木台
・一膳飯
・水
・枕団子
・鈴
・菊などの植物
・花瓶
・線香
・香炉
・燭台
これらは葬儀社が用意してくれることが多いでしょう。
「枕勤め」と呼ばれる、遺体のそばで枕経を読む儀式を行います。この枕経が、ご臨終後の最初の仏事です。
僧侶に連絡したり、棺桶を決めたり、葬儀の内容を決めたりします。全てを1人で行うのは負担が大きいため、遺族や葬儀社のサポートを受けながら行いましょう。
故人をお風呂で清める「湯灌(ゆかん)」と呼ばれる儀式を行います。
納棺前、あの世へ向かう服装として死装束を着せます。また、死装束ではなく故人が着用していた洋服を着せるケースも少なくありません。
納棺師の手により、故人を納棺した後、手を合わせて蓋を閉めます。
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棺桶とは遺体を納めるための入れ物を指し、その種類は素材や形状によってさまざまです。また、遺体とは死人の体を指し「死体」との違いは、遺体のほうが敬った言い方になります。
棺桶に入れてはいけないものと、入れてもよいものがあるので、副葬品は慎重に選ぶ必要があります。故人を納棺する際には、大まかな流れが決まっているので、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
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