お盆やお彼岸には、家族や親族、親しい方を偲んでお墓参りに行く方も多いでしょう。しかし、普段あまりお墓参りに行く機会がない方は、準備に少し戸惑うこともあるのではないでしょうか。お供えのお花についてはこれといったきまりはありませんが、お墓にふさわしいお花の選び方や最低限のマナーについては知っておきたいものです。
本記事では、お墓参りでスムーズにお花をお供えできるように、おすすめのお花やお供えする際に知っておきたいマナーについて解説していきます。
<この記事の要点>
・お墓参りのお供えの花は菊、キンセンカ、カーネーションなどが一般的
・お供えするお花の費用は500円~1,000円程度が相場
・花束は2対同じものを用意し、本数は奇数にするのがマナー
こんな人におすすめ
お墓にお花を供える理由を知りたい方
お墓参りにおすすめのお花を知りたい方
お墓参りの供え方のマナーを知りたい方
お墓参りでお花を供える行為にはどのような意味があるのでしょうか。諸説ありますが、そのうちのいくつかを紹介します。
昔の人は、過酷な環境下でも力強く生き抜き美しく咲く花を、人間の人生になぞらえました。そして、「花のように耐え忍んで生きていきます」という誓いを込めてお花を供えるようになったと後世に伝えられています。また、仏様は食事をとる代わりに香りを楽しむことから、お香と一緒にお花の香りもお供えしたという説もあるようです。
他にも故人にきれいなお花を供えることで、故人の心が安らかになり、お供えをした人の心も清らかにするという意味もあるようです。お墓をきれいに掃除した後にお花を供えて、故人に感謝の気持ちと哀悼の意を込めて手を合わせると、心がすっきりと洗われたような気分になるでしょう。
お供えするお花については、特に決まりごとはありません。故人が好きだったお花やお供えする人の好みで選んで問題ありません。しかし、お花の種類はたくさんあるので、戸惑う方も多いでしょう。ここでは一般的に選ばれているお花を6つ紹介します。
お墓参りのお供えの代表的なお花は菊です。お花屋さんで仏花として売られているものに菊が入っていることは多々あります。菊の花は昔から長寿を象徴する植物で、邪を祓う力があるともいわれており、お墓参りに限らず、仏花として広く取り扱われている花です。四季を通じて手に入りやすく、日持ちがよいことや、色の種類が豊富であることも選ばれている理由です。
菊の仲間なので、同様に花の咲いている期間が長く、お墓参りにふさわしいお花です。「別れの悲しみ」や「寂しさ」といった花言葉から、故人を悼む気持ちが伝わってきます。花言葉のイメージとは異なり、黄色やオレンジの明るい色がきれいなお花です。
母の日のお花というイメージが定着していますが、お供えにも最適なお花です。母の日に赤いカーネーションを贈り、故人には白いカーネーションを贈るという習慣があることからも、お供えに選ばれていると考えられます。
カーネーションも1年を通して手に入りやすく、日持ちのする花です。きれいな優しい色合いが多く、お供えにふさわしいお花といえるでしょう。
小さな花が集まって咲く印象的な姿の花ですが、「変わらぬ心」や「途絶えぬ記憶」という花言葉があります。海外では「永遠の花」とも呼ばれています。
ドライフラワーとしても用いられることが多いスターチスですが、少ない水分でも枯れづらい特徴があるため、お供えにも適しています。
お供えには、紫や白、ピンクといった色が人気です。引き立て役のお花なので、メインの花の色と合わせて選ぶとよいでしょう。
グラジオラスは夏のお供えの花としておすすめです。まっすぐ伸びた茎に可愛い花を咲かせるグラジオラスは、暑さに強いお花として知られています。花の色も豊富なため、組み合わせやすいことも特徴です。「思い出」という花言葉からも、お墓参りのお花としてふさわしいといえます。
秋が近づくにつれてお花屋さんで見かけるお花です。しっかりとした太い茎の先に、筒状の花を咲かせます。青や紫色が主流なので、落ち着いた雰囲気の花束にしたいときにおすすめです。
お墓参りで絶対に選んではいけない花は基本的にはありませんが、お供えにタブーといわれる花は存在します。
まず、トゲのある花は避けましょう。昔からトゲのある花を供えることは避けられてきましたが、現代でもその慣習が残っているようです。トゲのある花の代表格といえばバラですが、故人の好きな花がバラだったのでお墓にお供えしたいという方もいるでしょう。その場合は、面倒でもトゲの部分を切ってお供えしましょう。
毒をもっている花も仏事全般で避けるのが無難です。お花の毒については、普段考えることは少ないかもしれませんが、彼岸花・水仙・スズラン・チューリップといった花には毒があります。どれも美しい花なので、意外に感じられるかもしれません。
特に彼岸花は、その名前からお供え向きの花のように思いがちですが、秋のお彼岸の頃に咲く花であることが名前の由来です。実は毒性が強い花のため注意が必要です。墓地や霊園にはさまざまな人が訪れます。周囲の方々に花の毒の害が及ばないようにしましょう。
また、「つる性」のお花もお墓参りの花には不向きとされています。たとえば、アサガオやクレマチスといった花は自生ができず、成長すると隣のお墓にまでつるが巻きつく恐れがあるため避けた方がよいでしょう。
墓地を訪れると、造花を供えてあるお墓を見かけることがあるかもしれません。では、生花でなく造花を供えることは、マナーとして問題はないのでしょうか。実際には、賛否両論の意見があるようです。
肯定的な意見 | ・造花のため、虫が寄りつかない |
・いつまでもきれいな状態を維持できる | |
・花のように散って周囲を汚すことがない | |
・掃除の手間がかからない | |
否定的な意見 | ・お墓参りに行く機会が少なくなってしまう |
・手抜きという感じが否めない | |
・仏教の教えに反する |
生花と造花のどちらをお供えしても、大切なことはお参りする人の「供養の気持ち」です。造花を供える方の中には、「生花だと掃除が大変だし、ちょっと面倒」と思っている方もいるかもしれません。しかし、その方の心の奥には「お墓をいつもきれいに華やかにしたい」という気持ちがあることも事実でしょう。
また近年では、プリザーブドフラワーをお供えすることもトレンドになっています。プリザーブドフラワーは生花のように見えますが、特殊な加工が施されており、半永久的に残るため、もちろん水やりの必要がありません。ただし、造花と比べるとかなり高価になります。
賛否両論ありますが、造花やブリザードフラワーを供えるとしても「供養の気持ち」があれば問題ないでしょう。
お供えするお花の費用は特に決まった金額はありませんが、仏花として花屋で売られているセットは500円~1,000円程度です。もちろん地域や時期によっても変動があります。
また、故人が好きだったお花を花屋に伝えて用意してもらうと、種類によっては2,000円以上になることもあります。お墓に供えるお花は、故人への気持ちが大切なので、気を遣って高価なお花をお供えする必要はありません。
仏花は、花屋の他、スーパーやホームセンターでも販売している店舗があります。安価で済ませたい場合はスーパーがおすすめです。1束500円以下で購入できることもあります。ただし、量販店は一度に大量に仕入れて価格を抑えているため、入荷が毎日あるわけではありません。そのため、花屋のものよりは質が落ちることは否めません。
墓地や霊園の近くには花屋があることが多いので、行く途中で購入するのがよいでしょう。
お墓参りに慣れていないとお花選びから迷ってしまいますが、一度ひと通り経験すると、次からは慣れてきます。ここからは、お花の供え方を順番に解説します。
通常の和型のお墓には花立てが左右に2つあるので、花束は2対同じものを用意するのが一般的です。このとき、お花の本数は奇数にするのがルールとされています。偶数は2つに割り切れることから、縁起があまりよくない数字となるので、3本か5本、または7本のお花を準備しましょう。
また、本数が多くなると、花と花の間にすき間がなくなるため湿気が溜まりやすくなり、虫がついたり枯れたりする原因になります。花立ての大きさに合った本数を用意しましょう。
お花を花立てにさす前に、注意しておきたいことがあります。お花を長持ちさせるために、まずは花立てをきれいに洗い、汚れを落としておきましょう。葉の部分は水につけないように注意が必要です。葉が水についたままになると、茎が腐りやすくなります。また、水に浸した状態で茎の先端をハサミで斜めに切ってあげると、花が水を吸収しやすくなり、より長持ちします。
花を花立てにさすときは、正面から見てちょうど逆三角形になるように形を整えて活けると見栄えがよくなります。手前にくる花は背丈の低いもの、後ろにいくほど背丈の高いものをさしていくと立体感が出て、まとまりのある美しい形になります。
造花を供える場合は、生花とは異なる注意事項があります。造花は軽いものが多いため、風が強い日には飛んでしまう可能性があります。そのため重りを一緒に入れるなど、工夫をするとよいでしょう。
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お墓にお花をお供えすると、故人の心に寄りそうことで、供える自分自身の心も穏やかになります。お墓に供える花については特別な決まりごとがないため、必要最低限のマナーさえ守れば選び方は自由です。お花選びに迷った際は、故人が生前好きだった花を思い浮かべたり、お花の花言葉を調べたりするとよいでしょう。
お墓参りの機会があまりない方が、いざお墓参りに行こうとすると、お花のことも含めてわからないことがいろいろと多いかもしれません。その際は、小さなお葬式にお気軽にご相談ください。
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