なぜ故人の遺体と一緒に寝る風習があるのか解説

なぜ故人の遺体と一緒に寝る風習があるのか解説

人が亡くなってからの対応には、地域によってさまざまな風習が存在します。仏教の教えに基づいており、場合によっては同じ部屋で一緒に寝たり、起きて見守ったりするという役割もあるようです。以前お通夜に出席したあとに、遺体と一緒に寝たという経験がある方もいるかもしれません。

寝ずの番や、夜伽といったさまざまな呼び方があるこの風習ですが、近年では行われることが減ってきました。しかし、まだまだ行われている地域も多くあります。自身が住んでいる地域の風習で行わなければならない場合、いくつかマナーややり方が存在するでしょう。

本記事では、遺体と一緒に寝ることになった場合に気を付けたい習わしなどを解説します。あわせて意味や由来も知っておくことで、風習をより身近に感じることができるでしょう。いざというときに慌てないためにも、ぜひ参考にしてみてください。

<この記事の要点>
遺体と一緒に寝る風習には、夜通しで翌日まで遺体を見守る意味がある
遺体と一緒に寝る風習は、仏教の教えから派生したお通夜の儀式のひとつである
遺体と一緒に寝る役割を任命された場合、線香が消えかけたら新しいものをつける

こんな人におすすめ

遺体と一緒に寝る風習について知りたい方

お通夜の歴史と寝ずの番の文化を知りたい方

遺体と一緒に寝る役割をする際の注意点を知りたい方

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遺体と一緒に寝る風習について

一般的に、家族が亡くなると、お通夜と葬儀が営まれます。仏教の宗教的な習わしに従い、いくつか儀式が行われるのが葬儀の一連の流れです。その中でも特殊なのが、お通夜のあと翌日の火葬までの間一緒の部屋で過ごして遺体を見守る風習です。同じ部屋で一緒に寝たり、交代で誰かが起きて見守ったりとさまざまな方法があります。

この風習には、地域差によっていくつもの呼び方があるため、定まった呼び方はないようです。線香を絶やさないよう見守ることで、遺体が何者かに連れ去られたり、勝手に動いたりしないよう守るなどの意味合いを持っています。

また、お通夜には名前の通り、夜通しなにかを行う儀式であったことがうかがえます。しかし近年では、遺体と夜通し同じ布団で眠るといった風習や習わしは失われ始め、簡略化される傾向があります。

このように簡略化が進んでいるお通夜ですが、地域によっては遺体と一緒に寝る風習は残っています。ここからは、その風習の由来を解説します。
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遺体と一緒に寝る風習の由来はお通夜の儀式

お通夜とは、僧侶に読経をしてもらうだけでなく、夜通しで翌日の火葬や葬儀まで遺体を見守る意味も込められているようです。そのため、地域によっては「夜伽」と呼ばれ、遺体と同じ場所、同じ寝所で朝まで迎える風習があります。同じ寝所でない場合は、線香の灯りを消さないよう見守り続ける風習があるようです。

現代まで脈々と受け継がれてきた習わしのひとつですが、社会の変化が進んできた中で、少しずつ失われ始めています。近年では、お通夜は夕方からの数時間で完了し、そのあとは安置できる場所に棺が置かれていることも多くなりました。

自宅でお通夜が営まれることは各段に減りましたが、昔ながらの風習を重んじる家庭ではまだ自宅でお通夜を行ったり、一緒の部屋で過ごしたりする可能性が高いでしょう。

古くからの言い伝えでは、線香の灯りが消えると、夜に乗じて人ではない何かに襲われるといわれています。線香の灯りを守る風習が行動として伝わっていることや、故人と一緒に過ごすことで、最後に普段通りの生活を体験させてあげる意味合いが生まれます。

寝ずの番の名称の違いと由来

「寝ずの番」と呼ばれるこの風習は、地域によって呼び方が異なります。例えば、「夜伽」と呼ぶこともあります。夜伽も同じく遺体と一緒に眠る風習のことを意味するため、寝ずの番と同義にあたります。ちなみに、夜伽には「眠っている故人の枕元に置かれた線香を絶やさず、悪しきものから守る」といった意味合いもあるようです。

寝ずの番の風習は仏教の教えから派生し、さらに地域に根付いた考えをもとに、さまざまな呼び方で広がっていったと考えられます。そのため、自身の地域でどのような呼び方をされていても、お通夜の儀式のひとつであるため、番の役目を担った場合は夜通し取り組むことが大切です。

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葬儀の歴史と風習の変化

お通夜をはじめ、葬儀は仏教が日本に渡来して以降の習わしとされていますが、起源は奈良時代にまで遡ります。当時はまだ葬儀や人を弔う方法にムラがあったり、独自の方法で埋葬されたりしていましたが、仏教が普及し始めたことで、徐々に定着化されたといわれています。

奈良時代以前より、故人を丁重に葬るという方法は存在していました。そこに仏教の教えが加わったことで、さらに丁寧で儀式的に変化を遂げたといわれています。中でも、お通夜に関わるルーツは仏教と深く関わっている傾向が強いです。

例えば、釈迦が亡くなった際、遺体を複数人で囲み、語り合ったという逸話があり、お通夜はそこがルーツではないかと唱えられています。夜通し故人を思い、極楽浄土に行けることを切に願いながら、悼む気持ちがお通夜の在り方だったのではないでしょうか。

また、故人を葬儀の前日に偲ぶのは、仏教だけの習わしではありません。例えば、キリスト教や神道などの多宗教でも、前日は故人のことを思い、偲んだり惜しんだりします。お通夜の在り方は宗教問わず行われる儀式だということがわかるでしょう。

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お通夜の歴史と寝ずの番の文化

平成初期ごろまでは、お通夜は自宅で執り行われ、そのあとの出棺や葬儀の工程も全て家で行われるのが一般的でした。しかし、少しずつ情勢の変化や文化が移り変わり、核家族が増え始めてきたことなどで自宅に弔問を招いての大々的な儀式や葬儀を行うのが難しくなってきたのが現状です。

そのため、全国各地には簡易的に儀式や葬儀を執り行う催事場が増え、短期間、短時間で儀式を簡略的に執り行えるようになりました。そのため、夜通し番をする必要や、自宅でさまざまな対応を強いられる負担が減ってきたようです。食事の用意も簡略化できるので、現代の忙しい人々にとっては、便利だといえるでしょう。

現代において、お通夜と称されている儀式は、仏教的な側面から見ると「半通夜」と呼ばれる儀式に近いです。半通夜がお通夜のスタンダードとして認知されているのが一般的です。よって、自宅以外の催事場等で執り行われる際は、寝ずの番がなくても問題ない場合がほとんどでしょう。
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寝ずの番の形の変化

お通夜の形態が変わってきたことで、寝ずの番や遺体と一緒に寝る文化にも少しずつ変化が見られるようになりました。例えば、催事場で遺体を安置する場合は、ろうそくや線香の火を灯し続けることは物理的に難しい傾向にあります。

中には、宿泊式の催事場があったり、仮眠できる場所が設けられたりしており、寝ずの番に対応可能な場所もあります。しかしその場合も、一晩係員がいない状況での火の使用は禁止している場合が多いようです。

そのため、近年はろうそくの火ではなく、ずっと見守ることなく灯り続ける電飾を採用するといった方法が見られるようになりました。親族が帰宅しても問題ない場合が多く、簡略化と共に習慣が変わりつつあることがわかります。

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遺体と一緒に寝る役割を任命された場合の注意点

一晩故人と同じ部屋で、ろうそくの番や寝ずの番をすることになった場合には、いくつか守っておきたいポイントやマナーが存在します。地域や宗教の差もありますが、基本的な部分は同じなので、頭に入れておきましょう。

服の注意点

寝ずの番の風習は、弔問客が帰宅したあと、親族や遺族のみの間で行われることなので、基本的にどのような服装でも構いません。地域によって、派手な色を禁止し黒や無彩色で統一するというきまりがある場合は、色を守ったうえで自由な服装やパジャマ、部屋着を着用するとよいでしょう。

自宅ではなく、宿泊施設付きの催事場で行われる場合は、スタッフに事前に確認しておくのがベストです。しかしその場合も、一般的な格好で問題ないといわれることが多いので、気負いしすぎる必要はありません。

線香はどうすべきか

寝ずの番の本来の目的でもある線香は、基本的に消えかかったら新しいものを付けるようにしましょう。そのとき、マッチやライターから直接火を付けるのは宗教上の理由でマナー違反とされています。必ず、ろうそくを介して線香に火を付けるようにしましょう。

また、線香に灯った火を消す場合は、手で仰いだり、専門の道具を使ったりして消さなければなりません。火消が見つからない場合は、手でそっとあおいで消すようにしましょう。

また、電気については一晩中起きているため、点けっぱなしでも問題ありません。故人が眠っているからという理由で消した方がよいのではと思いがちですが、見守り役優先で問題ありません。就寝する人がいる場合は、電気を消しても構わないので、普段通りのやり方で過ごしましょう。

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まとめ

古くからの習わしは、宗教観に基づいて現在に至るまで脈々と受け継がれています。お通夜のあとに行われる、「寝ずの番」と呼ばれる、故人と一晩を共にする儀式も同様です。現代社会において、少しずつ変化は見受けられますが、現代でもまだその名残が感じられるでしょう。

小さなお葬式では、さまざまな形式の葬儀や法要に対応しております。地域ごとの風習にも広く対応しているので、疑問点や「こうしたい」という希望にも柔軟に対応可能です。お通夜や、葬儀を検討している場合は、一度小さなお葬式までご相談ください。専門のスタッフがご相談者様の気持ちに親身に寄り添い、適切なアドバイスをいたします。

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監修
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