これまでお世話になってきたお寺を変更したいとなったときや、引っ越しが必要になったときなどは、お寺に申し出て離檀の手続きやお墓の移動を検討する必要があります。
しかし近年は、檀家を変えることにあらゆるトラブルが起きているため、お寺とはしっかりと話を進めることが重要です。
この記事では、檀家を変える理由を考えたうえで、変えることで得られる利点や、近年見られるトラブルなどについて解説しますので、参考にしてください。
<この記事の要点>
・檀家を変える理由には、住職の対応や距離の不便さ、檀家制度の負担などがある
・引っ越しでお寺から遠くなった場合は、檀家を変えるとお寺やお墓に通いやすくなる利点がある
・檀家をやめる際、お寺から「離檀料」の支払いを求められ、もめ事になる場合がある
こんな人におすすめ
檀家を変えることの具体的な利点を知りたい方
檀家を変える際の注意点やリスクを知りたい方
離檀の際に起こりやすい問題を知りたい方
宗派や地域における付き合いの関係で親交があるお寺や近隣にあるお寺などをはじめ、日本全国にはたくさんのお寺があります。その中からお寺を選び、その墓地にお墓を建てることでお寺の檀家になります。
お寺の檀家は地域の関わりや独自の慣習、家族の考え方などで決まるため、従来では別のお寺の檀家になることはほとんどないと考えられてきました。
「昔からなじみのある土地で眠りたい」という思いを持つ人は多いでしょうし、その考え方は今後もなくならないと考えられます。
しかし近年では、ライフスタイルや宗教、文化との向き合い方の変化により、檀家を変える人が増えてきました。つまり、お世話になるお寺を変えることが自然な行為になり始めています。
以上のことから、現在お世話になっているお寺に何らかの不便さを抱いている人は、選択肢の一つとして檀家を変えることを検討してみてはいかがでしょうか。
檀家を変える理由や事情はさまざまありますが、変更のきっかけや要因としては、主に下記のようなことが挙げられます。
・転勤や移住による引っ越し
・宗派を変える関係
・別のお寺を気に入った
・住職との相性
・お墓の管理が難しい
・お金の支払いが発生するのが嫌だ
このように、事情は些細なものからデリケートで難しい問題までさまざまあります。
中でもよくあるのは、引っ越しによる檀家変えです。隣町程度ならお墓に通うことはできますが、例えば「北海道から九州へ」といったように遠方への引っ越しの場合は、お墓の維持のために都度お寺に足を運ぶのはかなり非現実的です。そうなると、お寺を変えることでお墓を移動しようと検討する人は多いでしょう。
また、お寺を変えること以前にお寺にお墓を構えるという、従来の慣習から脱却しようとする人も近年は少なくありません。その場合、遺骨は散骨したり手元に置いておいたりして、新たな供養の方法を模索するかたちになります。
長年お世話になってきたお寺を変えることで、どのような利点が得られるのでしょうか。ここでは、檀家を変えることの利点について詳しく解説します。
引っ越しが原因で現在のお寺に通いにくいと感じている場合は、檀家を変えることで、お寺・お墓に通いやすくなることが考えられます。
毎日のように難なく通える距離なら、こまめにお墓に行くことでお墓を清潔に保つことができます。それによって大事な家族やご先祖様に失礼がないように過ごすことができ、墓守としての責任をしっかり果たすことが可能になります。
住職との相性の問題で檀家を変えた場合は、毎回のやり取りの際に感じるストレスが軽減されるはずです。
例えば「世代交代で住職が変わり、どうしても相性の悪さを感じてしまう」といったような悩みがある場合は、思い切って別のお寺を検討することもあるかもしれません。
例えば亡くなった家族が「あの世に旅立った後は、海の見える場所でゆっくり眠りたい」といっていた場合、檀家を変えることで意思を尊重してあげることもできるかもしれません。
つまり、上記のケースでは海が見える墓地を探してそのお寺の檀家になるとよいでしょう。「あの意思を叶えてあげられなくて心残りになっている」という悩みがある場合は、これを機に檀家の変更を考えるのもよいでしょう。
檀家変えではなくそもそも檀家になるというシステムから抜けたいときは、実際にやめることで、檀家料やお布施などの支払いがなくなります。
宗教に対する考え方や意見は人それぞれのため、檀家になって費用がかかることに、どうしても抵抗を感じる人は少なくありません。
そもそも費用の負担がなくなれば家計的に助かる家庭も多いはずです。家計的に厳しく困窮している場合、檀家を抜けて支払いから解放されたいと感じている人も多いでしょう。
宗教観の多様化により檀家を変えることを選ぶ人が以前より増えてきたとはいえ、それでも檀家変えをする人はそこまで多くないのが現状です。
檀家変えにはいろいろとリスクが伴うこともあるので注意は必要です。慎重に判断するためにも、以下のリスクや注意点、デメリットにはしっかり目を向けておきましょう。
引っ越しは専門用語で「改葬」といいますが、これを済ませるためには少なく見積もったとしても100万円ほどの費用がかかります。
そのため、お墓の移動や檀家変えは気軽にできるものではなく、計画する際にはある程度費用を確保しておく必要があります。
別のお寺の檀家になったとしても、そのお寺は必ずしも自分たちにとってよいところとは限りません。
例えば現在のお寺と相性が悪かったり、別のお寺に魅力を感じたりして檀家変えをした場合は、よりよい環境になることを期待してしまいがちですが、実際の相性や環境のよさなどはしばらく経ってからでなければわかりません。
結果として「前のお寺のほうがよかった」となる可能性もゼロではないため、檀家変えやお墓の移動は勢いのまま決めてしまわないことが重要です。
地元のお寺との関係は、地域全体の関係にもかかわる可能性があります。自分たちだけが檀家を変えるとなれば、お世話になった親族やご近所の方とトラブルが起きてしまうことも可能性としては考えられます。
地域独自のルールや慣習がより強いところは、檀家変えにあたってさまざまな人に話を通さなければならない場合もあるでしょう。
詳細については次の項目で触れていきますが、中にはお寺ともめてしまうケースも珍しくありません。
檀家を変えることで生まれる離檀料の問題や、そもそも抜けさせてもらえないといったことが挙げられます。
もちろん「宗教の自由」にのっとって考えれば、檀家を変えることは不可能ではないのですが、さまざまな事情によりトラブルになるケースは少なからずあります。
したがって変更の申し出においては、できるだけ角が立たないように相談することを考えましょう。
そのお寺にお世話になることをやめる、つまりは檀家から離れることを「離檀」と呼びます。読み方は「りだん」です。上でも軽く触れてきましたが、檀家を変える際には、お寺との間で起こりやすい離檀にからんだ問題に注意する必要があります。
前もって注意を向けておくべきポイントは、離檀料といわれる費用です。これは平たくいうとやめる際に支払う謝礼金のようなものです。しかし、厳密にいうと、離檀料やその関連のお布施の支払いは必ずしも行うものではありません。しかし、中には、「聞いたことのないような額が離檀料としてかかるといわれた」「離檀料を払わないと伝えたら離檀を認めないといわれた」といったもめ事が見受けられるのも事実です。
とはいえ、お世話になったお礼を示す「気持ち」なので、実際には離檀料を支払ってやめることがほとんどでしょう。いざ収拾のつかないもめ事になってしまったときは、必要に応じて弁護士に相談することも検討しましょう。
ときとして、お寺側が理由もなく離檀を受け入れないパターンもあります。これには、地域的なつながりや慣習もあると思いますが、日本では宗教・信仰の自由が保証されているため、この場合は離檀を受け入れないお寺側に問題があるといえます。
こういった場合においてもトラブルが収束しないときは最終的に弁護士に相談する必要があります。必要以上にもめ事を大きくしないためには、当事者として冷静に対処することが必要不可欠です。
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檀家を変えることにはさまざまな見方がありますが、近年では改葬したり、もしくは墓所を使用する権利の返却を済ませたりする人も増えてきています。
ただし、お世話になってきたお寺から別のお寺に変更するということにはリスクが伴うことも事実です。メリットとデメリットはよく確認したうえで、自分たちにとって後悔のない選択肢を模索していきましょう。
小さなお葬式では、檀家変えやお寺を選ぶときのお悩みについてもご相談を承っております。変更の方法や手順についてもしっかりとサポートさせていただきますので、お困りの際には、お気軽にお問い合わせください。
お亡くなり後の手続き・直近の葬儀にお悩みの方は 0120-215-618 へお電話ください。
訃報は、死亡確定後、なるべく早く届けることが大切です。ホゥ。