初穂料は、ご祈祷やお祓いを受けた際に神様に納める金銭のことです。七五三や厄払い、地鎮祭などを予定している方の中には、初穂料の包み方やマナーを知りたいという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、初穂料の正しい書き方や包み方を紹介します。事前にマナーを確認しておけば、いざというときに慌てることなく対応できるでしょう。
<この記事の要点>
・初穂料は「蝶結び」の水引がかけられたのし袋に包む
・水引の上部には「初穂料」や「御初穂料」と記載する。お寺であれば「御布施」や「御礼」を使用する
・初穂料のお札は、肖像画が封筒のおもて側の上部に来るように入れる
こんな人におすすめ
初穂料を初めて包む人
七五三や厄払い、地鎮祭などを予定している人
封筒の具体的な書き方が知りたい人
初穂料を渡す際に、その場で財布からお金を取り出して渡したり茶封筒に入れたお金を渡したりすることは失礼にあたります。初穂料を包む封筒や水引の種類にはきまりがあります。マナーを確認しながら準備を進めましょう。
初穂料は「蝶結び」の水引がかけられたのし袋に包みましょう。何度でも結びなおせる蝶結びには「おめでたいことが繰り返し起こるように」という願いが込められています。
お宮参りや七五三など、おめでたい行事の際は紅白の水引を選ぶのが一般的です。赤色には「魔除け」、白色には「神聖で穢れがない」という意味があります。
結婚式などの慶事では「結び切り」の水引を使用するのがマナーです。そのため、「おめでたい行事=結び切り」というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし、結び切りは結びなおすことができないように固く結ばれています。結婚式では「繰り返すことのないように」と願いを込めて結び切りを使用しますが、逆に「何度でも繰り返したいようなうれしいお祝い」に対しては使用を避けるのが賢明です。
初穂料はのし袋に包むことが望ましいですが、用意することが難しい場合は水引がプリントされた封筒や、無地の白封筒を使用しても問題ありません。
ただし、金額が大きい場合はのし袋に入れましょう。神社によってはのし袋の種類が指定されていることもあるので、事前に確認しておくと安心です。
初穂料の封筒・のし袋の表書きや中袋の書き方にはきまりがあります。ここからは、のし袋と白封筒それぞれの正しい記入方法について解説します。
のし袋の表側に記載するのは、表書きと名前です。まず、水引の上部に「初穂料」や「御初穂料」「御玉串料」と記載します。お寺であれば、「御布施」や「御礼」などと記載しましょう。
水引の中央下部には、御祈祷を受ける方の氏名を記載します。七五三の場合であれば、記載するのは七五三を迎える子どもの名前です。地域によっては、御祈祷を受ける子どもの名前の横に保護者の名前を併記することもあるため、事前に確認しておきましょう。
のし袋に入っている中袋には、金額と住所、名前を記載します。30,000円を包む場合は「金 参萬圓」「金 参萬圓也」というように旧字体を使用して中袋の表側中央に金額を大きく記入しましょう。
また、裏側には住所と名前を書きます。封筒の左下の部分に、右から「住所」「御祈祷を受ける方の名前」の順に記入しましょう。
白封筒を使用する場合も、「表書き」「名前」「金額」「住所」の4つを記入します。封筒の表側、中央上部に「初穂料」、中央下部には御祈祷を受ける方の氏名を記入しましょう。
また、封筒の裏側左下に包んだ金額と住所を記載します。住所よりも金額のほうが若干大きくなるように文字の大きさを調整すると全体のバランスが整います。
のし袋や封筒に記入する名前は、御祈祷を受ける方の名前です。行事ごとに記載する名前は、下記の表を参考にしてください。
七五三 | 七五三を迎える子の名前 |
お宮参り | 赤ちゃんの名前 |
厄払い | 厄払いを受ける方の名前 |
安産祈願 | ・右側:御祈祷を受ける夫の名前 ・左側:御祈祷を受ける妻の名前 |
地鎮祭 | ・自宅:施主の名前 ・事業所:右に会社名、左に代表者の役職と名前 |
初穂料は「お札の向き」「お札の上下」「お札の使用感」に気をつけて包む必要があります。神様に対して失礼のないように、正しい作法を覚えて渡しましょう。
お札を複数枚包む場合はお札の向きをそろえましょう。その際に、お札の角をそろえるのも大切なポイントです。お札がまとまって取り出しやすくなり、受け取る側がスムーズに金額を確認できます。
お札は、肖像画が書かれているほうがおもてです。お札の肖像画が封筒の表側の上部に来るように入れるのが一般的です。
なお、肖像画が見えないように封筒に入れるのは不祝儀の際のマナーです。お祝い事にはふさわしくないので、間違えないように注意しましょう。
「慶事では新札を包む」というイメージが強いですが、初穂料は必ずしも新札を用意する必要はないといわれています。
ただし、お祝い事で使用するお金であるため、シワや汚れの多いお札は避けましょう。新札がない場合は「あまり使用感のないお札」を選んで包むことをおすすめします。
行事当日に慌てることのないように、初穂料に関する基本的なマナーやルールを覚えておきましょう。
ここからは、初穂料を渡すタイミングやマナーについて解説します。
初穂料は、行事の当日に御祈祷前の受付で渡すことが一般的です。受付では、専用の用紙に御祈祷を受ける方の「住所」「名前」「御祈祷料」などを記入します。その用紙を提出するときに、初穂料も一緒に渡しましょう。
初穂料の入った封筒は直接鞄に入れずに「袱紗(ふくさ)」に包んで持ち歩き、手渡す際に袱紗から取り出すようにしましょう。
のし袋や封筒に包んだ金額を記載する際は、「大字(だいじ)」と呼ばれる旧字体を使用します。大字は漢数字に比べて画数が多く複雑なため、数字の改ざんを防ぐことを目的として古くから使用されてきました。代表的な大字は以下の通りです。
漢数字 | 大字 |
一 | 壱 |
二 | 弐 |
三 | 参 |
五 | 伍 |
十 | 拾 |
千 | 阡 |
万 | 萬 |
円 | 圓 |
初穂料としてお渡しする金額にきまりはなく、それぞれの「お気持ち」で包んでよいとされています。しかし、神社によってはあらかじめ金額がきまっていることもあるため、前もって必ず確認するようにしましょう。
また、初穂料に使用する封筒の種類や、初穂料を用意する人についてしきたりがある地域も少なくないので、行事の前に地域の慣習についても調べておくと安心です。
神社によっては、御祈祷の際に神主がのし袋に書かれた名前を読み上げることがあります。そのため、読み間違いがないように名前の横にフリガナを記載しておきましょう。
フリガナは名前の右横に小さめの文字で記載します。苗字が難読の場合は、念のため苗字にもフリガナをふっておきましょう。
「初穂料」と「玉串料」はどちらも神様に捧げるものとして使用されますが、それぞれの意味合いには明確な違いがあります。
神に喜びや感謝を伝えるためのものとされている初穂料は神葬祭(葬儀)のような弔事の際には使用しないのがマナーです。
一方で、玉串料は「神に捧げる玉串の代わりのもの=神様とのつながりを強くするためのもの」であり、おめでたい意味は持ちません。神道の弔事でお金を包む際は「玉串料」を使用しましょう。
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初穂料は神様に捧げるための金銭です。初穂料を包む際は、ルールやマナーを事前に確認して失礼のないように努めましょう。
初穂料と似た意味をもつ「玉串料」は、神道の慶事や弔事に参列する際に使用します。
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