火葬の後、残った遺骨は骨壷に納められ、多くは四十九日の法要の際にお墓や納骨堂に埋葬・納骨されます。骨壷や骨壷を入れる骨箱などは見慣れないものですから、取り扱いや持ち運び方法に迷われる方も多いのではないでしょうか。
この記事では遺骨を納める骨壷と、骨壷を運ぶ際に使う風呂敷の包み方や取り扱い方を解説します。遺骨を納める骨壷の正しい取り扱いを知ることで、もしもの時にも落ち着いて対応できるでしょう。ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・骨壺や骨箱を風呂敷で包むことで、運びやすくなり周囲への配慮もできる
・紫色や白色の風呂敷を使い、正しい結び方の手順で骨壺や骨箱を包む
・専用の骨壺バッグや保冷バッグを使用してもよい
こんな人におすすめ
風呂敷を使用する理由について知りたい人
骨壷の正しい包み方について知りたい人
風呂敷以外の方法も知りたい人
火葬後に残った遺骨は骨壷に納められ、遺族が自宅等へ持ち帰ります。その後、四十九日の法要の際、もしくはお墓・納骨堂などの準備が出来次第、納骨式を行いお墓に埋葬したり納骨堂などに納められたりします。
骨壷に遺骨を納めた後は、骨壷を「骨箱」と呼ばれる専用の木製の箱に入れるのが一般的です。火葬場の方が骨箱を風呂敷に包んで渡してくださる場合もありますが、納骨式の際などには自分で骨箱を風呂敷に包みなおして納骨場所へ持ち運ぶこともあるでしょう。そこで、ここでは風呂敷を使用した骨箱の包み方やマナーについて解説します。
火葬が終了すると、遺族・親族は火葬場の収骨室にて、遺骨を2人1組で収骨し、骨壷へ納めていきます。収骨は「お骨拾い」や「骨上げ」とも呼ばれます。収骨の際には1本は白木、もう1本は竹といったように、長さと素材がそれぞれ別の物で作られた専用の収骨箸「骨上げ箸」を使うのが特徴です。
収骨は1人が収骨箸で持ち上げたお骨をもう1人に渡して骨壷へ納めるか、2人同時に一片のお骨を拾い上げる方式で行います。「箸渡し」と呼ばれるこの行為は、食事の際はマナー違反になります。しかし収骨時は、この世とあの世の境にあるとされている三途の川を故人が無事に渡れるように「橋渡し」をする、という意味で行われます。
遺骨を納めた骨壷・骨箱は納骨まで自宅等で保管されます。後飾り壇の上に置き、包んでいた風呂敷は外して供養するのが一般的です。骨壷は陶器製が多く割れやすいため、骨壷をさらに木製の骨箱に入れる方もいるでしょう。
箱に入っていると、もし中の骨壷が割れてしまっても遺骨を紛失せずに済みます。骨箱は桐箱が主流ですが、布張りで外側が装飾してあるものなど、さまざまな種類があります。
布張りの骨箱や桐箱に被せて使う骨覆い(こつおおい)もデザインが豊富なため、故人のイメージに合った色を選ぶのもよいでしょう。
火葬後、自宅へ戻る際などに自家用車やタクシーだけではなく、公共交通機関を使う場合もあるでしょう。その際に骨壷や骨箱をそのままの状態で持ち運ぶと、それを見かけた他の乗客の中には「不吉だ」などと不快に思われる方もいるかもしれません。
また、骨壷や骨箱には持ち手がないため、そのままの状態では両手で抱えるようにして運ぶ必要があります。しかし、風呂敷で包むことで運びやすくなり、周囲への配慮にも繋がります。
移動中に風呂敷が解けたり崩れたりすることも考えられるため、自分で包み方を知っておくと安心です。
遺骨を納める骨壷や骨箱には、大きさやデザインなどでさまざまな種類があります。風呂敷もそれに合わせた大きさやデザインで選ぶ必要があります。そこで、包み方を知る前に、骨壷や骨箱、風呂敷の選び方について紹介します。
骨壷の大きさには2寸・2.3寸・3寸・4寸・5寸・6寸・7寸・8寸・尺寸の9種類があります。一寸は約3センチなので、7寸の場合は直径が約21センチの骨壷となります。
東日本では火葬後、全ての遺骨を収骨するため、7寸の骨壷が選ばれています。一方、西日本では、遺骨の一部を収骨する傾向があるため、5寸~6寸の骨壷が多く使われます。
2寸~4寸の骨壷は小さな子どもが亡くなった際や、分骨や手元供養の際に使います。7寸よりも大きい8寸~尺寸の骨壷は、墓じまいや改葬などで複数の骨壷に入っていた遺骨をまとめて入れる際に適しているでしょう。
大きさ | 用途 |
2寸 | 分骨用・手元供養用・赤ちゃん用 |
2.3寸 | 分骨用・手元供養用・赤ちゃん用 |
3寸 | 分骨用・手元供養用・赤ちゃん用 |
4寸 | 分骨用・手元供養用 |
5寸 | 部分収骨用 |
6寸 | 部分収骨用 |
7寸 | 全収骨用 |
8寸 | 墓じまい・改葬用 |
尺寸 | 墓じまい・改葬用 |
骨箱を風呂敷で包みたい場合、風呂敷はどの程度の大きさがあれば包めるのでしょうか。例えば、7寸の骨箱は高さ約28.5センチ・幅約24センチ・奥行約24センチです。その場合、三巾(みはば・約105センチ)~四巾(よはば・約130センチ)の大判の風呂敷を用意すると安心できるでしょう。
大きい風呂敷を使うと結び目が大きくなってしまいますが、包めないことはないため、迷った場合には大きめのものを選ぶとよいでしょう。
風呂敷のデザインには特別きまりはなく、好きな色や手元にあるものを使用しても構いません。一般的には白い風呂敷を使う傾向が多いでしょう。
また、高貴な色として慶弔両用使いできる紫色もよく使われます。仏事ですので、紺や灰色などの濃い寒色系でもよいでしょう。素材は耐水性があり、しわになりづらく家庭でも洗えるポリエステルの風呂敷がおすすめです。
収骨後に火葬場の方が骨壷や骨箱を風呂敷で包んでくれる場合もありますが、地域や火葬場によっても異なります。自分で風呂敷を用意して包まなければならない場合もあるため、正しい包み方を知っておくとよいでしょう。
全収骨した場合、7寸の骨壷を使用するのが一般的です。骨壷を本骨箱に入れた場合は下記の手順で包んでいきます。
1.風呂敷をひし形に広げ、骨箱の正面が自分に向くように、風呂敷の中央に置きます
2.風呂敷の後ろ側の角を骨箱の前方に持っていきます
3.余った部分がある際は、骨箱の下に入れ込みます
4.手前側の風呂敷の角を骨箱の後方に持っていきます
5.左右の風呂敷の角を骨箱に添うようにして持ち上げて交差させます
6.右側にある角を左側の風呂敷の下からくぐらせます
7.たるまないように注意しながら骨箱上部の中央で結びます
8.1度結んだ左右の角を再び同じように結びます
9.結び目をしっかりと引っ張り、形を整えれば完成です
骨箱に入っていない骨壷を包む場合も同様の手順で問題ありません。
分骨箱の場合も、基本的には本骨箱と同様です。ただし、大きいサイズの風呂敷で小さめの骨箱を包む場合は、布が余り過ぎたり不安定になったりする可能性があるので注意が必要です。以下の手順で包むときれいに仕上がるでしょう。
1.風呂敷をひし形に広げ、骨箱の正面が自分に向くように、風呂敷の中央に置きます
2.風呂敷の後ろ側と手前側の角を持ち上げて交差させ、骨箱上部中央で1度結びます
3.2度結べるようであれば、2度結んでも構いません
4.左右の風呂敷の角を骨箱に添うようにして持ち上げて交差させます
5.右側にある角を左側の風呂敷の下からくぐらせます
6.たるまないように注意しながら骨箱上部中央で結びます
7.1度結んだ左右の角を再び同じように結びます
8.結び目をしっかりと引っ張り、形を整えれば完成です
骨壷を入れる骨箱を持ち運ぶ際には、風呂敷で包んで持ち運ばなければならないというきまりはありません。専用の骨壷バッグや、代用したバッグ等で持ち運ぶことも可能です。ここでは風呂敷以外で骨壷を運ぶ方法について紹介します。
骨壷バッグとは、骨壷や骨壷を入れた骨箱を持ち運ぶための専用のバッグです。マチが広く底板やクッションが入っており、骨箱を入れても十分な高さがあります。
素材も破れにくく比較的安価な不織布や、しっかりとしたポリエステルを使ったものなどがあり、手提げタイプだけではなくショルダータイプもあります。移動距離などを考慮し、自分に合った使いやすいものを選びましょう。
専用の骨壷バッグではなく、一般的に売られている保冷バッグでも代用は可能です。アウトドアなどで使用するものはマチが広く高さもそれなりにあり、比較的クッション性も高いため、サイズさえ合えば代用できるでしょう。
骨壷バッグは知識がある方が見れば骨壷が入っているとわかります。周囲の方に気づかれずに持ち運びたいという場合は、保冷バッグで代用することをおすすめします。
「骨壷や骨壷を入れる骨箱を包んだ後の風呂敷の処分はどうしたらよいのかわからない」という方も多いでしょう。ここでは骨壷や骨箱・風呂敷の処分方法を紹介します。
骨壷や骨箱、それらを包んだ後の風呂敷はゴミとして処分しても構いませんが、分別は各自治体のルールに従う必要があります。骨壷や骨箱はそのままの形ではなく、ハンマーや金づちなどで砕いたりして小さくし、外側から分からないよう配慮するとよいでしょう。
骨壷は陶器のものが多いので、叩けば小さく砕けます。骨箱も木製のためハンマーなどで叩いて割り、ゴミ袋に収まるようにしましょう。風呂敷は別のことに使用するのに気が引ける場合には、そのまま可燃ゴミとして処分してもよいでしょう。
ゴミとして骨壷などを自分で処分することに気が進まない場合には、専門業者に処分を依頼することもできます。また墓じまいや散骨で骨壷が不要になった場合には、墓じまいをした寺院や散骨業者で引き取ってもらえることもあるでしょう。また、依頼すればお焚き上げで供養してから処分をしてくださる寺院もあります。
お焚き上げをおこなっているかや費用については依頼先によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
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遺骨を納める骨壷にはさまざまなサイズがあります。火葬後に全収骨するのか部分収骨するのかで使用するサイズが変わります。また、骨壷や骨壷を入れる骨箱の大きさに合わせて、持ち運ぶための風呂敷のサイズを選ぶ必要があります。サイズに迷った際は大きめの風呂敷を用意しておくと安心です。
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初七日とは故人の命日から7日目に行われる法要のことです。ホゥ。