葬儀を執り行う場合、地域や宗派によっては、会場入り口付近に花輪を飾ることがあります。大切な親族や友人が亡くなり、花輪を贈りたいときに、どのようなマナーがあるか気になる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、花輪の基礎知識について解説します。マナーを身に付けることで、ご遺族に失礼のない対応を取れるでしょう。
<この記事の要点>
・花輪とは追悼の意味を込めて贈る花のこと
・花輪を贈ってよいかの確認は遺族ではなく、葬儀社に聞くのがマナー
・花輪を贈る際は、花輪に芳名名札を添えるのがマナー
こんな人におすすめ
どんな花輪を贈ればいいのかわからない方
花輪の贈りかたのマナーが知りたい方
花輪を受け取った場合のお返しの方法が知りたい方
花輪は、故人と近しい関係にある親族や友人、会社が贈る花のことです。花輪を贈る習慣がない地域もあるため、初めて見る方にとっては、何なのか気になると思います。ここでは、花輪の意味や由来について理解を深めましょう。
花輪は、追悼の意味を込めて贈る、造花や生花を丸型にアレンジした飾りです。丸型の飾りの下には、立てかけるための土台があるのが特徴です。花輪の下の部分には会社名や送り主の名札が付いています。
花輪は開店祝いといったお祝い事にも利用され、赤などの華やかなデザインのものをよく目にすると思います。しかし、葬儀で飾る花輪は、白や黒、紫、緑といったお別れの場にふさわしい色が基本です。
花輪と似た言葉に「花環」があり、どちらも「はなわ」と読みます。花環の意味も、「造花や生花を丸型にアレンジした飾り」で、見た目などに違いはほとんどありません。
花輪がお別れの場で飾られるようになったのは、古代ギリシャ時代のある習慣が深く影響しているといわれています。
地中海には「月桂樹」が多く生息しています。月桂樹には魔よけの効果があるとされ、古代ギリシャでは病人の家に飾る習慣がありました。
病人が出ると家に月桂樹や花を飾る習慣は、やがて世界中に広まり、現在の花輪につながっていると考えられています。
故人の住んでいた地域や家系の宗派によって、好まれる花輪の大きさやデザイン、形などは異なるため、注意が必要です。
例えば関東などでは花輪が主流です。一方、関西では魔よけの役割があるシキミという葉を飾る習慣があります。また、大型の花輪は周辺の景観やスペースの問題で設置できない場合もあるため、ご遺族に迷惑を掛けないためにも、あらかじめ葬儀社などに連絡しましょう。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
花輪を贈る際の費用の目安は、1万円~2万円程度です。費用の内訳は、設置代や片付け代、送料などになります。具体的な費用は、事前に手配先に確認しておくと安心です。
大きさによっては、平均費用よりも高額になる場合もあります。ただし高すぎるとご遺族に気を遣わせてしまうこともあるため、ご家族と十分に話し合った上で検討しましょう。
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花輪を贈りたいときには、「葬儀社」「花屋」「インターネット」のいずれかの方法で花輪を手配します。ここでは、3つの手配方法の注意点について理解を深めましょう。
花輪を贈りたいときには、葬儀を執り行う葬儀社に連絡すれば、確実に手配してくれます。葬儀社はご遺族の意向や宗派、会場の設置の可否などを把握しているため、スムーズに対応してくれるでしょう。
葬儀社に依頼する場合には、芳名名札の書き方や予算などを伝えます。葬儀社が分からないときには、葬儀会場に連絡し、聞いてみましょう。
お気に入りの花屋があれば、葬儀用の花輪を扱っているか確認するのもよいでしょう。配達できる地域に葬儀会場があるか、葬儀の前日までに配達してもらえるかなどを把握することが肝心です。
また、葬儀社と提携している花屋もあります。提携先ではない花屋からの受け取りはできない葬儀社もあるため、あらかじめ葬儀社に連絡しておくと安心です。
ネット上でデザインを見て、自分で注文する方法もあります。インターネットから注文する場合には、届く日程がいつになるか確認した上で利用しましょう。
故人が好む色味や地域の習慣に合った色を選んだほうがよいケースもあるため、他の親族とコミュニケーションを取りながら、検討しましょう。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
葬儀に際しては、遺族を不快な気持ちにさせないように、あらゆる面で配慮することが重要です。ここでは、花輪を贈る際のマナーについて理解を深めましょう。
家族葬であれば、スペースの問題で置けない場合もあります。依頼できる業者が決まっているケースもあるため、事前に確認すると安心です。
なお花輪を贈ってよいか遺族に聞くのはマナー違反です。花輪に関する疑問は、葬儀社や葬儀会場に問い合わせましょう。
芳名名札とは、花輪の送り主の名前を記載する札を指します。花輪を贈る際は、花輪に芳名名札を添えるのがマナーです。
例えば1人の個人が贈るときは、フルネームで名前を1行で記載します。複数の子どもや孫で贈る場合は、名札の左側に「○○家」、中央に「子供一同」「孫一同」と記載しましょう。
友人が連名で贈る際は、名札の左側に「大学名やゼミ名など」、中央に「○年度卒 友人一同」と記載します。そして、友人の個人名を記載した送り状を添えましょう。
葬儀は、故人の家系が信仰している宗教に基づいて執り行われます。中には花輪を置く習慣がない宗教もあるため、注意が必要です。
例えばカトリックやプロテスタントといったキリスト教の葬儀は、一般的に生花が好まれます。造花を使用した花輪は設置しないケースもあるでしょう。
日本には昔から、葬儀に花輪を添える習慣があります。ただし、必ず花輪を飾らなければならないわけではありません。「静かに見送りたい」といった遺族側の意向から、花輪の辞退もできます。
葬儀社や会場側が設置を許可していても、贈らないほうがよいケースもあるため、葬儀社に確認した上で贈りましょう。
葬儀に参列すると、花輪以外にも、菊やユリ、コチョウランといったさまざまな花を目にすると思います。ここでは、花輪以外に葬儀の際に贈れる、供花や枕花、献花について理解を深めましょう。
供花とは、「きょうか」または「くげ」と呼ばれる、お悔やみの気持ちを添えて贈る花です。主に、ユリや菊、コチョウランなどの生花を選び、色合いは白や黄色、グリーンなどにします。送り主の名前が分かる名札を添えるのが基本です。
供花は、祭壇の両脇など会場内に置かれます。供花を贈りたいときには、通夜の前日までに届くようにスケジュールを組みましょう。
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枕花は、葬儀の前から故人の枕元に置き、長い間故人に寄り添う花です。そのため、故人と特に近しい関係にある方のみが贈れます。主にユリや菊といった白い生花を贈るのが一般的です。
枕花は故人に対して最初に供える花となるため、早めの手配を考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、あまり早い段階で到着してしまうと、故人の訃報を待っていたかのような印象を与えてしまうため、タイミングに気を付けましょう。
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献花は、お別れの気持ちを込めて、祭壇やひつぎに花を供えることを言います。主にキリスト教や仏教などの葬儀でする儀式です。献花では、菊やカーネーション、生前故人が好きだった花、花祭壇に飾られている花を1本ずつ供えていきます。
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小さなお葬式で葬儀場をさがす
花輪を受け取った際には、できるだけ早い段階で、お礼状やお返しの品を贈ることが必要です。
香典も合わせて受け取ったときには、香典返しの品と一緒にお礼状を送りましょう。費用の目安は、花輪と香典の合計額の1/3~半分程度です。ご家族で十分に話し合って金額を決めることをおすすめします。
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花輪は、造花や生花を丸型にアレンジした飾りで、葬儀会場の入り口付近に飾ります。花輪を贈る際には、ご遺族の意向や会場に設置できるかなど、葬儀社にしっかりと確認することが大切です。
「小さなお葬式」では、花輪をはじめとする葬儀に関する正しい知識を発信しています。葬儀について不明な点がありましたら、24時間365日対応の「お客様サポート専用ダイヤル」をご利用ください。
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「お悔やみ申し上げます」は通夜や葬儀の定型句なので、宗派を気にせず使えます。ホゥ。