浄土真宗は日本の仏教の中でも信者数が最も多い宗派です。しかし、浄土真宗がどのような経緯で生まれたのか、どのような特徴があるのかまでは知らない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、浄土真宗とはどのような宗派なのかを解説します。また、浄土真宗の葬儀の流れやマナーについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・親鸞が開いた浄土真宗は日本最多の信者数を持ち、「本願寺派」と「大谷派」の2大勢力がある
・大谷派の葬儀は「葬儀式第一・葬儀式第二」の2段階に分かれて行われる
・本願寺派も大谷派も焼香の流れは同じだが、回数が異なるため注意が必要
こんな人におすすめ
浄土真宗の宗派について細かく知りたい人
浄土真宗を信仰している人
浄土真宗の葬儀に参列予定の人
仏教にはいくつもの宗派があり、浄土真宗もその1つです。しかし、浄土真宗が生まれた経緯や特徴など、知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、浄土真宗の歴史と信仰者の数について解説します。
浄土真宗は鎌倉仏教の1つで、浄土宗を開いた法然の弟子「親鸞聖人(しんらんしょうにん)」が開いた宗派です。
もともと親鸞は天台宗の僧侶として20年間激しい修行をおこなっていましたが、天台宗の教えでは自身の抱える悩みを解決できず、比叡山を下りました。その後、法然と巡り会い、浄土往生を説く教えに感化され、その教えを継承して広めました。
浄土真宗の10の宗派が「真宗十派」です。真宗十派は、「浄土真宗本願寺派」「真宗大谷派」「真宗高田派」「真宗仏光寺派」「真宗興正派」「真宗木辺派」「真宗山元派」「真宗出雲路派」「真宗三門徒派」「真宗誠照寺派」となっています。
この中で勢力が最も大きいのが「浄土真宗本願寺派」「真宗大谷派」の2つです。
文化庁が発表した宗教年鑑のデータでは、浄土真宗本願寺派は約784万人、真宗大谷派は約735万人の信者がいます。仏教系の信者数の約2割が浄土真宗の信者であり、国内の伝統仏教系では最大の勢力です。
また、浄土真宗には多くの宗派がありますが、「浄土真宗本願寺派」「真宗大谷派」がほとんどの割合を占めています。
参考:令和3年版 宗教年鑑/文化庁
浄土宗や浄土真宗で読まれるお経「大無量寿経」「阿弥陀経」「観無量寿経」をまとめて「浄土三部経」といいます。ここからは、経典の特徴について紹介します。
大無量寿経(だいむりょうじゅきょう)は、7000余りある釈迦の説いた一切経の中でも重要なお経です。親鸞自身も、一切経の中で「唯一の真実のお経」と述べています。お釈迦様がこの世に生まれた目的や仏教を説いた目的などが説かれているお経となります。
阿弥陀経(あみだきょう)は、大無量寿経とともに「浄土三部経」の1つに数えられています。大無量寿経を「大経」と呼ぶのに対し、阿弥陀経は「小経」と呼ばれます。阿弥陀経は極楽浄土の様子やそこに住む人々の楽しい生活を説いています。
観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)も「浄土三部経」の1つで、略して「勧経(かんぎょう)」とも呼ばれています。観無量寿経では、「罪人であっても南無阿弥陀仏を唱えることで極楽浄土へ行ける」と説かれています。
また、マガダ国の王妃、韋提希夫人(いだいけぶにん)が幽閉された「王舎城の悲劇」という出来事から、韋提希夫人を幸せに導いた説法も記されています。
浄土真宗の葬儀はどのように執り行われるのでしょうか。葬儀の流れについて理解していれば、参列した際にも落ち着いて臨めるでしょう。
また、真宗本願寺派と真宗大谷派では葬儀の流れが異なります。ここからはそれぞれの葬儀の流れについて解説します。
浄土真宗本願寺派の葬儀の流れは以下の通りです。
1.開式 | - |
2.三奉請(さんぶしょう) | 阿弥陀如来などの仏様をお招きします。 |
3.表白(ひょうびゃく) | 葬儀の趣旨を述べます。 |
4.正信偈(しょうしんげ) | 親鸞の著した「教行信証」の偈文を読経します。 |
5.焼香 | - |
6.念仏・和讃(わさん) | 短念仏を唱え、仏様の教えを賛美して見送ります。 |
7.回向(えこう) | 読経の功徳をすべての人に回し向けます。 |
8.閉式 | - |
9.喪主の挨拶 | - |
10.出棺 | - |
真宗大谷派の葬儀の流れは以下の通りです。また、大谷派の葬儀は「葬儀式第一」「葬儀式第二」の2段階に分かれて行われます。
1.導師・参列者入場 | - |
2.総礼(そうらい) | 参列者全員で念仏を唱えます。 |
3.勧衆偈(かんしゅうげ) | 衆生に仏心を勧める偈文の読経をします。 |
4.念仏 | 短念仏を10回唱えます。 |
5.三匝鈴(さそうれい) | 鈴を小から大へ打ち上げます。 |
6.路念仏(じねんぶつ) | 南無阿弥陀仏四句を一節とする独特の言い回しの念仏。 |
7.導師焼香・総礼 | - |
8.表白(ひょうびゃく) | 葬儀の趣旨を述べます。 |
9.正信偈(しょうしんげ) | 親鸞が著した「教行信証」の偈文を読経します。 |
10.焼香 | - |
11.念仏・和讃(わさん) | 短念仏を唱え、仏様の教えを賛美して見送ります。 |
12.回向(えこう) | 読経の功徳をすべての人に回し向けます。 |
13.総礼 | - |
自宅で葬儀が執り行われる場合には、「葬儀式第一」となり、まずは葬儀式第一・棺前勤行として念仏などが行われます。次に、葬儀式第一・葬場勤行として、鈴を鳴らす「三匝鈴(さんそうりん・さそうれい)」や焼香などが行われるという流れです。葬儀式第二は地域によって式次第が組み直されます。
葬儀にはマナーや作法が存在します。知っておかないと失礼になる場合もあるため、きちんと押さえておきましょう。ここでは浄土真宗の葬儀のマナーとして、香典袋の書き方と焼香の仕方について解説します。
浄土真宗の場合、故人は臨終後すぐに極楽浄土へ行くと考えられているため、四十九日前であっても不祝儀袋の表書きは「御仏前」または「御香典」と書くのが作法です。「御霊前」とは書かないように注意しましょう。
焼香は下記の通りに行います。
1.焼香卓の前で一礼し、抹香を3本の指でつまむ
2.本願寺派の場合は、抹香を額に持っていかずに、そのまま1回だけ香炉にくべる。
大谷派は2回香炉にくべる
3.合掌して南無阿弥陀仏を唱える
4.焼香卓から後ろに離れた場所で立ち止まり、一礼してから席に戻る
日本にはさまざまな宗派がありますが、浄土真宗では他の宗教観は好まない傾向にあります。そのため、「般若心経を読む」「線香をたく」「位牌を使う」「仏壇に故人の写真を入れる」「お盆に迎え火・送り火する」といったことは避けたほうがよいでしょう。
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浄土真宗は親鸞が開いた宗派で、信者数は日本最多です。浄土真宗には「浄土真宗本願寺派」「真宗大谷派」の2大勢力があり、それぞれ葬儀の流れが異なります。浄土真宗についてよく理解した上で、葬儀に参列しましょう。
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