訃報の連絡を受けたものの、弔問したり葬儀に参列したりできない場合には、お悔やみの手紙を送ります。いざというときに慌てないためにも、書き方を身に付けておけば安心です。
この記事では、送り方、マナー、内容、文例などについて詳しく解説します。
<この記事の要点>
・お悔やみの手紙は、葬儀に参列できない場合に弔意を伝えるために書く
・お悔やみの手紙は死亡日を含めて7日目の初七日までに送る
・お悔やみの手紙に時候の挨拶は不要で、縁起の悪い「忌み言葉」を使用しないように注意する
こんな人におすすめ
お悔やみの手紙について知りたい人
お悔やみの手紙を送る際のマナーについて知りたい人
お悔やみの手紙の文例について知りたい人
お悔やみの手紙とは、何のためにいつ送るものなのでしょうか。また、便箋や封筒などに決まりはあるのでしょうか。まずは基本的知識について解説します。
訃報の連絡を受けた際に、事情により、葬儀に参列できなかったり、故人宅への弔問にうかがえなかったりする場合があります。
その場合に弔意と、弔問にうかがえないことに対するお詫びの気持ちを示すために遺族宛に送るのがお悔やみの手紙です。また、故人の葬儀が終わった後に訃報を知った場合などにも送ります。
お悔やみの手紙は死亡日を含めて7日後の初七日までに送るのが一般的なマナーです。訃報を知り、通夜や葬儀に参列できない場合には、すぐに送りましょう。
ただし、初七日後や葬儀後、または喪中ハガキが届いたタイミングなどに訃報を知ることもあります。その際にはできるだけ早く送りましょう。相手に初七日後に届いたとしても、失礼にはあたりません。
便箋や封筒についての特別な決まりはありませんが、無地で落ち着いた雰囲気のものがおすすめです。白、薄水色、薄いグレーなどがいいでしょう。
封筒は一重ものを選び、便箋は1枚にしましょう。二重や複数枚であると、不幸が重なることに通じると考えられているためです。
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お悔やみの手紙を送る際には、遺族に対する気遣いを持って、マナーを守ることが大切です。死因をたずねない、「忌み言葉」を避ける、時効の挨拶や頭語は不要、筆記具、香典を同封する方法などについて解説します。
故人への弔意を示して遺族を慰めるために手紙を送るので、たとえ亡くなった理由が気になっていたとしても、故人の死因をたずねる内容を書くのはやめましょう。ただでさえ悲しんでいる遺族を、傷つけてしまうかもしれません。遺族を気遣う内容に徹しましょう。
お悔やみの場面においては、「忌み言葉」を避けるのがマナーです。忌み言葉とは次のようなものです。
直接的に「死」や「生」を連想させる言葉 | 死亡・死去・亡くなる・急死・生きている頃など |
重ね言葉 | 不幸を繰り返すことを連想させる言葉 「かさねがさね」「ますます」「たびたび」など |
不吉なイメージを与える表現 | 「消える」「追う」「浮かばれない」など |
お悔やみの手紙では「早春の候」など、手紙の書き出しに書く季節ごとの時候の挨拶や、手紙の冒頭に置く「拝啓」などの頭語は必要ありません。形式的な表現は省き、すぐに本題に入りましょう。
正式には薄墨の筆で書くのがマナーです。これは、悲しみのために涙が出て、黒い墨が薄まってしまったことを表現しています。
ただし、筆を使わない場合には、万年筆やボールペンを使ってもかまいません。その際には黒、濃い青、グレーなどのインクを選びましょう。
お悔やみの手紙には、香典を同封することができます。以下の手順で準備しましょう。
1. 便箋に手紙を書き封筒に入れる
2. 香典を不祝儀袋に入れる
3. 郵便局で現金書留専用封筒を購入する
4. 現金書留専用封筒の中に、手紙の封筒と不祝儀袋を入れて送る
手紙の中で故人について書く際には、喪主と故人との関係によって敬称の種類を使い分けなければなりません。以下の表で、敬称を紹介します。
喪主から見た故人との関係 | 敬称 |
父 | ご尊父様/お父上様/お父様 |
母 | ご母堂様/お母上様/お母様 |
夫 | ご夫君様/ご主人様/旦那様 |
妻 | ご令室様/ご令閨様/奥方様/奥様 |
祖父 | ご祖父様/御祖父様/祖父君 |
祖母 | ご祖母様/御祖母様/祖母君 |
息子 | ご令息様/ご子息様 |
娘 | ご令嬢様/ご息女様 |
お悔やみの手紙を書く際に、どのようなことを書けばいいのか知識を持っていると安心です。書くべき内容は決まっているので、ポイントを押さえれば、文章を書き慣れない人でもきちんとした手紙を書けるでしょう。手紙の具体的な内容について解説します。
基本的な構成があるので、それに沿って手紙を書けば進めやすいでしょう。まずは、時候の挨拶は省き、本題である「主文」から始めます。
次に締めくくりとなる「末文」がきて、最後に日付、差出人の名前、宛名である「後付け」で締めくくられます。
主文では最初に、簡潔にお悔やみの言葉を伝えます。述べるべきことは、故人への弔意と遺族への同情の気持ちです。
遺族と面識がある場合にはそれでよいのですが、遺族と初対面である場合には、自分と故人がどのような関係であったのかを伝えましょう。
続いて、訃報を聞いた驚きを述べ、故人との思い出、故人への感謝、遺族の健康への気遣い、遺族への慰めなどについて書きましょう。
この部分については、定型文だけではなく、自分の思い出や気持ちを率直につづることが大切です。
続いて、お悔やみを手紙で伝える理由について述べます。通夜や葬儀に参列できない場合には、欠席に対してのお詫びの言葉を伝えましょう。参列できない理由が、結婚式などの慶事である場合には、「結婚式のため」とは書かずに「事情により」と書くのがマナーです。
香典を同封している場合には、主文の終わりに、「心ばかりのものを同封いたします。故人のお好きだったお菓子でもお供えいただければと存じます。」というような文面で伝えましょう。同封していないときには、この部分は不要です。
実際に書く時には、参考にできる文例があると役に立つものです。お悔やみの手紙の文例として、親を亡くした人宛のものと、会社の取引先宛のものを紹介します。文例をもとに、自分の故人との思い出などを入れ込んで作成しましょう。
ご尊父様ご逝去の報を受け、心よりお悔やみ申し上げます
大変思いがけないことで、言葉を失っております
ご尊父様のご生前には、就職などにつきまして大変お世話になり、感謝の気持ちしかございません
ご家族皆様におかれましては、さぞご心痛のこととお察しいたしますが、どうかお体を大切になさってください
事情によりご葬儀に参列することができないことをお許しください
心ばかりのものを同封いたします。故人のお好きだったお菓子でもお供えいただければと存じます
心からご冥福をお祈りいたします
貴社代表取締役社長○○様のご逝去のお知らせを承り、謹んでご冥福をお祈り申し上げます
ご生前は○○様より格別のご厚情を賜りまして、深く感謝いたし、悲しみを深めております
ご遺族をはじめ、社内の皆様のご心痛は察するに余りあるものと拝察いたします
本来であればただちに弔問にお伺いすべきところでございますが、遠方のためままならず、略儀ながら、書中にてお悔やみを申し上げます
ご冥福を心よりお祈り申し上げます
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訃報の連絡を受けても葬儀に参列できない場合には、お悔やみの手紙をすぐに送るとよいでしょう。遺族に対して失礼にあたらないようにマナーを押さえて、気持ちを込めて書くことが大切です。
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