位牌は本名で作れる?戒名の意味や俗名での位牌の作り方を解説

位牌は本名で作れる?戒名の意味や俗名での位牌の作り方を解説

位牌を本名で作りたいと考える方もいるのではないでしょうか。一般的に位牌には、戒名を入れますが、本名でも作れるのでしょうか。

この記事では、本名で位牌は作れるのかどうかについて解説します。また、本名での位牌の作り方や、本名で位牌を作りたいと考える理由についても解説しますので、参考にしてみてください。納得のいく形で位牌を作り、故人を偲びましょう。

<この記事の要点>
位牌の名前は戒名ではなく俗名(本名)を使用することができる
宗教上の理由や、戒名を授かるためのお布施が高額であることから俗名位牌が選ばれる
俗名位牌のおもて側には俗名と「之霊位」、裏側には没年月日と没年齢が記載される

こんな人におすすめ

位牌を作る予定がある人

位牌に刻む名前について悩んでいる人

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俗名とは

仏教における「俗名」とは何かをまずは理解しておきましょう。俗名と戒名の違いや、戒名の意味についても解説します。

俗名とは本名のこと

俗名は「ぞくみょう」あるいは「ぞくめい」と読み、仏門に入る前の名前、すなわち本名のことを指します。

本来であれば、出家した人が出家前に名乗っていた名前が「俗名」ですが、最近では亡くなってから「戒名」を授かる場合が多いため、俗名は「生前の名前」であると考えられます。

戒名の意味

戒名は、仏の弟子になったしるしとして、菩提寺から授かるものです。葬儀の際には、戒名を「白木位牌(しらきいはい)」に書き込み、祭壇に安置します。

仏教を信仰していたとしても、必ず戒名を授からなければならないわけではありませんが、戒名のない故人の遺骨は、お寺のお墓に納骨できない場合がありますので注意が必要です。

俗名と戒名の違い

戒名は、俗世間から離れて出家した際に授かります。「死後につけられる名前」と考えられていることが多いですが、元来は生きているうちに授けられるものでした。 現在は、出家をしていない人も亡くなった後に戒名を授かるケースが一般的です。

浄土真宗においては「法名(ほうみょう)」、日蓮宗においては「法号(ほうごう)」など、宗派によって呼び方が異なります。

<関連記事>
「戒名」と「法名」の違いを解説!戒名には階級があるって本当?

本名で位牌は作れるのか

位牌には故人の名前を入れますが、戒名ではなく、本名を入れたいと考える人がいるかもしれません。多くの場合、位牌を作る際には戒名を使いますが、本名である俗名でも位牌を作ることができます。

戒名を使うことが一般的

特別の希望がない場合には、地域や宗派に関わらず、位牌の表面には戒名が記載されます。
宗派や地域によって文字の入れ方が多少異なりますが、位牌の表側と裏側にそれぞれ下記の内容を入れるのが一般的です。

【表側】 【裏側】
・故人の戒名
・没年月日
・俗名
・没年齢

俗名でも位牌は作れる

実は、戒名ではなく本名である俗名でも位牌を作ることができます。本名で作る場合には、表側に俗名を記し、裏面に没年月日と没年齢を記入するのが一般的です。戒名を用いずに作る位牌のことを「俗名位牌(ぞくみょういはい)」といいます。

なぜ俗名で位牌を作るのか

一般的に使われる戒名ではなく、本名である俗名で位牌を作りたいと考えるのはなぜなのでしょうか。代表的な2つの理由を紹介します。

宗教上の理由

戒名は仏門に入った証となるため、故人が無宗教だった場合には、俗名で位牌を作りたいと考える場合があります。あるいは仏教徒であっても、戒名にランクがあり、お布施の金額に応じて授けられることに抵抗を感じる人もいるでしょう。

経済的な理由

戒名を授けてもらうためには、お寺にお布施を渡さなければなりません。金額の目安は、数万円~100万円程度です。経済的にお布施の負担が難しい場合は、俗名での位牌を希望することがあるでしょう。

本名である俗名での位牌の作り方

位牌に俗名を入れる場合には、文字の入れ方や開眼供養の仕方など、戒名を用いた一般的な位牌とは異なる点がいくつかあります。俗名位牌を作る前に、まずはポイントを押さえておきましょう。

位牌に入れる文字

俗名で位牌を作る場合には、位牌のおもて側に俗名を記載し、その下に続けて「之霊位」という文字を入れるのが一般的です。例えば、故人の俗名が鈴木太郎であれば、位牌の文字は「鈴木太郎之霊位」です。

この文字を入れることによって、戒名をつけた場合と同様の意味を持つとされています。また、宗派によっては記されることがある梵字や冠文字は、俗名位牌では使いません。

位牌への魂入れ

戒名で位牌を作る場合には、戒名を授けてもらった菩提寺に依頼して、位牌に魂を宿らせる儀式「開眼供養(かいげんくよう)」を執り行ってもらいます。木の札であった位牌が礼拝の対象になるための重要な儀式です。

故人が戒名を授かっていない場合には、四十九日法要を執り行ってもらうお寺に、俗名で作った位牌の開眼供養を依頼してみましょう。

<関連記事>
位牌の魂入れ(開眼供養)とは?必要な準備や流れは?

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まとめ

本名である俗名でも位牌は作れます。俗名で作る理由は人それぞれ異なりますが、大切なのは故人を偲ぶ気持ちです。戒名で作る場合と異なる点を考慮しながら、納得のいく位牌を作りましょう。

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