日本では、決まった宗教を信仰している人は多くなく、一般的には葬儀は仏式で行われます。ですが、信仰している宗教がある場合は、その宗教の形式に則った葬儀をあげたいと思うことでしょう。
この記事では、創価学会の葬儀である友人葬(ゆうじんそう)についてご紹介します。
<この記事の要点>
・創価学会は友人葬という葬儀のスタイルで、費用相場は葬儀とお通夜で約70万円
・友人葬では僧侶を呼ばずに葬儀を行う
・友人葬の流れは一般的な仏式の葬儀と大きく異なるわけではない
こんな人におすすめ
宗教別に流れを知りたい方
友人葬についての情報を得たい方
創価学会は友人葬という葬儀のスタイルを取っています。
地域によって費用や規模感が異なる場合がありますが、おおまかな費用相場は以下のとおりです。
火葬のみ | 約15万円 |
小規模葬儀+お通夜 | 約70万円 |
規模が大きくなるにつれて費用が高くなっていきます。
友人葬は香典が不要だったり、お布施を渡さなかったりするので、葬儀社に支払う費用のみで済む場合もあります。また、友人葬は僧侶を手配しないので仏教式よりも安く済む場合が多いです。あくまで概算ですが、予算を組む際の参考にしてみてください。
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創価学会とは、大乗仏教である日蓮大聖人の仏法を信奉する宗教団体です。「創価」とは、価値創造を意味していますが、価値の中心は「生命の尊厳」の確立に基づく「万人の幸福」と「世界の平和実現」と考えられており、それを目指すのが創価学会の根本の目標とされています。
最近では、家族や親しい友人・知人を中心に執り行う家族葬が広まってきていますが、25年以上前から創価学会では、「身内」だけで行われる葬式にこだわった、「友人葬」と呼ばれる独自のお葬式が行われてきました。
創価学会では、故人の成仏と葬儀の形式はまったく関係がないとされており、成仏はあくまでも故人の生前の信仰によるものという考えのもと、僧侶を呼ばない葬儀を行っているのです。
創価学会の葬式である友人葬では、仏教式とは異なる特徴を持っています。
大きく違うのは、僧侶を呼ばずに葬儀を行うことです。会員の一人が友人代表として導師を務めて葬儀を進行します。
他にも「しきみ式」の祭壇を使ったり、戒名をつけなかったりするのが仏教式とは異なる部分です。
特徴を詳しく解説しますので参考にしてみてください。
創価学会のお葬式で何よりも大切なのは、故人を悼む「まごころ」であると考えられています。
一般的な仏式の葬儀との最も大きな違いは、僧侶をお呼びしないことです。仏式では僧侶に経を読んでいただきますが、友人葬では僧侶の代わりに導師(どうし)という学会員が進行役を担い、お題目の「南妙法蓮華経」は、遺族や親族、参列者が一緒に唱えます。導師は、儀典部(ぎてんぶ)と呼ばれる冠婚葬祭の儀式を行う創価学会の幹部の方が務めます。信仰歴が長く、教義に精通していて、葬儀方法を熟知しているベテランが多いようです。
僧侶がいないため、友人葬ではお布施が必要ありません。また、戒名もつけないので、戒名料も要りません。基本的には、参列者から遺族に渡す香典も必要ないとされています。
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友人葬では、僧侶を呼ばずに葬儀を行います。
もともと江戸時代の檀家制度とともに僧侶を呼ぶ文化ができました。それに対し創価学会は、僧侶の唱える引導文は成仏できるかできないかとは無関係という考えがあります。
学会員の中でも儀式に精通している幹部が導師を担うことが多いです。導師は友人代表という扱いになるので、お布施は渡しません。
祭壇にも特徴があり、一般的な葬儀では白木祭壇が用いられますが、友人葬では高木の常葉樹であるしきみの祭壇を使用することが慣例となっています。ただ、厳格に決まっているわけではなく、祭壇や遺影を故人が好きだったお花などで飾っても差し支えありません。
友人葬では、戒名をつけることはありません。
戒名とは仏弟子となった証として故人に送られる名前のことです。創価学会では成仏するにあたって戒名は必要ないと考えています。戒名をつけないので、位牌には俗名(生前の名前)をそのまま記載します。
火葬後の骨上げは仏教史の葬式と同様に進めます。その後納骨をして供養を行う流れです。
友人葬の納骨場所は、以下の3つの場所を希望できます。
・墓地公園(全国15ヶ所)
・長期収蔵型納骨堂(全国6ヶ所)
・常楽納骨堂(全国16ヶ所)
常楽納骨堂は約5万円から、長期収蔵型納骨堂は約20万円から納骨できます。予算や故人の思いに合わせて、納骨先を選びましょう。
葬儀が終わった後に一周忌や三回忌を行うのが、仏教式の故人を偲ぶ風習です。
ただ、創価学会は仏教式とは法要が多少異なります。法要をそこまで重視していないので一般的な追善法要は行いません。
創価学会の法要についてご紹介するので参考にしてみてください。
創価学会では、基本的に年忌法要を行いません。
創価学会が大切にしている日蓮の教えでは、法要はそこまで重視されていません。故人を偲ぶ真心が重要だと考えられており、読経したり、手を合わせて祈ったりすることが最善の供養となります。
一般的な法要は行いませんが、故人を偲ぶ機会としてお盆とお彼岸に法要を行うことも可能です。全国でも追善勤行法要が行われています。
お彼岸の時期には彼岸勤行法要、お盆とされる毎年7月15日か8月15日には諸精霊追善勤行法要が行われます。
当日はまず御本尊に勤行し唱題を行いましょう。その後焼香をし、最後に存命の家族や友人がした善行を個人に回し向ける追善回向を行う流れとなります。
友人葬の儀式の流れは、一般的な仏式の葬儀と大きく異なるわけではありません。葬儀の前日、夕方に通夜を行い、翌日、葬儀・告別式を行います。僧侶はいませんが、焼香したり数珠を使ったりするのも仏式の葬儀と同じです。
① 開式の辞
司会者が葬儀開始の案内をします。
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② 読経・唱題
導師を中心に行います。読経とは法華経の経文を読誦すること、また唱題とは南無妙法蓮華経の題目を唱えることを言います。
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③ 焼香
読経の際、寿量品の自我偈という部分を2回読みますが、通常焼香は1回目の自我偈に入ると同時に行います。焼香は、導師、副導師、親族、参列者の順で行います。係の人が案内してくれるので、それに従いましょう。
※焼香のしかたについての記事を参考にしてください。
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④ 御祈念文・題目三唱
焼香が終わると、導師が唱題終了の合図に鈴を鳴らします。導師が追善供養の祈念をするので、鈴の合図に合わせて、参列者全員で題目を三唱します。
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⑤ 弔慰文・弔電紹介
弔慰文は葬儀の流れの中で、導師の挨拶のときにまとめて行われることもあります。
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⑥ 導師挨拶
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⑦ 謝辞
喪主または親族代表が謝辞を述べます。
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⑧ 題目三唱
再び、導師の鈴の合図に合わせ、参列者全員で題目を三唱します。
↓
⑨ 閉式の辞
司会者が葬儀終了の案内をします。
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⑩ お別れと出棺
葬儀・告別式が終了したら、導師、遺族、会葬者は唱題しながらしきみなどを棺に納めます。これが、お別れの儀式です。
儀式が済んだら、男性の近親者たちの手で、棺を霊柩車に運びます。出棺時には喪主が挨拶をします。
以上が友人葬の流れです。一般的な葬儀の流れについてまとめた記事もありますので、比較してみてください。
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友人葬の流れは仏教式の葬儀をほとんど同じです。ただし、マナーの面では多少異なるので注意しましょう。
特に、香典に関しては仏教式では事前に連絡がない場合は必須ですが、友人葬では不要です。また、学会員は独自の数珠を使用しますが、一般の方は普通の数珠で問題ありません。
失礼のないようにマナーを確認しておきましょう。
僧侶を呼ばないのでお布施は必要ありません。僧侶の代わりに会員の代表が導師を務めます。導師に対してもお布施やお礼を支払う必要はありません。
友人葬では香典は必ず持参するものではありません。儀礼においての香典は必ず持参するものではないというのが創価学会の方針です。なかには一切受け取らないという場合もあります。
事前に香典辞退の連絡が来ていないのであれば、持参しても問題ありません。ただ、会場で受け取りをお断りされた場合は、辞退を受け入れましょう。
会員かどうかで、数珠が変わります。創価学会の会員の場合は、独自の念珠を持ち込みます。ただ、非会員であれば一般的な数珠でも問題ありません。
また、友人葬の場合数珠は必須ではないので、持っていなければ持参しなくても構いません。
友人葬に参列する際は一般的な喪服で問題ありません。男性・女性ともに仏教式と同じように喪服を身につけ、失礼のないように参列しましょう。化粧やアクセサリーなどにも注意を払う必要があるので、服装のマナーの確認が必要です。
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友人葬を行う上での実際に葬儀を上げるまでの流れを解説します。流れは以下の通りです。
1.葬儀社を手配
2.関係者への連絡・打ち合わせ
3.祭壇・掛け軸の準備
手配をする場合は友人葬に対応している葬儀社を選びましょう。友人葬に非対応な会場もありますので、会場を選ぶ際は注意が必要です。
また、関係者への連絡は早めに行いましょう。葬儀まで日程があまり無い場合が多いので、スケジュールを調整しやすくするためにも、早めに葬儀の日程を伝えてください。
早めに葬儀社と打ち合わせをして、滞りなく進めましょう。
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創価学会の友人葬による葬儀は、仏教式の葬儀とは異なる部分があります。参列する際はマナーに注意しましょう。
また、友人葬を行う場合は友人代表として導師をお願いしたり、戒名を付けなかったりなどのポイントに気をつけて葬儀の準備を進めましょう。
友人葬をご検討しているのであれば、小さなお葬式までご相談ください。友人葬に対応しているプランをご用意しています。疑問点などもスタッフが親身になって相談に乗りますので、ぜひご検討ください。
参考:創価学会の友人葬の葬儀に対応「小さなお葬式」
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