作成日:2014.01.24 更新日:2018.07.05
いざという時に恥をかかない焼香のやり方
葬儀での正しい焼香の作法をご存知でしょうか。
葬儀は経験する回数も少なく、「焼香は前の人と同じように行おう」と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、いざご自身が一番手で焼香をすることになってしまったら、正しいやり方を知っておかなければ困ってしまいますね。
この記事では、焼香の正しいやり方と基本的なマナーについて、分かりやすく解説している動画を交えてご紹介します。
【もくじ】
・焼香とは
・焼香のやり方
・宗派による回数の違い
焼香とは
焼香とは、仏や死者に向けて香を焚いて拝むことを言います。お葬式や法要などで、細かくした香を香炉に落として焚きます。心と身体の穢れ(けがれ)を取り除いて清浄な心でお参りするための作法で、一般的に左手に数珠を掛けて右手で焼香を行います。
線香焼香というものもありますが、これは日常のお参りに用いられるもので、「線香を上げる」と言われます。あまり焼香というイメージはないようですね。
焼香のやり方
基本的には右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香(まっこう)をつまみ、目の高さまで持ち上げます。この動作を「おしいただく」といいます。そして指をこすりながら香炉の中に落とします。これを1~3回行います。
焼香には「立礼焼香(りつれいしょうこう)」「座礼焼香(ざれいしょうこう)」「回し焼香(まわししょうこう)」の3種類があります。葬儀式場の規模や様式によって、焼香のやり方が異なります。
立礼焼香
立礼焼香は、椅子席の式場で行われることが多いです。一般参列者の方は、下記の動画を参考にしてみてください。
また、「喪主の方はこちらの動画」を、「親族の方はこちらの動画」をご覧ください。
①焼香の順番がきたら、祭壇に進み、遺族に一礼します。
②焼香台の一歩手前まで歩き、遺族や祭壇を見て一礼(または合掌)します。
③宗派ごとの作法に従って、抹香(まっこう)をつまみます。
④抹香を香炉の中へ落とします。
⑤宗派ごとの作法に従って、1~3回繰り返します。
⑥改めて遺影に向かって合掌し、一礼します。
⑦遺影の方を向いたまま、二、三歩下がり遺族に一礼し、席に戻ります。
座礼焼香
座礼焼香は、畳敷きの式場で行われることが多いです。基本的な順序は立礼焼香と同じですが、まっすぐ立たず、移動の際は腰を落とし、焼香の際は正座します。
①焼香の順番が来たら前に進み、焼香台の手前で座って、遺族に一礼します。
②仏壇(祭壇)の遺影に向かって一礼します。
③その後、立ち上がらずに膝で焼香台まで寄り合掌します。
④宗派ごとの作法に従って、抹香をつまみます。
⑤抹香を香炉の中へ落とします。
⑥宗派ごとの作法に従って、1~3回繰り返します。
⑦焼香が済んだら合掌をします。
⑧仏壇(祭壇)前から下がり、遺族に一礼してから立ち上がって戻ります。
回し焼香
回し焼香は、会場が狭い場合などに行われます。自分で向かうのではなく焼香炉を回し、受け取った焼香炉を自分の前に置き、焼香が終われば隣の人に回します。
①香炉が回ってきたら、軽く礼をして受け取ります。
②香炉を自分の前に置き、仏壇(祭壇)に向かって合掌します。
③宗派ごとの作法に従って、抹香をつまみます。
④宗派ごとの作法に従って、1~3回繰り返します。
⑤合掌してから一礼します。
⑥次の人に香炉を回します。
椅子席の場合は自分の膝の上にのせましょう。
宗派による回数の違い
大抵の宗派では、1回あるいは3回焼香をします。つまみ、おしいただき、落とすという基本的な作法があり、行う回数は宗派によって違いがあります。
相手の宗派に沿って行うというほうが丁寧ではありますが、ご自身の信仰している宗派があるなら、その宗派に沿ったやり方でも問題ありません。
回数はそれほど重要なものではなく、相手の宗派も自分の宗派もわからなかったりする場合には、1回で問題ありません。ただし、時間調整などで回数が指定される場合があるので、そのときは従うようにしましょう。
真言宗 | おしいただき、3回行う。 |
日蓮宗 | おしいただき、1回(または3回)行う。 |
日蓮正宗 | おしいただき、3回(または1回)行う。 |
臨済宗 | おしいただき、1回行う。※おしいただなくても良い |
浄土真宗 | おしいただかず、1回行う。 |
曹洞宗 | 2回行うが、1回目はおしいただき、2回目はおしいただかない。 |
浄土宗 | 回数の定めは特になし。 |
天台宗 | 回数や作法の定めは特になし。おしいただくかどうかも自由。 |
作法を知ってしっかりとお見送りを
「焼香は故人のことを想って行えばそれでいい」というのはご僧侶がよく口にする言葉です。故人と宗派が違った場合であっても、ご自身の宗派に合わせれば問題はありません。
ご自身の宗派の作法を覚えた上で、余裕があれば相手の宗派の作法についても知っておくと、互いにとって心おだやかな葬儀となるのではないでしょうか。
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