エンバーミングとは?遺体保存の必要性と手順・費用など
雑学

作成日:2014年03月17日  更新日:2021年07月06日

エンバーミングとは?遺体保存の必要性と手順・費用など

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エンバーミングという遺体保存技術をご存知でしょうか?

例えば旅行や出張などで海外に滞在中に亡くなった場合、その遺体は日本に搬送されます。ですが、遺体をそのまま運ぶということはできず、葬儀を行うまで遺体の状態を保存しておく必要があります。この時、遺体を保存するために利用されるのがエンバーミングという技術です。

この記事では、エンバーミングの疑問について解消していきます。

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【もくじ】
エンバーミングとは…遺体の腐敗を防ぐための技術
エンバーミングの必要性
エンバーミングの手順と費用
アメリカのエンバーミング率は90%以上
日本では遺族へのケアの観点で

エンバーミングとは…遺体の腐敗を防ぐための技術

エンバーミングは、日本語で「死体防腐処理」や「遺体衛生保全」などと呼ばれ、その名の通り遺体の腐敗を防ぐための技術です。

亡くなってからしばらくの間火葬を行えないなど、遺体を長期間保存する必要がある場合に施されます。日本では1995年の阪神・淡路大震災などで広く知られるようになりました。その結果、下記の表を見ると分かるように、エンバーミングの処置件数は年々増加しており、1995年から2016年の20年程で約4.5倍になっています。

1995年 2016年
日本での処置件数 8,415件
37,593件

出所:一般社団法人 日本遺体衛生保全協会HP(2016年調査)

エンバーミングの必要性

エンバーミングの必要性は、次のような点にあります。

感染症を防止するため

人間や動物が死亡すると、体内の自己融解酵素や微生物などによって、細胞単位での体の分解が始まります。この現象を「腐敗」と呼びます。病原体が原因で亡くなった場合、菌は死亡後も遺体の中に残り続けることになります。腐敗していく体とこの病原体が合わさることで、病原体の危険性は生前よりも高まってしまいます。また、遺体の腐敗と同時に死肉食性の昆虫も集まり、感染症の拡大に大きな影響を与えます。

腐敗を抑えて感染症を防止するというのが、エンバーミングを行う大きな理由です。

残される遺族のため

遺族からすれば、遺体はできるだけきれいな状態に保っておきたいと思うもの。そのためには、遺体の損傷を出来る限り抑えなければなりません。

エンバーミングは防腐処理を施す以外にも、キズなどを隠したり、全身を洗浄してきれいにしたりという作業も行います。遺族がきちんと故人を見送れるようにするのも、エンバーミングを行う理由のひとつです。

エンバーミングの手順と費用

エンバーミングは「エンバーマー」と呼ばれる専門の技術者や、医学資格を持った医療従事者によって行われます。その手順は次の通りです。

手順

① 全身の消毒処理および洗浄を行う。
② 髭を剃る、表情を整えるなどの処理を行う。
③ 遺体の一部分を切開し、動脈から防腐剤を注入する。同時に静脈から血液を抜く。
④ 腹部に小さな穴をあけ、胸腔や腹腔に残った血液あるいは腐敗しやすい残存物を鋼管で吸引し、同時にその部分にも防腐剤を注入する。
⑤ 切開した部分を縫合し、それ以外の損傷部分についても修復を行う。傷痕はテープなどで隠す。
⑥ 最後に全身を再び洗浄し、衣服を着せて表情を整え直す。

上記は一般的に行われる方法で、数日~2週間程度遺体を保存することができます。また、これよりも徹底した処理を行えば、さらに保存期間が長くなります。加えて、メンテナンスによって保存期間を伸ばすことができるため、遺体の永久保存などでは定期的にメンテナンスを行います。

費用

日本でエンバーミングを実施する場合、基本料金は日本遺体衛生保全協会(IFSA)によって定められており、かかる費用はおおよそ15万円~25万円程です。ご遺体の状態にもよりますが、どの葬儀社でも同程度の費用がかかります。

アメリカのエンバーミング率は90%以上

欧米諸国では、エンバーミングは一般的な技術として確立しています。欧米諸国の場合、キリスト教を信仰している人が大多数を占めています。キリスト教では死者の復活という概念があり、埋葬方法は土葬が一般的になっています。

そういった宗教観の中で、エンバーミングが急速に発展するようになったのは、アメリカの南北戦争がきっかけだと言われています。戦争をすれば当然ながら多くの死者が出るわけですが、当時は交通手段も今ほど整っているわけではなく、遺体の搬送に非常に時間がかかるものでした。

本の場合は現地で火葬にして遺骨を届けるということも可能でしたが、土葬の場合は遺体をそのまま搬送しなければなりません。その際に、遺体保存の技術が必要となり、エンバーミングが発達したとされています。

1965年、ローマ・カトリック教会が火葬禁止令を撤廃したことで、火葬はキリスト教の教義に反しないということになりました。その結果、欧米諸国でも火葬が少しずつ許容されつつあります。それでも、いまだに土葬が多いアメリカのエンバーミング率は90%以上を誇っていて、欧米諸国ではなくてはならない技術だということがわかります。

日本では遺族へのケアの観点で

火葬がメインの日本にとって、遺体の長期保存という観点でのエンバーミングはあまり需要がありません。しかし、遺族の希望で遺体をきれいに整える場合には利用されています。今はまだエンバーミングに関する法律が整備されておらず、エンバーマーも日本ではなく外国の規格を元にしている場合が多いです。

ですが、エンバーマーの養成機関が発足するなど、日本でもエンバーミングに対する認知度は上がってきています。感染症防止と遺族へのケアという観点においては、日本でもエンバーミングは必要とされているのです。

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