近年では「終活」が注目されており、メディアで取りあげられる機会が増えています。終活に興味を持ち、始めてみようとお考えの方もいるのではないでしょうか。終活は自分の人生を振り返り、今後の時間をあらためて考えるきっかけとして適しています。
そこでこの記事では、これから終活を考えている方へ向けて終活の段取りについてご紹介します。終活の意味などの基本的な情報や、終活を行うポイントを確認しましょう。現時点で終活の予定がない方も、将来のために役立てられるでしょう。
<この記事の要点>
・エンディングノートに自分の希望などを記入し、葬儀やお墓の準備を行う
・生前整理を行い、重要な書類の保管場所を明確にする
・自分の意思を家族に伝えるために遺言書を作成する
こんな人におすすめ
終活とはなにかを知りたい方
終活を進めるための段取りを知りたい方
終活をスムーズに進めるために必要な対策を知りたい方
人生に終止符を打つときや、終わりを迎えた後の生活を考える活動が「終活」の基本的な考え方です。自分や家族のために実践するものでもあるため、人生において重要な役割を担っているといえるでしょう。
まずは終活を行う目的を明確にすることが大切です。なぜ終活が必要とされているのか、どのようなメリットを得られるのかといった観点から詳しく説明します。
終活とは、自分の人生の終わりを視野に入れた活動全般を指す言葉です。遺言書の作成やお墓の準備をはじめとして、身辺整理や家族への意思表示などを行い、残りの人生をよりよいものとするためのポジティブな活動であることがポイントです。
終活は2009年ごろに生まれた新しい言葉です。新語・流行語大賞のノミネートや終活を題材にした映画のヒットを背景に、認知をされるようになりました。
周りの人に迷惑をかけたくない方や、元気なうちに自分の今後について決めておきたい方が積極的に終活に取り組んでいます。
自分に残された時間について深く考え、自分と周囲にとって良い結果となるようプランニングを行うのが終活の目的です。具体的には、以下のような目的が挙げられます。
・自分の人生(終末期)と向き合う
・現時点の不安を解消する
・自分が考える望みやプランを開示する
・死後、家族にかかる負担を軽減する
理解しておきたいのは、「家族の負担軽減にもつながりやすい」という点です。終末期における自分の状況を見直すことによって、家族の幸福感を高めるきっかけにもなります。
終活のスタートを検討している方の中には、「死を考えるのが怖い」と感じることもあるかもしれません。自分の死を前提とする行為ともいえますが、終活によって得られるメリットは多数あります。
不安に思う要素をひとつずつ解消していくことで、老後の生活を充実化できるでしょう。不安が減ると心も軽くなるため、日々の満足感を高める効果にもつながります。早い段階から財産について話し合うと、相続が発生する際のトラブルを回避しやすい点もメリットです。
2000年代から「エンディングノート」が話題を集めるようになりました。終活に関する情報をメディアが取り上げたことで、具体的な取り組みに興味を持った方もいるでしょう。家族との話し合いだけでなく、自分で始められる準備や生前整理などの活動も大切です。終活のスタート段階で実践できる4つの方法を詳しく解説します。
自分自身が望む老後の生活から財産まで、幅広い内容を書き留めるための方法が「エンディングノート」です。遺書のように法的な効力を持たないため、本人が思うことを自由に記載できます。以下の内容を参考に、基本情報から詳細まで幅広く書いてみましょう。
・自分自身の基本情報(生年月日など)
・家族へのメッセージ
・友人・知人に伝えたいこと
・認知症になった際の対応方法
・延命措置に対する自分の希望
・借入額やローン状況
・遺産の相続方法
エンディングノートには、自分の考えを整理したり家族に意思を伝えたりといった目的があります。記載内容・方法にルールもなく、メモ帳に近い感覚で記録と要望を残せる方法です。
葬儀は、宗派や規模によってさまざまなかたちがあります。家族と同じ考え方であれば安心ですが、認識の違いを防ぐためにも希望を伝えておきましょう。予算に合わせた規模や、依頼する葬儀社に関する話し合いも大切です。
お墓を選ぶにあたっての注意点は、墓地・霊園にはいくつか種類があることです。自治体が運営している公営霊園は費用が安い傾向にありますが、使用するには要件を満たして募集期間内に応募し、抽選で選ばれなければ建墓できません。人気の霊園は倍率が高く、使用権を得られない場合もあります。
民営霊園は公営と比較すると費用が高い傾向にありますが、使用条件が少ないのがメリットです。ただし、民営霊園では「指定石材店制度」が取られていることが多く、自由に墓石を依頼する業者を選べないことが多い点に注意しましょう。
寺院墓地は寺などの宗教法人が運営する墓地です。多くのケースで宗教宗派や檀家制度の条件が設けられています。僧侶がお墓を管理してくれるので安心感があるのが特徴です。民営霊園と同様に指定石材店制度がある割合が高くなっています。
亡くなった後、遺族は多くの手続きを期限内に済ませなければなりません。「重要な書類が見つからず手続きに進めない」といった事態にならないよう、生前整理にも意識を向けましょう。財産の内容を把握するだけでなく、保険証など各書類の保管場所を明確にする目的もあります。
エンディングノートの内容と連動させて整理するのもおすすめです。「何がどこにあるか」を認識できるよう記載し、内容通りの場所に保管します。自分以外が読んでも分かる状態にすることで、家族の負担を減らす効果にもつながるでしょう。
遺言書は自分の意思を家族に伝えるために書きます。方式に則っていれば法的効力を有するのが特徴です。遺言書は三つの種類があり、それぞれ作成方法が異なります。
自筆証書遺言は、紙とペン、認印があれば一人でも気軽に作成できます。しかし、書き方に不備がある場合や必要な情報の書きもれがある場合は無効になってしまうので気をつけましょう。
公正証書遺言は公証役場で公証人を立てて作成する公正証書の一種です。第三者の意見を聞きながら内容を考えることができ、紛失の心配もない信頼性の高い遺言書を作成できます。自筆とは異なり確実に効力を発揮しますが、比較的費用が高くなります。
秘密証書遺言は、遺言の内容を誰にも知られたくない方向けの形式です。公正証書遺言と同様に公証役場に出向いて手続きをしますが、遺言書の内容は公証人にも明かされません。
終活といえば、福祉関係や財産に関する対策が実施項目として挙げられます。家族のためにも重要な要素ですが、住宅・お墓・葬儀など他にも多くの取り組みがある点を理解しなければなりません。一度に考え始めると負担に感じる可能性もあるため、着実に進められるよう内容を把握しておきましょう。5つの項目に分けてひとつずつ解説します。
老後の生活において、「どのような環境で生活するか」は重要な要素です。現在問題なく過ごしている方も、リフォームによるバリアフリー化や介護施設への入所を考慮しておきましょう。家族の事情で、突然介護施設での生活が決まるケースもあります。
継続的に自宅での生活を続ける予定であれば、住宅のバリアフリーリフォームができると安心です。自治体によっては補助金制度の対象となるものもあるため、金額面での相談も兼ねて計画を立てましょう。
病院への通院やデイサービスへの通所を続けている方は、万が一に備えて医療や介護に関する意向、病気や医療機関に関する情報を明確にしておくのがおすすめです。特に病院は、病気の治療方法や終末医療に関して決める際、重要な情報源となります。以下のポイントを参考に、具体的な内容をピックアップしてみましょう。
・診察や介護を任せたい施設はあるか
・介護施設に入所する際、希望の入居先はあるか
・持病や服薬に関する情報
・認知症になった後の対応(後見人制度など)
家族に詳しく伝える自信がない方は、エンディングノートやパソコンデータに残しておく方法もあります。
終活をスタートした段階で、すぐに財産が不要になるわけではありません。これからの生活も充実した状態を維持できるよう、収支バランスを明確化して財産全体の状況を把握しておきましょう。
不動産や株などの金融資産がある場合は、亡くなった後の相続も細かく決める必要があります。老後の生活に加え、亡くなった後家族が送る生活を意識することも大切です。現在の自分に負担をかけないよう、収入状況も正確に把握した上で計画を立てましょう。
親族の間で発生しやすいのが、相続に関するトラブルです。遺産の分与や相続人などがあいまいなまま亡くなった場合、当初想定していなかったトラブルを招くかもしれません。相続に関しては複雑な部分もあるため、不安な方は専門家に相談するとよいでしょう。
明確にしておきたいのは「誰が遺産を相続するか」という事項です。自分の財産に関して相続の希望がある場合は、なるべく明確な数字、手段を用いて書類に残す必要があります。
亡くなった後の葬儀は、自分の意思を尊重してほしいと希望している方もいるでしょう。宗派によって異なる部分もあるため、家族に自分の希望をあらかじめ伝えておく必要があります。以下のようなポイントを参考にするのがおすすめです。
・どのような葬儀を営んでほしいか
・誰に参列してもらいたいか
・お墓はどのようなかたちで建てたいか(または不要か)
家族と自分の考えが異なる場合、お互いが納得できる着地点を見つける必要があります。葬儀・お墓などの資金がある場合は、家族の預貯金口座に移しておいてもよいでしょう。お墓の生前購入は相続税対策にも有用です。
終活を円滑に行うためには、さまざまなことに目を向ける必要があります。目的をもって終活を行うには自分だけではなく、周囲の人々にも配慮することが大切です。ここからは、スムーズに終活を行うためにしておきたいことを紹介します。
普段から家族とコミュニケーションを取り、トラブルを起こさないようにすることが重要です。家族のためと思って始めた終活がトラブルに発展するケースもあります。家族と意見が合わなかったり、相続に関する争いが起こったりする可能性があるので、よく話し合いながら終活を進めましょう。
死後、家族間でどんなトラブルが起きる可能性があるかを想定し、準備を進めていくのが大切です。たとえば、家族が遺産のことで揉めそうな場合、遺言書でしっかり遺産相続について言及をしておけばトラブルは防げることもあります。借金などのマイナスの財産がある場合は、あらかじめ周知しておいたほうがよいでしょう。
終活ノートや遺言で葬儀について言及している場合は、あわせて葬儀業者の情報収集も行いましょう。最近は家族葬を希望する人も増えていますが、葬儀業者によって実現可能な内容が異なる場合があります。
事前相談に乗ってくれて、しっかりと見積書を出してくれるところを選べば、思わぬ高額費用を家族に負担させずにすみます。
ほかの方のエンディングノートを見せてもらうのも参考になります。自分ひとりだけで終活を進めると考え方が偏り、視野も狭くなる場合があります。広い視点でさまざまな可能性を模索するには、ほかの人の考え方を見てみるのもよい刺激になるでしょう。
終活を始める時期は早くて悪いことはありません。「自分にはまだ早すぎる」、「今から死んだときのことを考えるなんて不吉だ」と考える方もいるかもしれませんが、何かあって身動きが取れなくなってから始めたのでは、できないことが出てくる可能性もあります。
体力や気力がある元気なうちに始めれば、急ぐ必要もなくじっくりと取り組めます。1度終活を始めると、やりたいことがいろいろと見つかり時間が必要になるかもしれません。そのようなときも、早めに始めておけば余裕をもって進められます。
配偶者の死や定年など、4つのパターンを想定してそれぞれの時期に始めるメリットを解説します。
定年を迎えて職務を引退した時期は、終活について考え始めやすいタイミングともいえるでしょう。1日のうち、多くの時間を自分自身に向けて使えるようになるためです。近い将来引退を予定しているのであれば、定年と同時期に終活をスタートするためにリサーチを始めるのもよいでしょう。
突然仕事の時間がなくなると、生活の変え方が分からずストレスを蓄積させるかもしれません。終活という大きな活動があることによって、定年後の日々も有意義に過ごせるでしょう。
「60歳~65歳でのスタートは早い」と感じる方は、70歳を目安に開始するのもおすすめです。体調は人によってさまざまですが、健康な段階からスタートした方が思うように進めやすくなります。
年齢だけを基準とするのではなく、健康状態も視野に入れながら見極めるとよいでしょう。人生100年時代ともいわれる昨今、70歳から終活を始めると心にもゆとりが生まれます。
終活を考え始める理由として多く見られるのは、配偶者の死です。これまで深く考えなかった将来が身近に感じられ、実践に移すケースもあるでしょう。配偶者が終活を行っていたかどうかを問わず、「何について考えればよいか」が実感として分かりやすくなる点もメリットです。
配偶者が亡くなってから困ったことや「この情報があれば良かった」と思う要素をピックアップすることで、自分の終活にも活用できます。結婚している方にとって、配偶者の死は大きなきっかけとなるといえるでしょう。
明確なタイミングを検討せず、「始めたい」と思ったときに活動をスタートするのもおすすめの選択肢です。決めた方が始めやすいのであれば目安を設けるのも有効的ですが、無理に限定する必要はありません。
ただし、先延ばしを目的にタイミングをずらさないよう注意しましょう。「なるべく早くから始めたい」と望む方は、少しずつゆっくりと準備を始める方法もあります。焦って失敗するリスクを避けるには有益なタイミングともいえるでしょう。
終活はさまざまな分野に及ぶため、しっかりとした情報収集を行うことが重要です。情報源は多いほど情報の多様性は増し、幅広い終活を行えるようになります。終活に関する情報はこちらでご紹介する5つから得るのがおすすめです。
最近はスマートフォンやタブレット端末の普及によって、さまざまなアプリが提供されています。終活もアプリで手軽に行えるようになりました。
エンディングノートやアルバムが使えるアプリも公開されており、自分に何かあったときに家族に登録した写真や動画が公開される機能を使用できるものもあります。銀行口座や財産に関する情報を入力しておくと、指定した人物にこれらを引き継ぐことができる継承アプリも登録しておくと安心です。
終活に関する知識を深めるには、終活セミナーに参加するのがおすすめです。終活セミナーは全国で開催されており、無料で参加できるものも数多くあります。セミナーでは、エンディングノートの書き方やお墓に関する知識、相続についての講演などが行われています。
講演では、司法書士やファイナンシャルプランナーといった専門家から知識を得られます。霊園の見学や遺影写真撮影会といった体験型のイベントも催されているので、興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。
終活の流行以降、資金を出し合ってひとつのお墓を購入する「墓友」や終活サークルなども発足されており、終活について相談できるコミュニティーが増加しています。
終活カウンセラーといった終活の専門家が相談を受けつけているところもあるので、こういった相談会にも積極的に参加すると新たな発見があるでしょう。相談できる相手を見つけることで、迷っていることを解決するための近道にもなります。
終活ライフケアプランナーは、終活とはどのようなことすればよいのか、はじめはなにをすればよいのかといった終活のノウハウを教える人です。保険や相続についての相談もでき、終活全般に関するサポートを行っています。
終活ライフケアプランナーの資格は3か月ほどの通信教育で取得できます。自分の終活に役立てるために取得を目指すのもおすすめです。
終活に関する書籍は数多く出版されています。本は一人で気軽に勉強するのに適しており、終活の初心者が基本的な知識を身の着けるのにぴったりです。
煩雑でわかりにくい手続きの方法や、着手しにくい印象がある相続に関する知識も自分のペースでじっくりと勉強できます。無理なくマイペースにステップアップしていきたい人は、まずは本での勉強がおすすめです。
覚えておきたいのは、終活があくまでも「自分や家族の充実した生活のために行う」という点です。死を意識しすぎてストレスを溜めたり、不安を増幅させたりしては元も子もありません。終活のスタートが遅くとも、焦らず心にゆとりを持って少しずつ取り組みましょう。
実践する内容は複数ありますが、順番が決まっているものではありません。自分が「取り組みやすい」と思える内容を探し、家族の協力も得ながら進められると安心です。不安に感じる場合は、実践したい内容をピックアップしてからスタートしてもよいでしょう。
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終活は自分の人生を総括し、残りの人生をよりよいものにするための活動です。いずれ訪れる死に備えての活動が多く、主な内容として終活ノートや遺言書の作成、お墓や財産整理の準備があります。終活について詳しい情報を知りたい場合は、各地で開かれているセミナーに参加して専門家から話を聞くのがおすすめです。
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