戒名の文字数は宗派で変わる!戒名の構成や戒名料の相場は?

戒名の文字数は宗派で変わる!戒名の構成や戒名料の相場は?

戒名はどうしよう」「戒名料はいくらなの」と、戒名について疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。戒名は普段かかわる機会が少ないため、ほとんど知らないという方もいるかもしれません。戒名は一見難しく感じられますが、いくつかのルールのもとに決まります。大まかな決まりを知っていれば、それほど複雑なものではありません。

そこでこの記事では、「戒名とは何か」ということや戒名の構成、相場についても解説します。戒名の決め方や戒名料の相場がわかれば、戒名のやりとりをスムーズに進められます。戒名が決まらなければ葬儀も進みませんので、この記事で理解を深めましょう。

こんな人におすすめ

戒名のつけ方を知りたい方

葬儀を検討している方

戒名の相場について知りたい方

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戒名とは

戒名とは、僧侶が故人につける仏教上の名前です。仏教の考え方では、生前の名前を俗名といいます。戒名は、俗世から仏の世界に旅立つ証です。

仏教が始まったインドに、戒名はありません。中国で戒名の文化は始まったといわれています。日本に伝わった当初は、仏僧にのみつけていました。江戸時代に「檀家制度」ができるとすべての人がどこかの宗派に属したため、一般の方にも与えられるようになりました。

戒名の具体的なつけ方はそれぞれの宗派ごとに変わりますが、寺の住職がつける点は同じです。自分の要望を反映することができるので、「この名前にしたい」という希望があればしっかり伝えるようにしましょう。

戒名の文字数の基本

戒名は、基本的に2文字で構成されます。身分などの影響を受けず、すべての人が仏の世界では平等に扱われるからといわれています。

位牌などに書かれている文字を見て、「戒名はもっと長いイメージだった」という方も多いかもしれません。その理由は、一般的に戒名と呼ばれているものには、戒名(法号)以外の院号などを含んでいるからです。全部合わせた文字数は、宗派により異なります。

位牌・墓誌に記載するときには、戒名に加えて性別や仏教上の位階、宗派のルールに基づいた漢字が当てられます。戒名は宗派による違いが大きいものの、ある程度の共通点もあります。ルールを把握しておけば、意味も簡単に読み解けるでしょう。

戒名の基本の構成

一般的に戒名と呼ばれるものは、いくつかの要素に分けられます。それぞれの要素を組み合わせて、戒名はつけられます。「戒名は名称が長くてよくわからない」という方もいるかもしれません。しかし要素を理解しておけば、実際にはそれほど難しくありません。ここでは構成要素の名称やその意味合いを解説します。

もっとも位が高い「院殿号」や「院号」

院号は、寺院や住んでいる地域に貢献するような立場の方につけられます。位の高い人にしかつけられないため、宗派によっては一部の方にしかつけません。もともとは、天皇や貴族など高貴な身分の人につけられていました。時代とともに、徐々に意味合いが変わったという歴史があります。

三島由紀夫の戒名は「彰武院文鑑公威居士」です。「彰武院」が院号に当たります。「院」以外に、「軒」「庵」「斎」などの漢字も使われます。院殿号は院号以上の位です。本来は室町幕府の足利尊氏が院号よりも下位のものとして使い始めたものですが、現在では立場が逆転しています。

僧侶がつける別名「道号」

道号とは、本来仏教の悟りを開くために修行をした位の高い仏僧につけられるものです。多くの場合、故人の趣味や性格に由来した漢字をつけます。たとえば、俳人の場合は、その方の俳名の一部などを使います。

道号として有名なのが、一休さんです。一休さんは、正式には「一休宗純」といいます。「一休」の部分が道号、「宗純」が戒名です。

「雲」「月」などは、道号に使われることの多い漢字です。道号はその方の個性がもっとも現れやすい部分ともいえるでしょう。

戒名の別名でもある「法号」

法号とは戒名の別名です。宗派によって呼び方は変わりますが、意味に大きな違いはありません。浄土真宗では法名、日蓮宗では日号と呼ばれます。

戒名という呼び名には、「仏教で守るべき戒律を受け入れる」という意味が込められています。しかし宗派によってはこの戒律を使わないため、戒名という呼び方が適切でありません。そのため、名称の違いが生まれました。

戒名や法名は、呼び方が違うだけで意味は一緒という認識でかまいません。先祖代々受け継がれた文字、尊敬する人からもらう文字、俗名の一字など自由に選べる部分です。

性別や年齢で変わる「位号」

位号とは、仏教徒としてどのくらいの階級にいるのかを示すものです。性別や成人しているかどうかで、位号が変わります。敬称の意味をもつ部分です。以下に、位号の男女別の例をあげます。

男性の場合、位が高い順番に以下のとおりです。
・大居士
・居士
・禅定門
・清信士
・信士

女性の場合は、位が高い順番に以下のようになります。
・清大姉
・大姉
・禅定尼
・清信女
・信女

ただし、一般の方には位の高いものは多くの場合つけられません。信士、信女がほとんどです。戒名を依頼する際は、位号をどうするかでお布施の額が大きく変わります。位が低いから供養されないというわけではありませんので、その点は気にしなくてもよいでしょう。

未成年につく戒名

未成年である子どもに戒名をつける場合、位号の名称が子どもの年齢によって変わります。

1歳未満の子は「嬰子・嬰女」、2歳~4歳は「孩子・孩女」、それより大きな子どもは「童子・童女」、死産の場合は「水子」とつけます。死産以外は、男の子が「〇子」、女の子が「〇女」です。高校生くらいになると、大人と同じようにつけるのが一般的です。

ただし、あくまで大まかな区分です。15歳くらいの子どもでも成人の戒名である「信士・信女」をつけるケースがまったくないわけではありません。実際には、故人の家族とお寺で相談して決められます。

宗派で戒名の文字数が違う

戒名は宗派によってルールが異なり、宗派によって戒名の文字数が変わります。ある程度パターンが決まっているので、慣れてくれば戒名を見ただけでどの宗派の戒名なのかわかるようになります。ここでは宗派ごとの戒名のつけ方について詳しく見ていきましょう。

浄土宗

浄土宗では、戒名を「院号・誉号・戒名・位号」の順番につけます。「誉号(よごう)」とは、院号の2文字の後に「誉」という字を道号と同じ意味合いで使うことです。この誉号は、浄土宗の特徴でもあります。全体の文字数は7文字程度で構成されます。

誉号は本来、五重相伝を授けられた人がつけられるものでした。しかし現在では五重相伝にかかわらず、多くの人もつけられています。浄土宗の中でも、浄土宗西山派の場合は「誉」の代わりに「空」の字を使います。

浄土真宗

浄土真宗では、「院号・釋(釈)号・法号」の順番で戒名をつけます。「釋(釈)号」とは浄土真宗特有のものです。「〜院釋」のように、院号の直後に「釋」の漢字を入れます。女性の場合は、「釋尼」と表します。「仏様の弟子」を意味する言葉です。

浄土真宗には、「浄土ではみな平等」「本人の力ではなく仏の力によってのみ救われる」という教えがあります。そのため、修行歴や社会への貢献度、年齢などを示す位号は、浄土真宗では用いません。文字数は7文字程度になります。

日蓮宗

日蓮宗では、「院号・道号・日号(法号)・位号」の順番で戒名をつけます。日蓮宗には戒律がないため、戒名ではなく法号と呼びます。日蓮宗の場合、法号の1文字目に「日」をつけ「日号」になっています。本来は、寺院や宗門、社会に貢献の大きかった方や信仰の厚い方へつけたものです。一般的に9文字で表現されます。
真言宗・天台宗・曹洞宗など
真言宗・天台宗・曹洞宗など場合、戒名の構成は同じです。「院号・道号・法号・位号」の順番につけます。これらの宗派にも戒律がないため、戒名ではなく法号と呼んでいます。

9文字で表すこのパターンは、戒名の中ではもっとも一般的な形といえるでしょう。ただし、細かな構成は変わることもあります。詳しくは、戒名をつけてもらうお寺と相談して決めましょう。

戒名で避けるべき文字

戒名に使う文字は、何でもよいわけではありません。「三除の法」「二箇の大事」と呼ばれる、避けるべき文字がいくつか存在しています。

三除の法とは、「奇怪な難字」「無詮の空字」「不穏の異字」の3つを指します。無詮の空字の例としては「乃・也・於・但」などがあり、漢字に意味がないものが該当します。不穏の異字としては「争・恥・敵・悩」などがあり、発音が好ましくないとされている文字です。

二箇の大事とは、「歴代天皇の尊号や年号などの字を使わないこと」「一部を除き動物を表す漢字を使わないこと」という2つの決まりです。動物の漢字は「麟・龍・駿・鹿・亀・鳳・鶴」などは使えますが、犬や猫などの漢字を利用できません。

また、「誉・釈・日」のように他宗派を象徴するもの、典拠のない熟語、「新信」などのように同じ音が続く漢字も避けられます。

戒名料の値段

戒名をつけるには、戒名料という費用がかかります。戒名料は明確な値段が決められていないものの、ある程度値段の目安はあります。位が高くなるほど、戒名料も高くなることが一般的です。

便宜上、戒名料という言葉で表現されていますが、厳密には「お布施」です。感謝の気持ちを伝えるという意味合いが含まれます。そのため、お寺との関係や経済的な事情を配慮して決めることもあるでしょう。宗派などによって金額は変わりますが、戒名料の大まかな相場は以下のとおりです。

浄土真宗 浄土宗 真言宗 日蓮宗 臨済宗
信士・信女 5万円~15万円 15万円~40万円 30万円~50万円
居士・大姉 35万円~60万円 50万円~60万円 50万円~80万円
院信士・院信女 80万円~ 70万円~ 30万円~50万円
院居士・院大姉 100万円~ 100万円~ 100万円~
20万円~
院釋 50万円~

上記の費用はあくまで目安です。それぞれのお寺ごとに実際は異なります。戒名をつける僧侶の格によって変わることもあるでしょう。そのため、実際の金額はあらかじめ相談して決めるとよいでしょう。

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まとめ

戒名とはどのようなものか、つけ方のルールや戒名料について詳しく解説しました。戒名や戒名料はそれぞれの宗派によって、大きく異なります。自分の家の宗派の特徴を知っておきましょう。

戒名料は地域やお寺によって差があるため、実際の金額を知りたい場合はお寺に確認するのがもっとも確かな方法です。直接聞きにくかったり、できるだけ戒名料を安くしたかったりする場合は小さなお葬式にご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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よくある質問

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