香典は代理で依頼できる!代理で依頼する方法と預かった場合の対応方法

香典は代理で依頼できる!代理で依頼する方法と預かった場合の対応方法

日本の葬儀では、香典を持ち寄る慣習があります。しかし、ライフスタイルが多様化している今日、葬儀への出席が敵わず代理人に香典を渡してもらうように頼まざるを得ない場合もあるでしょう。

この記事では、葬儀に持参してもらう香典についてどうしたらよいかお悩みになっている方に向けて、香典を代理人に持参してもらうことについてのマナー全般を解説します。

こんな人におすすめ

香典を代理で出す場合のポイントを知りたい方

代理人から香典を渡す際の流れを知りたい方

香典を代理で渡す以外の方法を知りたい方

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香典を代理で渡しても失礼に当たらないか

まずもっとも根本的な「香典を持参することを代理人に託しても社会通念上問題はないのか?」という疑問については、「問題ない」というのがその答えです。葬儀は突然発生するものだという前提に立ってマナーが作られてきたことが理由です。

葬儀は前触れなしに、事前の準備がままならない状態で発生するものだという前提に立てば「急なことなので本人が参列できないから代理人を向かわせる、香典は代理人に持参させる」ことはマナー違反ではないと考えられるわけです。

葬儀に代理人を参列させる場合、代理人がしっかりした人であればむしろ「しっかりした代理人を派遣することで弔意を示している」という評価になります。

また、代理人が葬儀会場で香典を渡すことで、遺族は香典返しをまとめて行うことができるようになり、その分負担が軽減します。この意味でも代理人を介して香典を渡してもらうことは悪いことではありません。

香典を代理で出す場合のポイント

ここまでのご説明で香典を渡すことを代理人に頼んでもよいということがお分かりいただけたでしょう。しかし、代理人として渡す際に気をつけるべきことが気になっている方もいるのではないでしょうか。

ここからは代理人として香典を持参する際のマナーについて解説していきます。準備段階から気をつけなければならないことがあるため、入念に準備を行うようにしましょう。

香典を代理で出す時の書き方

まず、香典袋の書き方について解説します。香典袋の表書きは代理で香典を届けてもらう場合も通常の場合と同様に、故人の宗教・宗派に合わせて書けば問題ありません。

仏式なら「御霊前」や「御仏前」が使われることが多いですが、「御香典」「御香料」などと書く場合もあります。神式であれば「御榊料」「御玉串料」「神饌料」といった言葉が使われます。

キリスト教の場合は会場となる教会から宗派が推測できるので事前に調べましょう。カトリックの場合は「御花料」「御ミサ料」と書きますが、「御霊前」も使えます。プロテスタントの場合は「御花料」や「献花料」「忌慰料」と書きます。

相手の宗教が分からない場合、香典袋の表書きに用いてよいとされている言葉で最も汎用性の高い「御霊前」を使用するのが一般的ですが、「人は死後すぐに仏となる」と考える浄土真宗、および「御霊は異教の崇拝対象である」と考えるプロテスタントではタブーとなる言葉なので注意が必要です。

香典袋の名前の書き方は、通常の場合の表書きと異なる部分があるため注意が必要です。
まず、香典袋には香典を会場へ持参する代理人の情報ではなく、香典を負担した本人の情報を書きます。そして、左下に小さく「代」の字を添えましょう。

ただし、一つだけ例外があり、配偶者の代理として持参する場合は「代」ではなく「内」と書きます。いずれの場合でも、表書きに代理人の名前を書く必要はありません。

香典袋に中袋がある場合は中袋に香典を包んだ本人の郵便番号、住所、氏名を記入し、住所の左には金額を縦書きで記入します。中袋がない場合は香典袋の裏面は郵便番号・住所と金額のみを書き、氏名を再度記入する必要はありません。

住所はマンションの部屋番号なども省略せずに正確に書き、数字は漢数字を用いて書きましょう。金額は後から改ざんされるのを防ぐため「金参萬圓」のように旧字を用いて金額の前に「金」、後ろに「圓」を付けて書きます。

香典袋は薄墨で書くのが望ましいとされています。これは「涙で文字がにじんでいる」「急に訃報を聞いたので墨をする暇もなかった」ということを伝えるためです。実際に硯を用意して墨をすりはじめる必要はなく、薄墨の筆ペンが市販されているのでそれを使用すれば十分です。

代理人の役割は「預かった香典を届けること」です。ですから預ける香典を入れた香典袋は依頼人が用意し、表書きと住所氏名を記入済みの状態で渡すのが、香典を代理で頼む際のマナーといえるでしょう。

香典を代理で出す場合の金額

香典を代理人に届けてもらう場合の金額については、「代理人に届けてもらうから」という理由で増やしたり減らしたりする必要はありません。香典を出す本人が故人との関係の近さと、現在の自分の年齢を考慮して相場とされる金額を包むのがよいでしょう。

また、「縁が切れる」に繋がるため偶数は避ける、「4」や「9」といった縁起の悪い数を避ける新札や極端に傷んだお札を使わない、お札は香典袋に肖像画が裏向きかつ袋の下側に来るように向きをそろえて入れる、といった通常の葬儀で守るべきとされる香典のマナーを忘れないようにしましょう。

あらかじめ遺族に伝えること

香典の持参を代理人に依頼する場合は、事前に自分が出席できないので代理人が赴いて香典を渡すことを遺族に伝えておく必要があります。

故人や出席するはずだった当人には縁がある人であっても、遺族にとっては知らない人だということは十分にあり得ることです。そのような場合に備える意味でも、代理人に参列してもらうことと、その代理人が香典を持参することを事前に連絡しておく方が望ましいと言えるでしょう。

この連絡の際に具体的な理由をはっきり述べてしまうと「故人の葬儀よりその用事の方が大切だ」と遺族に伝えることになり、大変失礼な印象を与えてしまいますので、具体的な理由は伝えないのがマナーです。

代理人から香典を渡す際の流れ

代理人に託す香典そのものに関する注意点の次は、葬儀会場で代理人として香典を渡す際に注意すべき事柄を説明していきます。

誰の代理であるかを伝える必要があることを除けば、通常の葬儀に出席する場合と基本的なマナーは変わらないので緊張する必要はありません。しかし、参列する前に準備しておくこともあるので注意しましょう。

事前に依頼主の情報を確認しておく

まず、葬儀の会場での記帳の際には代理人ではなく来るはずだった本人のフルネームと住所を記入する必要があるので、事前に確認しておきます。

また、会社の上司の代理として出席する際には会社の所在地正式名称上司の所属役職フルネームを書く必要がありますので、いざ書く段階になって慌てないように事前に名刺をもらって用意しておくとよいでしょう。

受付で代理人であることを伝える

代理人として葬儀に参列した際には、受付で自分が代理として来ていることを伝えましょう。代理を依頼したのは誰なのか、本人が欠席した理由を簡潔に伝えます

先ほどもご説明したように、事情を伝える際には失礼な表現にならないように気をつけましょう。

芳名帳の記帳

葬儀での記帳はその葬儀に参列した人全員を把握するために行われるので、通常は出席した人の住所とフルネームを記帳します。しかし、代理人として葬儀に参列する場合は香典袋の名前と同様に、本来来るはずだった人の住所と名前を記帳します。香典袋に書いた時と同じように、配偶者の代理であれば(内)、そうでない場合は(代)(代理)と小さく下に書き添えます。代理人の名前を書く場合は、(内)、(代)の下に記入します。

袱紗から取り出して渡す

香典は香典袋に入れて渡すものですが、香典袋をむき出しのままで持ち運ぶのはマナー違反です。水引が型崩れしないように保護する、香典を受け取る遺族の気持ちを大切にしていることを表現するといった理由から「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる布で包んで持ち運ぶ必要があります。

そして、受付で香典を渡す際は、目の前で袱紗の中から取り出して渡すのがマナーです。受付を待っている間に袱紗から取り出すのもマナー違反となりますので注意しましょう。香典袋は相手から表書きが読める向きで、両手で渡します

また、香典を包む袱紗は葬儀で使うものですので、葬儀にふさわしい雰囲気の寒色系の暗い色のものを使いましょう。紫の袱紗があれば、葬儀と慶事どちらにも使いまわすことができて便利です。

ただし、紫なら何でもよいわけではなく、薄い紫は慶事向けとされているので注意が必要です。袱紗は慶事と弔事で畳み方が違うので、上下の向きが分かってしまう模様のものは不適切です。無地のものを選びましょう。

お悔みの言葉を述べる

代理人として参列した場合であっても、通常葬儀に参列する場合と同様に受付でお悔やみの言葉を述べましょう。

代理人であることを告げる際に一緒に言う、記帳の前に受付に一言声をかけるつもりで言うなどするとスムーズに述べられます。

複数人から代理を引き受けた時の香典の渡し方

代理で香典を届けることを複数の人から依頼されることもあるでしょう。しかし、この時に代理人が複数の香典をまとめて一つの香典にしてはいけません。日本の葬儀では、香典を持参した人に受け取った側が「香典返し」を送るという習慣があるためです。

香典返しの相場は、地域や宗教によって異なるものの、頂いた相場の3分の1から半額程度とされています。そのため、香典を「誰から」「いくら」受け取ったのかを把握しておかないと香典返しを送ることができません。

また、香典袋には香典返しが郵送となった際の送り先の住所を知らせるという役割があるので、香典をまとめると一人一人の住所が分からなくなり、香典返しを郵送できなくなってしまいます。

そもそも会社などの団体の代表者のみが参列するような場合を除いては、香典は連名で出すのは望ましくないものとされています。この意味でも香典をまとめるべきではありません。

なお、複数の香典を渡す時は、一度にまとめて渡します。分けて香典を届けると「香典を渡すような不幸が何度も起こってほしい」と思っていると思われてしまうため注意しましょう。

代理で参加した時の香典返しの取り扱い

葬儀で香典を包むと、その返礼品である香典返しを受け取ることになります。本来、香典返しは故人が亡くなってからキリスト教なら30日後、仏教なら四十九日後の忌明けに香典を包んだ人に直接持参するか郵送するものでした。

しかし、現在では葬儀の負担を軽減するという観点から「当日返し」と言って、葬儀の会場で香典と引き換えに受付で渡す場合も増えてきています。そうなると代理人が香典返しを受け取ることになるので、その場合の注意点を説明します。

香典返しの受け取り方

香典返しは、金額によって種類が異なる場合と金額に関係なく同じものが渡される場合があります。

複数人から香典を預かっている場合は、金額によって香典返しの種類が異なるケースがあるので渡し間違いをしないように注意し、分かりやすいように管理しておきましょう。

手渡しで届ける

香典返しは遺族の気持ちが籠ったものですので、基本的には手渡しで依頼人に届けるものです。香典返しを手渡しで届ければ、その際に葬儀に参列したことや葬儀の様子の報告も一緒にできるので、この点でも手渡しが望ましいと言えるでしょう。

郵送で届ける

依頼人が海外にいるなどで手渡しが困難な場合は、香典返しを郵送しても構いません。先ほども述べたように香典返しは「遺族の気持ち」ですので、本人に届けることが第一に大切なことです。

香典返しを速やかに手渡しするのが難しいと思われる場合は、遠慮せずに依頼人にどうしたらよいかを確認し、必要ならば郵送で届けましょう。

香典を代理で渡す以外の方法

最後に、代理人に代わりに香典を届けてもらうという方法をとることができないケースにおいて、香典をどうしたらよいのかを解説していきます。

まず、葬儀当日に会場に参列することができない場合は後日弔問し、その際に香典を渡すという方法があります。しかしながら、故人とかなり親しい間柄でないと弔問は行わないことを念頭においたうえで検討します。また、遺族は故人の不幸を悼んでいること、葬儀が終わった後も忙しいことに配慮したうえで弔問に赴きましょう。

葬儀の前に弔問を行う場合もありますが、この時に香典を持参すると「故人の不幸に事前に備えていた」ことになってしまうのでここで香典を渡してはいけません

では、自分が葬儀に参列することができない、葬儀に代理を立てられない、葬儀以外の日に弔問に行くことも不適切、という場合の香典はどうしたらよいでしょうか。そのような場合は香典を郵送します。郵送したからといってマナー上問題になることはありません。

香典は現金なので、郵送する際には普通郵便や宅配便ではなく、現金書留で送らなければなりません。現金書留封筒に香典を入れた香典袋を入れましょう。現金書留封筒に入れる場合でも香典袋にはしっかり住所を書きます。手紙を添えることでより丁寧な印象が伝わりますので、簡潔な内容の手紙を同封するようにしましょう。

また、香典を郵送しなければならないような場合には弔電を送ることも一つの手です。弔電は訃報を聞いてから通夜までに喪主宛に葬儀会場へ送ります。電報に不慣れな人は電話で依頼するとオペレーターが応対してくれるので利用するとよいでしょう。

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まとめ

この記事では、自分が葬儀に参列して直接香典を届けることができない場合にどうしたらよいのかを解説しました。葬儀で重要なのは遺族にしっかりと弔意を伝えることですので、葬儀に参列できないからと言って何もしないのは良くありません。代理を立てる、弔電を送る、香典を郵送するといった手段で必ず遺族に故人への弔意を伝えましょう。

葬儀に関する不安を抱えている方や、満足のいく葬儀を執り行いたい方は「小さなお葬式」までご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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