「葬儀費用は経費になるのか」と疑問に思ってはいませんか。
葬儀費用には数十万~数百万円がかかり、多くの人に負担となるでしょう。ただしこの費用は、経費として相続税の控除対象となります。
控除すれば、支払う相続税の金額が少なくなり、負担を減らせます。とはいえ控除できない経費も存在するので、注意が必要です。
この記事では、相続税の控除の仕組み、控除できる経費・できない経費、注意点などを紹介します。
記事を読めば「葬儀費用のうち何が経費になるのか」がわかるため、ぜひ最後までご覧ください。
<この記事の要点>
・通夜・告別式の費用など「葬儀を行う際に必ず発生する経費」が控除対象となる
・墓石代や仏具代など「葬儀を行う際に必須ではない経費」は経費としての控除対象外
・初七日に関する費用、位牌代などは条件によっては経費として控除できる
こんな人におすすめ
葬儀費用は経費にできるのか知りたい方
経費として控除できる7つの費用について知りたい方
経費として控除できない費用について知りたい方
葬儀にかかった料金の大部分は、経費として相続税の控除対象です。
相続・相続税とはなにか、控除とはなにかについてご紹介します。
まず相続とは、亡くなった方から財産を継承することです。財産には以下のような「金銭に見積れる経済的価値のあるすべて」が該当します。
現金
預貯金
有価証券
宝石
土地
家屋
貸付金
特許権
著作権
これらの財産から、債務(借入金、未払金など)を引いた価格が「遺産額」です。
遺産額に応じて相続税を支払わなければいけません。
葬儀にかかった経費は遺産から差し引いて、税金の計算元となる金額を減らすことができます。
つまり葬儀に支払った金額に応じて、相続税の負担を少なくできます。
【計算例:財産が800万、債務が100万、相続税率が10%の場合】(単位:万)
葬儀費用の控除 | 計算式 | 相続税 |
なし | (800万-100万)×10% | 70万 |
あり(200万) | (800万-100万-200万)×10% | 50万 |
上記の例だと、葬儀費用の控除によって、相続税として払う金額が20万円安くなっています。
ただし、葬儀にかかった料金の全額が控除の対象にはなりません。「必ず発生するか」が判断の基準です。
通夜・葬式に必要な経費は基本的に控除の対象ですが、一部対象外があります。
次の章から、対象になる経費・ならない経費を具体的にご紹介します。
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葬儀費用で相続税から控除できる費用とできない費用とは?
経費として控除できる、主な葬儀費用を7つご紹介します。7つと細かく分類されていますが、基本的にはお通夜・告別式の費用など「葬儀を行う際に必ず発生する経費」が控除の対象です。
証明として、領収書・明細書、金額のメモが必要になるので気をつけましょう。
何が控除の対象となるのか、事前に確認しておくことがおすすめです。
お通夜・告別式に際し葬儀会社に支払った料金は、葬儀費用そのものとみなされるので控除の対象です。
具体的には以下の経費が該当します。
遺体の保存処置
遺体の化粧
遺影写真
式場の使用料
霊柩車
看板代
司会・運営係員・運営管理費
葬儀に伴う会食代も、葬儀の一部なので経費にできます。お参りのあとの通夜振る舞い、火葬のあとの精進落としなどです。
葬儀会社が用意したものだけでなく、スーパー・コンビニなどで買った商品も経費になります。私用で使うものが入っていると手間になるので、分けて購入するとよいでしょう。
火葬料・埋葬料・納骨の費用は、経費となります。どのような形式の葬儀であったとしても必ず行うものなので、控除の対象です。
お寺、神社、教会などに支払うお布施は、必要な支払いなので経費です。
戒名代(亡くなった方に仏様としての名前をつけてもらうための代金)
読経料(お経を読んでもらうための代金)
お車代
などが該当します。
遺体の搬送費用とは、病院や自宅など亡くなった場所から葬儀場に運ぶ際にかかる料金のことです。葬式をするために必要なので経費となります。
なお、霊柩車(葬儀場から火葬場への移動に使う車)にかかる料金も経費となります。
死亡診断書とは、人が亡くなったことを医学的・法律的に証明する書類です。医師や歯科医師のみが作成できます。
火葬・埋葬をする際に必要です。
・死亡した人の氏名、生年月日
・死亡した年月日、時刻、場所
・診断した医師の氏名
などが記載されます。
心付けは、葬式内でお世話になった運転手や係員、手伝ってもらった方などに渡すお礼のことです。こちらは必須ではありませんが、慣習となっています。金額が社会通念上相当と認められる範囲であれば、経費扱いです。
一般的には2,000円~5,000円、高くとも1万円以内にするとよいでしょう。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
経費として差し引きできない、主な葬儀費用を7つご紹介します。
墓地・墓石代、仏壇・仏具代、四十九日などの法要に要する料金など、基本的には「葬儀を行う際に必須ではない経費」が控除の対象外です。
控除対象にはならない経費を申告すると、不正扱いを受けるかもしれません。何が対象外なのか、確認しておくことをおすすめします。
墓石の購入費用、墓地の借り入れ料などが該当します。お墓などは一般的に立てるものですが、葬式とは直接的に関係がないので経費にはできません。
仏壇・仏具代も、墓地・墓石と同じく、葬式とは繋がりがありませんので経費ではありません。あくまでも「葬儀」に関するものが経費の対象です。
四十九日、一周忌法要などに関する料金は、故人が成仏するために行います。こちらも葬式後に行う行事なので、経費にはできません。
香典返しはいただいた香典に対するお返しとして一般的に行いますが、経費ではありません。香典返しの元となる香典が相続財産でないため、控除の対象外となっています。
解剖費用など、医学上・裁判上で死因を特定するために必要な料金は、葬式と関係がないため、経費にできません。
遠方から来られた親族の宿泊費を、喪主が負担することもあるでしょう。宿泊費は葬式とは別にかかる料金なので、経費ではありません。
喪服がない場合は、購入・レンタルが必要ですが、既に持っている場合は費用の負担はないです。必須ではないので、経費にはなりません。
こちらでは、条件によっては経費として差し引ける葬儀費用をご紹介します。
初七日に関する費用、位牌代、会葬御礼費用などは、条件によっては一部もしくは全額を経費にできます。
ご紹介するのは一般的な基準であり、場合によっては当てはまりません。不安な場合は、専門家にご相談することをおすすめします。
仕事の休みが取りにくい・遠方から集まりにくいなどの参加者の負担を減らすために、初七日を葬式と同じ日に行う(繰り上げ初七日)ことも、一般的になってきています。
繰り上げ初七日を行い、葬式と支払いが区別できない場合は経費として控除の対象です。
経費になるのは、葬式と同じ日に行う(繰り上げ初七日)かつ、支払いが区別できない場合です。
経緯にならないのは、葬式と別日に行う場合です。
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葬儀が終わって初めての法要「初七日法要」で知っておきたい常識とマナーを紹介
位牌には、葬式の際に祭壇に置く「白木位牌」と、家の仏壇に安置する「本位牌」の2種類があります。
経費にできるのは、葬式で使用する「白木位牌」の料金のみです。本位牌(仏壇用)の場合は経費になりません。
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位牌は必要?作る時期は?位牌作成時のよくある疑問に答えます
会葬御礼(のり・ハンカチ・お茶など)は、香典返しをしている場合に経費となります。
香典返しをしていない(会葬御礼のみ渡している)場合は経費にできません。
供花は喪主が払った分に限り、経費となります。
親族など喪主以外が払った分は対象外となる点に注意しましょう。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
葬儀費用を経費として相続税から差し引くための、注意点を3つご紹介します。
守れなかった場合、控除を受けられなかったり、加算税・延滞税がかかったりして、料金の負担が増加するリスクが考えられます。
これからご紹介する内容を意識しておけば、スムーズな手続きが可能です。何に気をつけておけばよいのか、事前に確認しておくとよいでしょう。
領収書・明細書を確実に保管しておくことをおすすめします。相続税の申請時には提出しませんが、税務調査が入った際に、葬儀費用を負担した証明として必要です。
葬儀会社からは領収書と合わせて明細書をもらうとよいでしょう。領収書の金額に、経費にできない品目(香典返し・衣装レンタル台など)も含まれていることがあるためです。
領収書・明細書は紛失すると再発行ができない可能性も考えられます。管理する人を決めておく、まとめて保管しておくなど、なくさないような工夫が大切です。
お布施や心付けなど、領収書がもらえない経費はメモを残しておくとよいでしょう。
お布施の場合、メモに書く項目は、
お寺の名前
住所
電話番号
金額
日付
目的(内容)
などです。お布施は、お寺でも記録していることが多いです。
金額に差異があると加算税・延滞税を払うことになる可能性もあります。しっかり確認して、正確な金額を書いておくとよいでしょう。
心付けの場合は、金額と人数・合計金額(1万円×3人=3万円 など)を書いておくことをおすすめします。
相続税の申告・納税は、相続を受ける人が死亡を知った日から10ヶ月以内となります。期限が土日祝にあたる場合は、これらの日の翌日です。
期限までに申告・納税しなかった場合は、加算税・延滞税を払うことになります。
落ち着いたタイミングで、早めに済ませておくのがよいでしょう。
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控除できる経費・できない経費に明確な線引きがなく、複雑に感じられたかもしれません。
差し引ける金額をうまく申告することで、相続税の負担を減らせるので意識してみてください。
葬儀を進める際は何を計上できるのか確認し、領収書・明細書を保管しておくことが大切です。
10ヶ月の期限より前に申請する点にも注意などにもして、相続税の負担を確実に減らしましょう。
経費にできる葬儀費用がわかったとはいえ、細かいケースで判断できるか不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
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