身近な方に不幸があって訃報を受けたとき、お通夜と告別式どちらに参加すればよいのか迷った経験はありませんか。諸事情でどちらか一方にしか参列できない場合、どちらを優先すれば良いのか迷っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、お通夜と告別式、どちらに参列するべきなのかについてご紹介します。お通夜と告別式の違いや参列の優先度が分かり、参列時のマナーやポイントが把握できるようになる内容です。
<この記事の要点>
・お通夜は家族や親しい方が集まり、故人の死を悼むための儀式で、告別式は故人との最後のお別れの場です
・お通夜と告別式両方に参列しても、どちらか一方のみに参加しても問題はありません
・香典は最初に参列したタイミングで渡します。複数回香典を渡すのはマナー違反です
こんな人におすすめ
お通夜と告別式どちらに参列すべきかお悩みの方
お通夜と告別式の違いを知りたい方
家族葬の参列基準について知りたい方
お通夜と告別式はどちらも葬儀の一環ですが、どのような違いがあるのでしょうか。葬儀に参列した経験が少ない方は振る舞いに不安を感じることもあるでしょう。
安心して参列するには、お通夜と告別式の意味を把握しておくことが大切です。まずは、お通夜と告別式の違いについて解説します。
お通夜は、お釈迦様が入滅したときに悲しむ弟子たちがお釈迦様を囲み、その教えを夜通し語り合ったことから始まったと考えられています。日本でのお通夜は「夜を通す」、つまりは徹夜をして亡くなった人の魂を守るための儀式です。
昔は、夜になると現代でいうところのおばけ、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が徘徊し始めると考えられていました。
諸説ありますが、魑魅魍魎から故人の魂を守るために、遺族や親しい人が集まり徹夜で魔よけの線香の火をともし続けながら、故人の思い出話をしていたと言われています。
しかし最近では、仕事などの都合でお通夜に参列できる時間が限られることが多くなりました。これにより、夕方ごろに始まり1~2時間程度で終わる「半通夜」へと形を変えています。
告別式は「東洋のルソー」とよばれた思想家、中江兆民から伝わったものと言われています。彼は「死んだらすぐに火葬場に送り荼毘(だび)にせよ」という遺言を残していました。
そのため冥福を祈る葬儀を行うことができなかったので、火葬の後に、墓地で仲間が故人に別れを告げたのが「告別式」の始まりとされています。
こうして始まった告別式は「故人へ別れを告げる」式であるため、故人の死を悼むのであれば、誰でも参加可能です。
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葬儀の参列にはマナーが重要!スムーズに参列するにはどうすればよい?
親族や友人の訃報を知ったときにどのように行動すれば良いのか分からなくなるケースは珍しくありません。
お通夜と告別式は両方に参列したほうが良いのか判断に困る方は多いでしょう。ここでは、お通夜と告別式は両方に参列した方が良いのかについて解説します。
以前のお通夜は故人と関係が深かった方が参列するものでしたが、近年では告別式に出席できない方の受け皿という一面もあります。
日中に執り行う告別式よりも夕方以降に執り行うお通夜の方が参加しやすい方もいるため、お通夜のみに参列する方も多く見られるようになりました。
葬儀は参加することに意味があります。両方に参列しても、都合を合わせてどちらか一方のみに参加しても問題はありません。ただし、親族の方は本来の意味に倣って両方に出る場合が多いようです。
葬儀への対応は故人との関係によっても異なります。故人との関係が深ければ深いほど、両方への参列が望ましいとされているのが一般的です。親族や親しい友人はお通夜に参列し、多くの場合は翌日に行われる告別式にも出るのが通例となっています。
故人との関わりが深い方がどちらか一方にしか出られない場合は、周りと相談して決めるのが良いでしょう。地域や家ごとに独自のローカルルールがあることもあるので、個人の事情だけでなく慣習も考慮して決めることが大切です。
近年では、価値観の多様化や社会事情の変化に伴って、葬儀もさまざまな形態が見られるようになりました。家族葬は少人数で執り行う葬儀で、通常の葬儀とはマナーも異なります。親族と親族以外に分けて、参列の判断基準を確認しましょう。
親族の場合、家族葬に参列するのは三親等以内が一般的です。三親等よりも遠い親族が参列してはいけないという決まりはないので、故人とどの程度の交流があったかを考慮して判断することも必要です。
ひとくくりに親族と言っても故人との関係性はさまざまで、参列に絶対の基準はありません。顔を合わせる機会が多いか、年賀状のやり取りがあるか、近郊に住んでいるかなどを目安にして判断しましょう。
家族葬は遺族の負担を軽減できるのが大きなメリットなので、親族以外はあまり参列しません。故人と特に懇意にしていた場合は、親族以外にも喪主から参列願いが出されることがあるので、参列願いが届いたら出るというスタンスで問題ないでしょう。
どうしても参列したい場合は、事前に喪主へ連絡して承諾を得る必要があります。通常の葬儀とは異なり、家族葬では員数外の参列は想定していません。突然押し掛けると迷惑になるので、アポイントメントを取っていない場合は辞退するのがマナーです。
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家族葬に参列する前に知っておきたい! 参列の判断基準とマナー
葬儀はマナーが重視される場であり、お通夜や告別式に参列するときも、場にふさわしい言動が求められます。
マナーを知らずに参列すると肩身が狭い思いをするだけでなく、周囲の方に不快感を与えることもあるでしょう。故人との最後のお別れの場の平穏を守るためにも、あらかじめマナーを把握しておくことが大切です。
両方に出席する場合、香典を渡すのは一度で問題ありません。香典を二度渡すことは不幸の重なりを想起させることからマナー違反とされています。受け取る側からすると、複数回香典を渡されるとお礼などの面で煩雑になって迷惑になることもあるでしょう。
香典は最初に参列したタイミングで渡すのが基本です。お通夜と告別式に出る場合は、先に執り行われるお通夜の記帳する際に受付で渡しましょう。
家族葬や火葬式で受付がない場合は、喪主に挨拶したときに直接渡します。事情があってお通夜で渡せなかった場合は、告別式で渡しても問題はありません。
芳名録への記帳はお通夜・告別式でそれぞれ個別に行います。芳名録は喪主側が参列者を把握するために書くものなので、「香典を渡さずに記帳するのは恥ずかしい」といったことを気にする必要はありません。
すでに香典を渡している場合は、「通夜に伺いましたが参列させていただきます」と一言添えれば受付係が対応してくれるでしょう。
参列が二度目だからと記帳を省略すると、喪主が参列した人物や人数を把握できなくなります。迷惑になることもあるので、記帳は毎回行いましょう。
葬儀に参列する際は、ふさわしい服装で出席しましょう。弔問客として参列する場合は、男女ともに準礼装のブラックフォーマルで臨むのが望ましいとされています。
葬儀の場では弔問客が喪主よりも格が高い服装で臨むのはマナー違反とされているので、正式礼装は着用しないのが基本です。
案内状に「平服でお越しください」と記載されている場合は、略礼装を着用します。平服とは「あまりかしこまらないで良い」という意味合いであり、普段着で良いという意味ではありません。
親交が深かった方の葬儀にはできる限り参列したいものですが、どうしても欠席しなければならないこともあるでしょう。予定が合わずにどちらにも参列できない場合は、事前に遺族へ連絡を行うことが大切です。連絡の方法やタイミングを確認しましょう。
参列できない場合は、欠席の連絡をするのがマナーです。連絡手段は電話やメールで問題ありません。連絡の際は、参列できない具体的な理由は伝えないことがポイントです。「諸事情により……」といった言葉で簡単に伝えましょう。
理由を伝えないのは、理由によっては遺族に不快感を与える可能性があるためです。例えば、仕事があるからと伝えると、「葬儀よりも仕事の方が大事なのか」と受け取られてしまう危険性があります。誤解されないためにも詳細は伏せたほうが無難と言えるでしょう。
参列できないことが判明したら、すぐに弔電の準備を始めましょう。弔電は告別式で読み上げますが、読む順番やタイムスケジュールを決めるために段取りを決める必要があります。
段取りは告別式を始める前に決めるので、ぎりぎりのタイミングで送ると迷惑をかける可能性があります。
弔電は可能であればお通夜の前、遅くても告別式が始まる前に送るのがマナーです。告別式に間に合わないようであれば、送るのを見送ったほうが良いでしょう。
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葬儀に参列できない場合でも、香典を送って弔意を示すことは可能です。しかし、葬儀で渡すときとは異なるマナーが求められることには注意しましょう。ここでは、葬儀に出られなかった場合の香典の渡し方を二通り解説します。
葬儀に出られなかった場合は、後日あらためて弔問したときに渡すこともできます。弔問する際は、事前に連絡してアポイントメントを取りましょう。葬儀が終わった直後や他の法要前後は、遺族は準備や片付けで忙しくしているので避けましょう。
訪問するときは平服を着用する、話は手短にして長居しない、といったマナーもチェックして失礼がないように振る舞いましょう。
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香典は郵送してもマナー違反ではありません。郵送するタイミングは、葬儀が終わってから2日~3日後程度に到着するように手配しましょう。現金は普通郵便では送れないので、現金書留で送ります。
また、現金は直接封筒に入れるのではなく、不祝儀袋に包んでから封入するのがマナーとされています。香典だけでなくお悔やみの手紙も同封すると、より丁寧に弔意を示せるでしょう。
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葬儀への参列対応は、故人との関係によって異なります。関係が近い親族はお通夜と告別式のどちらにも参加するケースが多く見られますが、知人や仕事関係の場合は予定を合わせられる方に参列すれば良いという考え方が一般的です。これらを考慮して葬儀への参列を検討しましょう。
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