葬式は故人を見送る大切な儀式です。参列する際は、大きな悲しみの中にいる遺族に寄り添い、できるだけ丁寧に弔意を示したいものです。しかし、葬式のマナーは宗教・宗派や地域によっても異なるため、参列に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
いざというときに備えて、宗派ごとの焼香の違いや葬式に参列できない場合の対処法を知っておきましょう。この記事では、葬式に参列する方が知っておきたい葬式の基本的なマナーや注意点を紹介します。
<この記事の要点>
・遺族として葬式に参列する場合は、忌引き休暇を取得するのが一般的
・葬式を欠席する場合は、すぐに弔電かお悔やみの手紙を出す
・香典を包む不祝儀袋は故人の宗教に合わせて選び、お札は新札を避ける
こんな人におすすめ
葬式に参列する予定のある方
葬式参列時のマナーを知りたい方
葬式全体の流れを知りたい方
葬式に参列する際は、憔悴している遺族に寄り添いマナーを守った行動を心がけましょう。ここからは、葬式に焦らず参列するために知っておきたいマナーを5つ紹介します。
夜に行われる通夜は、仕事終わりに駆けつけることもできます。しかし、葬式は日中に行われるため、会社を休まなければならない場合もあります。遺族として葬式に参列する場合は、忌引き休暇を取得するのが一般的です。
葬式がきまったら、早めに会社の上司に連絡しましょう。連絡は基本的に電話で行います。夜間であれば、メールで一方を入れた後、翌日に改めて電話で連絡しても問題ありません。やむを得ない理由ですが、仕事を休むことになるので引継ぎなどはしっかり行いましょう。
故人との関係によって、忌引きで取得できる休暇の日数は異なります。上司に連絡する際に、誰の葬式に参列するのかを伝えましょう。休暇日数は、法律ではなく勤務先の就業規則によってきまっています。三親等以上の親族の場合は、忌引き休暇の対象外であることも多いので注意が必要です。
病気や出張など、やむを得ない事情で葬式を欠席する場合は、すぐに弔電かお悔やみの手紙を出しましょう。その際に、欠席する旨とその理由を書きます。
理由は簡潔に「やむを得ない事情で」と記して問題ありません。長々と理由を書くほうが失礼にあたるので注意が必要です。代理で参列できる方がいる場合は、お願いするとよいでしょう。
欠席する場合でも弔意を伝えたい場合は、香典や供物、供花を送るのがおすすめです。香典は、参列する方に預けたり現金書留で送ったりするとよいでしょう。
葬式に行けない場合の対応方法については、以下の記事を参考にしてください。
現在の葬式では、遺族も参列者も喪服を着用するのが一般的です。ただし、正式礼装は、喪主や遺族の装いです。一般会葬者として参列する場合は、正式礼装より格下の「準礼服」や「略喪服」を着用しましょう。
参列者の一般的な服装は、以下のとおりです。
【男性】
・ブラックスーツ、もしくはダークスーツ
・シャツは白
・ネクタイやベルト、靴下などの小物は黒でそろえる
【女性】
・黒のシンプルなアンサンブルやスーツ
・カバンや靴などの小物は黒でそろえる
ビジネススーツは喪服と比べると光沢があり漆黒ではないため、葬式の場にはふさわしくありません。カバンや靴も光沢のない黒色のものを選び、エナメル素材や革製品のものは選ばないようにしましょう。また、女性は肌の露出が多いノースリーブや短いスカートは着用しないように注意が必要です。
仏式の葬式では、焼香をします。焼香は「右手の指先で抹香をつまみ、額に掲げてから香炉にくべる」という流れが一般的です。しかし、宗派によって焼香の回数や作法が異なります。
たとえば、天台宗の焼香回数は1回または3回、真言宗では3回です。臨済宗では「つまんだ抹香を額に掲げずそのまま香炉にくべる」という特徴があります。参列前に葬式の宗派を確認しておきましょう。
参列者が多い葬式の場合、宗派に関わらず「焼香は1回で済ませてください」と言われるケースもあります。案内があった場合は、係員の案内に従いましょう。
大きな悲しみの中にいる遺族への声かけには、配慮が必要です。一般的なお悔やみの言葉としては「このたびはご愁傷様でございます」「心からお悔やみ申し上げます」などが挙げられます。
遺族に声をかける際は、「忌み言葉」に注意しましょう。不幸の連続をイメージさせる「たびたび」「くれぐれも」といった重ね言葉は使わないようにします。
また、「死亡した」「生きていたときは」など、直接的な表現もマナー違反です。そのほかにも「四」や「九」は「忌み数(いみかず)」と呼ばれ、不吉なため避けるべき数字といわれています。
葬式の連絡は突然であることがほとんどです。訃報を受けて葬式に参列する場合は、何を準備すればよいのでしょうか。ここからは、葬式のマナーと持参するものを紹介します。
香典を包む不祝儀袋は故人の宗教に合わせて選びます。水引は「結び切り」を選びましょう。一度結んだらほどけない結び切りには、「不幸を繰り返さないように」という願いが込められています。表書きは、仏式の場合は「御香典」や「御香料」、相手の宗教がわからないときは「御霊前」と書きます。ただし、浄土真宗では「御仏前」を使用するため注意が必要です。通夜と葬式の両方に参列する場合は、通夜のときに香典を渡すのが一般的です。
また、香典袋に入れるお札は新札を避けましょう。故人にお供えするものなので、きれいなお札を包みたいと思うかもしれませんが、「不幸を予期して準備していた」と捉えられる可能性があります。適度な使用感のあるお札を使うのがマナーです。
参考動画:<浄土真宗本願寺派>葬儀の際の数珠の持ち方【小さなお葬式 公式】 の動画が見られない場合はこちら
仏式の葬式に参列する際は、数珠が必要です。数珠は宗派によって色や形が異なりますが、自身の宗派に合わせたもので構いません。
葬式中は左手首にかけておきます。焼香や挨拶のために歩くときは、房を下にして左手で持つのが正しい作法です。焼香の際は、合掌して親指と人差し指の間に数珠をかけます。
故人と親しい関係であれば、お供え物を持っていくこともあるでしょう。お供え物は線香や花に加えて、お菓子もよく選ばれます。
後々お下がりとしても分けやすいように、日持ちのするお菓子がおすすめです。クッキーやマドレーヌは、小分けになっているものが喜ばれるでしょう。お供え物としてお菓子を持っていくときは、必ず掛け紙をかけましょう。
地域によっては「通夜見舞い」や「お淋し見舞い(おさみしみまい)」という風習で、お菓子を持っていくケースもあります。これは、故人ではなく、葬式で長い時間を過ごす遺族のために用意するものです。
その場では食べ切れないことも多いので、お供え物と同じように長期間保存できるものを選びましょう。この場合はお供え物と区別するために、掛け紙をかけないのが一般的です。
いずれのケースでも遺族に配慮した商品選びを心がけましょう。「故人が生前好んでいたお菓子を持っていく」という選び方もおすすめです。
葬式に参列した経験が少ないと、葬儀全体の流れがわからないかもしれません。
通夜は夜に行われますが、葬式は日中に行われます。会場に到着したら、受付を済ませて着席し、僧侶の到着を待ちます。その後の流れは以下のとおりです。
1. 弔辞が読まれる
2. 僧侶による読経と参列者による焼香が行われる
3. 僧侶が退場する
4. 弔電が読まれる
5. 棺に花を納める
6. 喪主の挨拶
7. 棺を霊柩車まで運ぶ
8. 出棺
9. 火葬
葬式に参列する際は、失礼のない立ち居振る舞いをしたいものです。弔事では、使ってはいけない言葉や避けるべき行動がいくつかあります。ここからは、葬式に参列する際の注意点を紹介します。
遺族は悲しみを感じながらも葬式を進めるため、忙しい状況にあります。故人への気持ちや遺族への励ましの言葉を伝えたいという方もいるかもしれませんが、葬式の場で無理にすべてを伝える必要はありません。
葬式に参列したことで、弔意は十分に伝わります。遺族と親しい場合でも、長話は避けて手短にお悔やみの言葉を伝えましょう。
故人が亡くなった理由が気になったとしても、遺族に故人の死因を尋ねることは絶対にやめましょう。
悲しみに暮れている遺族への思いやりを大切にして、遺族から説明があるまでは、死因について触れないようにしましょう。
葬式への遅刻はマナー違反です。時間と会場を事前にしっかりと確認しましょう。万が一、葬式に遅れてしまい読経が始まっていた場合は、途中で着席するのは控えます。読経が終わってからお詫びをし、焼香をさせてもらいましょう。
受付の方が不在の場合、香典は遺族に直接渡すか霊前に向けて供えます。
通夜振る舞いは故人を供養するための場なので、断ることは失礼にあたります。たとえ時間がないときでもお断りせず、箸をつけるだけでもよいので参加しましょう。
葬式の後は、遺族の方々も緊張の糸がとぎれ、疲れを感じていることが予想されます。通夜振る舞いで長居するのも、遺族の負担になるため避けましょう。
宗教・宗派によって葬式のマナーは異なります。たとえばキリスト教の場合、「死」は縁起の悪いものではありません。そのため「ご愁傷様」は使わず「安らかなお眠りをお祈りします」「平安がありますように」といった声がけをします。
また、同じ仏教でも宗派によって作法が異なります。マナーを守って弔意を示すためにも、故人の宗教・宗派を確認してから参列しましょう。
葬式に参列した経験が少ないと、参列に不安を覚えるかもしれません。準備するものや流れについて知っておくと、心構えができるでしょう。ここからは、葬式のマナーを守るためにできることを紹介します。
「焼香のやり方が分からない」「正しいマナーが知りたい」と思ったら、インターネットで検索してみましょう。
葬式に参列する際に知っておきたいポイントを教えてくれる動画もあります。文章で読むのもよいですが、動画で見ると当日の流れをイメージしやすいのでおすすめです。ぜひチェックしてみてください。
参考動画:<参列者/一般>葬儀におけるお焼香の作法(やり方)【小さなお葬式 公式】の動画が見られない場合はこちら
インターネットで葬儀について検索しても、まだわからないことがある場合もあります。その場合は、家族に聞いたり業者に問い合わせてみるのがおすすめです。地域の風習や宗派に合わせた作法を確認できるでしょう。
亡くなった当日や翌日の夜に行われるのは「通夜」ですが、通夜の翌日に行われる儀式は「葬式」「葬儀」「告別式」などと呼ばれます。この呼び方の違いには、何か意味があるのでしょうか。ここからは、葬式に関連する言葉の意味を詳しく解説します。
「葬式」は、葬儀や告別式などを含めた一連の儀式を指します。「葬儀」は宗教的な儀式です。仏式では、故人に仏の弟子としての戒律(かいりつ)を与え、浄土へ導く意味が込められています。
一方で、「告別式」は社会的な式典です。死を公示するとともに、世間的な付き合いの中で故人と親交のあった人たちが、最後の別れを告げるものです。葬儀とは異なり、宗教的側面はありません。
現在では葬儀の規模よりも内容が重視される傾向にあり、葬儀・告別式を1日で行う「一日葬」など、葬式を簡略化する方も増えています。時代の変化とともに、故人や遺族の意思を尊重した葬儀・告別式を行えるようになりました。
「参列」と「列席」はどちらも「出席する」という意味を持ちます。これらの言葉は葬式に参加する人の立場によって使い分けます。
「参列」は「葬式に参列いたします」など、参列者が使う言葉です。一方で、「列席」は「ご列席いただいた皆様」など、葬式を主催する側が使います。自身が葬式に参加する立場の場合は「参列」、参列者への挨拶や案内の場合は「列席」と使い分けましょう。
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葬式に参列した経験がなかったり少なかったりすると、わからないことが多く不安に感じる方も多いでしょう。葬式の流れやマナーを覚えておけば、いざという時でも慌てずに葬
式に参列できます。
葬式に参列する際は喪服を着用します。ただし、正式礼装は喪主や遺族の装いなので、参列者は正式礼装より格下の「準礼服」や「略喪服」を着用しましょう。また、遺族に声をかける際は、「忌み言葉」に注意しましょう。不幸の連続をイメージさせる「たびたび」「くれぐれも」といった重ね言葉は使わないようにします。
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