出棺とは、告別式の後に遺体が収められた棺を、火葬場まで運搬する一連の手続きを指します。出棺には様々なマナーがありますが、ご存じない方も多いのではないでしょうか。
この記事では出棺時のマナーについて、一連の流れから「棺に入れるもの」「入れられないもの」について解説します。火葬場に同行する際の注意点も紹介していますので、遺族にとっても参列者にとっても役立つ内容です。ぜひとも最後までご覧ください。葬儀全体の流れについてあわせてご確認することもおすすめです。
<この記事の要点>
・出棺の儀式に立ち会う際は、霊柩車が見えなくなるまで一礼する
・お別れの儀・釘打ち・喪主の挨拶が終わったら火葬場に移動する
・棺には、不燃物や燃やすと有害物質が発生するものは入れられない
こんな人におすすめ
葬儀を考えている人
葬儀後、火葬場までどのように運ばれるのか気になる人
棺の中に入れてもいいもの、いけないものを知りたい人
出棺は一般の参列者にとっては葬儀における最後の儀式です。出棺時にも様々なマナーがあります。ここでは儀式の参加からお見送りまでのマナーを解説します。
防寒着着用の際のマナーなど気をつけていないと、うっかりと忘れてしまうものです。しっかりと内容を確認して、故人と遺族に失礼のない対応ができるようにしましょう。
告別式に参列したら、出棺の儀式にも立ち会うのがマナーです。出棺は故人との最後のお別れの場となります。どうしても次の予定があって立ち会えない場合は、遺族にその旨を丁重に伝えましょう。
反対に、たとえ告別式の参列が叶わなかったとしても、出棺だけ立ち会うことも可能です。そのような可能性があるとわかったら、遺族には事前に伝えておくのがおすすめです。
出棺時の服装は告別式に準ずるので喪服となります。この際に注意すべき点は「出棺は屋外で行われる」ということです。
夏の暑い日であっては男性であればジャケットを脱ぎたくなると思います。待っている間であればある程度は許容されますが、出棺の際は着用している状態が望ましいです。
また、冬の寒い時期には男性・女性ともにコートを着用していると思います。このケースでも待っている時間はコートを着ていても問題ありません。しかしながら出棺の時になったらコートは脱ぐことをおすすめします。たとえ寒い季節であっても防寒着を着ないことがマナーだからです。
雨天時に傘をさすことは問題ありませんが、派手な色は避けて、黒や紺などの傘を持つようにしましょう。
出棺が始まるまでは会場の外で静かに待機します。霊柩車が出発したら車が見えなくなるまで一礼をします。車が見えなくなったら合掌して故人の冥福を祈ります。
車が見えなくなると、途端に話を始めてしまう人がいますが、マナー違反ですので、そのようなことがないよう注意しましょう。
見送る際には数珠を持参します。一礼する際に使用しますので、左手に掛けておいた状態で出棺を待ちましょう。
出棺が始まるまでは会場の外で静かに待機します。霊柩車が出発したら車が見えなくなるまで一礼をします。車が見えなくなったら合掌して故人の冥福を祈ります。
車が見えなくなると、途端に話を始めてしまう人がいますが、マナー違反ですので、そのようなことがないよう注意しましょう。
見送る際には数珠を持参します。一礼する際に使用しますので、左手に掛けておいた状態で出棺を待ちましょう。
一口に出棺といっても、事前に準備することや決めるべきことがあります。喪主にとっては参列者への最後の挨拶も行われるのも出棺の時です。
ここでは「お別れの儀」から「釘打ち」へと、出棺からの流れと火葬場への移動まで解説します。内容を確認してやるべきことを整理してください。
告別式が終了すると出棺に入りますが、最初に行うのはお別れの儀です。遺族や親類の他、親しい友人などによる最後のお別れです。
棺の蓋を開けて、故人と最後のお別れをしながらご遺体の周りを花で飾る「別れ花」を行います。花は担当者がお盆に入れて、参列者に渡してくれます。故人と縁の深い順に花を入れるのが一般的な順番です。
また、花以外にも故人の思い出の品などを副葬品として棺の中に入れます。素材によっては燃やすと有害なものもあるので、入れても問題ないか葬儀社に確認しておくのがおすすめです。
お別れの儀の次は釘打ちです。先に葬儀社のスタッフがある程度釘を打ち込んだ状態からスタートします。そこから血縁者などが、釘を2回打ち込み棺に蓋をする儀式です。当然釘を打つことで蓋が開かなくなりますが、以下のような別の意味もあります。
・死者の蘇りを防ぐ意味
・釘を打つことにより故人が三途の川を渡れる意味
・蓋を閉めることで故人の死を受け入れる意味
もともと地域や宗教によっては行われない儀式でした。近年では宗教などに関係なく、執り行われない事例も増えています。
出棺の際には喪主が挨拶をします。参列者への「葬儀に来てもらったことに対するお礼」と「故人が生前にお世話になったことに対するお礼」の気持ちが大切です。
さらに、故人の生前の様子や人柄についても話します。死因についても簡単に触れることが一般的です。最後に、今後の決意表明を述べます。様々な状況を踏まえて挨拶をすることが重要です。
故人が急性した場合は「最後のお別れができなかったこと」「まだまだ一緒にやりたいことがあったこと」などの無念な気持ちを表現します。
大往生であった場合は「皆様の厚情のおかげで豊かな晩年を過ごせた」などの感謝の意を伝えましょう。
闘病の末に亡くなった場合は「苦しい闘病生活から開放された」などの前向きな表現が適切です。
火葬場への移動は、故人と葬儀会社のスタッフは霊柩車で移動します。その他の方はマイクロバスでの移動です。マイクロバスには火葬場で読経をしていただくために、僧侶も同乗することが多いです。
喪主は位牌を持っていき、遺影は遺族の代表者が持ちます。車両の座席は血縁の濃い順番に座るといったしきたりがありますが、近年はあまり気にしなくても大丈夫です。
また地域によっては様々な風習があります。
・火葬場への行きと帰りは違う道を通る
・死者の霊が戻ってこないよう故人の茶碗を割る
・自宅からの出棺時は縁側から運び出す
など、現代ではあまり気にする人はいませんが、こういった風習を大事にする人もいますので注意しましょう。
出棺時に「別れ花」の他に、棺に入れるのが副葬品です。日本には古くから故人を埋葬する際に、副葬品を一緒に入れる慣習があります。古墳から発掘されるのは、土器や武具など文化的な価値のある出土品です。
ここでは「棺に入れるもの」と反対に「入れられないもの」も紹介します。事前確認が必要なものもありますので、しっかりと確認してください。
棺によく入れられるものは以下のとおりです。
・故人の好きだった花
・故人への手紙
・お気に入りの洋服
・故人らしさあふれる写真
・千羽鶴
花は葬儀社が用意した「別れ花」とは異なります。故人が好きな花を別に用意したものです。手紙は、個人に向けて家族や友人が書いたものです。大勢の方が寄せ書きのような形で用意することもあります。個人が愛用していた服やパジャマなどを棺に入れることもよくあることです。ただし化学繊維でできた服は、燃やすと有害物質を発する恐れがあるので、入れないようにしましょう。棺に入れる写真は遺影ではありません。故人が趣味に取り組んでいる時の写真がよく選ばれています。千羽鶴は病床に飾っていたものを入れるケースと、棺に入れるために新たに作るケースがあります。どちらのケースでも死後の幸福を願って入れられるものです。
棺に入れてはいけないものとしての定義は大きく二つあります。「燃やすことができない」もしくは「燃やすと有害物質が発生する」などの物質的な要因です。例えば以下のものがあります。
・金属やガラス類
・革製品やビニール素材
身につけているもので代表的なものが時計やメガネに指輪などです。これらのものは火葬しても燃えず、遺骨を傷つける恐れがあります。革製品やビニール素材は、衣服や靴などに使われています。燃やすと有害物質が発生したり、溶けて遺骨に付着したりする可能性があり危険です。
棺に入れてはいけないもう一つの定義は「トラブルに発展する」「法律で禁止されている」といった倫理的な要因です。生きている自分の写真を燃やされるとしたら、良い気分はしないでしょう。火葬されるとなればなおさらです。そして紙幣を燃やすことは法律で禁止されているので絶対にやめてください。
棺に入れてはいけないものについて基準を説明しましたが、それでも判断に迷うものもあります。例えば以下のようなものです。
・飲食物
・本や人形
・医療器具
食べ物は燃えますので、基本的には問題ありません。しかしながらパッケージが不燃物であるケースが考えられるので注意してください。骨付き肉のようなものは遺骨と紛れるので入れるべきではありません。水分量の多いものや飲み物は火葬炉を傷める原因になるので、可否を葬儀社に確認してください。本は、大量の灰が出る恐れがあり注意が必要です。また、人形は火葬することが禁止されているケースがあるので、こちらも事前に確認してください。ペースメーカーなどの医療器具をつけたまま亡くなられる方もいます。燃やすと危険な場合があるので、必ず葬儀社に相談するようにしましょう。
火葬場に同行するのは故人の家族や親類です。故人と近しい友人が含まれることもありますが、それ以外の方は原則として同行しません。同行を希望する場合は、葬儀を取り仕切っている方に伝わるように事前連絡をしておきましょう。
車両の定員や精進落としの手配などで人数は正確に把握しておく必要があります。そのため、遅くとも前日までには連絡することがおすすめです。
遺族から同行を依頼された場合は、可能な限り快く引き受けるべきです。しかしながらどうしても都合がつかなければ、丁重にお断りしても問題はありません。
火葬場においては喪主や親類などの近しい血縁者が火葬炉の近くに立ちます。それ以外の方は配慮して後方にて控えるようにしましょう。また、待機中や精進落しの際にお酒を勧められても、飲みすぎて羽目を外すことが決してないよう十分に気をつけてください。
ここでは火葬場に持っていくものをまとめて紹介します。絶対に必要なものがあるので確認してください。さらに不安があれば、葬儀社のスタッフに忘れないよう依頼しておくこともおすすめです。
火葬場に持っていくもの
・火葬許可証
・心づけ
・お茶菓子や軽食
遺体を許可なく火葬することは法律で禁じられています。火葬許可証がなければ火葬ができないので、絶対に忘れないようにしてください。ただどんなに気をつけても、告別式や出棺の時は余裕がなく忘れてしまう可能性があります。そのような場合は葬儀社のスタッフに預けておけば安心です。
心づけは、火葬場の係員や移動時の運転手に渡します。相場は3,000円~5,000円程度です。義務ではありませんが、用意しておくのが無難です。お茶菓子や軽食は火葬中に待機している間、同行者に食べていただくために用意します。火葬場によっては持ち込み禁止のケースがあるので、葬儀社に確認して手配しましょう。
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通夜や告別式の際のマナーを重視する方は多いと思います。一方で、出棺時についてはあまり意識されていない方もいるかも知れません。「お見送りの際はコートを脱ぐ」など、うっかり忘れてしまいがちなマナーもあります。
そして火葬場に持っていく「火葬許可証」などは非常に大事なものです。小さなお葬式は出棺や火葬に限らず、葬儀全般に渡ってお客様をフォロー致します。24時間365日対応のコールセンターまでお気軽にご相談ください。
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