出棺の流れ・挨拶・マナー・服装などの基本的な情報を解説

出棺の流れ・挨拶・マナー・服装などの基本的な情報を解説

出棺は故人を送り出すため、葬儀のなかでも大切な儀式といえます。しかし、実際の流れがわからず困っている方もいるのではないでしょうか。進め方が明確でないと、葬儀にも不安が残ります。

さらに、出棺時にはご遺族の挨拶も必要です。どんな挨拶をすれば良いのか、イメージがつかない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、出棺について具体的な流れや挨拶、知っておきたいマナーなどを解説していきます。専門的な用語を使用せずわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

こんな人におすすめ

出棺の流れについて知りたい方

出棺時の挨拶について調べている方

出棺の準備やマナーがわからない方

このままWEBで調べたい方小さなお葬式についてもっと知る
喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
事前準備をすすめたい方喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
小さなお葬式LINE公式アカウント

出棺とは

出棺とは火葬場(斎場)に向けて、葬儀場から出発することを言います。一般的には霊柩車を使用しますが、状況により霊柩車以外での出棺もあります。

遺体の運送を行う霊柩車の運転には「貨物自動車運送事業」としての許可が必要になるので、葬儀と遺体の運搬は別の業者が提携する事例も見られます。

なお神式(神葬祭)の葬儀においては、出棺と言い方をせず発柩(はっきゅう)という言葉を使います。

出棺と告別式の関係

出棺と告別式はまったく別のセレモニーです。しかし、具体的な違いがわからない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの章では、出棺と告別式の関係性をわかりやすく解説していきます。2つのセレモニーの違いが明確になることで、どういったスケジュールで動けばよいかイメージがつくでしょう。

とどこおりなく葬儀を進めていくためにも、ぜひ本章を参考にしてみてください。

1.出棺は告別式の後に行われる

出棺は告別式の後に行われるセレモニーです。告別式の閉式後に花などを棺のなかに納めます。そもそも告別式とは、亡くなった人に最後の別れを告げるセレモニーです。式をおこない感謝や別れの気持ちを故人に伝えたのち、火葬場に見送ります。

出棺と告別式はまったく別物で、基本的には告別式→出棺の流れで葬儀が進んでいくと考えておいてください。

2.告別式にかかる時間

告別式事態にかかる時間は、約30分です。なお立場によって所要時間も異なるため、それぞれ解説していきます。

遺族・親族の場合には、開式の1時間前に到着してから、初七日法要および精進落としが終了し、解散するまでの所要時間は、5~6時間となるのが一般的です。

反対に、一般参列者の場合には、開式の30分くらい前に到着し、告別式終了後の出棺までいたとすると、所要時間は1時間程度となるでしょう。告別式からの参加になる場合もあるので、スケジュールを事前に把握しておく必要があります。

3.告別式開始時間帯による出棺の時間

告別式を午前10時からおこなう場合は、出棺は約40分後になります。

告別式を午後におこなうときでも40分後に出棺になるでしょう。ただし、火葬場の空き状況によって異なるため、前後する可能性が高いです。ご遺族や参列者の次の比にも影響をおよぼすため、午後1時、遅くとも午後2時に開始しましょう。

火葬場は予約制となっており、時間帯を自分達で決めたいのであれば、早めに予約調整を進める必要があります。参列者の都合がつきやすい時間を考慮して、時間帯を決めましょう。

出棺時に故人をお見送りする意味とは

出棺時には故人をお見送りしますが、どういった意味が込められているか分からない方もいるのではないでしょうか。加えて、どのような儀式があるのかイメージがわかないと思います。

そこでこの章では、出棺の儀式から霊柩車のお見送りまで、具体的にどういったことをおこなうのかを紹介していきます。込められた意味を理解することで、故人をこころよく送りだせるでしょう。

1.出棺の儀式

出棺の儀式では、故人と最期のお別れをします。

法要が終わった後、葬儀社のスタッフが棺を移動させてからふたを開けます。近親者や参列者に故人の顔を見てもらうためです。

なお棺の中には花を入れます。このとき「別れ花」という、あらかじめ用意された花を使います。その他にも、副葬品も入れます。副葬品とは、ご遺体と一緒に入れる品物のことです。故人の愛用品や手紙などを入れましょう。

ただし、ものによっては棺の中に入れるべきではないものもありますので、注意が必要です。棺に入れてはいけない副葬品は、のちほど詳しく解説していきます。

2.出棺から霊柩車までのお見送り

出棺が終わったら、火葬場に向かうために棺を霊柩車まで運びます。棺は近親者、もしくは葬儀社のスタッフが運ぶことが一般的です。

なお地域によっては、棺の前にご遺族が歩く場合もあります。このとき、ご位牌や遺影を持っていることが主流です。

ご遺体を乗せる際は、足を先に入れます。足が車内の内側を向くことで「故人が自宅に帰ろうとすることを防ぐ」という意味が込められています。プロである葬儀社のスタッフが行うので、そこまで意識してなくても問題ありません。

霊柩車に棺が乗せられるまでの間、参列者は外で待つ必要があります。外が寒いときは上着などを羽織っても問題ありません。ただし、霊柩車が出発する際は脱いだ状態でお見送りしましょう。

3.霊柩車のお見送り

霊柩車のお見送りをするとき、ご遺族は棺とともに火葬場に向かいます。霊柩車に乗れるのは運転手をのぞき1名だけです。喪主か葬儀社のスタッフがご位牌を持って乗ります。その他のご遺族は、マイクロバスや自家用車、タクシーなどのお供車に乗って移動します。

一方、参列者は見送る側になり、霊柩車に手を合わせるか深く一礼をおこないます。地域によっては、数珠を持ったまま目を閉じるなど作法はさまざまです。参列者が霊柩車を見送る際には、とくに言葉をかける必要はありません。心の中で故人をしのびましょう。

なお、親族や親戚に加え、火葬場への同行が許されている知人や友人以外は、霊柩車のお見送りをもって葬儀は終了となります。

火葬場には誰もが行けるというわけではなく、故人と関係性が深い人しか同行を許されません。よって出棺前が故人との最後のふれあいになるため、悔いの残らないようにしっかりとお別れしましょう。

出棺を含む葬儀の全体の流れ

出棺は葬儀のひとつの儀式です。そのため、出棺の進め方を知っておくだけでは不十分でしょう。

出棺を含んだ葬儀の背後の準備から全体の流れまでを知っておく必要があります。そこでこの章では、葬儀の全体的な進み方を解説していきましょう。

大きくわけると10項目の儀式があります。ひとつずつ解説紹介していきますので、葬儀の流れがわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.喪主・遺族集合、受付準備

喪主・遺族は、葬儀開始1時間前に集合し、葬儀担当者と段取りの最終確認、受付の準備を行います。会葬礼状、会葬御礼品の用意をしておきます。 また、この時に失礼がないように「弔辞・弔電の名前、順番に誤りがないか」受付の最終確認も行いましょう。

参列者が集まると、人が増え、慌ただしい時間が流れます。そのような状況ではなかなか打ち合わせをすることが難しいので、受付準備の段階で不明点はすべて解決しておいてください。

2.受付開始

参列者が、葬儀開始の15~20分前には着席できるように受付を行います。

受付では芳名帳への記帳か芳名カードの受け取りが行われます。芳名帳は参列者が予想を超えることも想定し、少し多めに用意しておきましょう。

受付では、参列者からの挨拶に対してこちらも挨拶を返します。挨拶の例としては、「お忙しいところお運びいただきありがとうございます 」「ご丁寧に恐れ入ります」「故人も喜んでいると思います」など、ここでの挨拶は簡潔にお礼を述べるにとどめましょう。

また、返礼品は記帳(または芳名カード)と香典の受け取りが済んだタイミングで渡します。記帳と香典は前後することもあります。

以前は、返礼品は四十九日が済んだ後に忌明けの報告とお礼を兼ねて、香典額の3分の1から半分くらいの品物をお返しするのが主流でしたが最近は「即日返し」が主流になりました。
即日返しとは、葬儀・葬式の当日に全員一律で2,000~3,000円程度の品物を参列者にお返しすることです。参列者には持ち帰りの手間がかかりますが、送料もかからず全て当日に済ませられるのがメリットです。

ただし、高額の香典をいただいて即日返しでは不十分な場合は後日、忌明けにお返しをするのがマナーです。香典を預かったら、参列者の名前と金額を必ず控えておきましょう。

3.開式

ご僧侶が入場したら、司会者の案内で葬儀を開式します。喪主から開式にあたり挨拶を申し上げます。出棺前の挨拶では何よりも、参列者に対しての感謝の気持ちが大切です。

まずは葬儀に参列してもらったことに対するお礼と、生前故人や家族がお世話になったことに対するお礼を精一杯伝えましょう。加えて、この度の故人の死因の簡単な説明や、生前の様子や人柄についてと、今後の決意表明などを盛り込みます。

▼基本的な挨拶の例

「本日はお忙しいところ、父○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございます。 皆様から心のこもったお別れの挨拶を賜り、故人もさぞかし喜んでいると存じます。 生前中のご厚誼(こうぎ)に、厚く御礼申し上げます。 私どもは未熟ではありますが、故人の教えを守り、精進していく所存です。今後とも故人同様、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)いただけますことをお願い申し上げます。 本日は誠にありがとうございました。 」

喪主を務める場合は何度か挨拶を行うので、場面に合わせた内容を事前に準備しておく必要があります。また、喪主が体調不良などで、親族代表などが挨拶をする場合は以下のような挨拶が良いでしょう。

▼喪主ではなく、親族代表が挨拶をする場合

「本来ならば喪主の○○がご挨拶申し上げるところではございますが、ショックで体調を崩しましてふせっておりますので、私が代わりましてご挨拶申し上げます。 故人の生前中は、ひとかたならぬご厚誼にあずかり、深く感謝いたしております。 その恩返しもできないままこの日を迎えましたことは、故人にとりましても誠に残念であったと思います。 ○○家につらなる親戚一同、これからも心をあわせてやってまいりますが、遺族に対しましても生前に増してのご厚誼を賜りますようお願いいたしまして、ご挨拶に代えさせていただきます。」

喪主と故人との関係性や亡くなった状況などによりいくつかパターンがありますので、後の章でもシチュエーションごとにご紹介します。

4.読経、弔辞・弔電の奉読

ご僧侶による読経が行われます。通夜の場合はこのあとすぐに焼香を行いますが、葬儀の場合は先に弔辞・弔電の紹介を行います。

弔辞は故人を弔うためではなく、生前の業績を讃えたり、故人の経歴を参列者たちに伝えたりする役割があります。
弔辞は奉読した後には祭壇に供えます。終了後は遺族のもとで保管されるので、正しい内容で書く必要があります。

読み上げを行う場合は作法を守ります。呼ばれたら霊前に進み、僧侶、後に遺族、遺影に一礼して弔辞を開いて次の順序で読み上げます。

・弔辞を両手に持ち直して包みから出す
・上包みをたたんで側卓に置く
・左手の弔文に右手を添えて開く
・両手で捧げ持ちながら口の高さまで差し出して、ゆっくりと読む
・読了後は同じように上包みに戻し、表書きを霊前に向け卓上に置く
・遺影、僧侶、遺族席に一礼して席へと戻る

5.焼香

ご僧侶の焼香のあと、通夜の時と同じく、喪主・遺族・一般参列者という順番で行います。

焼香時にはやり方やマナーがあるのでしっかり確認しておきましょう。参列者の中には、前に行った喪主や遺族のやり方を真似るという方もいらっしゃいます。他の人の模範となれるよう、宗派ややり方に関して受付などで確認しておくことをおすすめします。

6.閉式・出棺

焼香が終われば、ご僧侶が退場するのを合掌して見送ります。司会者が閉式を宣言して、出棺の準備です。

一般参列者は、式場の外などで出棺の見送りをするために待機します。遺族は、最後のお別れを行ったあと、生花で故人の周りを飾ります。

棺に蓋をして、喪主から順番に棺にくぎ打ちをします。遺族や親族で棺を運び、寝台車に乗せます。出棺が終わると、遺族や親戚は火葬場へと移動します。

7.火葬

火葬場へ着くと「納めの式」を行います。これは、故人と遺族との最後の別れで、火葬炉の前に棺を置いた状態で行うのが決まりです。

ご僧侶が読経を行うのも、このときとなります。納めの式が終わると、棺を火葬炉へ入れて火葬が始まります。火葬はおおよそ1時間前後かかるのが一般的です。その間は控室で待機しましょう。

葬儀形式によっては、火葬の待機時間に「精進落とし」を行うことがあります。火葬場と斎場が近い場合、わざわざ火葬場にて待機する必要はありません。効率よく行事を進めるためにも、先に精進落としをしてしまうケースがあるのです。

8.骨上げ

火葬が終わると、「骨上げ」という儀式を行います。これは2人1組で行うもので、ひとつの骨を竹箸で拾い、骨壷に納めるというものです。二人一組で足から順番に箸で骨を拾い、骨壷に納めます。

喪主から順番に、血縁の深い順に行います。この儀式には、三途の川を渡るときの橋渡しをするという意味合いがあります。どの骨を納めるのかは、火葬場の担当者から指示があればそれに従いましょう。一般的にはまず歯を納め、次いで下半身の骨から順に納めていき、故人と最も縁の深かった人が喉仏の骨を骨壷に納めて終わりとするようです。

骨上げ後は骨壷と埋葬許可証を受け取ります。埋葬許可証は納骨時に必要となるので、大切に保管しておきましょう。

9.遺骨法要・初七日法要

火葬終了後に自宅もしくは斎場に戻り、執り行われるのが還骨法要(かんこつほうよう)です。ご僧侶による読経と、焼香を行います。

参列者の都合を合わせることが難しいことが理由で、初七日法要を還骨法要と同時に行うことが増えています。

10.精進落とし

火葬場から戻り、ご僧侶やお世話になった人たちを招いて会食を行います。これを精進落としといいます。精進落としではアルコールや料理で参列者をもてなしますが、通常の宴会とは違い、故人を偲ぶ形で静かに振る舞わなくてはなりません。

会食の始めと終わりには、喪主が挨拶を行います。挨拶は、式が滞りなく進んだことへの感謝を伝えます。精進落としが終わると、葬儀当日の儀式は終了となります。

出棺の詳細な流れ

出棺とひとことでまとめても、そのなかにさまざまな儀式があります。この章では出棺への理解を深めていただくために、詳細な流れを解説していきましょう。

大きくわけると4つの項目があります。どんな儀式なのか、注意点はあるのかなどをひとつずつ紹介していきます。

出棺についてご不明点がある方は、ぜひ本章を参考にしてみてください。

1.最後の別れ

葬儀・告別式が終わると、祭壇から棺をおろして故人との最後の別れの時間です。この際に、遺族と参列者でご遺体の周りに生花を飾る「別れ花」を行います。故人に近い方から花を飾っていくため、喪主、喪主の配偶者、親兄弟、子どもというような順番です。

通常は葬儀社がお別れ花を用意してくれますが、ご自身で入れたい花があればそれを入れられます。その際には華美な包装をしないようにしましょう。

また、生前の思い出の品等も一緒に入れることも可能です。ただし、不燃物など入れることができないものもありますので、確認して入れるようにしましょう。

2.釘打ちの儀

「別れ花」を行った後に、釘打ちの儀を行います。棺の四隅に釘を少し余らせた状態で葬儀社スタッフが打ち込んだ後に、故人と関りが深い人(血縁者など)が2回ほど打ち込むのが釘打ちです。

なかには、葬儀社のスタッフが全て釘を打ち込んだり、四隅のうち1箇所を故人と関りが深い人が打ち込んだりすることもあります。

宗派や地域によっては、釘打ちの儀そのものをしないこともあるようです。現代では、「釘打ちの儀が省略される」ことも増えてきました。

釘を打つことで三途の川を渡れて成仏されるといった宗教的な面や、釘を打ったほうが遺体をきちんと移動できるといった物理的な面が関係しているようです。

3.出棺

棺は重量があるため、遺族や葬儀社担当者数人で、寝台車まで運びます。運び出すときも車に乗せるときも、どちらも足側が先に来るように気をつけましょう。これには、故人が家に帰ってこないようにする意味があります。

出棺の際は喪主が位牌を、喪主の次につながりが深い親族が遺影を持つのが一般的です。 棺を寝台車に納めると、喪主あるいは代表者が参列者に対して挨拶を行いましょう。

4.火葬場への搬送

火葬場に向かう際、遺族や親族は自家用車、あるいはバス・タクシーなどを利用し、喪主は位牌を持って寝台車で火葬場に向かいます。このとき、全員が火葬場へ向かうのではなく、留守番役として数名残ることが多いようです。

留守番役は、ご遺骨を迎える準備や式場の片付けなどを行います。火葬場へは、納めの式で読経をするために、ご僧侶が同行するのが一般的です。

葬儀・出棺の日程を決める方法は?

この章では、葬儀と出棺の日程はどうやって決めるのかを解説します。日取りの決め方だけでなく、葬儀と出棺の手配の手順について順を追って説明するので、今は全くわからなくても大丈夫です。葬儀や出棺の日程は古くからの習わしがありますが、タブーの項目さえ抑えればあとは事務的な手続きを行います。また、わからないことは葬儀社の担当者に聞けば相談にのってもらえるので、葬儀社も効率よく使いましょう。

1.基本は亡くなった翌日に通夜、翌々日に葬儀

お別れのセレモニーは一般的に亡くなった日の翌日に通夜、翌々日に葬儀が執り行われるケースが多いです。稀に葬儀場が空いていなかったり、司祭者が捕まらなかったりすると日数が開くことがあります。

また、家族の都合や会社などの都合によって葬儀の日程を開けることもあります。家族と葬儀社の担当と相談しながらベストなタイミングを選びましょう。

2.まずは火葬場の予約を取る

葬儀を執り行うことが決まったら、まずは火葬場の予約を取りましょう。火葬場を予約するためには、「埋火葬許可証」が必要です。

埋火葬許可証は、火葬申請書(埋火葬許可申請書)が受理されると発行されます。申請書の名前は自治体によって微妙に異なることがありますが、火葬のための申請であればどんな名前でも結構です。

書類獲得の手順としては、家族が亡くなった時に医師から渡される死亡届を市・区役所などの行政に提出する際に一緒に埋火葬許可申請書を提出します。

「埋火葬許可証」が発行されたら火葬場の予約を取り、当日必ず「埋火葬許可書」を火葬場に提出します。「埋火葬許可証」がないと、火葬を行ってもらえないので注意が必要です。

3.宗教者・お坊さんの予定を確認

火葬場の予約を取ったら、宗教者やお坊さんの予定を確認します。
宗教者は宗教や宗派によって変わるため、葬儀社との打合せの時に司祭者も一緒に決めます。故人の宗教・宗派に合わせて司祭者の予定を確認しましょう。

先祖代々お世話になっている菩提寺(ぼだいじ)がある場合は一般的に葬儀を行う際は、菩提寺のお坊さんに来ていただきます。お坊さんは基本的にお寺の僧侶なので仏教の葬儀の時のみ連絡が必要です。

菩提寺がない場合や異なる宗教の場合は、最近拡大している「僧侶派遣サービス」が便利です。僧侶派遣サービスでは、電話やネットで僧侶を手配できる僧侶の人材派遣会社です。僧侶派遣サービスのメリットは

・日程の調整がしやすい
・お布施の金額が明確
・様々な宗派に対応している

などがあります。僧侶派遣サービスは基本的に料金が定額制です。決まったお布施金額を提示されるため料金が明確で、相場よりも大幅にお布施金額を抑えられることもあります。

一方で一般的なお布施は僧侶への謝礼として渡すので料金プランなどはありません。「お気持ちで結構です」と言われて「包む金額に困る」という声もあるくらいです。料金を抑えたい時は僧侶派遣サービスがおすすめです。

菩提寺が近くにある場合でも、希望する日程に僧侶の予約ができない場合などに、僧侶派遣サービスを利用ができます。

ただし、僧侶派遣サービスを利用する場合は、必ず菩提寺へ事前に相談することがポイントです。無益な争いを避けるためにも、菩提寺の許可を得てから利用しましょう。

もしも菩提寺に相談しないで独断で僧侶派遣サービスを頼んで菩提寺の機嫌を損ねると、先祖代々供養をしてもらっている菩提寺との関係が悪くなることが懸念されます。

最悪の場合、納骨を断られるトラブルもあるようです。無駄な争いを避けるためにも、僧侶の手配をする時には、きめ細かい配慮と注意が必要です。

4.友引の日に注意

葬儀を執り行う日取りに「友引」は避けましょう。最近では気にしない人も増えていますが、大安や仏滅などでおなじみの暦の「友引」には古くからの習わしで「故人が友を引いていく」という風に考える人が今も一定数います。

言い換えると「他にも死者が発生する」などの不幸の連鎖を想像してしまう場合があるので、友引は避けましょう。

例外として通夜に関しては、友引に行うことはタブーとはされていません。葬儀が友引に重なりそうであれば1日ずらして通夜を友引に取り行いましょう。

出棺の時間

出棺の時間はいつでもよいわけではありません。火葬場の状況や出棺後にどういった道を走るのかによって、異なってくるためです。

そこでこちらでは、出棺の時間で注意すべきポイントや確認すべき項目を解説していきます。ひとつずつ紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

なお本章では、以下2つの項目について解説していきます。

1.出棺の時間は火葬場の状況に合わせる

先ほども紹介しましたが、火葬場はいつでも使用できるわけではありません。そのため、事前に火葬場を使用するには予約が必要となります。

「火葬場を何時に予約したか」を基準に、出棺時間を決めるのが一般的です。ただし、地域によっては出棺後に葬儀・告別式をすることもあるようです。分からない場合は、親や親戚に確認するとよいでしょう。

2.出棺後は故人の思い出の場所を周る場合もある

火葬場に向かうまでに故人の思い出の場所を周ることもあります。

具体的には、以下の場所にめぐることが多いです。

・故人の母校
・ご家族との思い出の場所
・景色の良い場所

もし「故人との思い出の場所に立ち寄りたい」といった要望があれば、葬儀社に相談してみるとよいでしょう。所要時間を算出したうえで、火葬場を予約する必要があります。出棺はあくまでも「火葬時間が何時からか」によって変わると覚えておいてください。

霊柩車の概要や役割

出棺をしたあとは「霊柩車(れいきゅうしゃ)」と呼ばれる自動車に棺を入れます。著名人などの葬儀や出棺がテレビで取り上げられ、なんとなく霊柩車のイメージがついている方も多いでしょう。

こちらの章では、霊柩車の概要や役割などを改めて解説していきましょう。「そもそも霊柩車とはなんなのか」というところわかりやすく説明していきます。

1.霊柩車とは

霊柩車とは、ご遺体を運ぶためだけの自動車を指します。

なお自家用車やマイクロバスなど、棺が詰めれば霊柩車になれるというわけではありません。ご遺体を運ぶには、国土交通省の許可が必要だからです。

法律的にご遺体は「もの・貨物」として扱われます。そのため、ご遺体を運ぶには「貨物自動車運送事業法」に基づき「一般貨物自動車運送事業」の中の「霊きゅう限定」と認められる必要があります。

簡単に説明すると、霊柩車は国からのご遺体を運ぶ許可が出ている車ということです。

2.霊柩車の種類

霊柩車とひとことでまとめても。実はいくつか種類があります。

具体的には、下記4点です。

・宮型(みやがた)とよばれる輿や飾りがついている
・ステーションワゴンのように、車両全長が長い車両
・定員が8~10名程度のライトバン型の車両
・定員が20~50名の大型バスやマイクロバス

車両の大きさや乗客数によって必要な免許が異なります。普通自動車第1種が一般的ですが、マイクロバス型の霊柩車になると大型免許第2種が必要です。

3.出棺時の役割

霊柩車は、出棺してからご遺体を火葬場に運ぶために使用されます。ご遺体を傷つけることなく、安全に目的地まで送ることが役割です。

安全性を高めるために、内装は遺体を送ることに特化した作りになっています。後ろの扉が開き、棺をしっかりと固定するための器具が揃っているので、少しの振動ではびくともしません。

遺体を安全に運ぶという役割をきっちり果たすために、霊柩車が作られています。

4.火葬場に到着してからの役割

火葬場に着いたら、基本的には火葬場の担当者の指示に従います。棺を霊柩車から降ろす際には、火葬場の担当者がおこなうことが主流になっています。ご遺族や葬儀社のスタッフは、運搬上の理由から棺を運ぶことは少ないです。

火葬場に到着すると、霊柩車は役割を終えます。

霊柩車がクラクションを鳴らす理由

霊柩車が出発する際には、クラクションを鳴らすことがあります。なぜ鳴らすのか、具体的な理由を知っている方は少ないのではないでしょうか。

そこでこちらの章では、霊柩車がクラクションを鳴らす理由について分かりやすく解説していきます。実はすべての葬儀でクラクションを使用するわけではあります。鳴らさない場合はどんなときなのかもあわせて紹介していきましょう。

1.意味・理由

霊柩車がクラクションを鳴らすのは、参列者への感謝や別れの意味が込められています。霊柩車が出発すると、参列者は故人には会えなくなるためです。お別れの合図としてクラクションを鳴らすため、参列した際には故人をしのびましょう。

2.種類

霊柩車のクラクションにも、いくつか種類があります。

そもそもクラクションの音は、車種によって異なります。「エアホーン」という、クラクションの音を変えるパーツがついているためです。

3.由来

クラクションを鳴らすようになった由来は諸説あります。地域によっても異なるため、本コラムでは代表的な2つの由来を紹介していきます。

1つ目が、雅楽的な理由です。皇室の葬儀では、出棺時に雅楽器の音が鳴らされます。これにならい、クラクションの音を鳴らすようになったと言われています。

2つ目の由来は、汽笛や空砲をもしたという理由です。昔の話になりますが、航行をしていた際に亡くなった方は海に流さなければなりませんでした。合図として汽笛や空砲を鳴らしていたのを、葬儀でまねたという説があります。

4.鳴らさない場合もある

冒頭でもお伝えしましたが、場合によっては鳴らさないこともあります。クラクションの音は大きく、決して心地よいものではないためです。昨今では、騒音からご近所のトラブルに発展することも珍しくないため、あえてクラクションを鳴らさないこともあります。

使用については、ご遺族やご親族などの意見が反映されることが多いです。そのためクラクションによる騒音が気になる場合は、葬儀社に相談をしてみるとよいでしょう。

出棺の挨拶について

出棺時には、ご遺族やご親族から挨拶をおこないます。しかし、具体的なタイミングや内容などわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

参列者に対して感謝の気持ちを伝える場ですので、主な流れなども知っておきたいところです。

この章では、出棺の挨拶についてわかりやすく解説していきます。ポイントごとに紹介しますので、ぜひ確認してみてください。

1.挨拶のタイミング

喪主から順番に棺に生花を入れ、蓋をします。その後、位牌、遺影、遺骨の箱、棺の順で寝台車に納めます。出棺の際、喪主が挨拶を行います。参列者へのお礼や、故人との思い出の振り返りがメインです。

2.内容

出棺前の挨拶では感謝の気持ちが大切です。葬儀に参列してもらったことに対するお礼と、生前お世話になったことに対するお礼が基本になります。

その他にも死因の簡単な説明や、故人の生前の様子や人柄についてと、今後の決意表明などが盛り込まれます。ただし火葬場の予約時間は決まっているため、挨拶は簡潔に済ませなくてはなりません。

挨拶例を参考に、どのような挨拶をするのか事前に決めておきましょう。

出棺の挨拶例

出棺の挨拶について、タイミングや内容など理解が深まったのではないでしょうか。一方、具体的どのように挨拶をすればいいのか悩んでいる方もいると思います。参列者の前でおこなうため、きちんと確認しておきたいところです。

本章では、出棺時の挨拶について解説していきます。喪主や親族など、立場に応じた一例を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.喪主の挨拶例

喪主の挨拶例を紹介していきます。

本日は、お忙しいなか、〇〇(故人)の葬儀にご会葬くださいまして、誠にありがとうございます。〇〇(故人)の長男の△△と申します。このように大勢の方々にお見送りいただき、さぞかし故人も喜んでおることと存じます。
父はここ数年、心臓を患い入退院の月日を過ごしておりましたが、数日前に容体が急変し、一昨日午後◇時◇分に息を引き取りました。享年△歳でした。
遺された私どもは未熟者ではございますが、今後とも故人同様、変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
本日はご多用のところ、わざわざご会葬いただき誠にありがとうございました。生前からご親交いただきました方々にお見送りいただき、故人もさぞ喜んでいることと思います。ここに生前のご厚誼に対し厚くお礼申し上げます。これからは私たち一同、故人の遺志を継ぎ、一層頑張っていくつもりでございます。
どうぞよろしくお願いいたします。本日は最後までお見送りいただき、ありがとうございました。

2.親族代表の挨拶例

親族代表の挨拶例は下記の通りです。特に事情がない限りは、喪主が行いますが覚えておくとよいでしょう。

親族を代表いたしまして、皆様にひと言ご挨拶申し上げます。
本日はご多用にもかかわりませず、ご会葬・ご焼香賜り、おかげさまをもちまして〇〇(故人)の葬儀・告別式も滞りなく済みまして、これより出棺の運びとなりました。生前はひとかたならぬご厚誼にあずかり、お見送りまでいただきまして故人もさぞ、皆様のご厚誼に感謝していることと存じます。
残された私どもにも、今後とも変わりなくご指導・ご厚誼を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

3.喪主代行の挨拶例

喪主の代行として挨拶する場合は、下記の通りです。なぜ喪主の代わりに挨拶をするのか説明することがポイントになります。

ご会葬の皆様、本日はお忙しい中を〇〇(故人)の葬儀、ならびに告別式にご会葬くださり、ご焼香賜りましてありがとうございました。
本来なら喪主の〇〇からご挨拶申し上げるところでございますが、ただいま悲しみのあまり体調を崩しまして臥せておりますので、故人の○○であります私が代わりましてご挨拶申しあげます。
故人の生前中はひとかたならぬご厚誼にあずかり、深く感謝いたしております。
また、遺族に対しましても今まで以上のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。

4.故人が急逝した場合

故人が急逝した場合の挨拶例は、下記を参考に事実に沿った内容を説明しましょう。

父は勤勉な人で、朝は5時に起きて調べ物をし、夜は12時すぎまで机に向かっておりました。 その生活が体に負担をかけたのか、先日脳梗塞で意識不明となり、病院に駆けつけたときにはすでに帰らぬ人となっていました。 あれほど元気だった父が、よもや亡くなろうとは思ってもいませんでした。 父にはまだまだ教わりたいことがたくさんあったのですが、もう聞くこともできないのが残念でなりません。

5.大往生だった場合

大往生だった場合の例文は、以下の通りです。病院名や年齢、故人との最近の思い出などを語りましょう。

父はここ20年余り、家督(かとく)を譲りまして以来悠々自適な生活を送っておりました。 先日○○病院にて○○歳の生涯を終えましたが、大往生とも言える安らかな最期であったことは、子として何よりの慰めでございます。 父が晩年を豊かに過ごせましたのも、ひとえに皆様方のご厚情(こうじょう)のたまものと深く感謝致しております。

6.闘病の末に亡くなった場合

闘病の末に亡くなった場合の例文は以下の通りです。故人との生涯の思い出を語りましょう。

夫は昨年の冬に病に倒れ、それ以来入退院を繰り返していましたが、○月○日の午後、家族の見守るなか静かに旅立ちました。 享年○○歳でございました。 夫は仕事一筋の人でしたが、家族思いで、定年後はよく娘夫婦と共に旅行に連れて行ってくれました。 もう夫に会えないかと思うと胸が詰まる思いですが、夫にしてみればやっと長く苦しい闘病生活から解放され、ほっとしている事でしょう。 最後になりましたが、生前賜りましたご厚情に、深く感謝申し上げてご挨拶とさせていただきます。

7.喪主が家督を継ぐ場合

喪主が家督を継ぐ場合の挨拶は以下を参考にしてください。

父は○○高校を卒業後、祖父が創立した○○株式会社に入社いたしました。 その後○○年に同社を引き継ぎまして、以来幾度の変転の後今日に至っています。 社業がこれまで発展できましたのも、ひとえに皆様のご厚情のおかげと感謝しております。 父に成り代わりまして、心から御礼申し上げます。 今後は父の遺志を受け継ぎ、社業発展のために身を捧げる覚悟でございます。

8.参列者への感謝を伝えたい場合

参列者への感謝を伝えたい場合の例は以下の挨拶です。故人の力になってくれた方との具体的なストーリーを語って感謝を伝えましょう。

父は早くに母を失い、男手ひとつで私たち兄弟を育ててくれました。 私たち兄弟がそれぞれ家庭をもち親元を離れてからは、沢山の友人や近所の方に支えられ、趣味の将棋やゴルフを楽しみながら過ごしていたのを思い出します。 晩年、病気で体が弱ってからは、ヘルパーの皆様、すぐに駆けつけてくれた医師、看護師さんなどのおかげで、私たち子供も安心して過ごす事ができました。 父の人生の大半は、皆様の支えがあってこその人生でした。 父に代わりまして、生前に賜りましたがご恩情に深く感謝を申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

出棺時に必要な火葬許可証とは

出棺後、一般的な日本のお葬式では、遺体を火葬場へ運びます。火葬をする際には必ず「火葬許可証」が必要です。

こちらの章では、火葬に必要な書類「火葬許可証」の概要と発行から当日までの流れや、紛失した時の対処法などを解説します。耳馴染みのない書類ですが、手続きは難しくないので手順を覚えておきましょう。

1.火葬許可証の概要

火葬許可証」とは、指定の火葬場で火葬を行うことを認める証明書です。
家族が亡くなった際に医師からもらう死亡届と死亡診断書(死体検案書)を役所に提出することで公的に死亡が認められて初めて、火葬の申請ができます。

死亡届を提出する際に「火葬許可申請書(死体火葬許可交付申請書)」を提出して許可証をもらいます。火葬許可申請書は役所に用意してあることが一般的ですが、心配な場合は事前に役所の公式サイトからダウンロードして印刷して記入しておけば、スムーズに手続きができます。

2.発行申請の流れ

火葬許可証をもらうための死亡届を出す場所は、死去した土地か本籍地、または届出する人の所在地の市町村役場です。受付時間は土日祝日や夜間などの時間外受付が可能なところもありますが、市長区村役場によって違うので確認してから提出しましょう。

もしも時間外受付を利用する場合は、「火葬埋葬許可証」の即時受け取りができません。その場合は日を改めて再度役所に行く必要があります。葬儀前は慌ただしくなるので、できれば早めに行くか葬儀社に死亡届の提出代行を頼むといいでしょう。

火葬許可申請書を提出して書類に不備がなければ、指定の火葬場で火葬を行うことを認める「火葬許可証」を入手できます。火葬許可書を火葬場に提出することで火葬を行えますが、火葬の当日に持参していない場合は火葬ができないので注意しましょう。

火葬が無事に完了すると、火葬許可証に火葬が執行済みであることを証明する押印を受けます。これが「埋葬許可証」となり、納骨の際に墓地や霊園に提出します。

3.火葬場の予約から当日の流れ

死亡届を提出して火葬許可証をもらったら、火葬場を予約します。葬儀社に葬儀を依頼している場合は、葬儀社と提携している火葬場を紹介される場合もあります。

火葬場の場所によっては手数料を余分に取られることもあるので、必ず料金も確認しましょう。
葬儀の当日はお別れの儀式が済んで出棺した後に火葬場に向かいます。

4.火葬許可証を紛失したら再発行

万一火葬許可証を紛失してしまった場合は、死亡届を提出した役所に再発行をお願いします。再発行には日数を要することがあるので、葬儀の日程などと合わせて確認しましょう。

再発行の申請は、当初の火葬許可の申請者である死亡届の届出人のみです。ただし、委任状があれば代理人でも可能です。申請に必要なものは、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの公的な本人確認書類と印鑑です。

また、よくあるケースは火葬許可証を葬儀社が持っているパターンです。死亡届の手続きを代理でしてもらったり、打ち合わせの時に火葬許可証を預かってもらったりするケースもあるので、「失くしたかな」と思ったら一度葬儀社にも問い合わせてみましょう。

火葬許可証は「埋火葬許可証」と言って火葬の後の埋葬を許可する証明書も兼用していることが多いです。例えば、火葬した数年後に埋葬する時などは、骨壷に埋火葬申請書が同梱されていることもあるので確認しましょう。万一紛失した場合は、「火葬証明書」が必要です。
市区町村によっては、火葬許可証を紛失した場合に再発行ができないケースがあるので対象の役所に問い合わせをしましょう。

出棺時のマナー

出棺時には、知っておきたいマナーがあります。きちんと守らなければ、ご遺族やご親族に対して失礼です。故人をこころよく見送るためにも、ぜひ覚えておきたい内容です。

そこでこの章では、出棺に立ち会うときに知っておきたいマナーを4点紹介していきます。なぜ守らなければならないのかも、わかりやすく解説していきましょう。

意外と知られていないマナーもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.最後まで見送る

出棺はできるだけ最後まで見送りましょう。参列者にとっては、故人と最後の別れになるためです。地域によっては焼香が終れば退出してもよいところもありますが、出棺にも立ち合いお見送りをしましょう。

遺族としても、やはり出棺までしっかり見送られたほうが、嬉しさが増します。どうしても後の予定があるという場合は焼香のみで構いませんが、時間に余裕がある方は最後まで見送るようにしましょう。

火葬に参加しない場合は最後のお別れとなります。故人のことを思い出し、気持ちを込めてお見送りしましょう。

2.話をせず静かに待機する

出棺の際には話をせず、静かに待機しましょう。故人を見送る大切な儀式のため、ご遺族や他の参列者の邪魔をしないためです。

なお出棺時には喪主やご親族から挨拶があります。ご遺族が参列者に感謝を伝える場ですので、おしゃべりなどで雰囲気を壊してはいけません。

このような理由から、出棺時には静かに待機することが大切です。葬儀の場では懐かしい人と顔を合わせることがあるかもしれませんが、話が盛り上がりすぎないように注意しましょう。

3.霊柩車が動き出したら合掌して冥福を祈る

霊柩車が動き出したら、合掌をしましょう。故人の冥福を祈り、出棺を見届けるためにおこないます。なお合掌する際には、一礼をするとよいでしょう。

地域によっては、合掌をするときに数珠を使用します。そのため、あらかじめ左手に数珠をかけておくことをおすすめします。

霊柩車が見えなくなったら、葬儀社の係の者がその後の行動について説明してくれます。遺族や親戚は火葬場へと向かい、友人や知人は特別な理由がない限り、出棺で葬儀は終了です。

4.見送る時はコートを脱ぐ

出棺を見送る際には、コートを脱ぎましょう。喪服や礼服などで見送ることがマナーです。冬場などの寒い時期での葬儀では、コートを羽織ることもあると思います。出棺まで待機する間は、そのまま着ていて問題ありません。

なお夏の暑い時期はジャケットを脱がず、着用したまま出棺を見届けましょう。霊柩車の見送りは外で行なわれることもあり、暑いと感じることがあるかもしれませんが、少しの時間なのでなるべくきっちりとした服装で臨んでください。

出棺時の服装

出棺時の適した服装は、意外と知られていないことがあります。基本的には、葬儀に参列する際と同じですが、失礼にあたらないよう改めて確認しておきましょう。

参列者向けに、出棺時の服装を解説していきます。この章では主に3つパターンにわけて紹介していきます。当たり前だと思っていた服装がマナー違反にあたることもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.男性の服装

男性は、喪服のスーツを着ることが好ましいです。スーツやシャツは、ストライプなどの柄が入っていないものを選びましょう。ネクタイや靴下も黒にそろえます。

靴は、金具が付いていたり、光沢があったりするものは控えましょう。特にエナメル素材の靴は避けたいところです。

コートを使用する場合は、黒やグレーなどのカラーを選びましょう。明るい色は出棺時には不適切です。

2.女性の服装

女性の場合も喪服を選ぶことをおすすめします。和服がわずらわしいと感じる方は、フォーマル用のスーツもよいでしょう。

寒い時期には、コートやストールの持参も問題ありません。ただし、ファー素材のものはマナー違反にあたりますので、注意しましょう。

3.近所の出棺に立ち会う場合の服装

近所の出棺に立ち会う場合でも、できるだけ喪服を心がけましょう。ただし、突発的なできごともあるため、どうしても難しい場合は普段着でも問題ありません。派手な柄や光りもの、明るいカラーの服装はできるだけ避けたいところです。

男女ともにスーツを着用すれば、喪服ではなくとも好印象を与えられます。もし、すぐにスーツが用意できないのであれば、暗めの色の服を選びましょう。

出棺時の髪型・メイクなどの身だしなみ

出棺時には服装だけでなく、髪型やメイクなどにも注意する必要があります。身だしなみも整え、こころよく故人を見送りましょう。

そこで本章では、出棺の際に注意したい髪型やメイク、アクセサリーなどを解説していきます。理解が深まりやすいように、男性の場合・女性の場合・子どもの場合などいくつかのパターンごとに紹介していきます。

出棺時の服装とあわせて参考にしてみてください。

1.男性の髪型

男性の場合、短くスッキリと揃えるのが最も適した髪型と言えます。ワックスやヘアスプレーを多量に使うような髪型は控えましょう。また、前髪が目にかかる場合や伸ばしっぱなしとなっている場合にはカットすると良いでしょう。

とはいえ、葬儀は突発的に行なわれるものなので、急に髪型を整えることが難しいかも知れません。その場合はワックスなどを使って、最低限目がはっきり見えるような髪型にしましょう。目が見えない髪型というのはどうしても評判が悪くなってしまいやすいので、遺族に不快感を与えないためにも、髪型のセットは意識してください。

2.女性の髪型

女性のヘアメイクで気を付けたいのは、お辞儀や焼香時に長い髪が邪魔にならないようにすることです。

<ショートヘアの場合>
髪が短い方の場合、内巻きにブローすると、まとまった上品な印象を与えることができます。お辞儀するときなど邪魔になる長さの場合は、ピンなどでとめておくといいでしょう。

<ミディアム・ロングヘアの場合>
最も簡単なのは、ゴムなどを使ってひとつにまとめる方法です。より丁寧にするのであれば、シニヨンスタイルなどアップスタイルでまとめるのがいいでしょう。

シニヨンはまとめた髪を毛先まで巻きつけ、ピンで固定した髪型です。縛っただけの場合よりも、コンパクトにまとめることができます。

<共通する注意点>
共通していえることは、髪をまとめる際には、耳より下の位置でまとめるように注意しましょう。高い位置でまとめるのは慶事のときだと言われていますし、派手な印象を与えてかねません。また、ヘアワックスやスプレーなどを使用する場合、香りがきつすぎないものを選びましょう。

3.子どもの髪型

お子さんの場合でも、基本は大人と同じです。女の子は、髪が長ければ耳より下の位置でまとめるようにしましょう。

黒や茶色など目立たない色のヘアゴムで縛るだけでも構いません。飾りゴムは使わないようにしましょう。男の子は短く揃えていることが多いですが、目に髪がかからないようにだけ気をつけておきましょう。

4.ヘアアクセサリーについて

ゴムやヘアピンなどを使用する場合、これも同じく黒を選ぶのが最適です。シュシュやバレッタなども使用できますが、黒色で装飾があまりなく、目立たないシンプルなものを選びましょう。

巻き髪が簡単に作れるようなアイテムも販売されていますが、シンプルなものであれば使用可能です。

5.メイクについて

葬式の場では、派手なメイクは禁止です。特に口元は目につく場所なので、赤やローズ系の濃い口紅は避けるようにし、ナチュラルな色合いのものを選ぶようにしましょう。同じくリップグロスやシャドウ、チークなどはNGです。

また、葬式は正装をする場ですので、ノーメイクでもいけません。

6.小物について

時計は基本的に付けない方がよいとされています。どうしても時間を知る必要がある場合には、金色であったり派手な装飾があったりするものはNGです。落ち着いた色合いのものを使うようにしましょう。

アクセサリー類は基本的にはNGです。ただし結婚指輪や、パールあるいはオニキスなどのアクセサリーであれば大丈夫です。

小物は意外と目に入りやすいので、つつましい物を選ぶか、そもそも着用しないように意識してみてください。

出棺時に流せるBGMの種類

出棺時には音楽も流せます。しかし、どのようなBGMを使えばいいのかわからない人も多いでしょう。場違いな音楽を流してしまうことは、できるだけ避けたいところです。

この章では、出棺時に流せるBGMの種類を紹介していきます。主に4つのパターンになります。

出棺時のBGMはさほど長く流れないため、そこまで深く考えずに選ぶ方もいらっしゃいます。しかし、出棺は故人を見送る大切な儀式なので、音楽もよく考えて選びましょう。

1.クラシック

クラシック音楽は、葬儀でよく使われるBGMです。優雅で壮大な旋律はお葬式という神聖な場にもよく合います。上品な雰囲気を出せるため、参列者を穏やかな気持ちにさせる効果もあります。

主に使われる楽曲は以下の通りです。

・別れの曲/ショパン
・G線上のアリア/バッハ
・レクイエム/モーツアルト
・カノン/パッヘルベル

どの曲もメジャーなものなので、聞いたことがある人も多いでしょう。

2.邦楽

邦楽などのポピュラーな曲も、出棺時のBGMで流せます。故人が好きだったものや、思い入れあるものも良いでしょう。

日本語の歌詞は耳に入ってきやすいことが特徴です。そのため、ご遺族や参列者の心を癒す効果も期待できます。

邦楽では、下記の楽曲がよく用いられます。

・川の流れのように/美空ひばり
・千の風になって/秋川雅史
・見上げてごらん夜の星を/坂本九

バラード調のものや、歌詞が葬儀の雰囲気にあっているものが人気です。

3.洋楽

洋楽も出棺時のBGMに使われます。派手なイメージがありますが、穏やか曲や葬儀に向いている楽曲もあります。

主に使用されている洋楽は、下記の通りです。

・アメイジング・グレイス/John Newton(ジョン・ニュートン)
・The Show Must Go On/Queen(クイーン)
・星に願いを/Leigh Harline(リー・ハーライン)

その他にもジャズを流す場合もあります。厳かな雰囲気を壊さないことが大切なので、選曲には十分注意しましょう。

4.会場にふさわしいロック・ポップス

出棺時にはロックやポップスなどを流せます。しかし、あまりにも激しい曲だと会場にふさわしくないため、選曲には注意が必要です。

例えば、セレモニーホールなど別会場で葬儀を行っている場合は、他のご遺族や参列者の迷惑になってしまいます。

そのため、ロックやポップスを流す場合はバラードなどの穏やかな楽曲を選びましょう。最近ではオルゴール風にアレンジしたものもありますので、会場の雰囲気に合わせて選曲するのもおすすめです。

出棺時にBGMを流す方法

出棺時にはクラシックや邦楽など、さまざまな曲を使えます。ただし、どうやってBGMを流せばよいのかわからない方もいるでしょう。

一般的にはCDを持ち込むことが一般的ですが、その他に楽曲を流す手段はあります。この章では、出棺時にBGMを流す方法を紹介していきます。

それぞれの注意点なども解説していきますので、ぜひ確認してみてください。

1.CD

冒頭でも紹介しましたが、CDを持ち込み流す方法が一般的です。故人がよく聞いていた楽曲が手元にあれば、そのまま使用するとよいでしょう。

ただし、会場がCDを流せる設備がある必要があります。そのため、事前に葬儀場やセレモニーホールなどに問い合わせをしておくとことをおすすめします。

2.生演奏

最近では、生演奏などの演出を取り入れる葬儀も注目を集めています。ヴァイオリンやチェロ、ヴィオラなどの弦楽器を使用した編成がメジャーです。このようか弦楽器にフルートやピアノなどが加わる場合もあります。

ただし使用される楽器は特に決まりがありません。ただし、葬儀の雰囲気を損なわないものや周囲の環境によっては、控えた方がよいものもあるでしょう。

出棺時に生演奏をしたい場合は、葬儀社に依頼をします。葬儀の打ち合わせをする際に相談し、発生する費用などを確認しておきましょう。

3.有線放送

出棺時には、有線放送を流すという方法もあります。有線放送を使う際には、著作権の関係からJASRAC(一般社団法人日本著作権協会)に使用料を払わなければなりません。

ただし葬儀社によっては、著作権管理会社と契約しているところもあります。契約している葬儀社であれば、楽曲をそのまま使用できます。葬儀を依頼する際に、JASRACとの契約の有無を確認してみるのもよいでしょう。

有線放送の著作権は、セレモニーホールなどの施設で葬儀をおこなった場合のみ発生します。自宅で行う場合は楽曲の利用者が喪主となり、営利目的に該当しないためです。

なお音楽の著作権については、後ほど詳しく解説していきます。

出棺に関わる部分で音楽を流すタイミング

BGMを使用するのは出棺時だけではありません。僧侶の読経などの儀式がおこなわれているとき以外は流せます。なお具体的なタイミングは、葬儀が始まる前や故人を紹介するときなどさまざまです。

そこでこの章では、出棺に関わる儀式において音楽を流すタイミングを解説していきます。BGMは使うタイミングも重要ですので、しっかりと確認していきましょう。

1.最後のお別れ

最後のお別れでは、棺のなかに花や故人の思い出の品をいれる儀式です。このタイミングでBGMを流すことで、ご遺族や参列者にやすらぎを与えるでしょう。

2.出棺

出棺の際にも音楽を流すことがおすすめです。ご遺体を火葬場に送り出す儀式のため、BGMを使用して故人をしのびましょう。

出棺時に音楽を流す際に確認しておくこと

出棺時にはさまざまな音楽を流せますが、事前に確認しておくべきことがあります。事前に問い合わせをしなければ、葬儀当日のトラブルにもつながる場合もあるでしょう。

この章では、BGMを流す際に確認しておきたいポイントを3点わかりやすく解説していきます。葬儀の音楽にこだわりたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.著作権

出棺時に音楽を流す際には、著作権に注意する必要があります。著作権とは、学術を始め美術や文芸などの創造物を手掛けた著作者が自身の創作物を利用できる権利です。

音楽にも著作権が発生し、許可なく演奏したり複製したりすることは禁止されています。もし無断で使用した場合は、罰金などのペナルティを受けなければなりません。

なお著作権は、公衆の場で音楽を聞かせることにも発生します。つまり、葬儀会場でCDを流したり、生演奏をしたりすることにも許可が必要ということです。

葬儀社が著作権管理会社(JASRAC)などと契約しておらず無断で使用することは、演奏権の侵害に該当します。反対に契約をしている葬儀社では、問題なく音楽を流せるということです。

2.葬儀場の防音設備

まずは葬儀場の防音設備を確認しておきましょう。会場によっては式場を布やついたてなどで区切っているところもあります。

防音設備が整っていない会場では、BGMを控えた方がよいこともあるでしょう。同時刻に他の葬儀をしている可能性もあるためです。

音楽を流したい、生演奏をおこなってほしいと考えている方は、それが可能な会場なのかも事前に確認しておきましょう

3.音響設備の有無

音響設備の有無も重要な確認ポイントです。もし設備が整っていなければ、わざわざ機材をレンタルしなければなりません。

なお葬儀社によっては、機材の貸し出しがプランにのなかに含まれていないこともあります。その場合は追加で費用が発生するので、注意が必要になります。

CDを使ってBGMを流すことを検討している方は、音響設備を事前に確認しておくと安心です。あわせて葬儀社のプラン項目のなかに、レンタル機材が含まれているのかを問い合わせおくとよいでしょう。

出棺時の花入れの儀とは?

出棺時には「花入れの儀」と呼ばれる儀式があります。メジャーな言葉ではないため、初めて知った方も多いのではないでしょうか。しかし、花入れの儀は出棺において大切な役割があります。

そこでこの章では、花入れの儀についてわかりやすく紹介していきます。花入れの儀の概要だけでなく、知っておきたいルールなども解説していきましょう。

1.花入の義とは

そもそも花入れの儀とは、棺のなかに花を入れていく儀式です。葬儀が終わってから火葬場へ向かう出棺前のお別れのときにおこないます。

故人のお顔を見る最後の機会のため「お別れの儀」とも呼ばれています。

ご遺族やご親族だけでなく、参列者も花入れます。その際に、お別れの言葉をかけることもあります。

2.花を入れる順番

花入れの儀では、祭壇に飾られているものを使用します。花にはさまざまな種類がありますが、宗教ごとに用意されるものは異なります。

下記では、宗教ごとに使用される花の一例を紹介していきます。

<仏教>
・菊
・百合
・カーネーション
・蘭

<キリスト教>
・百合
・カーネーション
・スプレー菊

<神道>
・菊
・百合

どの宗教でも白をベースとした花が用いられることが特徴です。

花入れの儀で入れる花以外の副葬品

花入れの儀に入れるものは、花だけではありません。これを副葬品と呼びます。副葬品とは、棺のなかに入れる花以外のものです。

しかしどんなものを入れていいのか迷っている方もいるでしょう。そこでこちらでは、花入れの儀で入れられる副葬品を紹介していきます。

副葬品には、花とともに故人の近くにあるものです。そのため、思いを込めて入れていくものを選びましょう。

1.手紙

副葬品として手紙を選ぶことをおすすめします。故人にあてたものであれば、きっとご家族の気持ちも届くでしょう。寄せ書きも同様の理由でおすすめです。

葬儀の前に少しでも時間があれば、故人への想いをこめた手紙を書いてみてはいかがでしょうか。

2.写真
写真も副葬品におすすめのものです。故人が笑顔で笑っているものやご家族とのものはよく入れられます。犬や猫などを飼っているご家庭では、ペットの写真を使われることもあります。

写真を棺のなかにいれることで、故人が寂しい思いをしないと言われています。

3.故人のお気に入りのもの

故人のお気に入りのものを入れることもひとつの方法です。

具体的には、下記のものが挙げられます。

・生前好きだったおかし
・タバコ
・文庫本やマンガ

このように故人が好きだったものなどを一緒に入れましょう。

4.衣類

衣類なども副葬品としておすすめです。故人が生前着ていたもので、思い入れが深い洋服であればなお良いでしょう。

衣類だけでなく、ハンカチや帽子などの小物をいれるのもおすすめです。

ただし、棺のなかに入れられるものは綿、麻、絹などの燃えやすい衣類になります。ポリエステル素材の洋服は、有毒ガスが発生する危険性もあります。

衣類や服飾小物を入れる場合は、素材にも注意しましょう。

5.千羽鶴

千羽鶴は、死後の幸福を願う意味がこめられています。病気などの回復を願って作られたものを入れることが一般的です。しかし、副葬品として改めて作成することもあります。

6.朱印帳・納経帳・巡礼服

朱印帳・納経帳・巡礼服は、寺社を参拝した際に用いられるものです。そのため功徳の高いものと言われています。

特に朱印帳は、副葬品にすると死後の世界でも幸せに過ごせるといった説があります。故人が生前に使っていたものがあれば、棺のなかに入れるとよいでしょう。

ただし、なかには棺に入れてはいけない副葬品もあります。具体的なものは、次の章で詳しく解説していきます。

棺に入れてはいけない副葬品

棺には花だけでなく、副葬品を入れられます。故人との最期の別れになるため、思い出の品を入れたいと考える方も多いでしょう。

しかし、副葬品のなかには棺のなかに入れてはいけないものもあります。入れてしまうことで、さまざまトラブルにつながる場合があるためです。

そこでこの章では、棺に入れてはいけない副葬品を6点紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.不燃物

不燃物は棺には入れられません。燃え残ってしまう可能性が高いためです。場合によっては、ご遺体に付着してしまうこともあります。

主に、下記のものは避けましょう。

・メガネ
・スマートフォン、携帯電話
・入れ歯
・腕時計
・アクセサリー

メガネやアクセサリーなど普段から故人が身に付けていたものは、副葬品として入れてしまいがちです。火葬時のトラブルを避けるためにも、棺のなかに入れることは避けましょう。

2.水分を多く含むもの

水分を多く含むものも棺には入れられない副葬品です。火葬に時間がかかったり、異臭を発生させたりするためです。

例えば、メロンやスイカなどのサイズが大きい果物は避けましょう。小さくカットすれば入れられる可能性もありますが、火葬場のスタッフに確認しておくことをおすすめします。

なお水やお酒、ジュースなどの飲料も避けましょう。

3.爆発する危険性があるもの

爆発する可能性があるものは、ご遺体の損傷につながってしまいます。爆発の規模が大きければ、火葬場などの施設を傷つけてしまうでしょう。

具体的に、下記のものを入れることはやめましょう。

・ライター
・電池
・缶飲料
・スプレー

4.公害や汚染につながるもの

燃やすことで有毒なガスが発生したり、環境汚染などにつながったりするものも避けましょう。

例えば、下記のものは入れてはいけません。

・革
・ビニール
・プラスチック

なかには革製の靴を入れることを希望するご遺族もいますが、環境のためにも避けましょう。

5.火葬場の設備に影響があるもの

火葬炉の故障につながりそうなものも控えましょう。代表的ものがカーボン製品です。場合によっては、火葬炉が緊急停止してしまうこともあります。

カーボン製品で代表的なものは、下記の通りです。

・ゴルフクラブ
・釣り竿
・ラケット
・バット
・杖

なかには故人が趣味でおこなっており、思い入れ深いものもあると思います。しかし、トラブルを避けるためにも、なかにいれることは控えましょう。

6.遺体を傷つける可能性があるもの

ご遺体傷つける可能性があるものも棺のなかにいれられません。とくに不燃物と爆発する可能性のあるものは避けましょう。

不燃物は燃え残り、ご遺体に付着してしまうこともあります。

爆発する危険性があるものも控えましょう。場合によっては、ご遺体が激しく損傷してしまうこともありえます。

副葬品として事前申請が必要なもの

棺に入れる際に事前に火葬場に申請や確認が必要なものを紹介します。

ペースメーカーをつけている際は、事前に告知しましょう。
体内に装着する医療品は亡くなってもすぐに取れるわけではありません、そのまま燃やしてしまうと、爆発する可能性も否定できません。
ペースメーカーなどを装着しているのであれば、知らせておきましょう。

食べ物を燃やす際も確認が必要です。故人の好きな食べ物を一緒に入れたいと考える方は多いです。ただ、果物などの水分が多いものはなかなか燃えず、火葬時間が延びてしまうことに繋がります。

分厚い本も事前に通知が必要です。紙とはいえ、分厚いとなかなか時間がかかるので、あまり棺に入れるべきではありません。本を一緒に入れたいのであれば、小さくちぎったり、数ページのみにしたりして、燃えやすいようにしましょう。

ぬいぐるみも大きさによっては燃えにくいことがあります。燃えた後に灰が出てしまうこともあるので、素材や大きさをあらかじめ伝えておきましょう。

出棺後に火葬場へ向かう際の持ち物

出棺後には火葬場に向かいます。その際には持っておきたいものがあります。忘れてしまうと火葬がスムーズに進まない場合があるためです。

そこで本章では、出棺後に火葬場へ向かう際の持ち物を紹介していきます。具体的には、以下で紹介する3点です。

火葬場で慌てないためにも、しっかりと確認しておくことが大切です。ぜひ参考にしてみてください。

1.火葬するための「火葬許可証」

お住まいの自治体の役場へ死亡届と火葬許可申請書を提出すると、「火葬許可証」が受け取れます。この書類を持参していなければ、遺体を火葬できません。ただし、利用する葬儀社やプラン内容によっては喪主ではなく葬儀社が手配することもあります。

「火葬許可証」は納骨時に必要となるため、紛失しないように管理を徹底しましょう。発行から5年以内であれば、自治体に申請することで再発行が可能です。

2.骨壷・骨箱

遺体を火葬した後の骨を納める骨壷や骨箱も、必要に応じて持参しましょう。

骨壷は遺骨を納める壺のことです。火葬が済んだ故人様のご遺骨は骨上げによって骨壺に収納されます。
骨壷や骨箱は、葬儀社が用意してくれる場合と、そうでない場合が存在します。あらかじめ葬儀社としっかり打ち合わせを行い、仮に自分たちで用意する場合は、火葬場への移動の際に忘れないように意識しておきましょう。

3.茶菓子・食事

遺体の火葬が終わるまでは、同行者は控室で待機するのが一般的です。時間としては1時間程度と考えてよいでしょう。何もせずに待たせるのも失礼ですので、茶菓子や軽食を用意します。世話人がいれば、その人を頼って用意してもらいましょう。

ただし、火葬場によって飲食類の持ち込みができるかは異なります。葬儀社に確認してから、茶菓子や軽食を用意するか決めるとよいでしょう。

4.火葬場の係員に渡すための「心づけ」

心づけ」を火葬場の係員に渡す場合は、前もって用意しておきましょう。心づけとは、日本の風習で、お世話になった人などへ感謝の気持ちを込めて渡すお金のことです。

火葬場の係員に渡す場合が多く、渡す際は火葬前に行います。ただし、「心づけ」を渡すことは義務ではありません。そのため、用意しないからといって火葬してもらえなかったり、罰則があったりすることはない点は覚えておきましょう。

また、葬儀社や会場によっては「心づけ」を断る場合もあるようです。参考までに「心づけ」の金額相場は3,000円~5,000円となっています。なお、マイクロバスや霊柩車などの運転手へ渡す場合も、同じ金額で問題ありません。

出棺から火葬までの流れ

一般的な葬儀では火葬は告別式を終えて出棺するところから始まり、決められた手順に従って行われます。

火葬に立ち会う時に故人との最後のお別れの時間を心置きなく過ごすためにも、火葬の手順は事前に把握しておきましょう。こちらでは、出棺から火葬までの流れを解説します。

火葬も葬儀の一部であるため、参列時にはマナーがあります。故人との最後のお別れの時間で失礼の無いように、最善の注意を払いましょう。

1.葬儀〜火葬場へ移動する

火葬は葬儀・告別式の後、火葬場に移動して行われます。移動の際は、寝台車が先頭を走り、その後に参列者が乗るマイクロバスや自家用車が続きます。

車に乗り込む順番は、故人との関係が深かった順です。親族以外で火葬場への同行をお願いしたい場合は、遺族から誘います。

遺族から同行を頼まれたけれども、時間の都合がつかないなどの場合は行かなくても問題ありません。失礼のないように丁重にお断りしましょう。

また、火葬場へ勝手に同行してはいけません。葬儀の参列者が全員火葬場へ同行するわけではないためです。火葬場へ同行するのは喪主や遺族、親族に加えて故人と親交が深かった友人知人のみです。希望しても喪主の許可がなければ同行できないことには注意しましょう。

どうしても火葬に立ち会いたい場合は、事前に喪主に申し出て了承を得ておく必要があります。直前に願い出ても調整できないこともあるので、なるべく早い段階で申し出ましょう。

2.火葬にかかる時間は1時間~2時間

火葬場では葬儀担当者や僧侶の指示に従って、最後のお別れをします。

火葬中は別室に待機しておきましょう。火葬には1~2時間ほどかかりますので、参列者に出すお茶やお菓子などを用意しましょう。

遺族は参列者に、火葬場まで来ていただいたお礼と、故人が生前お世話になったことへの感謝の言葉を伝えます。

遺族は参列者に、火葬場まで来ていただいたお礼と、故人が生前お世話になったことへの感謝の言葉を伝えます。参列者は、故人を偲び、遺族を気遣います。

3.火葬後は骨上げの儀式を行う

火葬後は、ご遺骨を骨壷に納める「骨上げ」の儀式を行います。2人1組となり、ひとつの骨を竹箸で一緒にはさんで拾います。喪主から始め、故人と縁の深い順で行っていきます。

足の骨から順に拾い、骨壷に納めていきます。どの骨を納めるのか、火葬場の担当者から指示があれば従ってください。骨を1、2片拾い、箸を次の人へ渡していきます。

最後に故人と最も縁の深い人が、喉仏を拾うと完了です。骨壷は、火葬場の担当者が持ち帰る準備をしてくれます。骨壺と火葬済印が押された火葬許可証を受け取ったら、火葬場を後にしましょう。

その後は、葬儀式場や寺、自宅などに戻り、お骨になった故人を供養する「還骨法要」の儀式を行います。最近では、還骨法要に続いて初七日法要、そして精進落としと呼ばれる会食までを行うことも多いです。

精進落としは本来、四十九日法要を終えた後に行うものです。しかし、遠方などから親族が集まる負担をなくすことと、最後まで葬儀に関わってくれた方への労いの意味を込めて、火葬後の法要と併せて行うことが一般化しているようです。

4.骨壺を保管

ご遺骨を収めた骨壺は自宅で保管して問題ありません。自宅に置く場合はカビが生えないように湿気があるところは避けて、直射日光が当たらない風通しの良い場所で保管しましょう。長期間自宅に置くのであれば、内部環境が保たれる完全密閉可能な容器を選ぶのがおすすめです。

骨壺がスペースを取って保管場所に困る場合は、遺骨を砕くことを検討するのも良いでしょう。砕いてしまえばコンパクトな骨壺に移せるので、保存しやすくなります。

火葬に参加する際のマナー

遺体を火葬するまでには手順があり、それなりに時間がかかります。途中で待機する場面も出てきますが、そこでもなるべく気を抜かず、故人を偲ぶことが大切です。

まず、遺体の火葬を行っている場合は、別室での待機が必要です。ただし、火葬場が斎場の近くにある場合はわざわざ待機する必要がないので、先に精進落としを行って、効率よく火葬を進めるほうが良いでしょう。

精進落としの席では、故人を偲ぶだけではなく、遺族として弔問客に対して感謝の気持を示しましょう。故人が生前お世話になったことを感謝し、お礼をしっかりと伝えてください。

また、火葬には勝手に同行してはいけません。火葬についていける人は、基本的には親族や親戚のみです。一部親族が許可した場合のみ、親しい間柄の友人や職場の同僚なども同行できます。許可がない場合は、火葬場についていくことは許されません。

もし火葬にも同行したいのであれば、葬儀の場で遺族に許可を申し出ましょう。あまり多くの人が集まるような場所ではないため、よほどの理由がない限りは葬儀でお別れを済ませておいてください。

骨上げでの作法・マナー

上記でも紹介しましたが、骨上げとは火葬後に遺骨を骨壺に納めるセレモニーです。この骨上げにも作法やマナーが存在します。儀式をとどこおりなく進めるためにも、ぜひ覚えておきたいところです。

この章では、骨上げでの作法やマナーを解説していきます。主にどんなことに気をつけなければならないのでしょうか。6点紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.箸を使用してお骨を拾う

お骨を骨壺に納める際には、専用の箸を使用します。手で拾うことはマナー違反とされています。

専用の箸は一般的に使われるものと比べるとかなり長いです。そのため扱いにくく、お骨を落としてしまうこともあるかもしれません。その際は焦らずに火葬場のスタッフの指示を仰ぎましょう。

2.拾い上げるお骨の順番を守る

お骨を拾い上げるには順番があるため、きちんと守りましょう。足の骨から身体の上部の骨へ向かって順番に拾い上げ、骨壺に納めていきます。

3.故人の近親者から順に拾う

故人と関わりが深い立場にあった人から順に拾うのが基本です。喪主から始めて、遺族、親族の順で行いましょう。

骨上げもセレモニーの一部なので、その場の流れでなんとなく遺骨のそばにいる人から拾い始めるのはマナー違反です。

4.2人組でひとつのお骨を箸で納める

骨上げでは2人組でひとつのお骨を納めます。それぞれが箸を持ち、おこないます。

2人で拾う理由は所説ありますが、故人が無事にあの世へ行けるようにという意味もあるようです。その他に亡くなった人をみんなでしのぶことで、悲しみを分かち合うためとも言われています。

5.骨上げをしないこともできる

事情によっては、骨上げをしないこともあります。

主な理由としては、下記の通りです。

・経済的にお骨の供養ができない
・故人との関係性が薄いため、面倒見切れない(遠い親せきなど)
・故人に家族や親族がいない

地域によっては、骨上げをしないという選択もできます。反対に、地域によっては収骨が必要なところもあるため、事前に確認が必要です。

もし骨上げを拒否したいのであれば、葬儀社に相談してみることもよいでしょう。

6.地域によってルールが異なる場合がある

骨上げは地域によってルールが異なる場合があります。拾うお骨の数が決まっているところもあります。

例えば、関東では大きい骨壺を用い、全てのお骨を拾う風習があります。一方関西では、骨壺が小さいため一部の遺骨のみ拾骨するようです。

なお骨上げについては火葬場のスタッフもついているので、ある程度は指示してもらえるでしょう。わからないことがあれば、係員に聞いてみることもおすすめです。

出棺時の音楽や副葬品について相談に乗ってくれる良い葬儀社の選び方

出棺にはさまざまなルールがあります。音楽や入れても大丈夫な副葬品など、普段の生活ではなじみのない知識なので、本当に大丈夫なのかと不安になってしまうでしょう。

出棺をはじめたとした葬儀については、葬儀社に相談することがおすすめです。しかし、どこに依頼をしたらよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの章では、葬儀社の選び方について解説していきます。安心して葬儀をおこなうためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1.費用・価格帯

葬儀はどの程度の規模で執り行うかによって、費用が大きく変わります。費用を事前に決めておくことが重要ですが、初めて葬儀のプランを決める方にとっては難しい場合もあるでしょう。その場合は、葬儀屋の担当者に相談をしながら費用を決めます。

相談をする際に重要になるのが、料金表など料金プランがわかりやすく作られており、見積書を正確に対応してくれるかどうかです。プランごとにどのようなものがついてくるのかわからない業者は利用を避けましょう。

2.葬儀屋としての実績

葬儀屋の実績や勤務している担当者の経験も、選ぶ際の指針とできるポイントです。地域で長年営業しているということは土地柄もわかっており、場合によっては以前に別の親族で対応してもらったことがあるなど前もって理解がある場合もあるでしょう。

土地ごとに決まりに違いがある場合もあるので、きちんと対応できるかどうかは重要です。

初めて喪主を務める方にとっては、わからないことも多くあり迷うときもあるでしょう。葬儀屋としての実績が多いほうが、さまざまな提案を受けられるためおすすめです。

3.担当者の応対

担当者の経験だけではなく、対応についてもしっかりチェックしましょう。質問に対してわかりやすく丁寧にこたえてくれるか、要望を伝えたときにきちんと行動してくれるかなどが重要です。

費用を抑えたいという場合でも、担当者ときちんと相談をすることで要望どおりの葬儀ができるでしょう。依頼者のさまざまな事情を考慮し、真摯に対応をしてくれる葬儀屋を選ぶことが大切です。

また、メールでのやり取りでも応対の丁寧さを推し量ることができます。文章の言葉遣いやレスポンスの早さで、ある程度の応対力を判断できます。メールで問い合わせた際は注意してみてみましょう。
小さなお葬式小さなお葬式

出棺のない「骨葬」という葬儀方法もある

葬儀には出棺のない「骨葬」と呼ばれる葬儀方法も存在します。あまり有名な手法ではありませんが、一般的に行なわれている地域もあるほどです。骨葬は通常の葬儀の流れとは違う進み方をするため、それに応じたメリット・デメリットが存在します。

こちらでは、骨葬の概要や行なわれる理由、メリット・デメリットについて解説します。状況によっては骨葬が適している可能性もあるので、ぜひ確認してみてください。

1.骨葬とは

日本の葬儀では、祭壇の前にご遺体を安置して、お通夜葬儀・告別式を行い、その後に出棺、火葬となるのが一般的な流れと捉えられています。しかし、場合によってはお葬式の前に火葬を行い、祭壇の上にお骨を置いてお葬式をすることがあります。これが「骨葬」です。

骨葬は、東北の一部地域など地方によっては特別なことではなく、一般的に執り行われているところもあります。「火葬が先」の流れが一般的な地域では、それが通常で特別な呼び方をしないため、あえて骨葬とは言いません。

骨葬が一般的な地域では、通夜を行った次の日に火葬をし、葬儀・告別式はお骨の状態で行うということが多いようです。しかし、骨葬が一般的ではない地域で骨葬を行う場合、特別な事情があることも少なくなく、通夜の前に火葬を行うこともあります。

2.骨葬が行なわれる理由

骨葬が行なわれる大きな理由として「遺体の状態が良くない」という点が挙げられます。事故・事件によって亡くなられた場合や、亡くなられてから時間が経ってしまった場合などは、ご遺体の状態が良くなく、そのまま安置できないケースです。

そのような場合は衛生面などを考えて、先に火葬を行ってからお骨で葬儀を行います。

また、故人が遠方で亡くなった場合も、骨葬が行なわれるケースが多いです。たとえば都市部に出てきていた人が亡くなった場合などは、亡くなった土地で火葬を行ってから、親族がお骨を故郷に持ち帰って葬儀を行うケースがあります。

海外で亡くなった場合も、遠方のためお骨にしてから連れて帰るという選択をする人は少なくありません。

さらに著名人が亡くなった場合は、まず身内だけで葬儀を行い、後日、友人や関係者を招いて本葬や偲ぶ会・お別れの会などが開かれることがあります。また、取引先など多くの人が参列する大規模な社葬でも、身内で家族葬を行った後に本葬を行うのが一般的です。

これらの場合は「密葬・家族葬」→「火葬」→「本葬・お別れ会」の流れで行い、祭壇にお骨を安置するケースが多いです。これも、「骨葬」のひとつと言えます。

3.骨葬のメリット

遠方から葬儀をする土地まで故人を連れて帰らなければならない場合、亡くなった土地で先に火葬を行うことで、搬送の費用を抑えられます。

また、葬儀については安置の日数や火葬場の混雑状況などを考えなくて良いので、日にちや時間帯を柔軟に設定可能です。

大規模な葬儀やお別れの会などを行う場合は、お骨にすることで会場の選択肢が広がります。ホテルなどは通常、ご遺体を安置することはできませんが、お骨であれば持ち込めるところがあります。

4.骨葬のデメリット

骨葬では、葬儀の際に参列者が亡くなった故人の顔を見てお別れすることができません。骨葬が一般的でない地域では、お葬式ではまだ故人に会えると思っている方も少なくないので、先に火葬を行っていることに疑問を持たれることもあります。

理解されなかったり、話しづらい事情を聞かれたりするかもしれないことを頭に入れておきましょう。

今はお葬式の形が多様化しているので、骨葬もひとつの選択肢ですが、骨葬が一般的ではない地域で葬儀の前に火葬を行うのであれば、周囲の理解を得ることも大切です。

また、密葬と本葬など、葬儀を2度に分けて行うのであれば、その分費用がかかるため、1度で行う一般的な葬儀より高額になることもあります。

5.骨葬の手配方法

骨葬が一般的な地域では、臨終後はすぐに葬儀社を手配すれば、通夜から火葬、葬儀と、通常の流れで行ってもらえます。そうでない地域では、葬儀社に骨葬で行いたい旨をしっかりと伝えましょう。

骨葬が一般的ではない地域で、何らかの事情で骨葬にする場合、火葬のみを個人で手配することは可能です。ですが、親族が亡くなるという大変な状況の中で、慣れない手続きを行うのは簡単なことではありません。

葬儀を後日ゆっくり行いたいと考えている場合でも、ひとまず葬儀社を決定して骨葬で行いたい旨を伝えて、火葬も含めた段取りをサポートしてもらいましょう。

小さなお葬式」は、お葬式に必要な物品・サービス(火葬料金別)を含んだセットプランご提供しており、骨葬の対応実績も豊富です。骨葬をご検討の方はお電話でご相談ください。

「喪主が必ず読む本」無料プレゼント中

「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。

病院から危篤の連絡がきたときの対応方法や、親族が亡くなったときにやるべきこと、葬儀でのあいさつ文例など 、喪主を務めるのが初めてという方にも役立つ 情報が満載です。

いざというときの事前準備にぜひご活用ください。

喪主が必ず読む本

全員に「喪主が必ず読む本」プレゼント 無料資料請求はこちら

「小さなお葬式」で葬儀場・斎場をさがす

小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。

まとめ

出棺は、ご遺体を葬儀場から火葬場に送り出すことです。ご遺族や参列者は故人を見送ることになるため、重要なセレモニーと言えるでしょう。

出棺時には知っておきたいルールや注意したい項目などがたくさんあります。故人をこころよく送り出すためにも、本記事で紹介した内容をぜひ覚えておきましょう。

葬儀に関しての悩みについて相談したいことがありましたら、小さなお葬式までご相談ください。スタッフが親身になり、お客様の相談に乗らせていただきます。出棺時についての相談も可能ですので、お悩みの際はぜひ1度ご連絡ください。

監修
小さなお葬式
小さなお葬式

小さなお葬式はお葬式からお墓のことまで、従来では不明瞭だった価格を明確にしました。日本全国で利用できる、高品質かつ低価格の葬儀サービスを運営しています。

▶ 運営会社についてはこちら

このままWEBで調べたい方
小さなお葬式についてもっと知る
このままWEBで調べたい方小さなお葬式についてもっと知る
事前準備をすすめたい方 喪主が必ず読む本プレゼント 資料請求する(無料)
事前準備をすすめたい方喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
小さなお葬式LINE公式アカウント
小さなお葬式LINE公式アカウント

この記事をシェアする

  • twitter
  • facebook
  • line
基礎知識・マナーを徹底的に解説 葬儀・葬式の流れ