十三回忌とは故人の13回目の命日(亡くなって12年後の命日)に行う重要な年忌法要です。十三回忌のひとつ前の法要である七回忌から6年も間が空いているため、何をすればよいか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、十三回忌の意味や基礎知識、ふさわしい服装について解説します。施主が行う準備手順が分かれば、十三回忌を滞りなく執り行えるでしょう。参列する方の持ち物やマナーについても説明しています。
<この記事の要点>
・十三回忌とは故人の13年目の命日に行う年忌法要のこと
・十三回忌には平服と呼ばれる略喪服を着用するのがマナー
・十三回忌法要に参列する際は、5,000円~5万円程度を目安に香典を持参する
こんな人におすすめ
十三回忌とは何かを知りたい方
十三回忌にふさわしい服装を知りたい方
参列者が十三回忌に必要な持ち物を知りたい方
十三回忌とは、故人の13年目の命日(亡くなって12年後の命日)に行う年忌法要です。仏様となった故人が宇宙の生命そのものである「大日如来」とひとつになる日で、重要な意味があると考えられています。また、十三回忌では持ち物や服装のマナーにも注意が必要です。ここでは、十三回忌の基礎知識や流れを紹介します。
三回忌や七回忌、十三回忌といった年忌法要でよく使われる3や7という数字は、仏教においては「迷いや偏った考え方から離れ、悟りを開く」という意味です。
年忌法要は命日当日に行うのが正式ですが、最近は命日付近の土日や十年、二十年といった節目の年に行うこともあり、従来の形式にとらわれない方が増えています。
故人が亡くなってから長い年月がたっているため、十三回忌は規模を縮小し、遺族だけで執り行うのが一般的です。ただし、十三回忌の由来や干支を一周する節目の年であることを考慮し、親戚や友人を招いて盛大な法要をしたいと考える方も少なくありません。
十三回忌の流れは一周忌や三回忌といった法要とほとんど変わりません。具体的な流れは以下の通りです。
1.僧侶が入場する
2.施主が挨拶する
3.僧侶が読経する
4.焼香を行う
5.僧侶の法話を聞く
6.僧侶が退場する
法要後は、お墓参りや会食を行うのが一般的です。僧侶の読経や法話、焼香といった法要自体は1時間程度、お墓参りに1時間程度、移動や食事に2時間程度で、全部でおおよそ4時間~5時間ほどかかります。
十三回忌の法要に呼ぶ方は遺族や親戚といった関係が近しい方のみに限定し、規模を縮小して行うのが一般的です。
ただし、誰を呼ばなければならないという決まりはないため、故人が生前親しくしていた友人や遠方に住む親戚を招いても問題ありません。招く方を決める際には年齢に十分留意します。無理をしてまで参列してもらう必要はないでしょう。
また、親戚間のトラブルを避けるため、「どの範囲まで声をかけるか」をよく話し合うことをおすすめします。
施主または遺族として十三回忌の法要を執り行う場合、準備手順を事前に確認することが大事です。ここでは、十三回忌の準備を5段階に分け、それぞれの段階で行う内容や気を付けたいポイントを紹介します。手順1~3は2か月前まで、手順4~5は2週間前までを目安に準備しましょう。
まずは十三回忌の法要の日程を決めます。基本的には、故人の命日に行うのが正式な作法です。ただし、平日だと都合が付かない方が多く、命日の前週もしくは前々週の土日に前倒しするケースが増えています。
会場は自宅や寺院、葬儀場が一般的です。遺族の予定だけでなく、僧侶や会場の状況を確認してから予約しましょう。2人以上の法要が重なる場合、三回忌以降であれば併修できます。併修は日付が早いほうの法要に合わせるのがマナーです。
十三回忌の法要後に会食を行うかどうかを決めます。会食する場合、会場や料理の予約をしましょう。慶事に使用する「鯛」や「伊勢エビ」が出ないように、十三回忌の法要で訪れる旨をお店の方に忘れずに伝えます。
会食会場が法要を行う場所から離れている場合、移動するための送迎者も手配しなくてはなりません。移動の負担を減らしたいのであれば、できるだけ法要の会場から近いお店を選ぶとよいでしょう。
案内状を送るため、十三回忌の法要に誰を呼ぶかを決めます。招く方には案内状と返信用はがきを送付しましょう。案内状には日時と場所、返信の期限を記載します。具体的な文例は以下の通りです。
謹啓 〇〇の候 皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか
亡父 〇〇儀の十三回忌法要を先日程にて執り行いたいと存じますので ご多用中のところ誠に恐縮ではございますが ご参列をお願い申し上げます 謹白
記
日時 令和〇年〇月〇日(〇曜日) 午前〇時より
会場 〇〇寺
住所 〇〇県〇市〇町〇‐〇
電話 〇〇〇‐〇〇〇‐〇〇〇〇
尚 法要後に〇〇にて粗宴の用意がございます
以上
令和〇年〇月〇日
〇〇県〇市〇町〇〇
施主 〇〇〇〇
誠に恐縮ではございますが〇月〇日までにご都合を返信葉書にてご連絡くださいませ
法要の際には参列者が香典やお供え物を持参するため、返礼品を用意しましょう。十三回忌の返礼品に関しては厳しいルールはないものの、基本的に「消えもの」と呼ばれる後に残らないものが望ましいといわれています。
タオルや石鹸といった消耗品、海苔やお茶のような食品をお渡しするのが一般的です。また、高齢の方や遠方から参列する方がいる場合、軽くて持ち運びしやすいカタログギフトが喜ばれます。
僧侶にお渡しするお布施も忘れずに準備しましょう。お布施は、故人の法要のために足を運んでくれたことや読経、法話に対する感謝の気持ちの表れです。他にも、必要に応じて「お車代」「お膳料」をお渡しします。それぞれ別に包んで用意しましょう。
お布施をお渡しするときには気を付けたいマナーがいくつかあります。具体的なマナーは以下の通りです。
・封筒の表書きは、薄墨ではなく黒墨で書く
・金額を記載するときは、大字を使う(例:壱、弐、参)
・お札の肖像画が表側に来るように封筒に入れる
・暗い色のふくさに重ねるか、切手盆に乗せてお渡しする
十三回忌は故人が亡くなってから長い歳月が流れており、規模を縮小することが多い法要です。したがって、遺族も参列者も「平服」と呼ばれる略喪服を着用します。マナーを守りつつ、自分らしいコーディネートを考えましょう。ここでは、略喪服の服装マナーやポイントをケースごとに紹介します。
略喪服では黒だけでなく、グレーやネイビーといった暗い色のワンピースやアンサンブルを着用できます。十三回忌以降はパンツスーツも可能です。小さく控えめであれば、柄が入っていても構いません。
ただし、「スカートの丈はひざ下」「首元が詰まったデザイン」といった、露出を減らす配慮は必要です。他にも、光沢がある素材や革製品、ファーを避けることは、どの法要においても共通の基本的なマナーです。
アクセサリーは結婚指輪や真珠のものであれば問題ありません。ただし、不幸が重なることを連想させる「二連」のネックレスは避けましょう。
男性の略喪服は準喪服とあまり変わらないように見えますが、準喪服に比べて自由が利きます。また、女性より決まり事が少ないため、コーディネートもしやすいでしょう。
十三回忌の法要では、黒だけでなくダークカラーのスーツを着用できます。柄に関しては「色が暗ければ構わない」という方もいれば、あまり好まない方もいるため、避けるのが無難です。
靴や鞄、ベルトといった小物には、革製品や光沢のあるものは使用しません。また、靴下やネクタイ、ハンカチもダークカラーで統一するのが望ましいでしょう。
子どもが十三回忌に参列する場合、学校の制服を着用するのがおすすめです。柄や色がある制服でも問題ありません。
小さな子どもや制服がない学校の場合、大人と同じようにダークカラーの服装にしましょう。女の子は暗い色のワンピースやスカート、男の子は白いシャツにダークカラーのズボンを合わせるのが一般的です。
ただし、ベビー服には暗い色のものがあまりありません。派手な色やキャラクターものを避け、ベージュといった薄い色の服を選ぶとよいでしょう。
久しぶりに法要に参列する場合、何を持っていけばよいか分からないこともあるでしょう。十三回忌は七回忌から6年、三回忌から10年もたっているため、必要なものや気を付けるポイントを改めて確認するのがベターです。ここでは、施主と異なる参列者の持ち物を紹介します。
十三回忌の法要に参列する際に必要な持ち物のひとつが香典です。5,000円~5万円程度を包む方が多く、故人との関係性や参列する家族の人数によって金額の目安は変わります。ただし、香典は故人や遺族へのお悔みの気持ちの表れです。本来相場はないということを併せて覚えておきましょう。
また、香典は宗教や地域によって、水引の色や表書きの書き方が異なります。宗教ごとの違いは以下の通りです。
宗教 | 水引 | 表書きの例 |
仏教 | 白黒または黄色の結び切り | 御香典、御香料、御仏前 |
神道 | 双白や双銀か白黒の結び切り | 御玉串料、御榊科、御神饌料 |
キリスト教 | 不要 | 御花料、御ミサ料、弔慰料 |
無宗教 | 白黒か双銀の結び切り | 御香典 |
お供え物にはお花やお菓子、線香を持参します。中でも、軽くて日持ちするものが人気です。故人が生前好きだったものも喜ばれるでしょう。ただし、生ものや後に残る品は持参しないのがマナーです。具体的な品は以下を参考にするとよいでしょう。
お菓子 | クッキー、マドレーヌ、お煎餅、ようかん、ゼリー |
お花 | 派手過ぎない明るい色のお花(胡蝶蘭、ユリ、菊、カーネーション) |
飲み物 | 緑茶、紅茶、コーヒー |
果物 | リンゴや桃といった季節の果物 |
その他 | 線香、ろうそく、海苔、カタログギフト |
数珠は持っている方は持参しましょう。手元になければ、持っていかなくても特に問題はありません。数珠は「念珠(ねんじゅ)」とも呼ばれ、身に着けると厄除けになるといわれています。
数珠を使うときは、房が下に来るように左手で持つのがマナーです。仏前で手を合わせるときは左手にかけた数珠に右手を添えるか、左右の親指以外の指を数珠の中に入れて、外側から親指で挟みましょう。
香典を持参するときは、ふくさに包むのがマナーです。施主が僧侶にお布施をお渡しする際にもふくさを使用する場合があります。
十三回忌の法要に持参するのであれば、青や紺、緑といった寒色系のふくさを選ぶとよいでしょう。また、香典は左開きになるように包みます。紫色のふくさは慶事と弔事の両方で使えて便利です。
大切な人の法要に呼ばれたものの、やむを得ない事情があり、参列できないこともあるでしょう。欠席するときはマナーを守り、失礼のないよう丁寧に対応することが重要です。ここでは、欠席する旨の伝え方や香典の金額、お供え物の内容について解説します。
十三回忌の法要に参列しなくても、香典やお供え物はお渡しします。現金は普通郵便では送れないため、香典は現金書留で送りましょう。現金書留専用封筒に香典袋ごと入れて、おわびの手紙も同封するとより丁寧です。お包みする額は参列する場合の半分程度でよいでしょう。
また、お供え物を送る場合、持参するときと同じように日持ちする食べ物やお茶といった消えものを選びます。
案内状が届いたら、早めに返信するのがマナーです。特に欠席する場合、返信用はがきで連絡するだけなく、おわびの手紙を送るのが望ましいでしょう。手紙の文例は以下の通りです。
拝啓
このたびは、亡〇〇様の十三回忌の法要のご案内をいただきまして、誠にありがとうございました。
皆様と共にご冥福をお祈りしたかったのですが、当日は取引先との会談がございます。誠に申し訳ありませんが、欠席をさせていただきたく存じます。
心ばかりではありますが、御香料を別便にて送らせていただきました。
また後日改めて、お参りさせてください。
略儀ではございますが、書面にて、当日参列できないことをお詫びさせていただきます。
時節柄くれぐれも、皆様どうかお体を大事になさってください。
敬具
欠席する旨を電話やメールで伝えてもマナー違反ではありません。連絡する際には以下の内容を伝えしましょう。
・案内をいただいたことへのお礼
・参列できないことへの謝罪
・簡潔にまとめた欠席する理由
・香典やお供えの品を別送した旨
・伝え方が略儀であることへの謝罪
・遺族への挨拶
ただし、メールは相手に届いたかどうか分かりにくいため、あまりおすすめできません。電話や手紙で伝えるのが望ましいでしょう。また、電話やメールで伝えた場合でも、香典やお供え物におわびの手紙を添えて送るのがマナーです。
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十三回忌とは、故人の13年目の命日に執り行う年忌法要です。施主や遺族は手順を確認しながら準備を進めましょう。当日に滞りなく法要を行うためには、早めに準備することが大切です。参列者の方も服装や持ち物にマナーがあるため、失礼にならないように気を付けましょう。
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忌引き休暇は、実は労働基準法で定められた休暇ではありません。ホゥ。