三十三回忌とは亡くなった年から32年後に行う年忌法要のことです。長い時間が経過してから営む法要であるため経験したことのある方も少なく、僧侶へお渡しするお布施の金額の目安が分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、三十三回忌のお布施について解説します。お布施の金額の目安や袋の選び方、渡すときのマナーが分かれば、安心して三十三回忌を迎えられるでしょう。お布施以外に用意するものも紹介します。
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こんな人におすすめ
三十三回忌のお布施の目安について知りたい方
香典袋の選び方について知りたい方
お布施を渡すときのマナーについて知りたい方
数ある年忌法要のひとつである三十三回忌は、故人の死後32年後の命日に営みます。亡くなってから32年も過ぎていると生前の故人を知っている方も少ないため、家族や親戚といった身内だけで執り行う場合がほとんどです。中には、法要そのものを行わないケースもあります。
ただし、仏教の教えでは故人の霊が祖先神になる節目とされている重要な法要です。感謝のしるしとして、僧侶へお渡しするお布施も用意しなくてはなりません。
三十三回忌のお布施として、どの程度をお渡しすればよいか悩んでいる方も多いでしょう。金額は執り行う場所や宗派によって異なります。
ここでは、三十三回忌のお布施の金額の目安をケース別に見てみましょう。なお、地域や関係性、親族の考え方でも金額は異なるため、あくまで目安と捉えてください。
自宅で三十三回忌を執り行う場合、お布施の金額の目安は1万円~5万円程度といわれています。この金額は他のほとんどの年忌法要と変わりません。
さらに、僧侶に自宅まで来てもらうため、交通費としてお車代が必要です。法要後の会食に僧侶が参加しないときは、御膳料も用意しなければなりません。参加する場合は不要です。
自宅ではなく菩提寺で三十三回忌を行うケースもあるでしょう。お寺で行う場合も自宅と同様で、お布施の金額の目安は1万円~5万円です。ただし、自宅と違って僧侶に来てもらう必要がないため、お車代は用意しなくて構いません。
会食を別の会場で行うときには僧侶は同席しない場合が多く、御膳料をお渡しする必要があります。
浄土宗や浄土真宗の場合、お布施に対する考え方が他の宗派と異なるため、注意が必要です。お布施は僧侶への謝礼という考え方が一般的ですが、浄土宗や浄土真宗では仏様への感謝の気持ちを表す意向が強いといえます。
したがって、金額は決まっておらず、感謝の気持ちを示す金額を包めばよいという考え方です。
目安は3万円前後といわれていますが、地域やお寺によって金額が決まっている場合もあります。可能であれば、事前に確認するとよいでしょう。
臨済宗と共に、禅宗の2大宗派とされる曹洞宗のお布施の金額の目安は3万円~5万円で、他の宗派とほとんど変わりません。また、日本で信仰している方が多い真言宗、日蓮宗、天台宗といった宗派も、お布施の考え方や金額の目安は同様です。
ただし、同じ宗派でも住んでいる地域やお寺によって金額が異なる場合があるため、事前に確認することをおすすめします。
お布施以外に渡す金銭として、お車代と御膳料があります。お車代は僧侶に自宅に来てもらう際の交通費を指し、5,000円~1万円程度が目安です。ただし、遠方の場合は距離に比例して上乗せします。お寺で法要を行う場合には必要ありません。
御膳料は僧侶が法要後の会食に参加しないときにお渡しする費用です。目安は5,000円~1万円ですが、僧侶が会食に参加する場合には用意する必要はありません。
三十三回忌について調べていると、「弔い上げ」という言葉を目にする機会が多いかもしれません。一般的に三十三回忌を弔い上げとするケースが多いため、意味を理解することが重要です。ここでは、弔い上げの意味とお布施の金額について解説します。
亡くなった直後に執り行う葬儀のあとは、一周忌や三回忌といった節目ごとに年忌法要を行います。弔い上げとは、故人に対して行う年忌法要のうち最後の法要のことです。弔い上げをもって年忌法要は終了し、以降は先祖代々の霊と一緒に弔います。
一般的に、三十三回忌もしくは五十回忌を弔い上げとするケースが多いため、三十三回忌は重要視される法要のひとつです。他の法要に比べて、盛大に執り行う場合もあります。
三十三回忌を弔い上げとする場合でも、お布施の金額の目安は変わりません。三十三回忌を行う場所や信仰する宗派の目安を参考に、最適な金額をお渡しすればよいでしょう。ただし、他の法要より盛大に行うケースもあるため、地域やお寺によっては目安よりも気持ち多く包む場合もあります。
三十三回忌のお布施をお渡しする際にはさまざまなマナーがあります。お布施を包む袋の選び方や書き方を知って、正しい作法でお渡ししましょう。ここでは、三十三回忌のお布施の袋の選び方や表書きの書き方について解説します。
お布施を包む袋のうち、正式なものは奉書紙です。奉書紙とは和紙の種類のひとつで、昔から大切なことを伝えるときや進物を贈るときに用いられてきました。
弔事に関しても、弔辞を書いたり香典やお布施を包んだりする場面で使われます。お世話になるお寺にきちんと誠意を伝えたいのであれば、奉書紙を使用するとよいでしょう。
奉書紙を用意するのが難しい場合、簡易的な方法として白い無地の封筒や不祝儀袋で代用できます。
お布施を入れる袋の表書きは「お布施」「御布施」が一般的です。他にも、神道の式年祭では「御玉串料」「御祭祀料」と書く場合があります。何も書かずにお渡ししても問題ありません。
ただし、浄土宗や浄土真宗はお布施の考え方が異なるため、注意が必要です。浄土宗や浄土真宗におけるお布施は仏様への感謝の気持ちであり、「志」や「寸志」といった僧侶やお寺への感謝を表す書き方はしません。
表書きを書いた下の段には、お布施を包んだ方の名前を書きましょう。法要を執り行う施主のフルネーム、もしくは家の名前を「○○家」と書くのが一般的です。
また、奉書紙や不祝儀袋のように中に入れる袋がある場合、中袋にも名前を書きます。名前を記す場所は、表ではなく裏面の左側です。名前と一緒に、郵便番号や住所も記載します。電話番号の記入欄があれば漏れなく記入しましょう。
葬儀に持参する香典袋の表書きは、悲しみの涙を表すために薄墨で書くのが一般的ですが、お布施の表書きには黒墨の筆や筆ペンを使用します。
また、金額を表す数字には大字と呼ばれる文字を用いましょう。3万円の場合、金額の前に「金」、後ろには「也」を入れて「金参萬圓也」と書きます。金額を書く場所は、奉書紙を使用するときは中包みの表側、封筒を使うときは封筒の裏側です。
お布施を入れる袋を準備したら、お渡しするお金を包みます。お布施の入れ方や包み方にもマナーがあるため、気を付けたいポイントをしっかり把握しましょう。ここでは、三十三回忌のお布施の入れ方や包み方を紹介します。
香典の場合、袋の表側に紙幣の裏側(肖像画が描かれていない面)が来るようにお金を入れます。一方、お布施は慶事と同様、袋の表側に紙幣の表側が来るように入れるのが基本です。向きをそろえて、肖像画が上になるように入れましょう。
また、使用感のある紙幣を包む香典とは異なり、お布施には新札や使用感の少ない紙幣を用います。ただし、地域によって作法には差があるため、気になる方は周りに相談するとよいでしょう。
奉書紙を使用するときは、半紙で作った中包みに紙幣を包みます。紙幣は肖像画が上になるように半紙に置きましょう。続いて、中包みを奉書紙で包みます。奉書紙はつるつるした面が表でざらざらした面が裏です。したがって、ざらざらした面に中包みを置き、左、右、下、上の順番に折りましょう。
白い無地の封筒を使用する場合、郵便番号を書く欄がないものを用意します。不幸が重なることを連想させる二重の封筒も避けましょう。また、お布施には水引は不要ですが、不祝儀袋を使う際には水引を付けるのがマナーです。
三十三回忌のお布施は、法要後に僧侶が帰られるときにお渡しするのが一般的です。法要を滞りなく終えたことや読経に対するお礼を述べながら、お渡しするとよいでしょう。
ただし、時間がある場合には法要が始まる前でも構いません。「本日はよろしくお願い致します」と言葉を添えてお渡しします。いずれのタイミングでも、感謝の気持ちをしっかりと伝えることが大切です。
お布施を渡すときは、タイミングだけでなくマナーにも気を付けなくてはなりません。感謝の気持ちをしっかりと伝えるためにも、正しい作法で失礼のないようにお渡ししましょう。ここでは、三十三回忌のお布施を渡すときの注意点を2つ紹介します。
お布施はお車代やご膳料と共に、袱紗に包んで持参します。お車代や御膳料はお布施とは別に、それぞれ白い無地の封筒に入れて準備しましょう。袱紗はお布施を持参するときに用いますが、お渡しする際に使用する場合もあります。
弔事で用いる袱紗は、紺色や灰青色、深緑色といった暗く落ち着いた色合いのものが最適です。慶事と弔事の両方で使用できる紫色の袱紗は、ひとつ持っていると便利でしょう。
お布施は直接手渡ししないのがマナーです。小さなお盆(切手盆)に載せて渡すのが正しい方法のひとつですが、事前に用意する必要があります。
また、お寺で法要を行う場合、お盆を持ち歩くのは現実的ではありません。自宅以外の法要では、袱紗に包んで持参したお布施を袱紗の上に重ねてお渡ししても問題ないでしょう。いずれの場合も、僧侶側から表書きが読める向きで置くのが鉄則です。
三十三回忌の法要で、お布施以外に用意するものに供花があります。四十九日までは白や青、紫といった色でまとめるのが望ましいといわれていますが、三十三回忌は故人が生前好きだった花を供えても構いません。
お寺で執り行う場合、花籠(はなかご)といった供花は葬儀社や生花店に注文して、当日にお寺に届けてもらうパターンが一般的です。供花はそのままお寺やお墓にお供えする場合がほとんどで、多過ぎるときは施主の家族や参列者が持ち帰ることもあります。
法要・法事にはお布施以外にも読経、お車代、御膳料などさまざまな費用がかかります。合計すると、平均して10万円以上はかかるでしょう。
また、寺院や地域によっても異なるため、いくら準備しておけばよいのか悩む方もいるのではないでしょうか。
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三十三回忌は亡くなってから32年後の命日に執り行う年忌法要です。弔い上げとする場合も多く、重要な節目といえるでしょう。
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