訃報は突然のことで予想ができないものです。急いでお通夜の会場へ向かおうとしたものの、喪服を準備する時間がなくて困ったという経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
亡くなってからお通夜までの時間は短いため、準備する時間はあまりないのが一般的です。そこで今回は、初めてお通夜に参加する女性でもわかりやすいように、服装に関するマナーを解説します。
<この記事の要点>
・女性の服装は準喪服が適切で、上着から靴まで黒で統一する
・仏式の通夜に参列する際は、数珠、袱紗、ハンカチなどを持参する
・通夜では忌み言葉や重ね言葉は使わないのがマナー
こんな人におすすめ
お通夜に参列する際の服装にお悩みの方
お通夜に持参するものを知りたい方
喪服の種類を知りたい方
お通夜ではどのようなことを行うのでしょうか。焼香や僧侶が読経を行うことをイメージすることが多いですが、そうした儀式はお葬式でも行われるので、何が違うのかわかりづらいかもしれません。
お通夜とお葬式には共通部分もありますが、お通夜にしかない大事なことも存在します。お通夜が何をする場なのかわかれば、その場に適した服装についても理解しやすいでしょう。
本来、お通夜は故人の親族や近しい人物だけで行われる儀式だったとされています。儀式の際は、「寝ずの番」という、線香やろうそくに火を一晩中絶やさず灯して、故人を偲ぶ行為をしていました。
線香やろうそくの火を絶やさないことには、「故人があの世へ迷わずたどり着けるように願う」「線香の煙で故人を守ってもらう」といった意味もあったようです。
現代では、故人の親族や近しい人物だけでなく、近所の方や仕事の関係者も参列するようになりました。時間も18~19時頃から行われ、その日のうちに退席する「半通夜」の形式で執り行われることも増えています。
日中は忙しくて参列できない女性や男性が増えたという事情を考慮して、お葬式は変化していったようです。また、遺族や親族以外の一般の参列者である会葬者は、お通夜か葬儀のどちらか一方にだけ参列することも少なくありません。
仏教式の一般的なお通夜は、亡くなった翌日、もしくは当日に行われ、開始時刻になると僧侶による読経と焼香、それから参列者の焼香を行います。地域や宗派によっては、焼香の後に僧侶からの説教や法話があるでしょう。
読経もしくは説教や法話が終わると、僧侶は退席し、喪主が参列者へ挨拶を行います。一連の儀式が終わると「通夜振る舞い」といって、参列者へ軽い食事が振る舞われることが多いです。
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お葬式との違いは、お通夜が「故人を親族が夜通し偲ぶための儀式」であるのに対し、お葬式は「日中行われる宗教的な儀式」であるとされています。どちらにも共通しているのは「故人の冥福を祈る」ということです。
お通夜には、男性も女性も平服で駆け付けるものという考え方もあります。ただ、いくら平服でもよいとはいえ、故人のための大事な儀式ですので、服装には気を付けてお通夜に臨みましょう。
喪服を着てお通夜に参列することはマナー違反だ、という話を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、お通夜を行うこと(故人が亡くなること)をあらかじめ予想していたと捉えられてしまう、といった考え方があるためです。
時間に余裕があって喪服が用意できる場合は喪服を着用して参列しても問題ありませんが、お通夜の場合は、急いで駆けつけたことを表現するために、ビジネススーツやリクルートスーツなどの平服で構わないとされています。何を着ていけば迷うときは、詳しい方に地域の慣習を聞いて服を選ぶとよいでしょう。
喪服はお通夜にふさわしい服装です。ただし、喪服にも種類があり、以下の3つに分類することが可能です。
・喪主が着る正喪服
・遺族と会葬者が着る準喪服
・ビジネススーツやリクルートスーツなどの略喪服(平服)
一般的に「喪服」というと、準喪服のことを指します。準喪服は、仕事で着る黒色のスーツより色が濃く、光沢がない服のことです。
親族の女性がお通夜で着る服装は、準喪服となります。準喪服は、上着から靴まで黒で統一し、洋装ではワンピースやブラウスにスカート、和装では黒の着物に帯を巻くのが一般的です。
女性の準喪服では、肌の露出の少ない服装が適切とされているので、スカートの丈は、座ったときに膝が見えない程度の丈の長さにしましょう。また、スカートの下には黒のストッキングを履きます。ストッキングはうっすらと肌が透ける程度の厚さで、30デニール以下のものが選ばれることが多いようです。
袖の長さも肌の露出が少ないものがよいでしょう。袖の長さは、長袖や6~7分丈のもの選ぶことが多いです。
服装の他にも女性はアクセサリーやカバンなど注意したほうがよいものが多数あるので、代表的なものを紹介します。
靴やカバンは、色だけでなく素材にも気を付けたほうが賢明です。お通夜のときは、靴やバッグも黒色で光沢のない素材が好ましく、派手な装飾の施されたデザイン、殺生をイメージさせるような鰐皮や蛇皮は避けましょう。
お通夜のときは、参列者に与える印象も考慮して、ナチュラルメイクなどの派手すぎない化粧や清楚な身だしなみをおすすめします。故人と自分のためにも、きちんとした服装と身だしなみを心がけましょう。
髪が長い女性は、焼香やお辞儀の際に邪魔にならないように、まとめておくことをおすすめします。結ぶ際は、うなじより下で結ぶようにするとよいでしょう。髪が短い方はピンで整えるだけでも構いません。
また、指輪やネックレスなどアクセサリーにも気を付けることがあります。指輪は、原則的に結婚指輪以外を嵌めて参列してはいけません。ネックレスやイヤリングを付けるときは、派手すぎない色のものを選ぶようにしましょう。
例えば、真珠を選ぶときは、白や黒の真珠が選ばれることが多いです。また、2重になっている見た目のものは避けましょう。これは、不幸が重なることを連想させるので、あまり好まれていません。
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女性の会葬者は、親族と同じく準喪服が基本です。全身黒で統一されたブラウス・ジャケットとスカートやワンピースといった服装で参列します。お通夜のときは、略喪服で構わないとされていることもあるので、その際は、仕事で着ているようなスーツやパンツスーツでも構いません。
しかし、略喪服で構わないといってもお通夜の服装の基本は黒色ですので、白や黄色など派手すぎる色や装飾が施された服を着ているときは、準喪服に着替えて参列することをおすすめします。
準喪服は、肌の露出が少ないように黒のストッキングや長袖のジャケットにします。スカートも座ったときに膝が見えない長さの丈を選びましょう。
準喪服のときは、靴やカバンも親族の選び方と基本的に同じです。黒で光沢のない、殺生をイメージさせない素材を選ぶとよいでしょう。
略喪服で参列する際、仕事で使っているバッグが黒以外の派手な色や見た目の場合は、バッグは会場に持ち込まないようにしたほうが無難です。靴も、ヒールが高いものやブーツのときは履き替えることをおすすめします。
親族側のマナーと同じで、派手な印象を与える髪型や化粧、アクセサリーは避けたほうがよいです。仕事終わりに略喪服で参列する際は、身だしなみのチェックを行いましょう。
お通夜のときの髪型は、髪が長い女性はうなじより下で結び、短い女性はピンでまとめることが多いです。
「派手な化粧になっていないか」「結婚指輪以外の指輪を嵌めていないか」「アクセサリーは見た目が2重のものを着けていないか」などを確認してから参列するとよいでしょう。
服装について解説してきましたが、ここでは、お通夜のときに持参したほうがよいものについて解説します。
仏教式のお通夜に持参するものとしては、数珠、袱紗、ハンカチなどが挙げられます。
女性用の数珠は、男性のものより珠が小さく、短いのが特徴です。宗派によって細かな違いがあるので、親族や葬儀会社に聞いてみるとよいでしょう。
袱紗とは、香典を包むための袋のことです。お通夜では、黒もしくは紫色の袱紗に香典を包んで持参するのがマナーです。
ハンカチは、派手なものを避けるようにしましょう。お通夜で選ばれるハンカチは、白色の無地が多いです。
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ここまでは、お通夜の服装についてのマナーを、女性に焦点を当てて紹介してきました。ここでは、他に注意したいマナーについて紹介します。
特に気を付けたほうがよいのが、言葉遣いです。受付や親族に話しかける際は、お悔やみの言葉を最初に伝えましょう。代表的なお悔やみの言葉には「この度はご愁傷様です」や「心よりご冥福をお祈り申し上げます」などがあるので、覚えておくと役立ちます。
また、忌み言葉や重ね言葉は使わないように注意しましょう。忌み言葉は「不幸を連想させる言葉」で、重ね言葉は「不幸が続くことを連想させる言葉」のことです。
忌み言葉には「死亡」「存命中」などがあり、重ね言葉には「重ね重ね」や「たびたび」といったものがあります。悪気がなく、丁寧な言葉遣いのつもりで使ってしまうこともあるので、注意してお通夜に参列しましょう。
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お通夜では、準喪服や略喪服などを着て参列することになります。どちらにも共通している部分が多くあります。また、女性の場合はバッグや化粧にも気を付けることで、よりお通夜の場に適した身だしなみでお通夜に参列できるでしょう。
忙しい現代人のために、お通夜の形式は時代によって変化してきました。しかし、地方や宗派によってこれまでに守られてきたマナーや風習が数多くあります。ふさわしい服装や身だしなみについて迷ったときは、小さなお葬式にご相談ください。お通夜の各種マナーに精通したスタッフが、親身になってアドバイスいたします。
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