家族や親族、しばらく会っていなかった友人が突然この世を去ってしまったとき、安らかに眠る故人の表情を目に焼き付けておきたいと思う方は少なくありません。
故人と顔を合わせる際、何かきまりごとはあるのでしょうか。マナーや注意点を知らずに対面してしまうと、遺族へ不快な思いをさせてしまう可能性があります。
この記事では、遺体と顔を合わせるときの注意点について詳しく解説します。遺体との対面時の注意点を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・遺族が故人の顔を見せることを拒否した場合は、それに従うのがマナー
・許可なく故人のもとに面会をしに行くのはマナー違反
・棺に納められた遺体と顔を合わせる際は、遺体の顔からわずかに離れた位置で深く一礼する
こんな人におすすめ
故人の遺体安置の方法について知りたい方
故人との対面をしたい場合について知りたい方
ご遺体と対面する際の注意点を知りたい方
故人との対面については、状況によって可能といえるでしょう。自然死や死化粧などをして顔が見られる状態であれば可能ですが、事故死など遺族が顔を見せるのを拒否した場合はそれに従うのがマナーです。
また、直葬で宗教的な儀式を省く場合でも「死後24時間以内は火葬してはいけない」という法律があるため、短くても臨終から24時間以上は遺体の安置が必要です。
安置とは、臨終後に自宅または葬儀場など、所定の安置室に遺体を運んで保管することです。遺体の安置方法や期間は、葬儀形式によって異なります。遺体との対面を希望していて、遺族の許可が下りた場合は、安置期間や安置場所をしっかりと確認しましょう。
故人と面会する機会は、お通夜の日に設けられることが一般的です。しかし、必ずしもその日に対面できるとは限りません。遺族が直葬(火葬式)を選択して、お通夜や告別式を行わない可能性もあるからです。
「一目だけでも顔が見たい」という場合は、葬儀形式や葬儀の日程、遺族の意向などを事前に連絡をして確認しておくとよいでしょう。
亡くなった方の遺体は、自宅や安置室などを利用して死後24時間以上の安置を必ず行います。しかし、安置の方法は場所や宗教によって異なります。ここからは、安置場所とそれぞれの特徴を紹介します。
自宅での安置の際には、布団の上に遺体を寝かせてドライアイスを用いて冷やします。冷やす目的は、遺体の腐敗を防ぐためです。
自宅は、亡くなった方や遺族にとって慣れ親しんだ場所です。そのため、「安らかに眠れるだろう」と自宅を安置場所として選択する方が多いといわれています。
葬儀日程によっては、自宅であっても亡くなった方を棺に納めて安置する場合もあります。その場合は対面できない可能性もあるので注意が必要です。
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斎場や葬儀社などの安置室では、その施設の設備により保管方法が異なります。自宅の場合と同じようにドライアイスなどを用いる場合もありますが、冷房設備が整っている場合は、ドライアイスなどは使用しません。
また、最近では遺体の安置専用施設も増えており、葬儀会場とは別に安置専用施設を選択する遺族もいます。
安置室での面会は、予約が必要な場合や時間が限られている可能性があります。そのため、面会を希望する際は事前の確認が必要です。
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仏教では、安置する際に遺体を合掌させて、その手に数珠を握らせます。遺体は北枕か西枕で敷布団へと寝かせます。
自宅に仏壇がある場合は仏壇のある部屋に安置し、仏壇がない場合は冷房機器の備わっている部屋に安置することが多いようです。供物に関しては宗派によって異なります。
神道では、安置する際は西枕か東枕で、遺体の顔に白布をかけて合掌させます。仏教のように、数珠などの仏具は使用しません。
キリスト教では、聖書に安置方法についての記載がなく、細かいきまりや作法もありません。安置方法は遺族に任されているため、どこでどのような安置を予定しているか事前に確認しておくと安心です。
遺体を安置する方法は、住んでいる地域や故人の信仰していた宗教によって異なります。また、葬儀形式によっても安置の方法が変わる可能性があります。そのため、一概に安置方法がきまっているとはいえません。故人との面会を希望する場合は、必ず遺族に事前確認するようにしましょう。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
許可なく故人のもとに面会をしに行くことは、モラルに欠けたマナー違反の行動です。故人の遺言に記されていた内容や、亡くなった理由によっては、遺族が面会を拒否している場合もあるからです。
最後のお別れをする前に、どうしても故人の顔を見ておきたいという方は、遺族に面会が可能か必ず確認しましょう。面会の可否に関わらず、確認を行うことは失礼には当たりません。
ただし、事故死や突然死など、ご家族の方がひどく動揺してしまっている場合や、遺体がとても傷ついてしまっている場合には、面会確認の連絡辞退が失礼になることもあります。相手側の心情を察する思いやりの心が大切です。
判断に迷った場合は、他の参列者や葬儀社の担当スタッフなどへさりげなく聞いてみるのもよいかもしれません。
自身が対面を望んでいない場合でも「最後に一度見てくれませんか」と、故人との対面をお願いされる場合もあるかもしれません。お願いをされたら、遺族の気持ちを汲み取って、できるだけ対面するのがマナーです。
「ありがとうございます」と一言述べてから遺体と対面しましょう。その後に「安らかなお顔ですね」と、短いながらも遺族の方々を想う一言を添えます。しかし、対面をお願いされたものの、顔を見てしまうと自身の気持ちの整理がつかなくなってしまう場合もあるでしょう。
精神的な負担が大きく、遺体と対面することに抵抗を感じたり、ひどく取り乱してしまったりしそうな場合は「これ以上は辛くて耐えかねます」「取り乱してしまうと申し訳ありませんので」と素直な気持ちを正直に伝えましょう。断りを入れて対面を辞退することも可能です。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
遺体と最後に顔を合わせる際には、いくつか気をつけたほうがよいマナーがあります。ここでは、遺体が棺に納められているケースと、お布団の上で眠っているケースの2つに分けて解説します。
棺の中に納められているケースでは、遺体の顔からわずかに離れた位置(胸の延長上付近)で、まずは深く一礼しましょう。
棺の小窓がすでに開いていた場合には、そのまま顔のところへ近づいて顔を見ます。閉まっていた場合には、遺族が扉を開けてから近づいて見ます。また、その際は故人の体や棺にはなるべく手を触れないように注意が必要です。
布団で眠っているケースでは、遺体の枕元よりもわずかに下の位置に正座をしましょう。両手をついて深く一礼したら、遺族が顔にかけている白布を外してくれます。その後で膝をついたまま顔にそっと近づき、両手を膝の上に置いて顔を見ましょう。
最後は、故人の冥福の祈り一礼と合掌をします。その後に枕元よりわずかに下がって、再度しっかりと一礼します。遺族の許可なく遺体の顔にかけられている白布を触ってはいけない点に注意が必要です。
この他にも、葬儀形式や信仰する宗教によって対面時の作法に違いがあるので、参列する葬儀形式のマナーやルールを事前に確認しておきましょう。故人や遺族のことを心から思う気持ちを忘れないことが大切です。
遺族に対して、どのような言葉をかければよいのか迷ってしまうかもしれません。遺体と顔を合わせる際に、遺族にかける言葉の例文は以下のとおりです。
・安らかなお顔で眠っていますね
・謹んでお悔やみ申し上げます
穏やかな言葉をかけるか、定型文を短く述べるかのどちらかがよいでしょう。いずれにせよ、最後に「ありがとうございました」とお礼を述べましょう。
故人への思いが数多くあったとしても、この場面では長々と挨拶せず、短く切り上げるのがマナーです。
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遺体と顔合わせをする際には、いくつかの注意点があります。慎むべきことは慎みながらも、故人を悼み遺族に配慮する気持ちを大切にして、故人を偲びましょう。
遺体と対面するときは、体だけではなく棺にもなるべく手を触れないように気をつけましょう。また、遺体が安置されているのは厳粛な場所です。遺族と故人の前で、冗談などは言わないようにしましょう。
遺族に対して、故人の死の前後の様子や死因をたずねることはマナー違反です。絶対に聞かないようにしましょう。
また、大声で泣いたり取り乱したりすることも避けましょう。自分をコントロールできないと感じる場合には、顔合わせを辞退しましょう。
遺体との顔合わせの際は、取り乱さないように注意が必要です。とはいえ、どうしても涙を流してしまうこともあるかもしれません。
大切なことは、故人を悼み、別れを惜しむ気持ちです。また、遺族の気持ちに寄り添い、遺族の精神的負担に配慮する気持ちも重要です。
以上の2点をしっかりと押さえてさえいれば、少し取り乱してしまっても大きな問題になることはないでしょう。
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亡くなった方の最後の顔を拝見する機会は、そう頻繁にはないでしょう。「心の準備はしていたが、いざ遺体を目の前にしてしまうと動揺してしまい、それどころではなくなってしまう」という方も少なくありません。
遺体と対面する際、体や棺に触れることや死因をたずねることがマナー違反です。遺族や故人を思いやる心を大切にして、決して自分本位の行動を取らないようにしましょう。遺族の悲しい心中に寄り添った対応を取るのが大切です。
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