遺骨を海にまく海洋散骨とは?方法・法律や条例・注意点を解説
供養

作成日:2022年08月19日  更新日:2022年09月05日

遺骨を海にまく海洋散骨とは?方法・法律や条例・注意点を解説

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かつて遺骨はお墓に納めるのが一般的な供養方法でしたが、最近ではお墓に対する考え方の多様化に伴いさまざまな供養方法が誕生しています。そのうちの1つが、遺骨を海にまく「海洋散骨」です。

海洋散骨に関心があっても、具体的にどのようなことをするものなのかわからない方もいるかもしれません。そこでこの記事では、 遺骨を海にまく方法や注意点について解説します。

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【もくじ】
遺骨を海にまく「海洋散骨」とは
遺骨を海にまく方法
遺骨を海にまく前に知っておくべき法律や条例
遺骨を海にまく場合の注意点
まとめ

遺骨を海にまく「海洋散骨」とは

散骨といっても、好きな場所に遺骨をまいてよいわけではありません。散骨は、許可された海域でのみ行うことができる供養方法です。

ここからは、海洋散骨の概要と海洋散骨を希望する人が増えてきている背景について解説します。

遺骨を海にまく海洋散骨とは何か

海洋散骨とは、遺骨を粉状に砕く「粉骨」を行ってから、海にまいて供養することです。生前に本人が「お墓は作らずに遺骨を海にまいて自然に還してほしい」と望む場合もあります。さまざまな理由によりお墓を作らないという選択をして、海にまくケースもあるでしょう。

船で沖に出て遺骨をまく方法が一般的ですが、小型飛行機に乗車して空中から海にまくサービスなどもあります。

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遺骨を海にまく人が増えている背景

海洋散骨の需要が高まっている理由として、2つのことが考えられます。1つ目は、お墓の建立費用と維持管理にかかる費用が大きい点です。墓地の永代使用料・墓石の費用・毎年の管理費用など、お墓を維持するためにかかる経済的負担は大きなものです。

2つ目は、お墓を建てても後継者がいないという問題です。後継者がいても、お墓の維持費を考慮して一時的な出費で済む散骨を選ぶ方もいます。

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遺骨を海にまく方法

海洋散骨をするには、どのように手続きを進めたらよいのでしょうか。散骨をする場合は、散骨専門業者に依頼する方法と自分で海にまく方法の2つから選べます。

ここからは、それぞれの手順について解説します。

散骨専門業者に依頼する

遺骨を海にまくためには、遺骨を細かく砕き、散骨する場所を選定し、船を手配する必要があります。これらの準備を一手に引き受けてもらいたい場合は、海洋散骨の専門業者に依頼すると安心です。

海洋散骨には主に3つのプランが設けられています。個人で船をチャーターして一家族のみで行う「個人散骨」、他の家族と乗り合わせて行う「合同散骨」、遺族は乗船せず業者に散骨を依頼する「委託散骨」です。予算や遺族の希望が叶うプランを考慮して選びましょう。

自分で遺骨を海にまく

海洋散骨業者に依頼せずに、自分で遺骨を海にまくことも可能です。ただし、遺骨をそのまままくことは禁じられているので、必ず粉骨をしましょう。粉骨のみを代行してくれる業者もあります。

また、海水浴場や養殖場の近くで散骨をすると法律に抵触する可能性があります。散骨場所は慎重に選ぶようにしましょう。

詳しい法律や条例については、次の項目をご参照ください。

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遺骨を海にまく前に知っておくべき法律や条例

日本には散骨に関する規制や法律は存在しないので、遺骨を海にまく際に必要な手続きはありません。ただし、関連する法律や条例に違反した場合は罪に問われる可能性があります。

ここからは、海洋散骨をするうえで知っておくべき法律や条例について解説します。

「遺骨遺棄罪」と「墓地、埋葬等に関する法律」

刑法190条により、遺骨をごみに出したり放置したりした場合は「遺骨遺棄罪」に問われます。ただし、粉骨した遺骨の場合はこの法律には抵触しません。

また、「墓地、埋葬等に関する法律」通称「墓埋法(ぼまいほう)」第4条では、墓地以外の場所に遺骨を埋葬することを禁じています。海洋散骨もこの法律に抵触するように思えますが、海洋散骨は土の中に遺骨を埋めるわけではないので、「埋葬」にはあたりません。

自治体の条例も確認しておこう

散骨を禁じる条例を制定している自治体もあります。条例を確認せずに散骨を行うと、条例違反で罰則を受ける可能性があります。

散骨をしたい場所がきまったら、その地域の自治体の条例を必ず確認するようにしましょう。

遺骨を海にまく場合の注意点

遺骨を海にまく際に、行政などから許可をもらう必要はありません。ただし、いくつか注意しなければならないポイントがあるので、よく理解しておきましょう。

ここからは、遺骨を海にまく場合の3つの注意点について解説します。

散骨をする場所

海水浴場などの人目につく場所や漁場や養殖場など、周囲に迷惑がかかる場所への散骨は避けましょう。岸から数キロメートル以上は沖に出てから散骨をすることをおすすめします。また、自治体が散骨を禁止している場所や観光地などに散骨することも控えましょう。

業者に依頼せず個人で散骨場所を選ぶ際は、細心の注意が必要です。

粉骨を確実に行う

散骨をする前には、遺骨を1~2ミリメートル程度の粉末にする必要があります。個人で遺骨をこの大きさに砕くのは簡単なことではありません。

また、遺骨を砕くという作業は精神的負担も大きいものです。個人で粉骨することが難しい場合は、粉骨専門業者や粉骨サービスを提供している散骨業者に依頼することをおすすめします。

親族に理解を得る

海洋散骨の需要が高まっているとはいえ、「お墓を建てることが最善の供養」と考える方も少なくありません。また、海洋散骨の存在を理解していても「自分の親族の遺骨を海にまくことは受け入れられない」という方もいるでしょう。

散骨を検討する場合は、前もって親族に理解を得ておくことが大切です。故人の遺志や、海洋散骨の内容について丁寧に説明をしましょう。

まとめ

火葬後の供養方法の1つに海洋散骨があります。海に遺骨をまくことで、故人を自然に還すことができます。親族としっかり話し合い散骨がきまったら、地域の条例に注意して適切な方法で海洋散骨を行って故人を供養しましょう。

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