葬儀やお墓参りでは、宗派に沿った作法やマナーに従う必要があります。しかし、日常の中で意識することは少ないため、自分の家の宗派が何かわからない方も多いのではないでしょうか。
この記事では宗派の意味や特徴について解説しつつ、自分の家の宗派を特定する方法を紹介します。
<この記事の要点>
・宗派とは同一宗教の中での分派のこと
・宗派により、教えや唱えるお経などに特徴がある
・宗派が不明な場合は、家族や親族に聞いたり仏壇や墓石の刻印の確認をしたりするとよい
こんな人におすすめ
宗派の意味を知りたい方
宗派別の特徴を知りたい方
葬儀で自分の宗派がわからない場合の対策を知りたい方
宗派とは、同一宗教の中での分派のことです。教義や信仰対象による違いや歴史的な経緯を経て生まれます。もともと仏教はインド発祥で、ブッダが開いたものです。そこから中国や朝鮮半島へと経由し、日本に伝わってきました。その過程でさまざまな宗派が生まれたのです。
宗派は仏教から生まれたものですが、どのような歴史を経て生まれたのか知らない方も多いでしょう。ここでは、日本に仏教が広まった経緯や宗派の派生について解説します。
仏教が日本へ伝わる以前は、民族宗教である「神道」を主としていました。そこに仏教を広めたい蘇我氏と、神道を守護する物部氏との間で争いが起きました。この当時の政局を二分していた争いのことを「崇仏論争」と呼びます。
崇仏論争に勝利したのは蘇我氏で、次第に仏教が広められ、宗派が派生していき現在にいたります。
日本の伝統仏教には、13宗56派が存在します。これは1940年に「宗教団体法」が施行される以前の宗派を指しています。もともと鎌倉時代初期までに天台宗や真言宗といった8宗派がありました。時代を経て分派が生まれ、13宗56派として公認されるようになったのです。
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日常生活で自分の家の宗派を意識する機会はあまりないでしょうが、お葬式やお墓参りでは自分の家の宗派を知っておかなくてはいけません。ここでは日本の代表的な宗派とその特徴を紹介します。
天台宗は平安時代に最澄が日本に広めた宗派です。誰でも仏になれるという教えは、民衆の心のよりどころとなっています。天台宗のお経は「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」、本山は「比叡山延暦寺」で、ご本尊は「阿弥陀如来(釈迦如来、薬師如来)」です。
真言宗は平安時代に弘法大師空海が開いた宗派の1つです。真言宗の教えは「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」で、仏と同じように修行すれば、誰でもすぐに仏になれるという意味があります。
お経は「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」、本山は「高野山派(金剛峯寺)」「智山派(智積院)」「豊山派(長谷寺)」など、ご本尊は「大日如来」です。
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浄土宗は法然が開いた仏教です。日本人に馴染み深い「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と唱えることで、極楽浄土へいけるという教えを説いています。お経は「南無阿弥陀仏」、本山は「知恩院」、ご本尊は「阿弥陀如来」です。
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浄土真宗は、浄土宗を開いた法然の弟子である親鸞が開いた宗派です。浄土真宗には、西の「本願寺派」、東の「真宗大谷派」の2つの勢力に分かれています。
お経は「南無阿弥陀仏」、本山は「東本願寺(真宗大谷派)」「西本願寺(本願寺派)」、ご本尊は「阿弥陀如来」です。
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日蓮宗は、日蓮(日蓮聖人)が開いた宗派です。大地震や噴火などの災害で苦しむ人々を、仏教の教えで救おうと開かれました。
お経は「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」、本山は「身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)」、ご本尊は「曼荼羅(まんだら)」です。
臨済宗は日本三大禅宗の1つで、中国から日本へ伝えられました。坐禅によって悟りを得る自力こそが浄土へつながるという教えを説いています。
お経は「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」、本山は「妙心寺」「南禅寺」「建仁寺」「建長寺」「円覚寺」などで、ご本尊は「釈迦牟尼仏」です。
曹洞宗は臨済宗と同様に日本三大禅宗の1つで、道元禅師によって広められました。曹洞宗は坐禅を重んじており、食事や入浴といった日常生活の行為は坐禅と同じ価値であるとしています。
曹洞宗のお経は「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」、本山は「永平寺」「総持寺」、ご本尊は「釈迦牟尼仏」です。
宗派によって儀式の流れや作法、マナーが異なるため、自分の宗派が何か知っておくことが大切です。しかし、自分の家の宗派がわからない方も多いでしょう。ここでは、宗派がわからない場合の対策を3つ紹介します。
最も手っ取り早い方法は親族に確認することです。両親が亡くなっている場合は、両親の兄弟姉妹に確認してみましょう。
特に年代が上の人ほど宗派を知っている可能性が高いといえます。親戚とともにお墓参りに行く家庭であれば、その親戚をたどって確認するとよいでしょう。
仏壇やお墓を確認することで宗派を特定することも可能です。親戚に宗派を聞きにくい場合は、実家や祖父母の家など、仏壇を置いている家を訪問した際に確認してみてください。仏壇の掛け軸を見て、その絵柄の特徴から宗派を絞れるでしょう。
どうしても宗派がわからない場合は、本家の宗派に合わせるのがおすすめです。苗字を継いでいる父方あるいは母方の家の宗派を受け継ぐのは自然でしょう。
また信仰の自由がある日本では、自分の好きな宗派を選ぶことも可能です。特にこだわりがなければ、本家の宗派に合わせるとよいでしょう。
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日本にはさまざまな宗派があります。自分の家の宗派を知ることは、葬儀やお墓参りなどでは必須であるため、きちんと確認しておきましょう。
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