天台宗はどのような宗派なのか?成り立ち・教え・葬儀の特徴についても解説

天台宗はどのような宗派なのか?成り立ち・教え・葬儀の特徴についても解説

平安時代に最澄が開いた天台宗は、どのような宗派なのでしょうか。総本山は世界遺産の比叡山延暦寺であり、名前を聞いたことのある方も多いかもしれません。この記事では、天台宗の成り立ち、教え、寺院、葬儀の特徴について詳しく解説します。

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天台宗の成り立ち

中国に起源を持つ天台教学を最澄が日本に持ち帰り、広めたのが天台宗です。ここからは、天台宗の起源や新しい仏教が必要とされた時代背景、比叡山にて日本仏教の礎が築かれた歴史について解説します。

天台宗の起源

中国の「妙法蓮華経(法華経)」という経典の教えに基づいて、天台山にて思索と修行を行ったのちに、智顗(ちぎ)が創始したのが天台教学です。

インド発祥の仏教を中国に受け入れられるように体系づけて「全ての人が悟りを開ける」という教えを説いています。

最澄が唐に渡る

桓武天皇に願い出て遣唐使に加わり唐に渡った僧侶最澄は、天台山で学び帰国後に天台宗を開きました。

誰でも悟りを開けるという新しい仏教のあり方や、政治権力と結びついた寺院を中心とする奈良仏教に批判的な最澄の姿勢は、当時の仏教界からは一線を画すものでした。

日本仏教の礎を築いた比叡山

最澄が比叡山に建てた一乗止観院は没後、延暦寺と呼ばれるようになりました。その後、天台宗の総本山として、多くの僧侶の修行の場となっていきます。

浄土宗を開いた法然、浄土真宗の親鸞、臨済宗の栄西、曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮などを輩出しており、その後の日本仏教の礎を築いた場所となりました。

天台宗の教え

天台宗の教えは「誰でも仏になれる」という革新的なものでした。当時の仏教界では「仏になれる者となれない者を区別する」という考え方があったのです。天台宗の主な教えを、3つのポイントに絞って解説します。

全ての人は仏の子どもである

天台宗では「悟りはお釈迦様だけのものではなく、全ての人の心の中に悟りに至る種がある」と説いています。法華経で述べられている「誰でも仏になれる」という教えを大切にしているのです。

当時の仏教は「人間の能力に応じて教えも変わる」という考え方が一般的でした。それに対して天台宗は、仏の教えは根本では1つであることを説いています。

真実を探し求める心があれば悟りに至る道

坐禅、念仏、巡礼、写経、茶道など、お釈迦様のように悟りに至る道はさまざまありますが、どの方法においても真実を探し求める心が必要と教えています。

つまり、特別なことをしなくても日常生活の中でも心さえあれば悟りに至る道はあるのです。この教えは仏教だけではなく、日本文化にも大きな影響を与えてきました

一隅を照らす

「一隅を照らす(いちぐうをてらす)」とは、最澄が著した「山家学生式(さんげがくしょうしき)」の冒頭にある一節です。最澄はこの中で、人々を幸せにするためには、「社会の片隅にいながら社会を照らす生活をする」その人こそ必要だと述べています。

自分も他人も全ての人が仏になれることを認識して、他人を敬って行動することを提唱しています。

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天台宗の総本山と寺院

天台宗の主な寺院を紹介します。
・比叡山延暦寺
天台宗の総本山です。最澄は若き時代より、比叡山にて修行を積み重ねてきました。唐からの帰国後に比叡山に上り草庵を結びましたが、その3年後には一乗止観院を創建し、ここを鎮護国家の根本道場と定めました。これが今日の根本中堂です。1994年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。

・三千院
最澄が比叡山東塔南谷に建てた円融坊にはじまるとされています。数度の移転を経て明治時代に現在の地に移され今の名称で親しまれるようになりました。国宝の阿弥陀三尊を祀る極楽院などがあります。

・中尊寺
比叡山延暦寺の円仁によって850年に開かれました。極楽浄土を表している、国宝の金色堂があります。その他3000余点の国宝・重要文化財を伝えた平安美術の宝庫といわれています。また、源義経のゆかりの地としても知られています。

天台宗の本尊・経典・仏壇

天台宗が祀っている本尊、読まれる経典について押さえておきましょう。また、天台宗の本尊や歴史や仏壇の飾り方について解説します。

本尊は釈迦如来や阿弥陀如来

天台宗では特定の本尊が決まっているわけではなく、寺院により本尊が異なります。根本聖典とされよく読まれる「法華経」では、釈迦牟尼仏が如来や菩薩などに姿を変えると説かれています。

一般的には、釈迦牟尼仏(釈迦如来)の他、阿弥陀如来、薬師如来などが多く祀られています。比叡山延暦寺の本尊は、最澄が一乗止観院の本尊を定めたときから薬師如来となっています。

仏壇の飾り方

菩提寺の本尊にならい、仏壇には釈迦如来や阿弥陀如来を中心に祀ります。向かって右側には天台大師と呼ばれる智顗の掛け軸を、左側には伝教大師最澄の掛け軸を祀ります。

掛け軸ではなく仏像を飾る場合もあります。地域によっても異なりますので、菩提寺に確認しましょう。

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天台宗の葬儀

天台宗における葬儀は、どのように行われるのでしょうか。教えに基づいた葬儀の特徴、実際の流れ、焼香や数珠の作法について解説します。

葬儀の特徴

天台宗の葬儀の特徴「顕教法要(けんぎょうほうよう)」・「例時作法(れいじさほう)」・「密教法要(みっきょうほうよう)」の3つの儀式から構成されます。顕教法要では、根本となる経典である「法華経」を唱えて、自らの罪を懺悔します。例時作法では、「阿弥陀経」を唱えて、死後の極楽往生を祈ります。密教法要では、指で印を結び、真言を唱えて、故人を極楽浄土に導きます。

お通夜の流れ

お通夜は例時作法に則って行われ、阿弥陀経が読経されます。その後、心身ともに仏弟子になる儀式「剃度式(ていどしき)」を執り行います。水やお香で清めて、髪の毛にかみそりをあてます。実際に剃ることは少なく、最近では剃るまねをすることも増えています。

続いて「辞親偈(じしんげ)」・「懺悔文(ざんげもん)」・「授三帰三竟(じゅさんきさんきょう)」を唱え、故人に戒名をさずける授戒式(じゅかいしき)が行われ通夜が終了します。

葬儀の流れ

1.導師入場~随法回向
導師を務める僧侶が入場すると、楽曲に合わせて鐃鈑打流し(にょうはちうちながし)というシンバルに似た楽器を鳴らす列讃(れっさん)が行われます。続いて随法回向で故人の成仏を祈る声明を発し、供養を行います。

2. 奠茶~引導下炬
再び列讃が行われたあと、棺の蓋を閉じる鎖龕(さがん)と棺を運び出す準備をする起龕(きがん)が行われます。次に、故人を見送る準備としてお茶やお湯をお供えする奠茶(てんちゃ)・奠湯(てんとう)が行われる場合もあります。その後、導師がたいまつを持って下炬文(あこぶん)を唱えて、故人が極楽へ旅立つための引導を渡すのが一般的な流れです。

3.弔辞拝受~出棺
弔辞と弔電の読み上げが終わると、再度読経が行われます。読経が終わると導師が退場して、遺族と参列者の手で出棺されて火葬を行います。

焼香や数珠の作法

基本となる天台宗の焼香は3回です。祭壇前で合掌して一礼して、親指と人差し指、中指の3本の指でお香をつまみ、額の前に押し頂いてから香炉にくべましょう。3回焼香した後、合掌して一礼します。ただし、明確なきまりがあるわけではないので、事前に菩提寺に確認しておくと安心です。

数珠は一般的な丸い玉の数珠ではなく、「平玉」と呼ばれる楕円形の数珠が使われます。親玉1個、天玉4個、主玉108個で輪が構成されていて、親玉から伸びた紐に弟子玉がついています。この弟子玉がついた紐が下側に垂れるように持つのが正式な作法です。

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まとめ

この記事では、天台宗の成り立ち、教え、本尊や経典、葬儀の特徴などについて解説しました。天台宗についてよく理解した上で、葬儀に参列しましょう、

小さなお葬式では、葬儀に精通したコールスタッフが、24時間365日、通話料無料でご連絡をお待ちしております。 天台宗について知りたい方や、葬儀についての疑問をお持ちの方は、ぜひ小さなお葬式へお気軽にご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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