浄土真宗の主な宗派には、西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派と、東本願寺を本山とする真宗大谷派があります。なぜ、本願寺が2つあるのでしょうか。また、それぞれの違いはどのようなことなのでしょうか。
正しい知識を身に付けておけば、葬儀に参列する際にも安心です。そこでこの記事では、浄土真宗の歴史、西本願寺と東本願寺の違いについて詳しく解説します。
<この記事の要点>
・江戸時代、浄土真宗の継承をめぐる内部対立により西本願寺と、東本願寺に分裂した
・本願寺派は柱と内部が金箔張りの仏壇、真宗大谷派は柱は黒漆塗りで内部が金箔張りの仏壇を選ぶ
・葬儀での焼香は本願寺派は1回、真宗大谷派は2回行うのが作法
こんな人におすすめ
浄土真宗の本山について知りたい人
浄土真宗の歴史が知りたい人
浄土真宗を信仰している人
浄土真宗とは、鎌倉時代に親鸞が開いた仏教宗派です。日本で最も信者の多い宗派であるといわれています。浄土真宗は10以上の諸派に分かれており、代表的なものが、西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派と、東本願寺を本山とする真宗大谷派です。
阿弥陀仏に帰依すれば、誰でも極楽に往生できるという「他力本願」の教えを持っています。阿弥陀仏への感謝の心を示すために、念仏を唱えることを重要視している宗派です。
もともと本願寺はひとつのお寺でした。浄土真宗の始まりから、西本願寺と東本願寺に分裂した歴史的経緯、現在の関係性について解説します。
浄土宗を開いた法然を師として、親鸞がその教えを発展させて、鎌倉時代に開いたのが浄土真宗です。その親鸞の遺骨は、蓮如(れんにょ)によって建てられた石山本願寺に祀られていました。室町時代になると、浄土真宗は民衆の間に広まっていきます。
16世紀末になると、織田信長と石山本願寺との間で争いが起こります。争いは10年以上続きましたが、石山本願寺は降伏しませんでした。この際に、浄土真宗内部で、信長と和睦する意見と徹底抗戦する意見に分かれました。
対織田信長の意見分裂を契機として、徳川家康の時代に、浄土真宗の継承をめぐって内部対立が大きくなります。その結果、西本願寺(龍谷山本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派と、家康が寄進した土地に建てられた東本願寺を本山とする真宗大谷派に分裂しました。家康は浄土真宗の力を弱めるために、分裂を画策したのです。
江戸時代の初めには、家康の目論見通り、内部で分裂して敵対関係にありましたが、江戸時代の後半には、西本願寺と東本願寺の対立は弱まってきました。
現在では、交流も促進されており、敵対関係は無くなったといえるでしょう。ただし、信者間の心情的な違和感は残っているともいわれています。
西本願寺と東本願寺の間には、さまざまな点において違いがあります。まずは、それぞれのお経、念仏、本尊についての違いについて解説します。
お経については、浄土真宗本願寺派(西本願寺)も真宗大谷派(東本願寺)も、同じものが使われます。
主要な経典は、「浄土三部経」といわれる「無量寿経(むりょうじゅきょう)」、「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」、「阿弥陀経(あみだきょう)」です。また、親鸞の著した「教行信証(きょうぎょうしんしょう)」や「正信偈(しょうしんげ)」なども使われます。
念仏については、どちらも「南無阿弥陀仏」と唱えます。ただし、浄土真宗本願寺派(西本願寺)では「なもあみだぶつ」と読み、真宗大谷派(東本願寺)では「なむあみだぶつ」と読みます。
本尊はどちらも阿弥陀如来であるため、仏像や掛け軸の中心には阿弥陀如来を祀ります。ただし、浄土真宗本願寺派(西本願寺)の場合は、右側に浄土真宗の開祖である「親鸞聖人」、左側に中興の祖と呼ばれる「蓮如聖人」を安置するのが一般的です。
一方、真宗大谷派(東本願寺)の場合は、右側に「帰命尽十方無碍光如来」という文字である「十字名号」、左側に「南無不可思議光如来」という文字である「九字名号」を祀ります。
西本願寺と東本願寺の違いは、仏壇や仏具においてもあります。それぞれの特徴を説明しますので、違いを理解しておきましょう。
浄土真宗においては、極楽浄土を表現した金色の仏壇がよいとされてきました。ただし、近年では、住環境に合わせて、部屋に馴染む唐木仏壇やモダン仏壇が選ばれるケースも増えてきています。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、実際の西本願寺と同様に、一重屋根で柱と内部が金箔張りになっている仏壇を選びましょう。
一方、真宗大谷派(東本願寺)では、実際の東本願寺と同様に、二重屋根で柱は黒漆塗りで、内部が金箔張りになっている仏壇を選びます。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、黒っぽい宣徳色の仏具が使われ、お供え物を盛る台である「角供花」は、六角供花が用いられるのが特徴です。
一方、真宗大谷派(東本願寺)では、金色の仏具が使われ、お供え物を盛る台である「角供花」は、八角供花が用いられます。
葬儀の作法についても、西本願寺と東本願寺の間に違いがあります。焼香と数珠の作法の違いについて解説します。葬儀に参列する際の参考にしてみてください。
浄土真宗の焼香は、つまんだお香を額に押いただくことはしません。香炉の前で一礼し、お香を指でつまんだら、そのまま香炉にくべましょう。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)では1回だけ行い、真宗大谷派(東本願寺)では2回行うのが作法です。
数珠の持ち方も、西本願寺と東本願寺では異なります。浄土真宗本願寺派(西本願寺)では、房が下に来るように垂らして、親指で上を軽く押さえて持ちます。
真宗大谷派(東本願寺)では、房の部分を上にして手の親指に挟んで持ち、房は左手の方に垂らすのが作法です。
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浄土真宗の主な宗派は、織田信長との争いをきっかけとして、西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派と、東本願寺を本山とする真宗大谷派に分かれました。念仏、仏壇、仏具、葬儀の作法などについて異なる点がありますので、理解しておきましょう。
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