日本から一歩出ると、カルチャーショックを受けることがあります。それはお墓事情においても同じです。海外と日本では信仰している宗教や地域性、死との向き合い方によって、お墓事情は異なります。
そこでこの記事では、海外のお墓事情を国別にまとめました。火葬・土葬・水葬といった埋葬方法や葬儀・霊園・墓石の違いについても紹介します。
<この記事の要点>
・日本の埋葬方法は9割が火葬だが、海外では土葬や水葬なども行われている
・同じキリスト教でもプロテスタントとカトリックでは弔い方が異なる
・海外で亡くなった場合、遺体の搬送に多額の費用を要する可能性もある
こんな人におすすめ
海外のお墓事情について知りたい方
日本と海外では、お墓事情が異なります。お墓のデザインや納骨方法が違うだけでなく、お墓を建てない国も存在するためチェックしていきましょう。
中国のお墓は特徴的な形をしており、カメの背中を模した亀甲墓が多い傾向があります。また、お墓の入口には魔除けのシーサーを置く風習もあるようです。
ただし、人口の増加や平地の少ない土地といった事情により、中国では墓地不足に悩まされています。個人もしくは夫婦でのみお墓を建てるというきまりもあり、墓地不足は深刻化しているようです。
ヒンドゥ―教徒の多いインドでは、火葬後の遺骨をガンジス川に流して供養します。すべてのインド人が、ガンジス川に遺骨を流すわけではありません。しかし主流の埋葬方法として知られており、お墓を持たないケースが多いようです。
山を購入して土葬していた韓国ですが、土地不足や管理の難しさから、ロッカー式のお墓が増えてきています。ロッカールームのような納骨堂は、扉部分が透けており中を確認できる構造もあるようです。
写真やお花を飾って華やかにできたり、重厚感のあるロッカー式納骨堂を選んだりと、遺族の意向に合わせて供養できます。
移民の多いイギリスには、埋葬方法もいくつかあります。ただし墓地の価格が上がり、火葬後に散骨(粉末状にした骨を撒いて供養する方法)するケースも増えているようです。散骨する場所は、景観のよい山、海、川、丘が多く選ばれています。
またガーデニングを好むお国柄、墓石の代わりに樹木や草花を用いた樹木葬(じゅもくそう)が増えています。
スウェーデンでは「Minneslund・ミンネスルンド(追憶の杜)」と呼ばれる火葬による埋葬が増えてきています。ミンネスルンドは、あえて埋葬先を知らされない匿名性の高い合葬墓です。地元から離れることの多いスウェーデンの人々に考慮して、身近にあるミンネスルンドに足を運びお墓参りができます。
ストックホルムには、世界遺産に登録された共同墓地「スコーグスシュルコゴーデン(森の墓地)」も存在しています。スコーグスシュルコゴーデンは広大な敷地と豊かな自然を誇り、墓地以外にも火葬場・礼拝堂・斎場といった施設も備わっているようです。
アメリカでは家族単位ではなく、1人の故人に対して1つのお墓を建てます。キリスト教を信仰している方が多いことから、墓石は平板状の石に十字架といったスタイルが主流です。
霊園は個人墓地、教会墓地、民間霊園、軍人霊園、メモリアルパークが存在し、一般的に教会や非営利団体、自治体により運営されています。
日本では、火葬による埋葬が一般的です。しかし、海外ではほかの埋葬方法もあるためいくつか紹介します。
土葬とは、遺体を焼かずにそのまま土に埋める埋葬方法です。日本では、棺のなかった縄文・弥生時代に身体を折り曲げた状態で土葬する文化がありました。
現代の日本でも一部の地域のみ土葬は可能です。海外ではアメリカや中国で火葬のほかに土葬が選ばれています。
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故人の遺体を川に投じる水葬をする国もあります。ただし、水葬の手順は国によっても異なります。例えばインドでは火葬後の遺骨を川に流しますが、チベットの場合は火葬せずに遺体の一部、もしくは遺体をそのまま川へ投じます。
天葬は、野生のハゲワシに遺体を食べてもらう埋葬方法です。寒冷地でもあるチベットでは薪の確保も難しいため、肉体を天に届けるという意味を込めて天葬します。
チベットでもっとも選ばれている埋葬方法で、人里離れた山の上まで遺体を運ぶのが特徴です。
塔葬とは、中国やチベットの高僧や法王といった限られた者のみに行なわれる埋葬方法です。遺体を乾燥させるか、もしくは火葬後に遺骨や灰を霊塔の中に収めます。
世界遺産に登録されている「ポタラ宮」には、宮殿内に立派な霊塔が建てられています。
日本と海外では弔い方に違いがあります。ここでは葬儀、霊園、墓石の違いについて解説します。
日本では黒い喪服を身にまとい、格式に則った葬儀をするのが通例です。一方、アメリカではカジュアルな服装で墓地の前に参列する傾向があります。
またヨーロッパの場合、プロテスタントとカトリックでは弔い方が異なります。プロテスタントは聖書の朗読・牧師の説教といった、神に捧げる祈りが中心です。
カトリックは、神に故人の罪を詫びるという意味を込めて、祭壇にパンやぶどう酒を奉納するミサが重んじられています。
中国では銅鑼(どら)や爆竹を鳴らし、多くの参列者と供え物を用意するといった派手な葬儀が印象的です。日本の静粛な葬儀とは大きく異なるため、なかなかイメージしにくいでしょう。
日本の霊園といえば、広大な敷地に建ち並ぶお墓を頭に浮かべる方が多いでしょう。広い遊歩道の側には花や樹木もありますが、どことなく寂しさを感じるかもしれません。
海外の霊園には、青々とした芝生に白い墓石が並んでいます。「明るい雰囲気」を感じさせる霊園も多く、美しいガーデニングを取り入れて観光名所になっている霊園もあります。
例えばクロアチアの首都・ザグレブにある「ミロゴイ墓地」は、約2万8,000平米の敷地に宮殿のような建造物があり、美しい名所として注目を集めています。
日本の墓石の色は、その地域で採れる石によって変わります。一般的には関東より西側では白系統、北側は黒系統が多いようです。また、海外のキリスト教徒の多いエリアでは十字架と平板状の墓石が主流で、色は白が基本です。
フランスでは、墓=死者の住処と考えられているため、家を模したお墓が存在します。
海外で亡くなった場合の弔い方には、主に4つの選択肢があります。
1.遺体を日本まで運ぶ(日本で葬儀・お墓の手配をする)
2.現地で火葬し、遺骨を日本へ送る
3.現地で火葬から納骨までする
4.現地で土葬する
ただし、国によって弔い方が異なるため希望通りにできるとは限らないでしょう。また、遺体の火葬や搬送をするうえで多額の費用を要する可能性もあるため注意が必要です。
海外で亡くなった場合は、故人・遺族の意向に考慮しつつ、現地での弔い方や搬送方法について調べて吟味しましょう。
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日本と海外ではお墓や葬儀の習わしが違うため、もし現地で亡くなった場合は情報を集めて吟味する必要があります。また、埋葬やお墓の手配に必要な費用、手順も異なるため、すぐには決められないでしょう。
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