
作成日:2022年07月26日 更新日:2022年08月03日
土葬の特徴やメリット・デメリットを解説!土葬する際のポイントは?
日本では人が亡くなると火葬を行ってお墓を建てることが多いので、火葬が一般的な埋葬方法と感じている方も多いでしょう。しかし、日本にもアメリカやヨーロッパのように土葬が主流だった時代がありました。現在も一部地域では土葬を行うことができます。
火葬が主流となっている現在の日本では馴染みの薄い土葬ですが、どのような埋葬方法なのでしょうか。この記事では、土葬の特徴やメリットとデメリットを解説します。

【もくじ】
・土葬とはどんな埋葬方法?
・日本における土葬の風習
・土葬をするメリットとデメリット
・日本で土葬をする際のポイントは?
・土葬と樹木葬の違いは?
・まとめ
土葬とはどんな埋葬方法?
土葬は、遺体を土に埋める埋葬方法です。直接土に埋葬する方法と棺に入れて埋葬する2通りの方法があり、どちらも埋める際に2メートル程度の穴を掘って動物が掘り起こせないように埋葬します。
土葬は日数が経つと埋葬場所が陥没しやすくなるため、盛り土や墓石の修正が必要です。状態によっては、骨を掘り起こして遺骨を収納する地域もあります。
海外では土葬を行う際に「エンバーミング」という遺体の腐敗を防ぐ処理が必要です。腐敗を抑えて感染症を防止するエンバーミングは日本でも徐々に浸透しています。

日本における土葬の風習
日本の葬儀ははるか昔の縄文時代から行われてきましたが、葬儀に対する考え方や方法は時代や人々の考え方によって変化します。
日本の土葬はいつから始まり、その後なぜ火葬が主流となったのでしょうか。また、火葬が主流となった現代で土葬に対する考え方は変化したのでしょうか。
ここからは、日本の土葬の歴史や現代の土葬に対する考えを紹介します。
土葬の歴史
日本の土葬に関する歴史は古く、日本書紀にも記載があるほどです。江戸時代には火葬に否定的な儒教が普及したことから、大名の葬儀を火葬から土葬に変えることもありました。
明治時代になると、明治政府が火葬禁止令を出して国を挙げて土葬を推奨しました。しかしながら、伝染病の蔓延や土葬可能な土地の減少により、火葬禁止令が解除されて少しずつ火葬が普及していきました。
火葬による埋葬が大半である現代でも、土葬を行っていたころの習慣が日本各地に残っています。諸説ありますが、葬儀で餅を食べたりおこわを焚いたりするのは、土葬用の墓穴を掘る人たちの活力になるように用意された食事の名残といわれています。
現代の土葬への考え
現在の日本に土葬を禁止する法律はなく「墓地、埋葬等に関する法律」で火葬と同等に扱われています。そのため、自治体から埋葬を許可されたことを証明する「埋葬許可証」を提出すれば、土葬を行うことが可能です。
しかし、土地や衛生上の問題から土葬ができる地域は限られています。都市部では、自治体の条例によって土葬を禁止している地域も少なくありません。
土葬可能な場所が少ないからといって自宅の庭などの私有地に土葬してしまうと、死体遺棄罪として罪に問われるため注意しましょう。

土葬をするメリットとデメリット
土葬にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
土葬は、古くから根づいている思想の「土から生まれ、土に還る」という思想を体現した埋葬法です。故人を土に還すことができることがメリットの1つです。また、火葬のように燃やすための燃料を必要としないため、環境にやさしい点も土葬ならではの特徴です。
一方で、土葬は棺を埋めるために多くの土地が必要になる点が大きなデメリットです。さらに、腐敗が原因で起きる感染症や地下水への悪影響など衛生面の問題が多いため、衛生環境の整った日本で土葬をすることは難しい現状があります。
日本で土葬をする際のポイントは?
火葬が主流の国内で土葬を行うことは簡単ではありませんが、土葬での埋葬を希望している方もいるでしょう。
では、どのような点に注意して土葬を行えばよいのでしょうか。日本で土葬を行うために押さえておきたいポイントを3つ紹介します。
土葬ができる地域を探す
土葬を行うためには、まず土葬可能な地域を探す必要があります。
岐阜県・茨城県・宮城県・栃木県・奈良県・三重県・鳥取県・高知県・北海道の一部の地域では、土葬を行うことができます。このほかにも、離島や限界集落など土葬の習慣が残っている地域もあります。
土葬を行う場合は、該当の地域に移住して土葬用の墓地を事前に購入する必要があります。
土葬ができる墓地や霊園を探す
法律上可能な埋葬方法とはいえ、土葬は地域の条例や墓地の管理規制によって禁止されていることが多いです。そのため、土葬を許可している墓地や霊園を探す必要があります。数は少ないですが、北海道・茨城県・山梨県・和歌山県に土葬を受け入れている墓地や霊園があります。
日本人が土葬を行うことは少ないですが、海外から移住した人たちには一定の需要があるようです。しかしながら、土葬可能な墓地や霊園が少ないため、今後受け入れが難しくなる可能性もあるでしょう。
埋葬許可証を発行してもらう
火葬を行う際に「火葬許可証」が必要なように土葬を行う際には「埋葬許可証」が必要です。火葬許可証に「火葬済」の印が押されたものが通称「埋葬許可証」と呼ばれ、土葬の許可を証明するものです。
死亡届とともに「死体火葬・埋葬許可交付申請書」を役所に提出することで、「火葬許可証」を交付してもらえます。

土葬と樹木葬の違いは?
時代や考え方の変化により、火葬や土葬とは違う埋葬方法である「自然葬」の需要が高まっています。自然葬とは、お墓を設けずに故人の遺体を自然に還す埋葬方法です。
自然葬の1つに樹木葬があります。土葬も樹木葬もどちらも遺体を土に埋めますが、どのような部分が異なっているのでしょうか。ここからは、土葬と樹木葬の違いについて詳しく解説します。
樹木葬では遺骨を埋葬する
樹木葬は自然葬の1つで、樹木を墓石の代わりとして遺骨を埋葬します。1人に対して1本の木を植える場合と、1本の樹木を植えた区画に複数の遺骨を埋葬する場合があります。
樹木葬は、土葬と違い火葬を行った後に埋葬します。また、埋葬方法は散骨をしたり土に還る袋に遺骨を入れたりと、葬儀社によって異なるので事前に確認しておきましょう。
法律で認められていて安心して埋葬できる
樹木葬は、「墓地、埋葬等に関する法律」で認められている自然葬です。しかし、墓地以外の場所に故人の遺骨を埋葬することは禁止されているので、お気に入りの場所や自宅の庭だからといって勝手に埋葬することはできません。
土葬は遺体を棺に入れて土に埋める埋葬方法ですが、樹木葬は火葬を行ってから埋葬します。そのため、土葬と比較すると埋葬場所を確保しやすいでしょう。費用も新しくお墓を建てる場合と比べると低価格で済むので、経済的な負担を軽減することもできます。

まとめ
土葬は、遺体を棺に入れて土に埋める古くから伝わる埋葬方法の1つです。日本でも火葬が主流となるまでは、土葬を推奨していました。しかし、現在では土地や衛生上の観点から土葬を行える地域は限られています。
故人が自然に還ることができて火葬に必要な燃料を使わないことから、土葬は自然に寄り添った環境に優しい埋葬方法だといえます。
土葬を行う際は、土葬可能な地域や墓地、霊園を把握して手続きを進めましょう。土葬が難しい場合は、樹木葬という埋葬方法で故人を自然に還すことができます。
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