お通夜や葬儀で故人を弔ったあと、亡くなった日から7日ごとに忌日法要をおこないます。初七日法要から始まり、命日から数えて49日目の法要を「四十九日法要」といいます。ほかにも四十九日法要のことを「満中陰法要」や「忌明け」という呼び方もします。
喪中があけるタイミングでもあるので、法要が一段落することになります。そんな四十九日法要ではどのような挨拶を用意するべきなのでしょうか。この記事では、四十九日法要で挨拶をする際のポイントや例文をご紹介します。
<この記事の要点>
・四十九日法要では、参列者に対する感謝の気持ちを伝えて、故人の生前の様子や思い出を簡潔に話す
・挨拶のタイミングは法要の始め、中締め、締め、会食の際と進行に応じて異なり
・挨拶をする際は話す内容を紙にメモしておいてもよい
こんな人におすすめ
四十九日法要に参列予定の人
四十九日法要で喪主を務める予定の人
実際に挨拶で使える例文を知りたい人
お通夜や葬儀では喪主が挨拶をするタイミングが何度かありますが、四十九日法要ではどのようなタイミングでどういった内容の挨拶をするのでしょうか。直前になって「何を話そう」と焦らなくて良いように、前もってタイミングや内容を確認しておきましょう。
四十九日法要は、お通夜や葬儀の次に集まる人数が多いのが一般的です。そのため、挨拶では、まず集まってくださったことに対する感謝を伝えます。貴重な時間を割いて遠方から来てくれている場合もあるためです。緊張して話す内容を忘れてしまうこともあるかもしれませんが、お礼は忘れず伝えるようにしましょう。
タイミングによっては、故人の生前の様子や思い出話をすることもありますが、空気が重くならないような内容にすることをおすすめします。締めの挨拶では、故人がいなくなったあとの家族としての決意といった内容を話すこともあります。どのような内容でも、話す内容は必要以上に長くなりすぎないように心掛けるとよいでしょう。
四十九日法要では、故人が仏様のところに向かうといわれる行事でもあります。それまでの法要と比べると、参列する人数や規模が大きいのも特徴です。「忌明け」という呼び方があるように、四十九日法要を境に喪中が明けることになるため、大切な法要だといえます。そんな四十九日法要ではどのようなタイミングで挨拶をすると良いのでしょうか。
四十九日法要では「法要の始まりを告げる始めの挨拶」と「法要後に会食がある場合の中締めの挨拶」「会食がない場合の締めの挨拶」「会食での挨拶」と、進行に応じて挨拶をするのが一般的です。親族や地域の風習によっても挨拶のタイミングは異なるため、風習がある場合はそれに従うようにしましょう。
四十九日法要の挨拶では、どういったタイミングでどのような内容を話せば良いのかが分かりました。お礼や思い出話を話すことがあるということは分かっても、具体的にどのような言い回しで話したら良いのだろうかと悩む人もいるかもしれません。
そこで次に、挨拶の例文をご紹介します。例文を参考に、故人や自分自身に当てはめて内容を考えてみてくださいね。
法要の始めの挨拶をする際は、まず集まってくださったことへのお礼を伝えます。故人が亡くなったことや生前の様子について話す場合は、内容を簡潔にまとめるようにしましょう。
【例文1】
本日はお忙しい中、亡き母のためにお集まりいただき、ありがとうございます。葬儀の際には、一方ならぬお世話を賜りましたことを改めてお礼申し上げます。ただいまより故〇〇の四十九日法要を執りおこないたいと思います。それではご住職、よろしくお願い致します
【例文2】
本日はご多用中にもかかわらず、父である〇〇の四十九日法要にご列席いただき、誠にありがとうございます。父がこの世を去ってから49日が経ちましたが、改めてその存在の大きさを実感しております。父は生前からにぎやかな談笑が好きな人でしたので、こうして皆様にお集まりいただけて喜んでいると思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします
法要が終わったあとには、来てくれた方へのお礼を兼ねて会食を行います。しかし、会場の都合がつかない場合や、遠方から来ている人が多い場合は、会食をせずに式を終わらせます。「会食を行う場合」「会食を行わない場合」それぞれどのような挨拶をすると良いのかご紹介します。
【法要後に会食がある場合】
本日はお忙しい中、亡き父の四十九日法要にご列席いただきまして、ありがとうございました。おかげさまで無事に法要を終えることができました。粗宴ではございますが、別席にてお食事を用意しております。故人との思い出を話しながら召し上がっていただけると幸いです。
【法要後に会食がない場合】
本日は〇〇の四十九日法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます。無事に法要を終えることができましたのも、皆様のお力添えの賜物と感謝しております。皆様と一緒に粗宴を囲みたいところですが、遠方からお越しの方が多いこともありますので、これにてお開きとさせていただきます。本日はありがとうございました。
法要の締めの挨拶は、集まってくれたことへのお礼と今後のお付き合いをお願いする内容を話すのが一般的です。
【例文1】
本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。そろそろお時間となりましたので、これで式をお開きとさせていただきます。〇〇が亡くなって寂しくなりましたが、残された家族で助け合っていきたいと存じます。今後とも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
【例文2】
本日はご多用にもかかわらず、最後までお付き合いいただきありがとうございました。なごりはつきませんが、お開きとさせていただきたいと存じます。皆様と〇〇との思い出話を聞かせていただき、改めて生前の〇〇の様子が思い出されました。〇〇が亡くなって大変寂しく感じておりますが、これからも変わらぬご支援をよろしく申し上げます。
会食では、食べ始める前に「ささやかな食事を用意した」こと「ゆっくり過ごしてほしい」という内容を簡潔に話すとよいでしょう。
【例文1】
本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。おかげさまで無事〇〇の四十九日法要を終えることができました。ささやかですがお食事をご用意しましたので、お時間の許す限りゆっくりお過ごしいただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。
【例文2】
本日は誠にありがとうございました。このように〇〇を偲ぶ席にお付き合いいただき、嬉しく思っております。心ばかりではございますが、〇〇の思い出話をしながらお食事を召し上がっていただければと存じます。お時間の許す限り、おくつろぎください。
四十九日法要での挨拶の例文をご紹介しましたが、内容を考えていてもいざ挨拶をしようと思うと緊張してしまうこともあります。故人との関係が深いほうが集まってくださる法要では、丁重におもてなしをしたいものです。そこで挨拶をする際に注意しておきたいポイントをご紹介します。
四十九日法要では挨拶をする場面が何度かあります。それぞれ話す内容を決めていたとしても、どこで何を言うべきだったか忘れてしまうこともあるかもしれません。対策として、話す内容を紙にメモしておくとよいでしょう。手元を見ながら話すことは失礼には当たりません。
人前で話すことに慣れていない人はもちろん、故人のことを思い出して冷静に話すことができないといったことも考えられます。集まってくださった方は温かく見守ってくださるとは思いますが、緊張して固まってしまいお礼が伝えられなくなってしまってはいけません。メモを見ながらでも伝えるべき内容を伝えることを優先させるようにしましょう。
法要後の会食では、食べ始める際に「献杯」を行います。おめでたい席では杯を高く持ち上げて「乾杯」と言いますが、献杯は故人を偲ぶためのものなので静かに行います。献杯は故人に捧げて敬意を表す意味合いがあるため、間違えても「乾杯」と言ってはなりません。
会食の初めの挨拶に続いてそのまま同じ人が献杯を行う場合と、挨拶とは別の人が献杯の音頭を取る場合があります。どちらもお礼や思い出話をしたあとに「それでは献杯させていただきます」「これより献杯させていただきます」「故人の冥福を祈って、献杯」といった言い方をするのが一般的です。
法要で挨拶をする場合、故人の生前の様子や思い出をつい長く話しすぎてしまうといったこともあるかもしれません。集まってくれた人は、故人との関係が深い方々ではありますが、あまりに長い話を何度もするのは失礼にあたります。会食の前は特に、なかなか食事を食べ始めることができなくなってしまうため、気を付けましょう。
集まってくれたことへのお礼はしっかり伝えて、思い出話や家族の決意などを話す際は簡潔に内容をまとめた上で話すようにしましょう。
四十九日法要の挨拶において一番大事なのは「感謝」を伝えるということです。故人が亡くなってから7日ごとに行われる法要は家族や親しい親族のみで行われることもあります。しかし、四十九日の法要は忌明けのタイミングでもあるため、たくさんの人が集まってくれることが多いでしょう。
葬儀以来の集まりの場合もあるため、葬儀の際の力添えに関するお礼と、四十九日法要に来てくれたことへのお礼を伝えることを忘れてはいけません。また遠方からわざわざ足を運んでくれる人がいる場合には、そのご足労についても感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
僧侶にお布施を渡す例文について、「ご法要前にご挨拶する場合」「ご法要後にご挨拶する場合」の2つをご紹介します。
【法要前にご挨拶するとき】
この度は、お越しいただきましてありがとうございます。おかげさまで、父(母)の49日法要を滞りなく無事に終えることができました。こちらは心ばかりのお布施でございます。どうぞお納めください。
【法要後にご挨拶するとき】
この度は、お越しいただきましてありがとうございました。おかげさまで、父(母)の49日法要を滞りなく無事に終えることができました。父(母)も喜んでいることと思います。こちらは心ばかりのお布施でございます。どうぞお納めください。
僧侶へのご挨拶は短いのでできるだけ紙などを見ずに、心からの気持ちを伝えることが大切です。
ここでは参列者による献杯の挨拶や、参列者が遺族に対して行う挨拶の例文をいくつかご紹介します。喪主、遺族、参列者となる際に、参考になさってください。
【故人の友人が述べる場合】
本日は四十九日という大切な節目の日にお招きいただきありがとうございました。 故人とは◯◯年来、親しくお付き合いをさせて頂いておりました、鈴木と申します。◯◯君との思い出はこれからもずっと大切にしていきたいと思います。改めて◯◯君のご冥福をお祈りいたしまして、献杯の御挨拶とさせていただきます。献杯。
【故人の兄が述べる場合】
故人の兄でございます。本日はご多忙の中お集りいただきましてありがとうございました。 おかげさまで無事に忌明けを迎えることができ、弟もひと安心していることと思います。私も少し肩の荷をおろして皆さんと共に弟の思い出を語り合いたいと思っています。献杯のご唱和をお願いします。献杯。
【喪主自身が行う場合】
本日はお時間を作って頂きましてありがとうございました。おかげで無事に忌明け法要を済ませることができ祖父も喜んでくれていることと思います。改めて故人を偲び、盃を捧げたいと思います。献杯。
【喪主の家または受付での挨拶の例文】
・本日は大切な節目の日にお招き頂きありがとうございます。
・この度はご丁寧なご案内をいただきまして、ありがとうございます。本日は心を込めてお祈りをさせていただきます。
【法要や会食が終わってからの挨拶の例文】
・本日はお招きいただきましてありがとうございました。とても心安らぐお式でした。お先に失礼いたします。皆様どうぞくれぐれもご自愛ください。
・本日はお招き頂きありがとうございました。皆様のお顔を拝見して安心しております。故人も安心されたと思います。お元気でお過ごしください。
簡単な挨拶で構いませんので、マナーを守って気遣う気持ちが大切です。
四十九日のお返しの挨拶状は、四十九日法要を無事におえてから葬儀や通夜のときに香典を頂いた方に向けて忌明けの挨拶状として書きます。その際、カタログギフトや品物をそえてお返しを贈るかと思いますが、四十九日のお返しの挨拶状の書き方について気をつけるべきポイントがあります。
冒頭の頭語「拝啓」と結びの結語「敬具」については、入れる場合は両方入れ、入れない場合は両方とも入れないとどちらかにするのがマナーです。
四十九日のお返しの挨拶状では、文中に句読点「、」「。」は用いません。日頃のくせでついつい気付かずに書いてしまうことが多いので、充分と注意しましょう。
四十九日のお返しの挨拶状では、季節を表す時候の挨拶を入れる必要はありません。
忙しいなか時間をとっていただき葬儀や告別式に参列していただいたことへのお礼や、ご弔慰(お香典だけではなく弔電、お見舞い、供花、お供え品など、生前のお見舞いも含む一切)を頂いたことについての感謝の言葉を伝えましょう。
四十九日法要が終わったという報告を文章に盛り込みましょう。また仏様になられた故人の戒名(法名)をしっかりと伝えるのも挨拶状を書く上でのマナーです。
ここでは仏式における四十九日の挨拶状の例文を紹介します。
謹 啓
御尊家御一同様には ますますご清祥にお過ごしの御事と存じます
先般 亡〇 〇〇 儀死去に際しましてはご繁忙中にもかかわりませずご懇篤なるご弔慰を賜わりご芳情の程まことにありがたく 厚く御礼申しあげます
お蔭をもちまして 本日滞りなく〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇(戒名)忌明けいたしました
つきましては早速 拝趨の上御礼申しあげる筈ではございますが略儀ながら書中をもってご挨拶申しあげます
敬 具
平成〇〇年〇月〇〇日
〇 〇 住 所 〇 〇 〇
〇〇 名 前 〇〇
尚 満中陰志に際しまして供養のしるしまでに甚だ粗品で御座いますが何卒ご受納下さいます様お願い申しあげます
この記事を読んで「四十九日法要についてもっと詳しく知りたい」「◯◯の部分がよくわからなかった」という方へ向けて、四十九日法要に関連する内容を網羅的にまとめた記事をご用意しました。ぜひこちらもあわせてご用意ください。
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四十九日法要は、文字通り故人が亡くなってから49日を目安におこなわれる法要のことをいいます。亡くなってから7日ごとに法要を執りおこないますが、中でも四十九日は大きな節目として多くの人が集まってくれます。
そんな四十九日法要での挨拶は「法要の開始と終わり」「会食の中の挨拶」と進行に合わせてするのが一般的です。一番に伝えるべき内容は、集まってくれたことへの感謝の気持ち。それに加えて生前の故人の様子や思い出、残された家族の決意といった内容を重くならない程度に話すようにします。
最後の挨拶では、今後も変わらないお付き合いをお願いするような言葉を添えて締めるのが良いでしょう。挨拶をする際には「感謝の気持ちを伝えること」と「簡潔に話すこと」を忘れず、失礼にあたることのない内容を心がけましょう。緊張して話すことが分からなくなってしまうかもしれないので、メモを持参することをおすすめします。
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