四十九日の香典袋準備のポイントと宗派別のマナー

四十九日の香典袋準備のポイントと宗派別のマナー

四十九日の香典袋をどのように準備すればいいか、皆さんはご存知でしょうか?香典袋は、喪に服する期間と喪が明けた後の期間で、水引や表書きのマナーが違います

そこで、この記事では四十九日の香典袋の準備のポイントをまとめました。宗派によって微妙に異なるマナーについても触れているので、仏式以外の香典袋の準備がわからないという方もぜひ参考にしてください。

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こんな人におすすめ

香典袋の選び方を知りたい方

香典袋の書き方について知りたい方

宗派によって異なる香典袋のマナーについて知りたい方

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一般的な四十九日法要での香典袋準備のポイント

香典とは故人への供養、また急な葬儀などによって出費がかさんでいる故人の遺族への慰め、援助の意味合いで、参加者から遺族に渡される金品のことです。四十九日法要は仏教のしきたりのため、仏式とそれ以外の宗派や宗教での香典袋の準備は微妙に異なります。

日本における宗派・宗教の違いは、大きく分けると以下のようになります。

・一般的な仏式(臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、真言宗などを含む)
・特殊な仏式(浄土真宗)
・他宗教(キリスト教、神道・神式)

まずは、一般的な仏式における四十九日法要での香典袋準備のポイントを見てみましょう。

正しい香典袋の選び方

最初に、正しい香典袋の選び方です。香典袋とは結婚式などおめでたい式で使われる「祝儀袋」の反対で、「不祝儀袋」といわれます。祝儀袋は香典袋としては使えないので注意しましょう。香典袋の色はが基本です。

香典袋は白い「外袋」、お金を入れる「中袋」、香典袋全体を結ぶ「水引」で構成されています。略式のものは外袋に水引が印刷されており、中袋がなく封筒のようになっているものもあります。また、包む金額によって水引が印刷されているものとそうでないものを使い分けますが、詳しくは後述します。

四十九日は水引の色が黒白、双銀、藍銀の香典袋を使用します。関西のある地域は黄色の水引を使うところもあります。また、水引は結びきりの物を使います。結びきりの水引には「これ以上不幸が起こらないように」という意味が込められています。

包む金額によって水引の色を変える

包む金額によって、以下のように香典袋の水引の色を変えます。

金額 香典袋の種類
10,000円未満 水引が印刷されているもの
10,000円~30,000円 印刷されていない黒白の水引
30,000円~ 印刷されていない双銀の水引

30,000円以上を包むのであれば、高級和紙の香典袋もおすすめです。

香典袋の表書きは「御仏前」

次に、香典袋の書き方を見ていきましょう。香典袋には水引の上に表書き、下に名前を記入します。最近では既に表書きが印刷されているタイプのものが売られているので、表書きのルールをわかっているならそのような香典袋を使用してもいいでしょう。

表書きは基本的に「御仏前」と書きます。四十九日は忌明けの日であり、それまで霊としてとどまっていた故人が成仏したと考えるためです。四十九日を前倒しして、直前の週末に行うことも多くなってきましたが、その時でも表書きは「御仏前」でかまいません。その他、「御供物料」「御香料」などと書いてもOKです。

葬儀やお通夜では薄墨で書くというしきたりがあります。急な葬儀であわてて字を書いたため、薄い墨になってしまった、というところから、そのようなしきたりが生まれました。また、悲しみを表す意味合いもあります。

一方で、四十九日は忌明けのため、薄墨ではなく、濃い墨で書いても構いません。ただし、ボールペンや鉛筆などは控え、毛筆で書きましょう。また、地域によっては四十九日などの法要も含め、すべて薄い墨で書くところもあるようです。不安な方は、一応他の参加者に確認してみるといいでしょう。

以下に四十九日以前の香典袋の表書きも紹介します。

お通夜・葬儀・初七日など四十九日以前は「御霊前」

表書きは「御霊前」と書きます。四十九日まではお通夜、葬儀、初七日、どのタイミングでも基本的には「御霊前」になります。ただし、「故人が霊としてとどまる期間がない」とする宗派の場合は書き方が変わりますので注意してください。

表書きの名前の書き方

水引の上に「御仏前」と書いたら、下に名前を書きます。こちらも表書きと同じく、濃い墨で書いてOK。個人で出す場合、連名で出す場合、それぞれに特徴があるので、順番に見てみましょう。

個人で書く場合

個人の場合は水引の下中央にフルネームを書きます。

連名で書く場合

故人に夫婦でお世話になった場合、水引の下中央に夫のフルネームを書き、夫の名前の左横に妻の名前のみを書きます。

連名で書く場合(3人以上)

名前が3人の場合、中央に代表者のフルネームを書き、左横に年長者から順番に名前を書いていきます。4人以上の場合、代表者のフルネームを書き、その左横に「他一同」「外一同」と書き添えます。

四十九日法要の香典相場

続けて、四十九日法要の香典の相場を紹介します。故人との関係や、その人の年齢によって相場が変わるので、参考にしてください。また、基本的なルールとして、忌み数である「4」や「9」を避けるというものがあります。

法要のみに参加する場合

まず、法要のみに参加し、於斉(会食)には参加しない場合です。

故人との関係 相場
親族 10,000円~20,000円
親しかった友人・知人 10,000円~30,000円
一般的な仲の友人・知人 5,000円~10,000円

20代でまだ若いうちは相場の下限ほどでいいですが、40代以上であれば相場の半ばから上限に近い額を包むのが一般的です。

於斉(会食)に参加する場合

続けて、於斉(会食)に参加する場合です。

故人との関係 相場
親族 20,000円~50,000円
親しかった友人・知人 30,000円~50,000円
一般的な仲の友人・知人 10,000円~30,000円

ちなみに、連名で香典を持ってくる場合、人数に合わせて香典料を倍にする必要はありません。あくまで代表者と故人の関係性で判断します。地域によって異なるルールが存在することも考えられるので、失礼のないように心がけましょう。

香典の中袋の書き方

続けて、中袋の書き方について紹介します。中袋には包んだ金額、住所氏名を書く欄がありますが、市販ののし紙によって、表に書くか、裏に書くかが変わります。一般的には表に包んだ金額、裏に住所氏名を書くので、その様式で解説しますが、違う様式ののし紙を買ったらそれに従ってください。

表面の書き方

中袋の表には包んだ金額を書きます。通例として、金額は難しい漢字を使って書きます。「一」は「壱」、「二」は「弐」、「三」は「参」、「五」は「伍」、「十」は「拾」といった具合です。単位も同じく「万円」は「蔓円」、「千円」は「仟円(または阡円)」と書きます。場合によっては「円」を「圓」と書くこともあります。

基本の書き方は「金〇萬円」です。「也」を付けて「金〇蔓円也」とするところもあります。最近では「金10,000円也」など、アラビア数字を横書きで記入する様式ののし紙も売っていますので、使用するのし袋に従って縦書き・横書きを判断しましょう。

裏面の書き方

裏側には住所と氏名を書きます。後で香典を数える際に、中袋に住所氏名が書いてあることで、判別がつきやすくなるためです。記入する位置は特に決まっていませんが、一般的な封筒と同様、真ん中より下に書くと良いでしょう。

香典袋にお金を入れる時の注意点

その他、香典袋へのお金や入れ方や、その際に気を付けるべきことをいくつか見ていきましょう。

お金の向き

お札の向きはそろえましょう。また、厳密なマナーではありませんが、顔が印刷されている方を下にした方が失礼にならないという人もいます。配慮できるのであれば、お札の向きをそろえ、顔が裏側になるようにして包みましょう。

新札でもよいか

新札は避けましょう。「不幸を見越して準備していたようだ」というメッセージになってしまうとされ、新札を包むのは昔から避けられてきました。ただし、汚れているお札やしわしわのお札はもちろん失礼に当たりますので、注意しましょう。

折りたたみ方

中袋にお金を入れたら、次は外袋で包みます。外袋を開いて裏返しにして置き、中袋を中央に配置します。外袋で中袋を左、右、下、上の順に包み、水引の中に戻して完成です。

宗派によって異なる香典袋のマナー

お金の包み方は大体どの宗派や宗教も同じですが、表書きの書き方や香典を持っていく式の種類が微妙に違います。仏教の中では浄土真宗、また他宗教であるキリスト教や神道は四十九日自体がないため、親戚が他宗教の場合にも備えて、それぞれの香典袋についてのマナーを知っておきましょう。

浄土真宗は四十九日より前でも「御仏前」の前書きを使う

浄土真宗では故人は臨終したらすぐに極楽浄土に迎えられ、霊である期間がないと教えています。そのため、他の宗派では四十九日より前は「御霊前」と書きますが、浄土真宗は四十九日前でも「御仏前」の前書きを使います。

神道・神式は四十九日ではなく50日祭

神道には法事・法要はありません。代わりに「霊祭」を執り行います。霊祭は10日祭、20日祭、30日祭、40日祭と行われ、50日祭が忌明けとなります。すなわち、仏教の四十九日に当たるのが50日祭なのです。

参加者は50日祭の時に香典を持っていきます。この時は双銀の水引を使います。蓮の花や蓮の葉の絵柄がついた袋は仏式のため、使えないので注意してください。

表書きは「御霊前」、「御玉串料」、「御神前料」、「御供物料」が一般的です。

キリスト教では1か月目に追悼ミサ

キリスト教にも四十九日などの法事・法要はありません。その代わり、カトリック教会では「追悼ミサ」、プロテスタント教会では「召天者記念礼拝」が行われます。

追悼ミサは死後3日目、7日目、1か月後と行われますが、香典はこの1か月後の追悼ミサに持っていきます

香典は白い封筒に。十字のついているキリスト教式の封筒でもOKです。水引は書ける必要はありません。表書きは「御花料」「御供物料」などと書きます。

宗派が不明の場合

四十九日以前で仏教の宗派が不明な場合、表書きをどう書けばいいのか、またマナーはどうすればいいのか、悩みますよね。

表書きに迷ったら、どんな宗派であっても「御香典」「御香典料」「御供物料」「御花料」などを書けば失礼になりません。地域によってマナーが異なることもあります。場合によっては年長者に地域のこれまでのしきたりを聞いてみてもいいかもしれません。

例えば、四十九日に黄色の水引を使う地域もあります。「当たり前」と思っていたことが、意外と自分だけのしきたりだった、ということもよくあります。参加者に対して失礼にならないよう、事前の確認が大切です。

四十九日法要の流れと香典を渡すタイミング

それでは、四十九日法要の全体の流れと、香典を渡すタイミングについて見てみましょう。四十九日法要は納骨式、開眼法要、於斉など多くの儀式があります。

受付及び着席、僧侶入場

当日は香典を袱紗に包んで持っていきます。受付のところで袱紗を丁寧に広げ、香典の表書きが相手から見えるように差し出します。「どうぞ御仏前にお供えください」などの一言を添えるといいでしょう。

参加者がそろったら、僧侶が入場し、仏壇の前に着席します。

喪主の挨拶、読経、焼香、法話

僧侶が入場した後、喪主からの挨拶があります。その後、読経焼香の時間に入ります。宗派によって焼香の上げ方が異なるため、事前に確認しておきましょう。

焼香が終わったら、法話の時間です。宗派、僧侶によって内容は変わりますが、仏法についての話や、遺族に対する慰めを僧侶が語ります。

納骨式、お墓参り、開眼法要、喪主の挨拶

法話に続いて、開眼法要が行われます。開眼法要は開眼供養ともいわれ、位牌に魂を入れる儀式のことを指します。

開眼法要の後、納骨式・お墓参りが行われます。四十九日をお寺で行う場合、そのままお墓に向かって納骨式に入ります。

於斉

お墓参りの後、一般的には於斉が行われます。於斉とはお斎(おとき)ともいわれ、故人を偲ぶために行われる会食のことです。

四十九日の会場の別室等で行う場合と、ホテルやレストランに場所を移して行う場合とがあります。この際に引き出物を参加者に渡して持ち帰っていただきます。

於斉をしない場合は、引き出物と一緒にお酒やお弁当などを持ち帰っていただくのが一般的です。

四十九日の法事に欠席する場合

四十九日への案内状が来たら、よほどのことがない限り参加するのがマナーです。故人が成仏できるかどうかを祈る日であると同時に、遺族が忌明けをするの最も大切な法要だからです。

しかし、どうしてもやむを得ない事情で欠席しなければならないことがあるかもしれません。四十九日に参加できない場合は、なるべく早めに欠席はがきを出すとともに、お詫びのはがきを出して事情を説明しましょう。

また、参列できない代わりとして、香典やお花を送るといいでしょう。できれば別の日にお参りに行く日を設け、菓子折りやお花などお供え物を持参して訪れると遺族への慰めになります。

香典は宅急便で送ることはできません。不祝儀袋を現金書留封筒に入れて送ります。郵送で送る際には、お詫びの言葉を添えて送りましょう。

【例文】

このたびは〇〇様の七七日忌の法要の御案内をいただき誠にありがとうございます。

【故人との思い出を述べる】
本来参列すべきところですが、このたび遠方にてかなわず、誠に申し訳ございません。心ばかりではございますが、御香典を同封させていただきました。どうぞ御仏前にお供えください。
取り急ぎ書中をもって不参のお詫びを申し上げます。

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まとめ

香典袋1つ取っても様々なしきたりがあり、気を遣ってマナーを犯さないようにしなければなりません。しかし、喪に服してきた遺族にとって、忌明けする大事な日である四十九日。準備する側も大きな負担を抱えます。香典袋のマナーを欠かさず、少しでも遺族の慰めになるよう心がけましょう。
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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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