日本の葬儀は仏式の形で行うことがほとんどです。しかし、宗派によってスタイルが違います。作法などもそれぞれ異なるため、注意が必要です。浄土宗の葬儀と聞いて、すぐに全体像を把握できる方は少ないかもしれません。しっかり調べないと葬儀を行なえない、と感じる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、浄土宗の葬儀を行う流れについてご紹介します。葬儀の費用についても取り上げますので、参考にしてください。葬儀にともなう疑問点を解消できます。
<この記事の要点>
・浄土宗の葬儀は3部構成になっており、序文、正宗分、流通分の順で行われる
・浄土宗でお布施金額は15万円~30万円が相場
・浄土宗では焼香の回数は決められていない
こんな人におすすめ
浄土宗の葬儀の流れと順序について知りたい方
浄土宗の喪主が知っておくべき基礎知識を知りたい方
浄土宗の葬儀で注意すべきポイントを知りたい方
最初に取り上げるのは浄土宗の葬儀の流れや順序です。それぞれ葬儀を計画する際にしっかりと覚えておきたい内容でしょう。葬儀の流れが分かっていれば、日程を決めやすくなります。
葬儀当日も葬儀の順序を把握できていることは大切です。葬儀の順序が頭に入っていれば、スムーズに葬儀を進められるでしょう。喪主や喪主の家族としてりっぱに務めを果たせます。
葬儀のまえに行うのが通夜です。納棺の準備ができたら、死装束を家族の手で着させてあげましょう。死装束を着させる際に、白足袋や三角頭巾手甲、六文銭なども用意します。通夜のあいだ注意が必要なのは、ろうそくと線香の火を絶やさないようにすることです。
通夜に続いて葬儀を行います。故人をしのぶための特別な日です。浄土宗の葬儀の手順をしっかり確認して臨むのがいいでしょう。
葬儀が終わると出棺です。三途の川を無事に渡れるように、くぎ打ちを行います。くぎ打ちを行なったら、火葬場へ向かいましょう。棺を家族や友人で運びます。家から棺を運び出す場合、普段使っている玄関を通らないのが一般的です。火葬が終了したら納棺に向けて準備をします。
葬儀の順序について具体的に解説します。浄土宗の葬儀は3部構成になっているのが特徴です。序文で始まり正宗分を行い、流通分で式を終えます。
序文で最初に行うのは導師の入場です。香をたいて心を清め、諸仏の入場を願い求めます。また、生前に犯した罪を諸仏に懺悔するのも序文の一部です。それぞれ本尊を向いて行います。
正宗分はそれぞれ棺に向かって行う儀式です。鈸(はち)を鳴らしたり、出棺の準備をしたりします。霊前に葛湯やお茶、仏飯を供える儀式もあるので、それぞれきちんと整えておくといいでしょう。経分や仏教の教えである偈(げ)を唱えます。
正宗分で特に大切な儀式が下炬(あこ)です。引導文を唱えながら2本の松明を用いて故人を浄土へと導きます。以前は実際に松明に火をつけていましたが、現在では火はつけません。
流通分に入ると、葬儀の終わりが近いです。仏道修行の成就を願い、諸仏を浄土へ送り出します。導師が退場すれば式が終了です。
浄土宗の喪主を務めることになった場合、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。喪主が知っておくべき基本的な知識をご紹介します。葬儀の準備をする際に、多くの方がふと疑問に思うことを選びました。
ひとつひとつ参考にすることで、自信をもって準備を進められます。喪主を務めるのが初めてでも、落ち着いた気持ちで葬儀の日を迎えられるでしょう。
浄土宗の葬儀でお布施を渡す場合、15万円~30万円が相場です。目安としては、年収の1割~2割と考えられます。または、1か月分の給料と考えてもよいでしょう。戒名代は別にかかります。相場はお布施代と同じくらいの金額です。
お布施を渡す際はお盆にのせて渡しましょう。丁寧な印象を与えられます。お盆が用意できないときは、袱紗でお布施を包むのがおすすめの方法です。袱紗を畳むときにも順番があります。右側から時計回りに畳んでください。左側から畳むのは慶事の畳み方になります。
葬儀の祭壇を準備する場合、白色が基調の色になります。白色の供花やシキミで祭壇を飾るのが一般的です。花として選べるのは白色の菊や百合、蘭などでしょう。
ただし、最近では故人が好きだった花を飾る方も増えてきました。豪華な印象を与えない範囲内で供花を手配できるでしょう。温かい色で祭壇を統一することもあります。故人への温かな気持ちが伝わる葬儀になるでしょう。
祭壇の中央には南無阿弥陀仏や阿弥陀如来の掛け軸を配置します。故人の遺影や焼香台、ろうそくをセットするのも祭壇です。供物を置くためのスペースも取り分けておきましょう。
戒名とは本来仏弟子がいただける名前です。現在では死後に僧侶から付けてもらう名前を意味します。
浄土宗の戒名はいくつかのパートに分かれています。道号や戒名、院号、誉号、位号です。人によって与えられるパートは異なります。戒名を考えるのは僧侶です。生前の職業や故人の人柄を参考にしてふさわしい戒名を決めてくれるでしょう。戒名は合計で6文字~10文字です。
戒名と似た名前に法名があります。法名を採用しているのは浄土真宗です。戒名は戒律を守る方に与えられます。しかし、浄土真宗は戒律を守れない方にも救いの機会を差し伸べている宗派です。戒名ではなく、法名という名前を僧侶からいただけます。
浄土宗の葬儀の流れを理解でき、大きな安心感を覚えた方もいるのではないでしょうか。しかし、葬儀の流れ以外にも気をつけたいポイントがいくつかあります。どうすれば浄土宗の葬儀で失敗を避けられるでしょうか。浄土宗の葬儀でほかに注意すべきポイントをご紹介します。浄土宗の葬儀に参加するまえにチェックできる内容です。
どのように焼香を行うかについて、細かく定めている宗派もあります。しかし、浄土宗は比較的自由です。
自分が焼香をする順番になったら、焼香台のまえで遺族や僧侶、焼香台に一礼します。お香をつかむ指は親指と人差し指、中指の3本です。お香をつかんだら額の近くまでもっていきます。そして、お香を香炉にくべましょう。
焼香の回数は決められていません。1回~3回行うのが一般的です。焼香をし終えたら合掌します。遺族に一礼して自分の席に戻りましょう。
お香典は通夜や葬儀の際に持参します。お香典の作法はほかの宗派とそれほど変わりません。新札を避けてお香典を準備しましょう。中袋を開いたときにお札の表側が見えるように入れます。後日確認しやすいように、中袋にも住所や氏名、金額を記入するのがおすすめです。
不祝儀袋は正しいものを選びましょう。白黒で結び切りの水引のものが正解です。のしが付いているものは慶事用ですので、使ってはいけません。表書きは御霊前や御仏前と書きます。
お香典の金額は故人との関係によって決まります。地域によってもお香典の相場に違いがあるでしょう。しかし、宗派によってお香典の金額が変わるということは基本的にありません。
故人の親がお香典を準備する場合、10万円が相場です。兄弟姉妹なら3万円でいいでしょう。祖父母や親戚であれば、1万円です。友人や職場の同僚であれば、5,000円を包みます。
職場の同僚でお金を出し合ってお香典を準備する場合はどうでしょうか。お金をまとめて連名でお香典を用意できます。合計金額が縁起の悪い数字にならないように注意が必要です。
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供物(くぶつ)とも呼び、故人をしのぶためにお供えするものです。生ものを避ければ比較的自由に選べます。線香やろうそくなど、葬儀や供養に使えるものを送るのが一般的です。菓子や果物、缶詰なども適しています。
故人のことをよく知る方であれば、故人が好きなものを選ぶのもおすすめです。葬儀に参加した方も故人のことを懐かしく思い出すかもしれません。
葬儀場のスペースには限りがあるため、あまり大きなものは選ばないほうがいいでしょう。事前に供物を送る際は、喪主や家族に相談できます。
男性が葬儀に参加する場合はブラックスーツを着用します。正喪服であるモーニングコートを着るのもいいでしょう。ネクタイや靴下も黒色で統一します。靴は金具が目立たないものを選びましょう。
女性も黒色の服を着るのが一般的です。スーツのほかにはワンピースやアンサンブルも選べます。華やかな印象を与える服装は葬儀にふさわしくありません。避けるのが無難です。アクセサリーもできるだけ身に着けないのがいいでしょう。化粧も控えめに抑えるようにします。
浄土宗は法然上人が開いた宗派で、阿弥陀如来を本尊としています。開宗したのは1175年でした。浄土宗の経典は無量寿経や観無量寿経、阿弥陀経の3つです。
浄土宗が教えているのは念仏を唱えて極楽浄土へ行くことです。厳しい修業ができなくても、念仏を唱えるだけで極楽浄土へ行けます。浄土宗の教えを聞いた多くの人々が、魅力的に感じて浄土宗を受け入れました。
念仏で唱えるのが南無阿弥陀仏です。阿弥陀如来が差別なく慈悲を示してくれることを期待できます。自分自身の人格を向上させる努力や社会のために働く姿勢も必要です。毎日の生活で思いの平安を得られるでしょう。亡くなった後は極楽浄土へ行くと信じます。
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浄土宗の葬儀は3部構成になっているのが特徴です。儀式のひとつひとつに意味があるため、順序をしっかり理解して参加する必要があります。喪主を務める場合、葬儀社に相談して葬儀の内容を決めるのがよいでしょう。
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御霊前は「亡くなった方の霊魂の前に供えるもの」という意味です。ホゥ。