日蓮宗・日蓮正宗の違いや葬儀について解説します

日蓮宗・日蓮正宗の違いや葬儀について解説します

日本は仏式で葬儀を行うことが多い国です。しかし、宗派によって葬儀の作法が変わります。ある宗派では行うべきことが、ほかの宗派ではタブーとされることもあるでしょう。日蓮宗や日蓮正宗の葬儀にどのような違いがあるのかよくわからないと感じている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、日蓮宗と日蓮正宗の葬儀のマナーについて詳しく解説します。葬儀の方法や特徴を理解して、葬儀のスムーズに準備しましょう。

こんな人におすすめ

日蓮宗と日蓮正宗の葬儀について知りたい人

日蓮宗と日蓮正宗の違いが気になる人

葬儀のマナーや香典について知っておきたい人

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日蓮宗と日蓮正宗の違い

日蓮宗と日蓮正宗にはどのような違いがあるのでしょうか。2つの宗派の歴史に注目することで、宗派の違いがわかります。葬儀を執り行う際や葬儀に参列するときに、宗派の特徴を理解していることは大切です。この機会に確認しておきましょう。

日蓮宗の歴史

日蓮宗は日蓮聖人が開いた宗派です。自然災害や争乱が多かった鎌倉時代に仏教の教えを広めていました。来世や浄土での生活よりも今現在の生活を大事にする教えです。現在は日本以外の国にも信者がいます。

日蓮宗の総本山は山梨県にある身延山久遠寺(くおんじ)です。本山以外に全国に5,000ほどの寺院があります。

日蓮正宗と違う点は本仏に関する考え方です。日蓮宗では日蓮聖人のことを大菩薩と見なしています。日蓮聖人のまたの名は日蓮大菩薩です。

日蓮正宗の歴史

日蓮正宗も日蓮聖人の教えを大事にしている宗派です。日蓮正宗では、日蓮聖人日蓮大聖人と呼びます。総本山は静岡県富士宮市にある大石寺(たいせきじ)です。日蓮大聖人の入滅後、仏法を守らない人がいたために久遠寺を離れた日蓮大聖人の弟子である日興上人によって、1290年に創建されました。

日蓮正宗も日蓮大聖人を宗祖とています。日蓮正宗が考える末法の本仏日蓮大聖人です。その日蓮大聖人が在命中に法華経の極理を顕したのが「御本尊(曼荼羅)」であり、その御本尊に向かって経を唱えることでいかなる人にも仏の境涯があらわれると説いています。

創価学会との関係

創価学会は以前日蓮正宗に所属していました。しかし、日蓮正宗の教義や信条に従わないとして創価学会を破門しています。

創価学会の初代会長や2代目会長が日蓮正宗に入信したのは1928年です。創価学会の前の組織である創価教育学会は1930年にできました。

歴史をとおして日蓮正宗が創価学会に対して指示を出し、創価学会が指摘に応じて両者の関係が回復したこともありました。しかし、1991年11月に日蓮正宗は創価学会を破門しています。

日蓮宗の葬儀

ここからは、日蓮宗の葬儀の特徴について取り上げていきましょう。特徴をよく理解して流れのひとつひとつに注意を払い、準備やすべての儀式を行うことが大切です。また、葬儀に参列する際もその特徴を理解しておくと、スムーズに儀式に臨めます。

葬儀の特徴

葬儀では日蓮宗が大事にしている法華経のお題目を唱えます。唱えるお題目は「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」です。南無とは、一心に仏を信じることを意味します。妙法蓮華経は、お釈迦さまの教えである智慧と慈悲の功徳などのすべてをあらわします。

蓮華経と略して呼ぶことも多い妙法蓮華経は、お釈迦さまの教えの集大成とされ、葬儀でも重要な位置を占める教えです。

南無妙法蓮華経というお題目を唱えることで、故人の信心深さをたたえられます。故人が信心深いことを示すのは、故人が成仏するためにも必要です。信心深さを持つことで、霊山浄土でお釈迦様に会えると信じられています。結果として達成できるのが成仏です。日蓮宗の葬儀では、参列者も南無妙法蓮華経というお題目を唱えます。

葬儀の流れ

葬儀が始まると、僧侶が読経を始めます。読経の後が総礼です。参加者全員で合掌してお題目を3回唱えます。仏を迎えるために、次に流すのが道場偈(どうじょうげ)です。三宝礼(さんぽうれい)を行って礼拝したあと、日蓮聖人やお釈迦さまを呼ぶために勧請(かんじょう)を行います。

その後、蓮華経のメインとなる部分を全員で読む開経偈(かいきょうげ)、読経(どっきょう)、咒讃鐃鈸(しゅさんにょうはち)、と儀式が続きます。

葬儀の途中で行うのが開棺(かいかん)です。僧侶は、焼香をしてから棺の近くに立ち、棺のふたを3回軽く叩きながら読経します。お供えものやお膳を祭壇にささげることも儀式の一部です。

日蓮宗の葬儀の特徴として、引導(いんどう)も行います。故人が仏さまに会うために必要な儀式です。僧侶が払子(ほっす)を振って焼香を3回します。焼香の後は引導文の読み上げです。

日蓮宗の葬儀のマナー・香典について

日蓮宗の葬儀ではどのようなマナーに気をつけるべきなのでしょうか。ここでは、日蓮宗のお通夜や葬儀に参列する際に、おさえておきたいマナーや香典について解説します。事前にある程度知っておくことで、それぞれの儀式にスムーズに参加できるでしょう。

服装・焼香のマナー

日蓮宗の葬儀に参加する際は喪服を着用します。一般的なブラックフォーマルスタイルで大丈夫です。より正式な喪服を着たいのであれば、男性は黒色のモーニングコートを選びます。女性の正式喪服は黒色のアフタヌーンドレスやワンピース、アンサンブルなどです。

正式喪服がない場合、略式喪服でも構いません。男性は黒色のスーツを着ます。白色のワイシャツで、ネクタイは黒色にしましょう。女性は黒色のスーツかワンピースなどを着ます。

焼香は1回です。左手に数珠を持ちながら、右手で焼香します。焼香の前後に合掌して一礼しましょう。

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【動画で解説】もう迷わない焼香のやり方・マナー

香典の表書き・相場

日蓮宗の葬儀で香典を用意するときは、表書きとして「御霊前」「御香典」と書きます。御霊前と書くのは、故人が四十九日までは霊の状態にあると信じているからです。御香典は、香や線香の代わりとしてお金を供えるという意味があります。

香典の相場は故人との関係次第です。関係が近いほど高い金額を包みます。たとえば、故人に近い関係で年上の親族であれば5万円~10万円です。兄弟姉妹なら3万円~5万円程度となります。ほかの親族は1万円~3万円です。友人や知人であれば、5,000円~1万円が相場でしょう。特に親しい友人なら1万円以上包んでもよいとされています。

香典の金額は地域によっても異なります。親族や友人に香典の相場を聞くのもおすすめです。親族が年上か年下かどうかも参考になるでしょう。

<関連記事>
香典の金額相場はいくら?表書きの書き方も併せて解説

日蓮正宗の葬儀

日蓮正宗の葬儀の特徴もご紹介します。日蓮宗との違いに注目しながらチェックしてみてください。同じ日蓮聖人を宗祖にしている2つの宗派ですが、いろいろな違いもあります。
日蓮正宗では葬儀の手順をしっかり把握しておくことが大切なので、その理由も踏まえて解説します。

葬儀の特徴

日蓮正宗でも故人が成仏できるように葬儀を行います。考え方のポイントは、日蓮聖人に故人を迎えにきていただくということです。故人は日蓮聖人のお迎えのもと、三途の川を渡ります。儀式や様式に誤りなどがあるとがあると、葬儀の意味がなくなってしまうと考えられていますので、葬儀の流れや手順を守ることは非常に重要です。

日蓮正宗では、祭壇を質素に飾ります。祭壇に仏花は供えません。祭壇に供えるのは樒(しきみ)です。常緑種の樒には強い生命力や邪気を払うイメージがあり、これをを用いるのは来世での繁栄を願ってのこととされています。

また、死装束を着せる際に六文銭や三角巾を用いることもありません。位牌を置かず、厨子の付いた仏壇内に本尊を置きます。

葬儀の流れ

僧侶が入場するとともに葬儀が始まります。最初に行うのはお題目を唱えることです。場内の全員で南無妙法蓮華経を3回唱えます。お題目の次が読経です。妙法蓮華経の一部である方便品寿量品を読みます。

僧侶が寿量品を読んでいるときが、焼香を行なうタイミングです。僧侶が最初に焼香しますので、後に続きましょう。喪主が焼香し、親族が順番に焼香します。

焼香が終わると、届いている弔辞弔電を読みます。その後、自我褐の読経があり、観念文を読み終わると、再び南無妙法蓮華経を3回唱和します。そして、僧侶が退場して葬儀が終わります。

日蓮正宗の葬儀の流れは、日蓮宗の葬儀に比べると比較的シンプルです。鳴りものなども基本的に使用しません。

日蓮正宗の葬儀のマナー・香典について

日蓮正宗の葬儀で気をつけたいマナーや香典について解説します。葬儀の手順や流れを重んじるのが日蓮正宗の特徴です。マナーについてもきちんと守り、葬儀に参加する際に失礼がないように注意しましょう。

服装・焼香のマナー

日蓮正宗の葬儀に参加する場合、一般的な喪服で問題ありません。男性の場合、正式喪服を着るならモーニングコートを着ましょう。略式喪服なら黒色のスーツで大丈夫です。白色のワイシャツや黒色のネクタイを着用します。靴も黒色で統一するのがよいでしょう。

女性の場合、正式喪服を着るならアフタヌーンドレスやワンピース、アンサンブルなどを着ます。和服なら黒色で無地の着物がおすすめです。略式喪服なら黒のワンピースやスーツを着ます。肌をあまり露出させないように気をつけましょう。

焼香は3回です。お香をつまんだら額に近づけます。焼香をする前は家族と祭壇に一礼しましょう。焼香後は祭壇へ一礼します。

<関連記事>
葬儀で守るべき基本のマナーとは?服装やお焼香のやり方、供物や供花についても解説

香典の表書き・相場

日蓮正宗の葬儀で香典を用意する場合、表書きは「御香料」と書きます。「御霊前」と書いてある香典袋は日蓮正宗の葬儀では使用しないようにしましょう。

香典として包む金額の相場は、日蓮宗と同様に故人との関係性で決まります。関係が近い、あるいは深い親交がある場合は、多めの金額を包むとよいでしょう。相場としては、年上の親族で故人と近い関係にあれば5万円~10万円、兄弟姉妹の場合は3万円~5万円程度でしょう。ほかの親族であれば1万円~3万円、友人や知人であれば、5,000円~1万円程度となります。

会社の同僚や友人などが連名で香典を用意することもあります。連名で香典を用意する際は、合計金額が縁起の悪い数字にならないように注意しましょう。

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まとめ

日蓮宗と日蓮正宗は共通点がある2つの宗派ですが、葬儀の特徴や流れなどでは違いがあります。葬儀を計画する際はそれぞれの宗派をきちんと理解し、準備する必要がありますが、これに不安を感じる方も少なくないでしょう。その場合、葬儀社や寺院に相談するのがおすすめです。

小さなお葬式では、宗派ごとの特徴に精通した担当者がお客様の悩みを解決しますので、普段から寺院との付き合いがない方でも安心です。お客様の希望やエリアにもとづいて僧侶を手配するサービスも提供しています。葬儀を行う際の不安や疑問点、些細なお困りごとまで、小さなお葬式にお任せください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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