遺体を飛行機で搬送するときの費用・手続きを解説

遺体を飛行機で搬送するときの費用・手続きを解説

ご遺体の搬送方法は、陸路だけではありません。離島などから運ぶ際は船舶を利用することもあります。また飛行機を使って空輸するという手段もあります。家族や知人が急に海外滞在中に亡くなられた際、どのように遺体を日本まで運んでくればよいかわからないという方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、飛行機で遺体を搬送する際の手続きや費用面、書類などについてご紹介します。飛行機での遺体搬送方を知っておけば、葬儀全体の準備がスムーズに行えるようになるでしょう。

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遺体を飛行機で搬送するときの費用

国外から日本へ搬送するときだけでなく、国内間の遺体の搬送にも航空機を利用することができます。移動が短いときは陸路が便利ですが遠い場所の場合、高速代や人件費などのコストが発生し、想定していたよりも高くつくことも多いでしょう。

場所によっては空輸のほうが便利で、かつ安く済むときがあります。まずは必要な費用について確認しましょう。

国内の場合

遺体を日本国内で運搬するときは、葬儀社に依頼することが安全で確実です。移動距離の長さによって料金設定がされていて、距離が増えるほど加算されていきます。加えてドライバーの人件費や高速道路代金、時間帯によっては別途で深夜料金が発生するため注意しましょう。

遺体を遠くまで運ぶときは、空輸という選択肢もあります。移動距離が500kmを超えるようなときは、飛行機を利用したほうが費用を抑えられることが多くなるでしょう。飛行機の貨物代としてかかる額は10万円~20万円程度です。故人の体の大きさや体重、棺のサイズによって費用がプラスされます。

国外の場合

国外滞在中に家族が亡くなったら、遺体を日本国内へ移すためには飛行機を使って自宅などに搬送しなければなりません。日本へ移すためには、棺代や空輸代だけでなく、エンバーミングと呼ばれる死体防腐処理を施すための代金など、さまざまな費用がかかります。

国によって移動距離が異なるため一概にはいえませんが、100万円~150万円が相場です。さらに遺族が故人の遺体を確認しに行かなくてはならないため、遺族の移動費、滞在費なども必要です。

遺体とともに移動を希望する場合

国外から日本へ遺体を運ぶときは、現地の大使館や領事館などの在外公館に助けてもらうことも多くなります。在外公館への相談とあわせて国内の葬儀社へ事前に連絡をしておくと、国内での手続きを代行してくれます。また日本へ戻ってきたときに、葬儀社に一任しておけば、空港から自宅や葬儀場など指定の場所への搬送もスムーズです。

なお葬儀社は、遺体を移すための手続きや段取りを請負うのであって、遺族の飛行機や宿泊先の手配までは行っていません。遺族が各自で手配することになります。

国内で遺体を搬送するときの手続き

国内で飛行機を使って遺体を搬送するときには、どのような準備や手続きを経るのでしょうか。陸路とは異なり、飛行機を使う場合は、空港から目的地への移動の手配など、細かい段取りがあります。

遺体の移動は個人では難しく、プロに任せることが賢明です。この章では、国内における遺体の搬送の手順について見ていきましょう。

葬儀社を手配

まずは、葬儀社に連絡をしておきましょう。葬儀社は飛行機の発着に合わせて対応します。利用する航空会社、便名、遺族の代表者の名前、すぐに連絡がつく電話番号を伝えておきましょう。また故人の氏名、年齢、身長、体重といった情報も必要です。

葬儀社によっては死亡診断書を確認する場合もあります。コピーでかまいませんので葬儀社のスタッフに渡しましょう。また引き取りに関する段取りは葬儀社が行いますが、その際にかかった代金は遺族側の負担となり、その上で遺族の移動のための飛行機の運賃や搬送代が発生します。

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死亡診断書を発行してもらう

遺体を空港から移動する前には、死亡診断書か死体検案書を手配しておきましょう。陸路での遺体搬送時は、死亡診断書の携行を求める葬儀社がほとんどです。

死亡届は死亡を確認した日から7日以内に役所に提出しなければなりませんが、死亡診断書または死体検案書がないと死亡届が受理されず、火葬や埋葬ができません。死亡診断書もしくは死体検案書が発行されていれば、手続きも滞りなく進みますので、死亡を確認した医師に依頼し、忘れずに受け取りましょう。検案料は各医師の裁量に任されています。

海外から遺体を搬送するときの手続き

国外に滞在している身内が亡くなったとき、日本にいる家族はそのことをどのように知り、知らされた後はどうすればよいのでしょうか。

ここでは連絡経路や、その遺体を現地から国内に戻すまでについて、海外で亡くなった場合のプロセスを確認しましょう。

現地の在外公館に連絡

国外で日本人の遺体が発見された場合、まずは現地の病院や警察が現地の大使館や領事館などの在外公館に問い合わせをします。その後在外公館にから日本の外務省へ、外務省から故人の家族に連絡がいきます。

外務省からの連絡が来たら、遺族が現地にある日本の在外公館へ連絡し、今後の段取りについて確認をとります。それ以降も在外公館へ連絡することがあるため、連絡先はすぐにわかるところにメモをしておきましょう。また、担当者の名前を控えておくことも大切です。

遺族はその後で現地に向かうことになります。これは、遺体が本人であるかの確認をするためです。同時に、遺体搬送に関する手続きを現地でも行う必要があります。必要書類を用意し、自身で飛行機や宿泊先の手配を行った上で渡航しましょう。

必要な書類

現地に着いたら、次の書類を手配しておきます。

・亡くなった人のパスポート

・現地で発行された死亡診断書: 死亡診断書はその国の言語で書かれているため、日本語に訳した診断書も作成します。日本国内で死亡届を提出するとき、和訳した書類に翻訳者名を書き、原本と翻訳文をセットで提出します。

・在外公館発行の遺体証明書

・エンバーミング業者による防腐処理証明書: エンバーマーから防腐処理を実施した後に渡される書類です。

上記は一般的に国外遺体引き取り時に必要となる書類です。国によって追加書類があるため注意しましょう。たとえばフランスからの空輸では、故人の戸籍謄本(戸籍抄本)が必須です。中国では、遺体出境許可証が加わります。あらかじめ詳細を在外公館に確認しておけばスムーズに対応できます。

国内での搬送の手配

国外から日本へ遺体を移したら、次は日本の空港で遺体を引き取ります。利用する航空会社や便名、到着時間などを葬儀社に前もって連絡をしておきましょう。空港での引き取りと指定場所への移動をすべて行ってくれます。

遺族が故人と同じ飛行機で帰国できれば最善ですが、それが叶わないときも葬儀社に連絡をしておけば対応してくれるので安心です。

海外で用意された棺は日本で指定されている棺とサイズが異なることがほとんどです。日本で火葬できるサイズの棺の用意も必要になります。

遺体の空輸で行われる「エンバーミング」とは?

空輸で遺体を長時間移動させるとき、「エンバーミング」という技術を遺体に施す必要があります。これは、遺体防腐処理です。飛行機では通常遺体防腐のために用いるドライアイスが使えないため、エンバーミングが必要になります。

遺体防腐処理を施した場合には、エンバーマーから遺体防腐証明書(エンバーミング証明書)を渡されるので携帯しておきましょう。特に国によっては、防腐処理が義務化されているところもあります。ここではあまり聞きなれないエンバーミングに関して、目的などをご紹介します。

遺体の腐敗を抑える処置のこと

エンバーミングとは、遺体防腐処理や遺体衛生保存などと称されます。腐敗を抑えるために遺体に施す処置のことです。もともとは土葬文化のあるアメリカで行われていた処置でした。エンバーミングという処置を利用すれば、体を長時間移動しなければならないときも、腐敗の進行や匂いの発生を抑えられるようになります。

処置では故人の体内に血液と入れ替えるようにして、防腐剤を注入します。これによって、およそ10日間から2週間ほどは遺体をきれいな状態で保存が可能です。

感染症を防ぐ

防腐処理を行う意義として重要なものは、まず感染症を防ぐ効果です。遺体は時間が経つと腐敗していき、もし中から体液が流れ出てきてしまうと感染症を引き起こす危険性が発生します。また、遺体に死肉食性の昆虫がつくことも考えられるでしょう。

防腐処理を行うことで病原菌を殺菌、消毒できるため、「きれい」な状態がつづきます。遺体の腐敗のみならず、感染症発症の拡大を阻止する役割もあり、遺体搬送に日数がかかっても安心して最後のお別れに立ち会えるでしょう。

遺族の心のケアとしても

葬儀による別れは、故人の最期の姿を遺族の心の中に残すことになります。そのとき故人がきれいで安らかであれば、遺族は悲しみながらも穏やかに別れのときを受け入れられるものです。

ドライアイスで冷やす方法とは異なり、極端に冷たかったり、硬くなったりすることもありません。修復化粧もきれいに行うため、生前の姿に近づけることが可能です。これは遺族の心理的ストレスを減らす効果があります。

海外からの遺体搬送にかかる日数

飛行機を使うことがあっても、国内では1日で遺体の搬送が完了します。しかし、海外から日本国内へ搬送するときは注意が必要です。

単に飛行機で移動する時間だけではなく、遺族が現地に向かう日数、遺体を日本へ運ぶための時間などさまざまな手続きが発生します。移動時間によって準備する項目がかわることもあるのでエリア別に確認しておきましょう。

韓国・中国など

韓国や中国から遺体搬送を行うときは、飛行機での移動は2時間半~4時間ほどで済みます。搬送にそれほど手間がかからないため、遺体の防腐処理を行わずとも搬送できることもあります。ただし中国は防腐処理を義務づけているため、そのときはエンバーミング費用が発生します。

東南アジア

東南アジアからの移動のときは、飛行機の移動だけで5時間~7時間ほどかかります。このときも、搬送時間によっては遺体を防腐処理なしに搬送ができます。ただし、宗教的な観点から防腐処理を義務づけている国もあります。その国の実情に合わせて対応しましょう。

アメリカ・カナダ

アメリカの西海岸方面やカナダからの移動は、飛行機で8時間~9時間ほど、アメリカの東海岸からは10時間以上要します。その前後にも時間がかかりますので、防腐処理を行わなければなりません。ちなみにアメリカは土葬文化のため、ほとんどが防腐処理を行います。

EU・イギリス

EUやイギリスからの移動のときは、飛行機で10時間以上要します。国によっては12時間以上の移動を強いられることがあり、その前後にもさまざまな手続きや移動で時間がとられます。よって防腐処理を行うことが義務づけられています。

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まとめ

遺体搬送は日本国内でも距離によっては空輸のほうが料金面でもよい場合があります。また、海外から搬送するときは葬儀社に連絡をしておくと安心できるなど、細かい段取りが必要になるでしょう。

遺体の搬送は、深い悲しみに包まれ、不安で大変な状況下で手配することになります。しかし、事前に段取りをしっかり確認してスムーズに進めていきましょう。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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