火葬とは?日本で選ばれる理由と必要手続きについて解説!

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火葬とは?日本で選ばれる理由と必要手続きについて解説!

親族の方が突然亡くなり、葬式や火葬場を準備しなくてはいけない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ところが葬式には多額の費用がかかるため、もしお金の工面に困っているのであれば、火葬のみを執り行う「火葬式」を選ぶことがおすすめです。金銭的に式を執り行うことが困難な場合でも、火葬式であれば比較的安価に執り行えます。

しかし式の準備に対して経験が少ないと、どうすればいいのか不安な部分も多いです。そこでこの記事では、火葬当日の流れから必要な準備に至るまでまとめてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。葬儀全体の流れについても、あわせて理解を深めておきましょう。

こんな人におすすめ

火葬の仕組みを知りたい方

火葬の意味や選ばれる理由を知りたい方

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火葬とは?日本で選ばれる理由も解説

ご遺体の埋葬方法は、そのままお墓(土)に埋める「土葬」と、火で燃やして遺骨や遺灰のみを回収する「火葬」の2種類が一般的です。どちらが選ばれるかは、その土地柄や時代、宗教などによって様々に分かれています。

現代の日本ではほぼ全てのご遺体が火葬によって埋葬されていますが、海外では土葬の文化が根強く残っている地域も多いです。両者の違いは何なのか、順に解説していきます。

1. 火葬の意味

火葬は仏教由来の文化であり、遺体を火葬することを「荼毘(だび)に付す」とも言います。仏教の思想では魂は肉体に宿るのではなく、死後は新しい肉体へ輪廻転生するものと考えられています。インドでは古くから遺体を灰になるまで焼いて、灰は川に流す文化があるのはこのためです。

対してキリスト教やイスラム教では遺体を傷つけること(火葬)は故人への侮辱になるので禁じられており、遺体をそのまま埋める土葬の方が一般的です。

2. 日本で火葬が選ばれる理由

日本で火葬が選ばれているのは、日本が仏教圏であることが一番の理由です。古来、仏教伝来より以前(中国の儒教が国家宗教だった頃)は火葬が禁じられていましたが、長い年月を経て火葬が主流となりました。

現代では日本は世界一の火葬大国となっており、ほぼ100%の方が火葬を選択しています。徐々に火葬の文化は世界中に浸透していますが、日本の割合は圧倒的に高いです。

火葬が選ばれるのは宗教的な理由だけでなく、伝染病の予防や埋葬する土地の不足などの現実的な理由も含まれています。

3. 日本は土葬禁止ではない

現代の日本の火葬率はほぼ100%ですが、土葬を禁止する法律はありません。そもそも日本の火葬はここ100年程度で発達したもので、昭和の頃にはまだ日本でも土葬が行われていました。

日本初の火葬に関する記述が日本書紀に残っていますが(西暦700年に法相宗の開祖「道昭」の火葬が行われた)、当時は一部の僧侶や皇族にしか広まっていなかったそうです。鎌倉~江戸時代になってようやく庶民に普及し始めましたが、明治時代になっても火葬率は30%程度でした。

ただし自治体によっては土葬を禁止している可能性があるので注意が必要です。

4. 海外でも火葬は広まりつつある

キリスト教圏とイスラム教圏においては基本的には火葬は禁止されており、土葬の文化は根強く残っています。

キリストの復活になぞらえて「死者の復活」を教義にもつため、火葬には否定的な考えです。(復活には肉体が必要なため)イスラム教圏では火葬を懲罰としている国もあり、犯罪者に死後に与える罰として晒し首と同様に扱われることもあります。

しかしキリスト教圏(特にプロテスタント)では、合理面から火葬が広まりつつあります。アメリカ西海岸や北ヨーロッパなどでこの動きが見られているようです。

火葬場の仕組みと当日の流れ

火葬の当日の流れは、主に3つに分かれています。「最後の別れ」「火葬中の待機時間」「収骨」の流れです。

火葬式の場合は僧侶の読経がないので簡略化される部分はありますが、ほとんど流れは変わりません。

それぞれに専用の部屋が用意されており、予約時に振り分けられた部屋を使用します。経験が無いと火葬場の構造や流れは分かりづらいため、順に解説していきます。

1. 炉前で最後の別れと読経

火葬場には「告別室」という場所があり、そこで式場から運ばれてきた故人との最後の別れの時間があります。読経と焼香を行った後、遺体は炉に入り火葬が始まるので、合掌して故人をお送りしましょう。

また、火葬式の場合は読経が行われないので最後の別れは5分~10分しかありません。ほとんどの場合、火葬炉は次の予約で埋まっているので、手短にお別れを済ませましょう。

2. 控室で火葬完了を待つ

火葬完了までは1時間~2時間ほど時間があります。そのため参列者全員が係員の誘導にしたがって控室に通されるので、そちらで待機しましょう。

館内には売店やお手洗いも用意されていることが多いです。とはいえあまり移動しすぎず、所定の時間までには控室に戻るようにしてください。また、他にも火葬を執り行う方が火葬場には複数組いるので、大声で騒ぐことは控えましょう。

多くの場合、控室には飲み物や茶菓子が用意されています。故人の冥福を祈りながら思い出を語り合いつつ、時間までお待ちください。

3. 収骨を行う

火葬が完了した後、遺骨を箸で骨壺に収めることを「収骨」といいます。喪主を始めとした親族で、足から順に頭部まで遺骨を拾い上げて骨壺に納めていきます。

収骨には「この世とあの世の橋渡し」という意味があるので、遺骨は必ず箸で拾い上げるのがルールです。

関東では骨壺は一つが基本ですが、関西では「本骨」と「胴骨」に分けて収骨することもあります。本骨とは胴体以外の骨のことで、喉仏や指先などを指しますが、地域によって定義は変わります。

骨壺は木箱に入れて袋に包み、初七日法要の日まで、喪主が大切に管理します。

火葬のみをおこなう「火葬式」について解説

通常のお葬式の中には僧侶による読経や告別式などが含まれますが、これらを全て省略して火葬のみを行うことを「火葬式」といいます。

火葬式は別名「直葬(ちょくそう)」「荼毘式(だびしき)」とも呼ばれ、その安さから需要が広がっています。

ここからは火葬式の流れと、メリット・デメリットについて順に解説していきます。

1. 火葬式の流れ

火葬式は、式場で行わないというだけで、通常のお葬式と同じ流れです。式場では事前にご遺体の処理と、棺桶の手配のみ行われ、当日はすぐに火葬場に向かいます

火葬場での流れも同じですが、僧侶による読経がないので気をつけましょう。参列する場合の服装や、香典なども通常と同じように用意します。

通常の式は2日かけて行われますが、火葬式の場合は半日程で終了するので流れは非常にスムーズです。

2. 火葬式のメリット

火葬式を選ぶメリットは、参列者の負担が最小限になることと、式の費用が安く済むことの2つです。

通常の式の場合、葬儀と通夜の2日に分けて親戚一同が集まるので、遠方の方はとても苦労します。しかし火葬式であれば半日もかからずに全てが終了するので、式を終えてから日帰りも十分可能です。

式が簡易であるため金額も安く、僧侶に支払うお布施も必要ありません。そのため一般的な葬儀よりも大幅に安い値段で利用できます。葬儀費用にお困りの方でも火葬式であれば可能かもしれないので、ご検討の際は「小さなお葬式」までお問い合わせください。
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3. 火葬式のデメリット

火葬式のデメリットは、お別れの時間が5分~10分しかないことと、先祖と同じお墓に納骨できないかもしれないことの2つです。

通常の式ではお別れの時間がしっかりと用意されていますが、火葬式の場合は棺桶を火葬炉に入れる直前の数分しかありません。火葬炉は予約で一杯なので、ゆっくりと別れを惜しむ時間がないのです。

また、火葬式では僧侶を呼ばず、読経も行いません。そのためお寺(菩提寺)に正式な葬式として認められず、先祖と同じ墓に入れない可能性があります。お寺によって判断が分かれるので、必ず納骨前に確認してください。

故人と共に火葬する「副葬品」について解説

副葬品とは、土葬であればご遺体と一緒に埋めるもの、火葬であればご遺体と一緒に燃やすもののことです。現代では故人が大切にしていたものが副葬品に選ばれることが多いですが、式に参列する方が捧げたいものを選んでも構いません。

ただし、火葬は火を付ける都合上、副葬品にできないものが多数あるので気をつけてください。

副葬品のルールや、歴史について順に解説していきます。

1. 副葬品とは

副葬品は、遺体と共に埋葬して旅立つ故人への手向けとする意味があります。現代では火葬できる範囲の思い出の品に留まりますが、古墳やピラミッドが作られた時代には、数多くの財宝や生贄を共に副葬品として埋葬していました。

これらは権威の象徴である他にも、死後の冥福や故人の復活を祈って捧げられていました。権威の象徴としての側面が薄れた現代では、死後の冥福を願う意味合いが残っています。

思い出の品の他には、故人へ宛てた手紙や花が選ばれることが多いです。

2. 副葬品にはできないもの

火葬は専用の炉(火葬炉)で行うため、副葬品として燃やせないものが厳しく定められています。

・危険物(ライター・スプレー缶・電池・薬品)
・不燃物(金属・ガラス)
・有害物(プラスチック・ビニール・カーボン)
・水気の多い物(果物・飲料)

これらは火葬の最中に問題が発生する為、副葬品に選んではいけません。火で完全に灰になり、環境に悪影響のあるガスが発生しないものを副葬品には選びましょう。

火葬に必要な手続き

親族の方が亡くなられて辛い時であっても、火葬の手続きは進めなくてはなりません。

火葬においてやるべき手続きは「死亡届を出す」「火葬許可証を発行する」「火葬場を予約する」の3つです。提出する期間が決まっていたり、時間通りに動かなかったりすると無効になるものもあります。

ここからは順番に解説していきます。

1. 死亡届の提出

死亡届は、誰かが亡くなったことを役所に報告する為の書類です。死亡届の提出には、医師の死亡診断書もしくは死体検案書を添付する必要があります。

死亡届の提出方法は以下の通りです。

提出先(役所) ・死亡地
・故人の本籍地
・届出人の居住地
提出期限 死亡確認から7日以内
届出人 ・同居の親族
・親族以外の同居人
・家主・土地の管理人

死亡届の提出方法は戸籍法第九節に記載があるので不安な方は確認してください。また、届出人は同居の親族が優先されますが、それ以外の方が行っても問題はありません。

2. 火葬許可証の発行

火葬許可証は、その名の通り火葬の許可を得るための書類です。死亡届と一緒に役所に申請できるので、忘れずに発行しておきましょう。火葬許可証には使用する火葬場を明記しなくてはならないので、あらかじめ検討はつけておく必要があります。

死亡届の提出を葬儀会社に代行した場合、必ず火葬場へ移動前に火葬許可証を受け取ってください。火葬執行後も、火葬許可証は納骨の際に使用するのでなくさないよう気をつけましょう。

3. 火葬場の予約

火葬場は常に空きが不足しており、都心部ではさらに顕著です。火葬の予約ができた時間に合わせて葬式のタイミングがずれることもあるので、火葬場の予約はできるだけ早く行うようにしてください。

故人が所属していた自治体が運営している火葬場を選べば、費用の控除が受けられます。ただし、人気のためなるべく早めに予約するのがおすすめです。

墓地埋葬法により、火葬は死亡から24時間以降でなければ行えないので注意しましょう。

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まとめ

火葬とは仏教を由来とする埋葬で、魂と肉体を別と捉えた方法です。故人を思い、冥福を祈って送り出せば、魂は次なる生を受けて輪廻転生していくものだと考えられています。

人は死から逃れられないので、いつか火葬に立ち会う日がやってきます。その時は亡くなった方を思いつつ、手を合わせて安らかな眠りを祈りましょう。

火葬や火葬式のことでお困りでしたら、小さなお葬式までぜひお問い合わせください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
小さなお葬式のコラム「HOHOU」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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