「納棺とはどのようなことをするのだろう」「納棺についてあらかじめ知っておいた方がいいことはあるのだろうか」という不安や疑問をお持ちではないでしょうか。大切な人を安らかに送る上で、慌てず滞りなく送ってあげることは何よりも大切です。
この記事では、故人との大切な別れの場面である「納棺」について、遺族が知っておくべき情報を紹介します。
記事を読むと「納棺に関する全体像、納棺で行うことや注意点」などがわかるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください。葬儀全体の流れについてあわせてご確認することもおすすめです。
<この記事の要点>
・納棺とは、故人を遺族の手で棺に納める重要な儀式
・現代では葬儀社の「納棺師」が行うのが一般的で、親族は一連の納棺作業を傍らで見守る
・棺に入れていい副葬品は、花・写真・タバコ・お菓子などの「燃え尽きるもの」
こんな人におすすめ
納棺とは何か知りたい方
納棺の流れを知りたい方
納棺の際に入れてよい「副葬品」を知りたい方
納棺とは、故人を遺族の手によって棺に納める大切な儀式です。遺族にとっては、故人との別れを強く意識する場面の一つですので、特別な意味を持ちます。
昔は全て家族の手によって行われていましたが、現代においては風習や考え方が変化してきており、葬儀社の専門スタッフ「納棺師」が行うのが一般的です。親族は納棺師の行う一連の納棺作業を傍らで見守ります。
納棺の儀式は遺体が安置された場所で執り行われることがほとんどです。昔は親族と一緒に自宅に帰り、安置されることが多かったですが、近年では亡くなった後に直接葬儀社の施設で安置することも増えてきています。
納棺にはどのタイミングで行うという厳密な決まりはありませんが、通夜の前までには済ませる必要があります。
大切な人が亡くなった後、葬儀の手続きを滞りなく進められることは、故人にとっても残された親族にとっても重要です。
慌ただしくなり故人の見送りを粗雑にさせないためにも、流れを確認しておきましょう。流れを把握しておくことで、落ち着いて故人を送り出せます。こちらでは臨終から納棺までの流れについて解説します。
ご家族が息を引き取った後に必要なのが医師による死亡判定です。その後に「死亡診断書」が発行されます。「死亡診断書」は後の火葬許可証を取得する際に必要になります。
死亡診断書の取得後はなるべく早く遺体を搬送する手続きを取りましょう。あらかじめ業者が決まっているのであれば、担当者に依頼して遺体を搬送してもらいます。
遺体の安置は自宅か葬儀社の施設で行うことが多いですが、近年は自宅に戻らず、葬祭場に直接搬送して安置をするケースが増えています。
安置場所が決まったら、「末期の水」という儀式を行うのが一般的です。水を含ませたガーゼや脱脂綿を故人の唇に当て、潤いを与えます。
この儀式には「喉を潤して安らかに旅立って欲しい」という思いが込められているので、心を込めて丁寧に行いましょう。
末期の水は、故人との関係性が深かった順に行います。故人の配偶者から始め、子ども、両親、兄弟姉妹、子どもの配偶者、孫の順で行うのが一般的です。
「エンゼルケア」は生前と同じ元気だった頃の姿で故人を送り出すために行われます。
看護師や葬儀社のスタッフに行ってもらうのが一般的です。顔立ちを整える化粧だけでなく、男性の場合は爪を切る、ひげを剃るなどの身だしなみも整えられます。
エンゼルケアで故人を生前のように美しく整えることによって、故人の尊厳を守り、遺族の悲しみを和らげることにも繋がります。
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病院では、ご遺体を長時間安置できません。そのため、別の場所に搬送して安置をする必要があります。
昔はご自宅で安置することが多かったですが、近年では自宅に戻らず葬儀社の施設に直接搬送して安置することも増えています。
自宅に遺体を安置する場合は、布団や枕飾り、ご遺体の保存状態をよくするためのドライアイスを用意しましょう。
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安置が終わった後は葬儀担当者と相談し、喪主、葬儀の日時、葬儀内容や場所について決めていきます。
付き合いのある菩提寺がある場合には、連絡を取っておきましょう。お通夜や葬儀での読経の依頼や、戒名についての相談を行います。
葬儀の場所や日程などが決まったら、親族、故人の友人・知人、故人の職場などの関係各所へ連絡を入れます。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
納棺の儀式にも流れがあります。昔は親族の手によって行われていましたが、風習や考え方の変化した現代においては、専門スタッフの「納棺師」が行うことが一般的です。
儀式の最中もしくはその前に、納棺師からも納棺の儀式についての詳しい説明があります。指示をよく聞き、大切な場面で慌てないように流れを確認しておきましょう。
湯灌は故人の体を専用の風呂のお湯で洗い、体を清潔にするために行われる儀式です。故人の体をぬるま湯で洗い清めることで「現世での汚れを洗い流す」という意味や「あの世への旅立ち前に体をきれいにして準備をさせる」という意味があります。
また、闘病生活で長らくお風呂に入れていなかった故人のために行いたいという遺族の思いを叶える儀式でもあります。
昔はどの家庭でも、故人の遺族によって行われていました。しかし近年では、葬儀社の専門スタッフが専用の浴槽を用いて行うことがほとんどです。遺族はスタッフの納棺作業を見守るかたちで参加します。
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湯灌でご遺体をきれいにした後に用意するのは死装束です。現在では、死装束の用意や着せる作業は、葬儀担当者が行ってくれることが増えてきています。
本来は三角布などを用いた巡礼姿の装いが一般的でしたが、近年では死装束のみを着せるケースも多くなっています。
死装束を着せる際には、着物の着せ方で左前になるようにします。生きていた頃とは逆にすることで、生とは逆である区別をつけるためと言われています。
また、故人や親族の希望があれば、生前に好んで着ていた服を着せてあげても良いでしょう。事前の希望がある場合は、葬儀担当者に相談しておきましょう。
最後に行うのが、ご遺体を棺に納める「納棺」です。今は納棺のほとんどを「納棺師」が行うことが多くなっています。遺族の手で直接納棺を行いたい場合は事前に相談しておきましょう。
納棺の際に故人の傍らに副葬品を一緒に収めます。副葬品とは故人と一緒に埋葬する品で、日本では古来よりこの風習がありました。
代表的な例としては、花、手紙、故人の思い出の品、故人の写真、千羽鶴、朱印帳などがあります。
宗教や宗派によって様々ですが、場合によっては、経をあげてもらうこともあります。遺族の希望が無ければ、必ずしも行う必要はありません。やるべきことを終えたら棺のふたを閉じて、儀式は終了となります。
納棺の際に故人と共に棺に納めるものが副葬品です。故人や遺族の思いが強く出る部分ですが、実は副葬品には「入れてよいもの」と「入れてはいけないもの」が存在します。
故人のためを思って入れたものが、後々のトラブルに繋がるようなことは、故人にとっても遺族にとっても悲しいことです。事前にしっかりと確認し、気持ちよく送り出せるように準備を整えましょう。
故人を収めた棺は、最終的に火葬されます。その為、棺の中に入れる副葬品は基本的に「燃え尽きるもの」でなければいけません。
例としては、花、故人の写真、タバコ、お菓子、洋服(金具の付いていないもの)などです。
万が一、燃えにくい物が混ざってしまっていた場合は、火葬後にも残骸が残り、遺骨を傷つける原因になってしまいます。副葬品を選ぶ際には十分注意しましょう。
副葬品で入れてはいけないものは、火葬の際に燃え残ってしまうものです。金属などは燃え残るのが想像しやすいですが、実はそれ以外にも注意すべきものがあります。
具体的には以下のようなものです。
・メガネ
・水分を多く含んだ果物(スイカやメロンなど)
・ガラス製品
・金属類
・厚みのある書籍
副葬品として禁止されている金属・ガラス・陶器などは最初から選ばないようにしたうえで、判断がつきにくい副葬品に関しては、葬儀社や火葬場に確認しましょう。
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小さなお葬式で葬儀場をさがす
納棺に立ち会うのは、基本的には親族のみとなっています。通夜や告別式のように、友人や仕事の関係者が参加するものではありません。
友人が参加を希望することもありますが、基本は不可と考えましょう。納棺には「遺族と故人が向き合って別れを告げる」という目的があるからです。
また、納棺の儀式では故人の体を洗ったり、服を着せたりと肌を露出させる場面が多いという観点からも、家族以外はお断りする方が賢明と言えます。
故人との大切な別れの場面「納棺」における、相応しい服装はあるのでしょうか。納棺は自宅で行う場合と、葬儀業者の施設で行う場合とがありますが、それぞれ相応しい服装があります。
別れの場面で慌ただしくならないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。こちらでは納棺の儀式における服装について解説します。
自宅で行う場合は、必ずしも喪服である必要はありません。自宅では家族以外おらず、周囲に対して喪に服していることを示す必要がないからです。
よって自宅であれば、平服で参加しても問題ありません。しかし、平服は普段着ではないことに注意しましょう。葬儀における平服とは一般的には黒や黒に近いダークスーツを指します。間違っても普段着で参加しないように気をつけましょう。
また、納棺後すぐに葬儀場に移動する場合には着替えの時間や場所などを巡って慌ただしくなる可能性があるので、はじめから喪服に着替えておく方が無難です。
葬儀場で納棺が行われる場合は、身内だけであっても喪服で参加するのが一般的です。平服での参列が禁止されているわけではありませんが、納棺の後に通夜が行われるので、着替えの時間などを考慮すると、はじめから喪服で参加しておく方がよいでしょう。
親族は故人との別れで肉体的にも精神的にも疲労が伴います。慌ただしくならないよう、余裕を持って行動するためにも喪服での参加をおすすめします。
また、納棺の儀式でご遺体を傷つけないためにも、邪魔になりそうなアクセサリー類は外しておきましょう。
小さなお葬式で葬儀場をさがす
納棺の儀式にかかる時間は30分~1時間程です。「最低限この長さは必ず行わなければならない」といったような決まりはないので、あくまで目安になります。
納棺は故人とご遺族にとって大切な別れの時間です。ゆっくりと丁寧に送ってあげたいというご遺族の思いもあるでしょうから、場合によっては2時間程かけることもあります。厳密な決まりは無いため、悔いのないように行いましょう。
納棺の儀式は通夜の前に執り行います。そのため一般的には、15時~17時の間で行うことが多いようです。
納棺にかかる費用とは、主に湯灌に関する費用を指します。湯灌は多くの場合、葬儀の料金には含まれておらず、ほとんどがオプションの扱いになります。
葬儀業者や地域によって費用はまちまちですが、料金の目安としては入浴なしの簡易的な清拭のみであれば5万円前後から、入浴を行う湯灌から納棺までとなると8万円~10万円前後が相場となっています。
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納棺は故人と遺族の大切な別れの場面です。納棺に至るまでや、納棺の儀式の流れなど、把握しておくべきことは多いですが、確認しておくことで落ち着いて故人を送る儀式を行えます。
故人を見送るための大切な儀式なので、悔いが残らないように、やるべきことをしっかりと確認しておいてください。
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