「納棺について詳しく知らない」「納棺のマナーが知りたい」など、詳しい流れやマナーについて不安を覚えている方もいるのではないでしょうか。
マナーを守れていないと故人や他の遺族に失礼にとられることもあり、気持ちよく見送りできなくなる可能性が出てきてしまいます。
そこでこの記事では納棺に立ち会う際のマナーや流れ、注意点などを解説します。立ち会う時の基本的な知識を身に着け、余裕を持って故人を送り出すためにも、ぜひ最後までご覧ください。葬儀全体の流れについてあわせてご確認することもおすすめです。
<この記事の要点>
・納棺とは故人のご遺体を温水で清め、メイクを施し棺に納める儀式
・納棺の儀式にかかる時間は30分~1時間程度で、納棺のタイミングは臨終から24時間以降かつ通夜の前
・派手な色・柄物や露出が多い服装は、マナー違反となるため注意する
こんな人におすすめ
納棺の儀式や流れについて知りたい方
納棺に立ち会う際の注意点が知りたい方
納棺に立ち会う際の服装が知りたい方
突然の不幸でどのように葬儀を進めたら良いかわからないがために、焦って準備をすると故人や他の遺族にとって失礼になる場合があります。
納棺についてある程度理解しているとはいえ、詳細や一連の流れまで把握しているという人は少ないのも現状です。
納棺の儀式について詳しく理解していることで、余裕を持って故人を送り出せます。
こちらでは納棺の儀式について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
読みは「のうかん」です。納棺とは、故人の遺体を温水で清めた後、メイクを施し棺に納める儀式のことです。「入棺」という呼ばれ方をすることもありますが、こちらも意味は同じです。
納棺は通夜や告別式の前に行われることが多く、ご遺体を癒し綺麗にすることで安らかな眠りを与えることが目的です。
故人の最後の身支度ということで、親族や親しい人のみで儀式を行いたいと思う人も多いでしょう。ただし、手順や方法をしっかり理解していなければ故人にとって失礼に当たる可能性もあります。
納棺までの儀式に込められた意味は一言で表すと「故人への思いやり」です。また、ほぼ同じ意味で「湯灌」と表す場合もあります。
湯灌とは故人を湯船に入れ、シャンプーをしてから温水などで洗う作業のことです。洗浄した後は着衣をさせて納棺するため、こちらの呼び方で一連の流れを表す場合もあります。
一般的に入浴をするという行為は、その日の疲れを最後にゆっくり癒すという役割があります。つまり湯灌の儀式も一生を終えた故人の疲れを取り、来世を迎えるための旅立ちの準備という役割があるため、必要な工程です。
納棺の儀式一連にかかる時間は約1時間ほどです。ですがこの時間はオプションの有無や依頼する葬儀社によって異なります。簡易的な納棺だと、30分で終わる場合も多いです。
また2時間ほどかけて最後のお別れをじっくりしたいという人も多くいらっしゃいます。
納棺の儀式は故人に触れる最後の機会にもなるため、時間をかけて行う人も多いです。
納棺をするタイミングは臨終から24時間以降かつ通夜の前です。逆算して16時前後に行われるケースが多いです。
ですがこのタイミングは地域や葬儀社、予約状況によって左右されるため、あくまで目安にしておいてください。
知り合いや友人、会社関係の人が集まる通夜とは異なり、納棺とは主に親しい人や親族、遺族が立ち会います。
服装も、喪服ではないといけないなどといった決まりもなく、人によっては私服や動きやすいカジュアルな服装でも参加可能なケースも多いです。
納棺に立ち会う際に知っておくべきマナーを解説します。
納棺に立ち会う人は配偶者や子供、孫の身内が基本です。よって知り合いや友人、学校や会社関係の人間は立ち会いできません。
仮に親しい仲にあり、立ち会いを希望される方がいても、基本的には参加できない行事です。
納棺の儀式では故人の体を洗ったり、服を着せたりと肌を露出させる場面が多いという観点からも、家族以外はお断りする方が賢明と言えます。ただし親族が理解し許可すれば、参加できる場合もあります。
派手な柄物や色の服もマナー違反になります。納棺の場では、漆黒に近い黒が適切だと考えておきましょう。
目立つ色や革製品、スパンコールなどがついた格好は不謹慎です。アクセサリーも派手なものは避けるべきです。派手なピアスやネックレス、ブレスレットは不謹慎なため避けましょう。ネックレスをつけるなら落ち着いた真珠が好ましいです。
露出が多い服ももちろんマナー違反にあたります。ワンピースも膝下のロング丈のものを着用しましょう。
ストッキングは無地の黒が基本です。ただし通夜の場合は準備が間に合わない可能性もあるので、肌色のストッキングでも特に問題はありません。
夏だからといって腕や足を出しすぎると不謹慎になるため気をつけましょう。腕を出す場合、短くても袖は五分袖や七分袖がマナーです。
実際にどのようにして故人を湯灌し、納棺していくのか一連の流れを解説していきます。
大きな流れとしては、体を拭いてから「逆さ水」をかけ、メイクをした後故人との思い出の品物を納めて納棺です。
納棺の儀式の流れを正確に知っていなければ、当日慌てて立ち会うことになってしまうため注意が必要です。
大まかな手順を確認し直すことで、立ち会った際にスムーズに進行できます。こちらでは一連の流れを5つの手順に分けて紹介します。
まずは清潔な布団の上に移動し、綺麗に体を拭きます。そして故人の口に「末期の水」という水を入れ潤します。「末期の水」とは故人に飲ませる最後の水となるため、親戚や親しい人が行うことが一般的です。
次に「逆さ水」を故人にかけます。「逆さ水」は水にお湯を足して作ったぬるま湯で、その名の通り足元から膝、腹部、胸元と逆さまにかけていきます。
マッサージを施しながら故人の関節を曲げ、自宅の浴槽や持ち込み浴槽などに入浴します。入浴している状態で「逆さ水」をする場合もあります。
マッサージしながら温水をかけるのは死後硬直で固まっている体をほぐすためです。
体を洗い、清め終わったら男性なら髭剃り、女性ならメイクを施し、髪や顔を整えていきます。髭剃りは男性スタッフが行いますが、産毛を剃ったりする場合は女性スタッフが担当する場合が多いです。
最後に身支度を整えるため、「死装束」という衣服を着せます。死装束とは死後の世界へ旅立つ際に着る衣服のことで、白い浴衣のような見た目をしていることが特徴です。
ただし最近では、故人が生前によく来ていた服装を死装束として着付ける場合も多くあります。
他に、鼻と口などを脱脂綿で詰める作業を行います。脱脂綿は体液などが出るのを防ぐ役割をしており、故人を美しく見せるために重要です。
脱脂綿を詰める作業が完了した後は、そのまま遺体を棺のなかに移し、上から布団をかけて納棺します。納棺の作業は故人に触れる最後の機会になるため、親族や親しい人を中心に納めることが一般的です。納棺した後は祭壇に安置し、通夜を行います。
その後僧侶を迎え、18時ごろから焼香を行う人が多いです。ですがこの時間は予約や予定などによって左右されるため、あくまでも目安で考えておいてください。
納棺した後は担当者から説明を受けながら、副葬品を入れて花を飾ります。故人の愛用していたものや思い入れのあるものを入れるのが好ましいです。
副葬品を入れるのは「死者があの世で使うもの」という意味があります。よく入れられるものとしては花や手紙、洋服などです。
入れてはいけないものとしては、生存している人も写っている写真、燃えない指輪やメガネ、燃やすことを法で禁止されている紙幣などになります。
生存している人が写っている写真を副葬品として入れてしまうと、その人も死者の世界に連れて行かれるという言い伝えがあります。
他の人が写っている写真を勝手に入れることで、トラブルになる可能性もあるため、注意が必要です。
特別な決まりがない限り、葬儀式場での納棺の立ち会いでは、喪服を着るのがマナーです。平服でも問題ないという記載がある場合は喪服である必要性はありませんが、記載がない場合は基本的に喪服だと考えておきましょう。
また、葬儀式場ではその後に通夜が行われるケースがほとんどなので、平服だと着替える手間も増えてしまいます。ここでは喪服のマナーや着方について男性、女性、子供別に分けて解説していきます。
男性の喪服は黒のスーツが基本です。暗めのグレーやネイビーなども避け、黒も漆黒に近い黒色を選びましょう。
注意なのはアクセサリーとサイズです。他にもアクセサリーは派手な印象が大きいため、つけていくと不謹慎と思われる可能性も高くなります。よって男性のアクセサリーは結婚指輪のみに留めておくことがポイントです。
他にも殺生を連想させてしまうためレザーなどの革製品も避けるべきです。靴やベルトは問題ないですが、蛇柄などの派手なものは失礼に値します。
女性の喪服は黒のワンピースやスーツが基本です。ワンピースを選ぶ場合光沢感のあるものや、スパンコールなどがついているものは避けるべきです。またワンピースでもスーツでも男性と同じく漆黒に近い黒を選ぶことが基本となります。
アクセサリーやバッグ、靴にも注意が必要です。かかとの高いピンヒールや派手なレザー製品、殺生を連想させる毛皮なども失礼に値します。他にも手荷物が増えることも頭に入れておくことが大切です。よって黒のサブバックや少し大きめの鞄で参加しても問題ないです。
子供にとっての喪服は制服ですが、制服がない学校や未就学の場合は大人と同じ基準で用意する必要があります。
女の子なら同様に光沢のない無地の黒のワンピース、男の子なら黒のズボンやジャケットが必要です。派手なアクセサリーや金属の見えるバックなどは大人と同様に禁止です
納棺を葬儀場ではなく家で行う場合は平服でも問題ありません。平服とは通常の私服を指すわけではないので、日常で着ている服装で参加するのはマナー違反になります。
葬儀での平服は「略喪服」という意味です。しっかりマナーを守らなければ不謹慎に値することもあるため注意しましょう。なるべく控えめな色のスーツやワンピースなど、派手すぎない服装を選んでみてください。
納棺に立ち会えるのは、配偶者や子供、孫などのご遺族、親族のみです。故人の体を清める際に、肌を露出させる場面が多いという理由が挙げられます。
よって、友人や仲の深い関係だとしても、基本的には立ち会いできません。親族以外の参加申し出があった場合、遺族は断っても失礼にはあたらないでしょう。
ただし親族が納得し、認めた場合は立ち会えるケースもあります。不安な場合は、一度問い合わせることをおすすめします。
納棺の立ち会いは親族であっても強制ではありません。よって不参加や、途中参加でもマナー違反にはならないということを覚えておきましょう。
納棺は故人の状態を美しくするための行事なので、遺体の状態によっては精神的に辛く感じてしまうことも十分にありえます。場の雰囲気が悪化し、納棺がきっかけでトラブルにもなりかねないため、無理のない範囲で立ち会うことが大切です。
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納棺は頻繁に参加する行事ではないため、不安になる人も多いです。納棺に立ち会いする際のマナーを心得ていることによって、余裕を持って故人の旅立ちを見送れます。
また納棺は、通夜の前の慌ただしい状況で執り行なわれるケースも多いです。スムーズに工程を進められるよう、事前に内容を把握しておくことが大切です。もし不安な場合は、葬儀社と打ち合わせを重ねておきましょう。
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