三回忌だけでなく、葬儀や法要に参列するときには数珠が必要です。普段あまり扱うことのない数珠は、どのようなものを選んだらよいか悩む方も多いのではないでしょうか。また、扱い方やマナーを知ることも大切です。
ここでは、三回忌法要に持参する数珠について解説します。法要にふさわしい数珠の種類や持ち方が分かれば、厳かな場でも故人や遺族に失礼のないよう振る舞えるでしょう。後半では、三回忌の服装のマナーも紹介します。
<この記事の要点>
・三回忌法要では宗派に関係なく使える略式数珠が便利
・数珠の持ち方は宗派ごとに異なり、略式数珠は合掌以外では左手で持つのがマナー
・三回忌の服装は略喪服でよい
こんな人におすすめ
どの数珠を選べばよいか迷っている方
法事に参列予定の方
正しい数珠の持ち方を知りたい方
三回忌は故人が亡くなってから2年後の法要です。一周忌と共に四十九日に次いで大切な法要といわれています。「三回」というのは「3回目の命日」という意味で、3年後の命日ではないことに注意しましょう。
葬儀や一周忌までの法要に比べて規模を縮小することもあり、招待するのは親族や親しい方のみというケースも多々あります。招いてくれた遺族に失礼のないように数珠を含めた身だしなみのマナーを守ることが大切です。
三回忌をはじめとする法要や葬儀などの仏教行事には、数珠を持参するのがマナーです。しかし、なぜ必要なのか分からないという方もいるでしょう。ここでは、歴史や背景を踏まえながら数珠を持つ意味について解説します。
数珠は仏教における法具のひとつです。もともとは僧侶が念仏を唱えた回数を数えるための道具でした。1回唱えるたびに珠を1つ動かせば、唱えた回数を頭の中で記憶する必要がありません。
珠を数えることから「数珠」という名が付いたといわれています。また、仏様を心で念じて使うものとして「念珠」という呼び方も一般的です。
仏教の始まりと共にインドで誕生したといわれている数珠は、仏教の布教で中国へ渡り、日本には飛鳥時代に入ってきました。最初は貴族や僧侶のような限られた方だけのものでしたが、仏教が庶民の間に広く伝わると、たくさんの方が持つようになりました。
広く普及したことで、数珠は念仏のために使う道具という認識から、信仰心を表現するものとなりました。数珠を持って手を合わせれば、仏様と心が通じ合うといわれています。故人への哀悼の意や供養する気持ちを表すためにも、葬儀や法要には数珠を持参するのがマナーです。
ただし、数珠はあくまで仏教における法具であるため、仏教以外の宗教を信仰している方は無理に用意する必要はありません。
葬儀や法要では、さまざまな形や色の数珠を目にします。しかし、どのような数珠を選んでもよいわけではありません。マナーに沿ったふさわしい数珠を用意しましょう。ここでは、三回忌法要に参列する際に持参する数珠について解説します。
数珠の種類は、宗派ごとに違いがある「本式数珠」と、どのような宗派でも自由に使える「略式数珠」の2つに分けられます。基本的に、本式数珠は煩悩と同じ数の108個の玉でできていますが、略式数珠は玉の数が決まっていません。
故人と宗派が同じであれば、その宗派の本式数珠を持参します。一方、特に決まった宗派がない方は、宗派を問わずに使用できる略式数珠が便利です。本式数珠は別の宗派の法要に持参しても問題ありませんが、気になる方は略式数珠を別に用意するとよいでしょう。
数珠には男性用と女性用があります。女性用のほうが繊細で色が華やかなど、デザインの差もありますが、もっとも大きな違いは玉の大きさです。略式数珠の場合、男性用の玉は10mm以上、女性用の玉は8mm以下で作られています。
デザインが好みだからといって、男性が女性用の数珠を持つのはマナー違反です。それぞれの性別に合った数珠を選びましょう。
数珠に使用されている玉の素材は多種多様です。主な素材として、木や木の実、天然石などがあり、素材によって色にも差があります。
特に天然石にはさまざまな色があり、どれを選べばよいか悩む方も多いかもしれません。しかし、素材や色に関する決まりは特にないため、好みや予算に合わせて選んでも問題ないでしょう。
マナーに沿った数珠を用意したものの、持ち方が分からずに困ったという経験がある方もいるかもしれません。数珠は法要に持参するだけでなく、正しく扱うことが大切です。ここでは、本式数珠と略式数珠に分けて、数珠の持ち方や扱い方を紹介します。
本式数珠は宗派ごとに決まっている正式な数珠です。したがって、持ち方も宗派によって異なります。主な宗派について数珠の持ち方をまとめました。
宗派 | 持ち方 |
天台宗 | 合掌時に手のひらの間に数珠を挟む |
真言宗 | 合掌時に2つの親玉を中指に掛け、他の玉を手のひらで挟む |
浄土宗 | 二重にした数珠の親玉をそろえて、親指と人差し指で挟む |
浄土真宗(本願寺派) | 房を下に垂らして、親指と人差し指で挟む |
浄土真宗(大谷派) | 房を左上から下に垂らし、親玉を上にして親指と人差し指の間に挟む |
宗派に関係なく使えるのが略式数珠です。信仰している宗派がない方は、略式数珠を持参するとよいでしょう。合掌するときは、左手だけに掛ける方法と両手に掛ける方法があり、どちらを選んでも問題ありません。また、合掌以外では左手で数珠を持つのがマナーです。
数珠には選び方や持ち方以外にもさまざまなマナーがあり、やってはいけないことも存在します。例えば、数珠は人から借りたり貸したりしてはいけません。数珠には持っている人を守るという役目があり、それぞれが専用の数珠を持つのがマナーです。
また、見た目が似ていても、パワーストーンのブレスレットを数珠代わりにするのもやめましょう。使用する目的が違うものを代用するのは、故人や遺族に対して礼を欠いた行為です。年齢を重ねると数珠を持つ機会が増えるため、自分専用の数珠を用意することをおすすめします。
数珠はお寺や仏具店、葬祭会社やデパートで購入が可能です。最近は100円ショップでも販売されています。
ただし、数珠は持っている方の魂が宿るともいわれている大切な法具です。一時しのぎで適当なものを買うのではなく、詳しい方に相談してアドバイスを受けながら選ぶとよいでしょう。自分にぴったりの数珠を購入すれば、一生大切に使えます。
三回忌法要に参列する際は、数珠だけでなく服装にも気をつけなくてはなりません。葬儀から2年経過していることもあり、何を身に着けたらよいか迷う方も多いでしょう。ここでは、数珠以外の服装や小物に関するマナーを紹介します。
喪服は着用する場面に合った格式のものを選ぶ必要があります。葬儀や一周忌までの法要では「準喪服」を着ますが、三回忌以降は「略喪服」で構いません。
準喪服とは、男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルと呼ばれる黒いワンピースやスーツを指します。一般的にイメージする喪服と考えればよいでしょう。
一方、略喪服は平服のことです。ただし、普段着という意味ではありません。準喪服ほど厳格な決まりはありませんが、法要の場にふさわしい装いで参列しましょう。
準喪服はブラックスーツが基本ですが、略喪服は暗く落ち着いた色合いのダークスーツも認められています。例えば、紺やグレーといった色や目立たない柄はOKです。ネクタイはスーツに合わせて、黒もしくは地味な色のものを選びます。
他は準喪服と同じと考えて問題ないでしょう。白いワイシャツ、黒のベルト、光沢がなく紐で結ぶタイプの黒い革靴、黒い無地の靴下を合わせます。平服とはいえ、カジュアルにならない装いを心掛けましょう。
女性の場合、準喪服は黒しか許されていません。一方、略喪服は黒以外の地味な色も着用できます。動きやすいパンツスーツでも構いません。ただし、他の小物やアクセサリーは準喪服と同様です。黒い薄手のストッキングに黒のパンプス、アクセサリーは真珠を身に着けましょう。
準喪服よりも自由度が高いからこそ、きちんとしたフォーマルな身なりになるように気をつける必要があります。膝よりも丈が短いスカートや素足など露出の多い装いはNGです。
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三回忌をはじめとする法要や葬儀には、数珠を持参するのが望ましいでしょう。数珠には宗派ごとに形が決まっている「本式数珠」とあらゆる宗派で使える「略式数珠」の2種類があります。信仰する宗派がない方は、略式数珠を持っていると便利に使えるでしょう。
他にも、男性用と女性用を混同したり貸し借りをしたりするのはマナー違反です。故人や遺族に失礼のないように、正しい身だしなみで参列しましょう。
三回忌の数珠を選ぶ方法や扱い方以外にも、葬儀や法要に関する悩みや疑問があれば「小さなお葬式」にご相談ください。24時間365日、知識が豊富な専門スタッフが丁寧にサポートします。
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