供養塔とお墓の違いを解説!個人で供養塔を建てるのはどんなとき?

供養塔とお墓の違いを解説!個人で供養塔を建てるのはどんなとき?

お墓以外に故人を供養する方法に、「供養塔」というものがあります。名前を聞いたことがなくても、寺院や霊園に建っている灯篭のような塔を目にしたことがある方も多いかもしれません。

この記事では、供養塔の概要やお墓との違いを解説します。さまざまな供養方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

こんな人におすすめ

供養塔とは?お墓との違いについて知りたい方

供養塔の種類について知りたい方

供養塔とお墓の費用の違いを知りたい方

このままWEBで調べたい方小さなお葬式についてもっと知る
喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
事前準備をすすめたい方喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
小さなお葬式LINE公式アカウント

供養塔とは?お墓との違いも解説

供養塔は墓所などに建つ石造りの小さな塔のことです。聞いたことのない方も多いかもしれませんが、全国各地に点在しています。

供養塔とお墓はどちらも亡くなった方の冥福を祈り、供養するために建てられます。ここからは、間違われることも多い供養塔とお墓の違いについてそれぞれ紹介します。

供養塔とは?

供養塔は死者や先祖の冥福を祈るための建築物です。元をたどると、仏様の骨(仏舎利)を納めた塔が起源といわれています。この塔はサンスクリット語で「ストゥーパ」と呼ばれ「卒塔婆」の語源にもなりました。

墓所や歴史ある寺院では、供養塔がいくつも建っていることも珍しくありません。また、供養した印を残すために建てるケースもあります。供養会で霊を弔った後、その証として残しておくのです。

供養塔は全国に点在する

通常のお墓は家族単位のため、身元不明の遺骨を先祖のお墓に納めることはありません。一方で、供養塔は天災や戦争で犠牲になった方々を供養するために建てられることもあります。身元がわからない遺骨も多いため、ひとつひとつを家元に帰すまで待つのではなく、供養塔に合祀します。

こうした供養塔は全国に点在しており、広島にある原爆供養塔はそのうちのひとつです。供養塔はさまざまな目的や背景を持っているのです。

供養塔とお墓の違い

お墓は家族単位のものが多く、「〇〇家之墓」と墓石に刻まれているのを見たことがある方も多いでしょう。一方で、供養塔は身元がわからない遺骨を合祀して供養することができます。これがお墓との大きな違いです。

また、管理方法にも違いがあります。どちらも共有部分の手入れは寺院が行いますが、お墓の場合は建っている区画を遺族や所有者が整備します。供養塔の場合は、合祀墓と同様に通常の整備も管理者側が行います。また、自治体や団体が管理しているケースも少なくありません。

供養塔には5つの種類がある

供養塔にはいくつかの種類が存在します。それぞれの形に意味が込められていて、限定的な状況でだけ使える形状もあります。ここからは、代表的な供養塔の種類を5つ紹介します。

五輪塔(ごりんとう)

中央の球体が目を引く独特の形状をした供養塔です。球体も含めて5つのパーツで構成されており、部分ごとに「五輪」にちなんだ意味を持っています。五輪とは仏教において宇宙を構成する5つの要素です。また、仏教思想に由来しているものの、五輪塔自体は日本独自のものと考えられています。
それぞれの形状と意味は上から順に以下のとおりです。

上が尖った丸型(宝珠型)か団子型(団形) 空輪
半丸(半球) 風輪
三角(笠形や屋根型) 火輪
丸(球) 水輪
方形(四角・六面体) 地輪

多宝塔(たほうとう)

四方の屋根部分が上に向かって反った形をしています。寺院建築などで見たことがあるかもしれません。多宝塔は供養塔だけでなく仏塔の建築様式の名前でもあるため、浄土寺にある多宝塔など、木造の大型建築でも同じ形状を見つけることができます。

上に伸びた細い棒は、相輪(そうりん)という名前です。ストゥーパの上に建てられた笠に由来しており、仏塔の中でも特に大事な部分といわれています。

宝篋印塔(ほうきょういんとう)

複雑な形状の笠を持つ供養塔です。元は現世利益のある経典(宝篋印陀羅尼経)を写して収めるための塔でしたが、いつしか供養塔としての役割も持つようになりました。

時代や場所によって形状が大きく異なりますが、多くの場合多宝塔と同じく頂上には相輪があります。数としては五輪塔より少ないですが、各地にはバリエーション豊かな宝篋印塔が残っています。

石塔婆(いしとうば)

板碑(いたび)とも呼ばれる、細長い台形の供養塔です。お墓の後ろに立ててある木製の卒塔婆とは違い、石で作ったものが石塔婆です。主に鎌倉時代から安土桃山時代の関東地方で盛んに製作されました。

表面に彫り込まれた梵字が特徴です。供養塔の中でも現在は見る機会も少なくなっています。

無縫塔(むほうとう)

無法塔の上部には白い卵型の大きな石が乗っています。卵型の塔身はひとつの石から切り出されるため、継ぎ目がありません。この独特な形状から「無縫」の名がついたといわれています。

無縫塔は原則としてお坊さんのお墓であることから、寺院に多く建っている場合は歴代の住職のお墓だと考えられます。

供養塔とお墓の費用の違い

供養塔とお墓の費用は、主に「永代使用料」「墓地管理費」「墓石費用」の3点が占めています。ここからは、供養塔とお墓の費用の違いを解説します。

葬儀と埋葬にかかる費用は場所柄やお世話になる寺院によって異なります。今回の解説はあくまで目安としてお考えください。

お墓にかかる費用の目安

永代使用料と墓石購入額を合わせたお墓の平均購入金額は170万円程度といわれています。購入者の4分の1は、80万円から119万円の間で購入しています。

永代使用料は、お墓を建てる土地を使うための権利費用です。初回の契約時に墓石の費用とともに寺院に支払う必要があります。土地の価格に左右されますが、だいたい60万円~100万円前後が目安です。

墓石の費用には幅があり、安いものは60万円ほどから購入できますが、加工やオプションを追加する場合はさらに金額が上がります。

供養塔にかかる費用の目安

供養塔は自治体や有志の団体が建てる場合も多く、個人での購入を想定した調査はありませんでした。しかし、供養塔そのものの金額は墓石とあまり変わらず、50万円~150万円ほどが相場となっています。

一部の石材店では墓石とともに供養塔を製造・販売しています。お墓と違う点は、供養塔であれば寺院によっては宗派に関係なく受け入れてもらえる可能性があることです。

個人が供養塔を建てるのはどんなとき?

供養塔には地域で亡くなった不特定多数の方を弔う意味があるため、個人で建てるケースはあまりありません。しかし、昨今の葬儀と法要の多様化に伴い、供養塔を希望するる方も増えています。ここからは、故人が供養塔を建てるケースを紹介します。

先祖を手厚く供養したいとき

供養塔は墓石と並べて建てることもできます。2つ建てることで、先祖の霊をより一層手厚く供養できます。

また、先祖のお墓があるものの、古い遺骨が誰のものであるか判別できなくなった際にも、供養塔を建てることがあります。この場合は残っている遺骨が本当に家の先祖であるか、念のため菩提寺に確認してもらうとよいでしょう。

複数のお墓を1ヶ所にまとめるとき

新しいお墓を建てる代わりに供養塔を選ぶ場合もあります。たとえば、今のお墓が経年劣化で崩れている場合や、全国各地に点在したお墓をまとめたい場合の選択肢として考えられるでしょう。

お墓を処分することに罪悪感を覚えるかもしれませんが、お墓を処分することは先祖に対して失礼な行為ではありません

本家と分家に分かれているとき

近年は減ってきましたが、かつては分家筋が供養塔を建てることもありました。昔は、「家を継ぐことはお墓を守る」という意味がありました。

お墓を管理するのは本家の務めですが、その一方で分家は共通の先祖を持ちながらもお墓を守ることができません。そこで代わりに供養塔を建て、先祖の霊を弔いました。

永代供養をするとき

最近は永代供養のために供養塔を建てる事例が増えてきています。永代供養とは、家ごとではなく寺院や霊園がお墓を管理する供養方法です。

最近は生活様式の変化に伴い、生まれてから亡くなるまで同じ土地に住み続けることが珍しくなってきました。墓守は元々土地に根づいた考え方です。従来のやり方が暮らしに合わなくなった結果、永代供養が選ばれることも増えています。

永代供養に際して新しく供養塔を建てる選択肢もありますが、元からある合祀墓や納骨堂に遺骨を収める方法も人気が高まっています。

日本各地の供養塔

供養塔は全国に点在していると説明しましたが、ここからは日本全国各地に建てられているさまざまな供養塔の中から、5つを紹介します。

原爆供養塔

広島県広島市にある原爆供養塔は、爆心地に近い慈仙寺というお寺があった場所に建てられています。被爆直後に臨時火葬場となり、多くの遺体が火葬された場所です。

1946年に市民の寄付により建てられた仮供養塔、仮納骨堂・礼拝堂が1955年に改築され、現在の原爆供養塔になりました。

氏名がわからなかったり、一家全員が亡くなってしまったりして引き取り手のない遺骨が供養されています。

東日本大震災物故者供養塔

福島県伊達市の普光寺、福島県相馬市の洞雲寺、岩手県宮古市の常安寺など、東北各地には2011年の東日本大震災で亡くなった方々を供養するための供養塔が建てられています。

「東日本大震災物故者供養塔」や「東日本大震災犠牲者供養塔」など名称は違いますが、震災の犠牲になった方を供養したいと願いが込められたものであることに変わりはありません。

大震災殃死者供養塔

1923年に首都圏を襲った関東大震災の犠牲者を供養するために建てられたのが、神奈川県平塚市の長楽寺にある大震災殃死者供養塔(だいしんさい おうししゃ くようとう)です。

また、神奈川県秦野市の命徳寺の裏山には、同様の震災殃死者供養塔があり、亡くなった方々を供養するとともに、関東大震災の被害の甚大さを伝えています。

法華堂跡(源頼朝墓所)

神奈川県鎌倉市の白旗神社の境内には、五層の源頼朝供養塔があり、法華堂跡と呼ばれています。1779年に薩摩藩主である島津重豪が、もともとあった小さな墓を再建したものです。

高野山奥之院の供養塔

世界遺産でもある和歌山県の高野山は、戦国大名の供養塔が数多く建つことで知られています。奥之院と呼ばれる信仰の中心地には、徳川吉宗、武田信玄などの大名の墓石や供養塔が20万基以上もあり、杉木立の中に立ち並ぶ様子は荘厳な雰囲気を醸し出しています。

宗派による供養塔の違い

仏教の宗派によっても、供養塔の捉え方が異なります。特に、供養塔を作らない浄土真宗、五輪塔を建てる真言宗などは注意が必要です。また、五輪塔に彫られる文字も宗派ごとに異なります。

浄土真宗では供養塔を作らない

浄土真宗では、故人はすぐに極楽浄土に往生して成仏するとされているため、亡くなった方を供養するための供養塔は作りません。

故人の成仏を願ってお経を読んで功徳を積む「追善供養」なども行わず、阿弥陀仏の救いの力に委ねるのが浄土真宗の教えです。

真言宗では五輪塔を建てる

五輪塔形式の供養塔は、真言宗の覚鑁(かくばん)が広めたといわれています。そのため、真言宗ではお墓として五輪塔を建てることが一般的です。

現在の和型墓石は江戸時代に普及したものですが、それ以前は五輪塔が、身分を問わず用いられていました。

宗派ごとに五輪塔に彫られる文字

供養塔の中でも五輪塔は、5つのパーツに5つの文字が彫刻されます。この文字は宗派ごとに異なるため注意が必要です。
宗派ごとに彫刻される文字は以下のとおりです。

真言宗 梵字
浄土宗 南無・阿・弥・陀・仏
曹洞宗・臨済宗 空・風・火・水・地
日蓮宗 妙・法・蓮・華・経
天台宗 空・風・火・水・地
もしくは
妙・法・蓮・華・経

供養や葬儀の形は多様化している

暮らしの変化は供養だけでなく葬儀にも影響を与えています。地元から離れて暮らす人が増えたことで、毎年墓参りをすることも難しくなりました。また、感染症の流行により、大勢で故人を弔う機会も減ってきています。

供養塔も必ずしも用意するべきものではありません。故人や残される方の価値観に合わせた供養・葬儀を行うことが大切です。

「喪主が必ず読む本」無料プレゼント中

「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。

病院から危篤の連絡がきたときの対応方法や、親族が亡くなったときにやるべきこと、葬儀でのあいさつ文例など、喪主を務めるのが初めてという方にも役立つ情報が満載です。

いざというときの事前準備にぜひご活用ください。

喪主が必ず読む本

全員に「喪主が必ず読む本」プレゼント 無料資料請求はこちら

「小さなお葬式」で葬儀場・斎場をさがす

小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。

まとめ

供養塔は、身元がわからない遺骨を合祀して供養できます。一方で、お墓は家族単位のものが多く、「〇〇家之墓」と墓石に刻まれていることが一般的です。

供養塔とお墓は起源や管理方法に違いがありますが、どちらも亡くなった方を供養するために建てられます。また、昨今は生活の変化によって、供養塔以外にも新しい供養や葬儀の形が生まれています。

小さなお葬式では葬儀や法要、お墓についてのお悩みに専門スタッフが24時間365日、丁寧にご対応します。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
運営会社についてはこちら

このままWEBで調べたい方
小さなお葬式についてもっと知る
このままWEBで調べたい方小さなお葬式についてもっと知る
事前準備をすすめたい方 喪主が必ず読む本プレゼント 資料請求する(無料)
事前準備をすすめたい方喪主が必ず読む本プレゼント!無料でお届けいたします。資料請求する
小さなお葬式LINE公式アカウント
小さなお葬式LINE公式アカウント

この記事をシェアする

  • twitter
  • facebook
  • line