日本では喪に服するとき、基本的にアクセサリー類は着けないのがマナーです。ただし、西洋の文化をうまく取り入れてきた現代では、洋装で参列する場合は真珠のアクセサリーであれば身につけるのが一般的になりました。
今回は葬式などの弔事に着用する真珠はどのようなものがよいのか、また真珠以外で着けてもよい宝石についてなど詳しく解説します。真珠は悲しみの涙を象徴するものです。正しい装いで弔いの気持ちを表現しましょう。
<この記事の要点>
・お葬式の際に身につける真珠の色は、白・黒・グレーの3色
・真珠のネックレスは、真珠の大きさが7mm~8mm、長さ40cmがおすすめ
・真珠以外のジュエリーは、オニキスや黒曜石を使用したものを選ぶ
こんな人におすすめ
お葬式を近々予定されている方
お葬式の服装のマナーを知りたい方
アクセサリーを付けようと考えている方
お葬式では、真珠のネックレスやイヤリングを着けている方をよく目にします。今では一般的になりましたが、本来日本の文化にアクセサリーを着ける習慣はなく、これは海外の影響を受けています。
しかし、日本では洋装にアクセサリーがなくてもマナー違反にはなりません。なぜ「弔事に真珠」となったのか、アクセサリーの必要性についてなどを解説します。
西洋では弔事に「モーニングジュエリー」を身に着けるのが一般的です。もともとはイギリス王室で女王が真珠を服喪用装身具として身に着けたのが始まりですが、それがイギリス国民の間にも広まり、日本にも洋装の喪服と共に用いられるようになりました。
着物である和装ではアクセサリーは一切身に着けませんが、準喪服といわれる洋装の喪服は真珠をはじめとした宝石を着けて参列することが許されています。しかし、洋装にアクセサリーを合わせずとも日本においては特に問題ありません。
真珠は涙の象徴とされ「清い涙」や「月の涙」などともいわれています。厄除けや守護の意味もあり、人の心を落ち着かせてくれる宝石です。こういったことから、結婚式や葬儀など人生の節目に用いられるようになりました。
現代では故人への敬意を表すとともに、お悔やみの場にふさわしいフォーマルジュエリーとしての立ち位置を確立しています。
日本では着物である黒喪服にはアクセサリーを着けないため、洋装でも必要ないという考えがあります。
何を着けていこうか迷ったときや真珠のネックレスなどを所持していない場合はノーアクセサリーで参列しても構いません。むしろ華美な印象になるようなら何も着けないほうがよいでしょう。迷ったときは親族や知人に相談することをおすすめします。
お葬式に真珠アクセサリーを着ける場合、真珠だったら何でもよいというわけではありません。真珠には色や形状がさまざまあり、弔事にふさわしいものは限られています。基本は白か黒系の真珠でラウンド型、ゴールドや輝く装飾がついていないものを選ぶとよいでしょう。
まず真珠の色は、白、黒、グレーの3色から選ぶのが基本です。これら以外の色はお葬式や法要の席では使えません。真珠のサイズは直径が7ミリから8ミリのものが適しています。黒真珠は大きくても白色のようにゴージャス感が出ないので、10mmまでのやや大きめでもよいでしょう。イヤリングを一緒に着ける場合は、色とサイズをあわせます。
真珠のかたちはラウンド型(球形)がよく、特に小粒のアコヤ真珠はそのままできれいな球形なのでお葬式の場でよく着用する姿が見られます。
天然真珠は性質上、大きくなればなるほど歪になりやすいので球形のものは希少価値が高くなるものです。一方、人工真珠は丸い核を入れて作るため美しい球形に育ちやすく、比較的安価で手に入ります。弔事のアクセサリーとしては、球形であればどちらでも構いません。
悲しみの席にアクセサリーをあれこれ着けていく必要はありません。冠婚葬祭用に購入したネックレスとイヤリングのセットがあればそれで十分です。結婚指輪はほとんどの場合、着けたまま参列して構いませんが、派手なカラーや装飾が施してあるものは外したほうが無難でしょう。
ネックレスは真珠の大きさが7ミリから8ミリ程度で40cmほどの長さがちょうどよいでしょう。これより粒が大きかったり長かったりすると、カジュアルな雰囲気になってしまいます。
身長によっては40cmより長めのものを選んでも大丈夫です。人工パールでもマナー違反にはなりません。ただし、ひと粒デザインや真珠の間に飾りがついているネックレスは、本真珠でも弔事の席には向きません。二重デザインや長いものは「不幸が重なる」という意味にとらえられ縁起が悪いものです。
イヤリングやピアスは、ネックレスとは異なりひと粒のデザインを選ぶのが正解です。パールがいくつも重なったものや、ひと粒でも金具からぶら下がって揺れるものはNGになります。
また、金具はシルバーカラーで、できるだけ見えないデザインのものを選ぶことも大切です。最近はピアスも許容されてきましたが、まだ否定的な意見があります。ご年配の方の参列が多いお葬式や法要の場合、ピアスは着けていかないほうが印象をよくすることもあるでしょう。
結婚指輪と婚約指輪は普段通り着けたまま参列して構いません。結婚指輪などがゴールドカラーである場合や、ダイヤモンドやカラージュエリーが大きく輝くデザインなら指輪は外して参列します。
ファッションリングは素材が真珠であっても着けません。お葬式などは着飾る必要のない弔いの場であることを忘れないようにしましょう。
お葬式で着けるアクセサリーは、かたちは球形のみで色は白やグレー、黒色を選び、派手な飾りがない落ち着いたデザインにします。黒真珠でも偏光パールや独特の輝きを持つものがあり、こういった真珠は着用できません。こちらでは真珠の中でもNGなものについて紹介します。
真珠は球形が基本ですが、中には丸っぽくて使用するか迷うことがあります。そうした場合、きれいな球形以外はすべてふさわしくないと覚えておくとよいでしょう。球形に近いポテト型(楕円)やライス型(つぶれた楕円)、バロック型(いびつな丸型)などは、おしゃれを楽しむものとしての位置づけのため、お葬式の場ではNGです。
色に関しては白、グレー、黒系の真珠のみです。黒真珠にもさまざまな種類がありますが、使用してよいのは純粋な黒真珠と黒蝶真珠です。ピーコックカラーは黒を基調とした真珠ですが、緑や銀といった強めの光沢があり弔事では使えません。
きらびやかなアクセサリーは結婚式では積極的に使うものですが、弔事では厳禁です。真珠のアクセサリーを着ける際は、金具にはゴールドは選ばずシルバーにして、きらきらと光る装飾がないものを選びます。
また、水晶は数珠に使われていますが、アクセサリーでは使用不可の素材です。真珠の場合は数珠にも使われているので、混同しやすく注意が必要です。
黒真珠に準じた、ジェット、オニキス、黒曜石はお葬式などでも着用を許されるジュエリーです。重厚感を持ち深みのある色なので、ある程度落ち着いた年代に好まれています。それぞれがどのような特徴を持つのか紹介します。
ジェット(和名:黒玉)は流木が化石化したものを磨き球形にしたものです。もとは流木のため見た目の重厚感とは違い着け心地は軽いといわれています。真珠と同様に、長い時間をかけて自然が作り出したものとして価値があるものです。
深い漆黒が美しく、ジュエリーとなるものは採れるジェットのうちわずか数パーセントといわれている希少価値の高い宝石です。
オニキスは世界中で採れる鉱石(天然石)で、黒曜石はマグマが急に冷やされたものからでき、別名を天然ガラスといます。オニキスと黒曜石は、どちらも厄除けや悪縁を断ち切る意味を持ちます。アクセサリーのほか、数珠にも使えるため目にすることは多いかもしれません。
ジェットと同じく、球形で美しく光の反射が控えめなものを選びます。多面カットされているものは輝きが感じられるためお葬式には向きません。
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お葬式に身につけるものとして人気の高い真珠ですが、その色やかたちはさまざまです。マナーを守り、ふさわしい真珠のアクセサリーを選びましょう。また、真珠だけではなく黒色ジュエリーにもジェットやオニキスなど着用可能なものが存在します。アクセサリーを着ける場合は、ご自身の装いにあったものを身に着けて葬儀に参列し、故人を悼みましょう。
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