葬式のときに「ご愁傷様です」といったお悔やみの言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、「どのタイミングで誰に伝えればよいのか」「そもそも使い方は合っているのか」「葬式中に使ってはいけない言葉はあるのか」と悩まれる方も少なくありません。
正しいお悔やみの言葉が分かると、葬式のときに失礼のない対応をすることが可能です。そこでこの記事では、葬式で使うお悔やみの言葉について詳しく解説します。
<この記事の要点>
・葬式で使うお悔やみの言葉は「ご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」などが一般的
・葬式でのお悔やみの言葉は、香典を渡す際に伝えるのが一般的
・親しい関係の場合は、お悔やみの言葉をメールで伝えても問題ない
こんな人におすすめ
お悔やみの言葉をメールやSNSで伝えたい人
お悔やみの言葉の具体例が知りたい人
お悔やみの言葉を使う上での注意点が知りたい人
葬式でお悔やみの言葉を伝える際には、使うのを避けるべき言葉が存在するため、慎重にならなければいけません。日本には「言霊」という、放った言葉が本当に起こるという考え方があるため、お悔やみの言葉の使い方には慣習があります。
使うのを避けるべき言葉があるとはいえ、具体的に知る機会は滅多にないでしょう。しかし、知っておくだけでも葬式中の振る舞い方が違ってきます。
葬式中に使ってはいけない言葉は下記の通りです。
・忌み言葉
・直接的な表現
・安直な励まし言葉
・死因を尋ねる言葉
以上の葬式中に不適切な言葉を、1つずつ解説します。
「忌み言葉」とは、不幸の連鎖を想像させる言葉や、重ね言葉のことです。具体的な忌み言葉の例は以下の通りです。
・続いて
・再度
・重なる
・またまた
・後々
・たびたび
このほかにも、不吉とされる言葉として以下の言葉が挙げられます。
・消える
・浮かばれない
・四、九(数字)
これらは「忌み言葉」として扱われるため、使用は控えるのが賢明です。
「死ぬ」といった直接的な表現は、以下のように言い換えて使用しましょう。
死ぬ・死亡 | 逝去される・永眠される |
生きる | ご生前・お元気だった頃 |
上記のような生死に関する直接的な表現は控えるようにしましょう。
安直な励まし言葉は他人行儀で、遺族側からすると嬉しいものではありません。「頑張って」や「立ち直って」といった言葉は使わないように注意しましょう。
悪気がなくとも失礼に値することには変わりないので、励ましの言葉をかけるのは別の機会にした方がよいかもしれません。
死因を尋ねるのは、遺族に思い出したくないことを思い出させてしまうので使用を避けましょう。死ぬ間際のことを聞くことも失礼なため、尋ねるのを控えてください。
お悔やみの言葉は長々と言わないようにしましょう。遺族は、参列者一人ひとりからお悔やみの言葉を受け取ります。その際、長々と言葉を連ねると遺族にとっては負担になるでしょう。
遺族を思うなら短く端的に伝えるようにするのがおすすめです。
葬式で使うお悔やみの言葉は「ご愁傷様です」「お悔やみ申し上げます」などが一般的です。しかし、言葉の意味や使い方を詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。ここからは、お悔やみの言葉の正しい使い方を紹介します。
「ご愁傷様」の「愁」は憂いを表し、「傷」は痛みを表してます。そのため、「愁傷」は「相手の傷を憂える」といった感情を表す言葉です。
ただし、「ご愁傷様です」はスラング的な用いられ方として、他人を小馬鹿にするときにも使われることもあります。嫌悪感を抱く方もいるので注意しましょう。
「ご愁傷様」の使い方としては、目上の人に使うことが多いです。口頭表現ですので、文章表現には適さないという意見もありますが、明らかなマナー違反にはなりません。
「お悔やみ申し上げます」の「お悔やみ」とは人の死を弔うことです。「故人が亡くなったことを悔やみ、悲しむ」といった意味です。文頭に「謹んで」や「心より」を付けて使われることも多くあります。
こちらは口頭でも文章でも使用可能なので、文章を書く際に用いてもよいでしょう。
葬式でのお悔やみの言葉は、香典を渡すと同時に伝えるのが一般的とされています。
しかし、遺族も葬式の進行や参列者の対応で忙しいことがほとんどなので、その際は別の機会に伝えるなどしてください。
お悔やみの言葉は基本的に遺族に伝え、参列者全員に伝える必要はないです。
また、誰が遺族か正確に分からない場合は、喪主に伝えるだけでも問題ありません。参列者全員がお互いに挨拶し合うと時間がいくらあっても足りませんし、なにより大変です。お悔やみの言葉は、できるだけ遺族または喪主に伝えましょう。
お悔やみの言葉は宗教によって変わってきます。それぞれの宗派によって葬式に対する考え方が違うからです。
仏教の葬式では使っていい言葉も、キリスト教の葬式では使ってはいけないこともあるので宗教別に解説します。
キリスト教では、「死」を「悲しい出来事」や「否定的な出来事」として捉えません。そのため「お悔やみの言葉」そのものがあまり適しません。キリスト教においては「〇〇さんの眠りをお祈りします」といった言葉を伝えましょう。
しかし、いくら悲しい出来事として捉えないとはいえ、お祝いの言葉を投げ掛けるのは禁物です。失言の心配がある場合は「お祈りいたします」の一言でも問題ありません。
神道もまた「死」を悲しい出来事とは捉えません。そのため、相手に弔いの言葉を投げかけるのは相応しくないといえるでしょう。
また、仏教でよく使われる「冥福」や「成仏」は好ましくないので、「ご冥福をお祈りします」といった言葉は「御霊の御平安をお祈りいたします」と言い換えるのがおすすめです。
訃報をメールやSNSで受け取った場合、こちらもお悔やみの言葉をメールやSNSで返信してよいのか悩むでしょう。
親しい関係であれば、お悔やみの言葉をメールやSNSで伝えても差し支えないでしょう。その際は、口頭と同じく「忌み言葉」を使わないように注意が必要です。
文章に自信がない場合は、インターネットで検索すると豊富な種類の例文がありますので、ぜひ活用しましょう。
喪主に対する故人の続柄によって、お悔やみの言葉は変化します。
まず、必ず変化するのは敬称です。
続柄 | 敬称 |
祖父 | ご祖父様(ごそふさま)・お祖父様(おじいさま) |
祖母 | ご祖母様(ごそぼさま)・お祖母様(おばあさま) |
父 | ご尊父様(ごそんぷさま)・お父様(おとうさま) |
母 | ご母堂様(ごぼどうさま)・お母様(おかあさま) |
夫 | ご主人様(ごしゅじんさま)・旦那様(だんなさま) |
妻 | ご令室様(ごれいしつさま)・奥様(おくさま) |
兄 | ご令兄様(ごれいけいさま)・お兄様(おにいさま)● |
弟 | ご令弟様(ごれいていさま)・弟様(おとうとさま) |
姉 | ご令姉様(ごれいしさま)・お姉様(おねえさま) |
妹 | ご令妹様(ごれいまいさま)・妹様(いもうとさま) |
息子 | ご令息様(ごれいそくさま)・ご子息様(ごしそくさま) |
娘 | ご令嬢様(ごれいじょうさま)・お嬢様(おじょうさま) |
また、お悔やみの言葉も故人と喪主の関係によって変化するので紹介します。
親を亡くされた方の悲しみはとても測り切れません。そのため、下記のようなシンプルな言葉かけを行うようにしましょう。
・この度はご愁傷様でございます。謹んでお悔やみ申し上げます
・急なことで大変驚いております。心よりお悔やみを申し上げます。
上記のように、あまり多く述べず端的に伝えることで、遺族の負担を減らせます。
長い間苦楽をともにした配偶者を亡くして、心に大きな傷を負っていることでしょう。「信頼できる家族を失った」という悲しみに寄り添って、下記のようなお悔やみの言葉を伝えましょう。
・この度は奥様が不幸に見舞われて、おかけする言葉もございません。
・どうか早くお疲れが癒えますようお祈りしております。
遺族の体調面を気遣う言葉が無難だといえます。
自分たちより先に旅立ってしまったことを思うと、遺族の気持ちは悲しいなんてものではないでしょう。ご両親の心中を考えつつ、悲しさを増幅させない下記のような言葉を贈りましょう。
・この度はご愁傷様でございます。こんなことになるとは本当に残念です。どうか気をしっかりとお持ちください。
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葬式には使ってはいけない「忌み言葉」という言葉が存在します。忌み言葉とは「死」を連想させる言葉や「消える」や「たびたび」などの重ね言葉を指し、葬式の場においては相応しくありません。死因を尋ねる言葉や安直な励ましの言葉も遠慮した方がよいでしょう。
多く使われるお悔やみの言葉として「ご愁傷様です」と「お悔やみ申し上げます」が挙げられます。「ご愁傷様です」は目上の方に使う言葉です。しかし、口頭表現であるため、文章でお悔やみの言葉を伝える際は多用しないことを心がけましょう。
一方で「お悔やみ申し上げます」は口頭でも文章でも使用可能ですので、文章でお悔やみの言葉を伝える際は「お悔やみ申し上げます」を使用した方が無難です。
また、宗教によってもお悔やみの言葉は変わってきます。仏教の葬式では相応しい言葉も、キリスト教や神道では相応しくない可能性があるので、細心の注意が必要です。
このように、葬式には言葉一つをとってもさまざまな決まり事があります。葬式中の言葉に関して不安がある際は、小さなお葬式にご相談ください。専門の知識を持ち合わせたスタッフが誠心誠意アドバイスいたします。
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