【2021年最新版】相続手続きの進め方と期限を徹底解説

【2021年最新版】相続手続きの進め方と期限を徹底解説

ご家族が亡くなると、数多くの手続きが必要になります。しかし、相続手続きをすると言っても何から手をつけて良いかわからないという方もいるのではないでしょうか。なかには期限の短い手続きや、期限に遅れると不利益をこうむってしまう手続きもあるため、注意が必要です。

この記事では、行うべき相続手続きを期限ごとに解説します。

こんな人におすすめ

相続手続きの進め方や期限を知りたい方

7日以内に行う相続手続きを知りたい方

10日から14日以内に行う相続手続きを知りたい方

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7日以内に行う相続手続き

ご家族が亡くなった後、7日以内に行うべき手続きは、次の2つです。

死亡届の提出

死亡届は、亡くなったことを知った日から7日以内に提出します。死亡届の提出先は、次のいずれかを管轄する市区町村役場です。

・亡くなった人の本籍地
・亡くなった場所
・届出人の所在地

死亡届を提出すべき人は、次の人です。なお、届出人に順位はありませんので、下記の人であれば誰が届出をしても構いません。

・同居の親族
・その他の同居者
・家主、地主又は家屋もしくは土地の管理人
・同居の親族以外の親族
・後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者

死亡届は死亡診断書・死体検案書と一体となっており、死亡を診断した医師に記入してもらうことが一般的です。

参考:『死亡届 法務省』

死体埋葬火葬許可証の取得

死体埋葬許可証死体火葬許可証は、遺体の火葬や埋葬をするために必要となる書類です。特に期限はありませんが、この火葬許可証がなければ火葬をすることができませんので、通常は死亡届の提出と一緒に手続きをします。

市区町村役場の窓口に「死体火葬・埋葬許可交付申請書」がありますので、これに必要事項を記入して、埋葬火葬許可証を発行してもらいましょう。

発行された埋葬火葬許可証は、火葬時に火葬場へ提出します。火葬が済むと、火葬場で火葬日時が記載された上で火葬許可証が返却され、この返却された書類が埋葬許可証となります。

10日から14日以内に行う相続手続き

ご家族がなくなった後、10日から14日以内に行う手続きは次のとおりです。

年金受給権者死亡届等

年金を受給していた方が亡くなった場合には、年金受給者死亡届の提出が必要となります。提出期限は、10日以内(国民年金の場合は14日以内)です。

提出が遅れると年金を多く受け取りすぎる可能性があり、後で返還をする必要が生じるので、期限内に手続きしておきましょう。

また、年金は2か月分が後払いにて支給されるため、亡くなった時期によっては受け取りそびれた年金(「未支給年金」と言います)が発生する場合があります。この場合には、この未支給年金をご家族が受け取ることが可能です。

未支給年金を受け取ることができるのは、亡くなった方と生計を同じくしていた次の人です。

1.配偶者
2.子
3.父母
4.孫
5.祖父母
6.兄弟姉妹
7.その他3親等内の親族

これらの人がこの順位で受け取ることができますので、忘れずに手続きをしておきましょう。提出先は、年金事務所または街角の年金相談センターです。

なお、平成23年7月以降、日本年金機構に住民票コードが収録されている方は、原則として、年金受給権者死亡届の提出を省略できるようになっています。

参考:『年金を受けている方が亡くなったとき 日本年金機構』
   『年金の支払月はいつですか。 日本年金機構』

介護保険の資格喪失届

介護保険の被保険者であった方が亡くなった場合には、介護保険の資格喪失届を提出するとともに被保険者証を返還する必要があります。提出期限は、亡くなってから14日以内です。手続きは、亡くなった方の最後の住所地の市区町村役場で行います。

参考:介護保険法12条、介護保険法施行規則32条

世帯主変更届

世帯主変更届は、住民票の世帯主であった方が亡くなった場合に必要となる手続きです。

新たにその世帯の世帯主となる方について、その世帯の方が届出をします。手続き期限は、亡くなってから14日以内です。ただし、亡くなった方がもともと1人世帯であった場合や、残った世帯員が1人のみである場合には届出は必要ありません。

国民健康保険証の返却

国民健康保険の被保険者だった方が亡くなった場合には、国民健康保険証の返還が必要です。

市区町村へ死亡届を提出していれば別途国民健康保険への届出は不要なため、保険証のみ返還すれば差し支えありません。

返却先は、亡くなった方の最後の住所地の市区町村役場です。

おおむね1か月から2か月以内に行う相続手続き

ここで紹介する手続きには、特に期限はありません。しかし、亡くなってからおおむね1か月から2か月以内くらいには行っておくと良いでしょう。

遺言書の調査と検認手続き

亡くなった方が遺言書を残していたかどうかを確認します。遺言書を探す方法は、主に次のとおりです。

1.公正証書遺言を作成していた場合
ご自宅などから公正証書遺言の謄本や正本を探します。見当たらない場合には最寄りの公証役場で調べてもらったり、謄本の再発行を受けたりすることが可能です
2.自筆証書遺言を作成し法務局の保管制度を利用していた場合
最寄りの法務局で「遺言書保管事実証明書」や「遺言書情報証明書」を請求します
3.自筆証書遺言を作成し、法務局での保管制度を利用していなかった場合
ご自宅などを探します

このうち、「3」の場合には、速やかに家庭裁判所に検認を申し立てましょう

検認とは、「相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続」です。

検認を行わないことには、この遺言書を相続手続に使用することができません。

また、遺言書に封がある場合には、検認の場で開封することとされています。勝手に開封をしてしまうと5万円以下の過料が課される可能性がありますので、注意が必要です。

参考:『遺言書の検認 裁判所』

相続人の調査

相続人の調査とは、亡くなった方の相続人が誰であるのかを調べる手続きです。亡くなった方の相続人は、主に次の書類で確認します。

・亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本

なお、相続人が兄弟姉妹や甥姪である場合に相続人を確認するには、これに加えて亡くなった方の両親それぞれの出生から死亡までの連続した戸籍謄本、除籍謄本、原戸籍謄本も必要です。

これらの書類は、不動産の名義変更や預貯金の解約の際などにも必要となります。誰が相続人であるのかの判断に迷ったら、弁護士や行政書士などの専門家へ相談しましょう。

財産の調査

財産の調査についてもすみやかに行うようにしましょう。亡くなった方の持っていた財産が分からなければ、財産を分ける話し合いである遺産分割協議を進めることが難しいためです。

また、後ほどご説明する相続放棄をするかどうかの判断をするためには、財産状況をある程度把握しておく必要があります。判明したものから一覧表にしていくと分かりやすいでしょう。

葬祭費や埋葬費の請求

葬祭費埋葬費とは、葬儀や埋葬を行う方に対して葬祭費は1万円~7万円(自治体により異なる)、埋葬費は一律5万円が支給される制度です。

亡くなった方がサラリーマンなどで健康保険に加入していた場合には埋葬費が、亡くなった方が後期高齢者や国民健康保険の加入者であった場合には葬祭費が支給されますので、忘れずに請求しましょう。

手続き先は、亡くなった方が後期高齢者や国民健康保険の加入者であった場合には亡くなった方の最後の住所地の市区町村役場、健康保険の加入者であった場合には協会けんぽなど各保険者です。保険者がわからないときは、被保険者証を見ることで確認ができます。

特に急ぐ必要はありませんが2年が経過すると時効にかかってしまいますので、すみやかに手続きを済ませておくことをおすすめします。

参考:『ご本人・ご家族が亡くなったとき 協会けんぽ』

高額療養費の請求

高額療養費とは、ある月に一定額以上の医療費を支払った場合、医療費の還付が受けられる制度です。

亡くなる直前に入院などをしていると医療費がかさみ高額療養費の対象となる場合も少なくありませんので、こちらも忘れずに手続きをしておきましょう。手続き先は、葬祭費や埋葬費の請求先と同じです。

こちらも特に急ぐ必要はありませんが、2年が経過すると時効にかかってしまうため、すみやかに手続きを済ませておくことをおすすめします。

参考:『高額療養費制度を利用される皆さまへ 厚生労働省』

生命保険金の請求

亡くなった方が生命保険に加入していた場合には、生命保険金の請求を行います。

生命保険契約で受取人が決められていた場合には、他の相続人などの同意を得ることなく、指定された受取人が単独で手続き可能です。生命保険金は亡くなった日の翌日から3年で時効にかかりますので、すみやかに手続きをしておきましょう。

参考:保険法95条

遺族年金の請求

遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

遺族年金には遺族基礎年金遺族厚生年金とがあり、それぞれ支給の要件が異なります。

請求先や問い合わせ先は、それぞれ次のとおりです。ご自身が遺族年金の対象になるのか知りたいときは、それぞれ担当の窓口に問い合わせると良いでしょう。

遺族基礎年金
故人の居住地の市区町村役場または
年金事務所か街角の年金相談センター
遺族厚生年金
お近くの年金事務所または街角の年金相談センター

遺族年金は権利が発生してから5年で時効にかかってしまいますから、すみやかに手続きすることをおすすめします。

参考:『遺族基礎年金を受けられるとき 日本年金機構』
   『遺族厚生年金を受けられるとき 日本年金機構』

金融機関への死亡連絡

亡くなった方が金融機関に口座を持っていた場合には、亡くなった旨を金融機関に連絡をしておきましょう。

口座を持っていた方が亡くなったことを金融機関が知ると、口座が凍結されます。凍結された口座は、遺産分割協議書の提出や遺言書の提出など正式な手続きを踏むまで、原則として引き出しや入金などができません。

口座が凍結されると面倒に感じるかもしれませんが、口座が動いたままでは一部の相続人がキャッシュカードで勝手にお金を引き出してしまったり引き落としや振り込みがなされたりして、トラブルの原因となったり遺産分割協議が複雑になったりするリスクがあります。

3か月以内に行う相続手続き

亡くなってから3か月以内に行う相続手続きには、次のものがあります。

相続放棄

亡くなった方の相続人となりたくない場合には、相続放棄の手続きを検討します。相続放棄とは、家庭裁判所に許可を受けることで、はじめから相続人ではなかったこととなる手続きです。

相続放棄の期限は「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内」と短いので、注意しましょう。期限の言い回しが少し難しいですが、通常は亡くなったことを知ってから3か月だと考えて差し支えありません。

例えば亡くなった方に借金が多くて引き継いでしまったら困る場合や、他の相続人とできるだけ関わりたくないような場合などに相続放棄を検討します。

参考:『相続の放棄の申述 裁判所』

4か月以内に行う相続手続き

亡くなってから4か月以内に行うべき相続手続きは、次のとおりです。

準確定申告

亡くなった方に事業収入があった場合や不動産収入があった場合など確定申告をすべき場合に該当していたときは、準確定申告が必要です。

準確定申告とは、亡くなった方の確定申告のことをいいます。通常の確定申告とは期限が異なり、亡くなったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。準確定申告は、相続人が全員で行う必要があります。

期限に遅れると加算税や延滞税などのペナルティを受けることがありますので、亡くなった方が生前に確定申告をお願いしていた税理士に早めに連絡を取るなどして、期限内に申告しましょう。

参考:『No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告) 国税庁』

10か月以内に行う相続手続き

10か月以内に行うべき手続きは、次のとおりです。

遺産分割協議

遺産分割協議とは、亡くなった方の財産の分け方について相続人全員で話し合うことです。話し合いが無事にまとまったら、その結果を遺産分割協議書にまとめます。

遺産分割協議自体には期限はありませんが、次に説明する相続税の申告までには遺産分割協議を終えることが望ましいため、10か月を一応の期限だと考えておくと良いでしょう。

相続税の申告

相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。通常は、亡くなってから10か月以内だと考えておくと良いでしょう。

10か月というと余裕があるように感じられるかもしれませんが、その期間内に税理士を選定し、財産を洗い出し、各財産を評価して、遺産分割協議をまとめて・・と考えると、意外と余裕はありません。

相続税の申告が必要となる場合には、早めから準備に取り掛かりましょう。

なお、10か月以内に遺産分割協議がまとまらなかった場合でも、申告期限が延長さるわけではありません。期限内に協議がまとまらなければ、一旦仮の申告と納税を行い、その後遺産分割協議がまとまった時点で再度申告をし直すことになります。

1年以内に行う相続手続き

1年以内に行う手続きは、次のとおりです。

遺留分侵害額請求

遺留分侵害額請求とは、遺言などで遺留分を侵害された場合に、侵害された遺留分相当の金銭を請求することです。

遺留分侵害額請求の期限は、相続の開始と遺留分を侵害する遺贈などがあったことを知った時から1年間です。仮に亡くなったことを知らないまま時間が経過した場合でも、亡くなってから10年が経過すると時効にかかります。

3年以内に行う相続手続き

3年以内に行う相続手続きは、次のとおりです。

相続登記

記事を執筆している2021年7月現在、相続登記に期限はありません。しかし、2021年4月に成立した改正不動産登記法により、相続登記に期限が設けられることとなりました。

改正法施行後は、不動産の取得を知った日から3年以内の登記が義務付けられます。改正法の施行は、2024年の予定です。

3年10か月以内に行う相続手続き

相続が起きてから3年10か月以内に行うべき手続きは、次のとおりです。

相続税の特例適用のための手続き

相続税の申告期限は、上でお伝えしたとおり相続が起きたことを知ってから10か月以内です。

この時点で遺産分割協議がまとまっていなければ仮の申告を行う必要がありますが、申告時点で遺産分割協議がまとまっていなければ、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった相続税が大きく減額される特例の適用を受けることはできません。

しかし、本来の申告期限から3年以内に遺産分割協議がまとまり、「相続税の申告書の提出期限から3年以内に分割する旨の届出手続」を行えば、これらの特例の適用を受けることが可能です。

本来の申告期限から3年を過ぎてしまうともはやこれらの特例の適用は受けられなくなります。

仮に申告期限までに遺産分割協議がまとまらなかったとしても、3年10か月以内には協議をまとめて特例適用の手続きをするようにしましょう。

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まとめ

相続が起きると数多くの手続きを進めていく必要があります。

期限のある手続きも少なくありませんので、早い段階で必要な手続きを洗い出し、計画的に相続手続きを進めるようにしましょう。

監修
池邉和美(なごみ行政書士事務所・なごみ相続サポートセンター所長)
池邉和美(なごみ行政書士事務所・なごみ相続サポートセンター所長)

行政書士・CFP。愛知県常滑市などの知多半島を中心に、遺言書作成サポートや相続手続き支援などを行っている。著書に「残念な実例が教えてくれる『きちんとした、もめない遺言書』の書き方・のこし方」(日本実業出版社)などがある。 URL https://ii-souzoku.com/

よくある質問

よくある質問
  • 7日以内に行う相続手続きは?

  • 10日から14日以内に行う相続手続きは?

  • 3か月以内に行う相続手続きは?

  • 10か月以内に行う相続手続きは?

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