忌明けとは、喪が開けることです。亡くなった方の冥福を祈り、喪に服す期間が終わることをいいます。一般的に、49日が忌明けのタイミングとされることが多いですが、「35日法要」と呼ばれる35日を忌明けとするパターンもあります。35日法要を行うことには、どんな意味や理由があるのでしょうか。今回は、35日法要について詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・35日法要は亡くなった日から35日目に行う法要で、追善供養を目的とする
・49日を経過して3ヶ月をまたいでしまう場合は35日法要を忌明けとする
・35日法要当日は施主の挨拶、読経と焼香、法話、お墓参りの順に行う
こんな人におすすめ
忌明けの考え方について知りたい人
「49日法要」と「35日法要」の違いを知りたい人
35日法要の流れを知りたい人
49日法要は知っているものの、35日法要という言葉ははじめて聞くという方もいるのではないでしょうか。あまり一般的とはいえませんが、49日法要ではなく、35日法要を行う場合もあります。49日法要と両方行うことはほとんどなく、どちらか一方を忌明けとします。
ここでは、忌明け法要の意味や目的について、具体的に紹介します。
35日法要は、亡くなった日から35日目に行う法要です。追善供養を目的にしたもので、亡くなった人の家族や親族が徳を積む意味があります。追善供養は7日ごと行うのが仏教の考え方のため、5回目の審判の日にあたります。
亡くなった後の故人の魂は、亡くなってから49日目までの間に受ける審判と、生前の行いによって、どこに行くかが決まるとされています。追善供養をすることによって、亡くなった方がよい場所に行けると考えられているため、追善供養をして故人の冥福を祈ります。
7日ごとの法要として49日法要を行うか、35日法要を行うかは、人によって異なります。どちらも行うケースもありますが、大抵はどちらか一方のみとするケースが一般的でしょう。
35日法要が忌明けのタイミングのひとつだとされる理由は、49日法要のタイミングでは縁起が悪い場合があるためです。亡くなった日から49日間を経過して、3ヶ月をまたいでしまう場合は縁起が悪いとされています。これは仏事で「三月越し」「三月またぎ」といわれています。たとえば、1月12日に亡くなった場合では、49日は3月1日になるので3ヶ月をまたいでしまいます。
なぜ「三月超し」の縁起が悪いのかというと、49日は「始終苦」、3月は「見付き」という語呂合わせから、「始終苦(四十九)労が身(み=三)に付く」につながると考えられていたためです。35日を忌明けとする考え方では3ヶ月に渡らないため、「三月越し」になる場合は35日法要をするというケースも少なくありません。
忌明けは49日を指すという考え方がほとんどで、35日法要を執り行ったことがない、という葬儀会社もあるでしょう。ただし、地域や宗派によっては35日法要を行うことも十分に考えられます。
自分の実家では35日法要はしないけれど、嫁ぎ先では執り行われているという場合もあるので、地域の人やお寺などに確認するのが確実です。自分の地域はどうなのかなど事前に確認しておくことをおすすめします。
35日法要で施主となった場合に重要となるのが、事前準備です。葬儀、初七日などでやることがたくさんあると、つい後回しにしがちですが、参列者のことも考えて準備をしておくことをおすすめします。
35日法要の準備としてまず行うことは、お寺と連絡を取ることです。35日法要は、葬儀でお世話になったお寺が行うことになるので、事前にお寺に確認をします。初七日のときに、次の法要について軽く話すこともあるため、確認しておくとよいでしょう。
法要の日程を決めるときには、僧侶のスケジュールを確認しなければなりません。他の法要がすでに入っている場合は、スケジュール調整が必要になることもあるので、自分だけの希望では決められません。僧侶から日程の提案をしてくれることもあります。
僧侶の繁忙期となると、どうしても僧侶の都合がつかないこともあり、他の僧侶に依頼するケースもあります。そのため、なるべく希望通りに行いたいのであれば早めに連絡をしておくのがおすすめです。ギリギリの申し出で僧侶に負担をかけないためにも早めに連絡しましょう。
僧侶と相談して日程が決まったら、次は参列者へ連絡をします。招待する人数が少ない場合は電話でもよいですが、基本的には書面で連絡するようにしましょう。参加する人数を把握するために、返信用はがきも同封します。
案内状は、1ヶ月~1ヶ月半前には発送するよう心がけましょう。そして、なるべく早めに参加人数を把握することが大切なため、35日法要の日程から逆算して、7日~14日前あたりには返信をお願いする旨を記載しておきましょう。
35日法要は誰を呼ぶべきか、どこまで親族を呼ぶべきか迷うこともあります。特に親族が多い場合は、見極めが難しいこともあるでしょう。35日法要の場合、基本的にはすべての親族に声をかけると考えておくのが無難です。知人や友人に関しては、特別故人と関係が深かった人だけでよいでしょう。
35日法要後には会食を行うことが多いため、その手配についても注意を払っておきましょう。会食には、自宅で仕出し料理を頼む方法、法要の会場でお願いする方法、ホテルや料亭などで行う方法があります。自宅で行う場合はくつろげるというメリットがありますが、手伝いが必要となることを考慮しておかなければなりません。
会食の準備で一般的なのが、料亭を会場として手配する方法です。故人が気に入っていた馴染みの店があれば、故人を偲ぶ会場としてはうってつけです。食事が美味しいと評判のお店であれば、参列者も喜びます。手配をするときは、法事であることをお店に伝えるようにしましょう。
35日法要を行う場所は、自宅もしくは法要の会館などが一般的です。施主は、当日の流れを把握しておくとスムーズに法要を行えるでしょう。また、ある程度の流れがわかっていれば、スムーズに参列者を誘導することもできます。ここからは、法要当日の流れをチェックしましょう。
参列者が集まり、時間になると僧侶が入室します。僧侶が入室する前に施主がチェックしておくべきところは、席順です。僧侶がお経を上げてくれる場所のすぐうしろから施主・遺族と座っていきます。つまり僧侶の近くは故人との関係が深い人たちが座ります。遠慮しがちな人は後ろに行ってしまうことがあるので誘導しましょう。
僧侶が入室したら、施主のあいさつをします。あいさつは、参列者と僧侶に向けた内容になります。以下に例文で紹介します。
「本日はお忙しいなか、故〇〇のためにお集まりくださいましてありがとうございます。〇〇の35日法要をはじめさせていただきます。住職よろしくお願いいたします。」
施主のあいさつはあまり長々と話す必要はないので、簡潔に済ませるようにしましょう。
施主のあいさつが終わると、僧侶の読経がはじまります。ただ聞いていればよい場合と、一部参列者も読み上げる場合があるので、読経本が回ってくることも考えておきましょう。
読経が終わってから焼香する場合と、読経の途中で焼香する場合があります。焼香の順番は、施主・家族・親族・友人の順番になるので覚えておきましょう。焼香が滞ってしまうことがよくあるので、施主は状況を見て誘導するなど、意識しておくとスムーズです。
読経と焼香が終わると、僧侶からの法話があります。生と死にまつわる法話をしてくれるので、ありがたく聞きましょう。故人にまつわる話をしてくれる場合もあるので、関係者全員で故人を思う大事な時間になるでしょう。
法話が終わると僧侶が退場することになります。このとき、僧侶が会食に行かない場合は、お布施を渡しましょう。お布施以外に、お車代や御膳料も渡します。僧侶が会食に参加する場合は、僧侶は退場しないので、会食後にお布施とお車代を渡しましょう。
お墓がある場合は、お墓で納骨を行います。ここでも、施主のあいさつ・読経・焼香を行い、最後に納骨という流れです。お墓がまだ決まっていない場合は、お墓に行くことは省かれ、後日納骨となります。法要までにお墓を決めなければいけないわけではないので、決まっていなくても問題ありません。
35日法要で、どんな服装をするべきか迷う人もいるでしょう。葬儀や通夜なら喪服とわかっていても、法要の場合はどうなのか知らない人もいます。マナーを守ることで気持ちのよい法要につながるので、基本的な知識を得ておくことをおすすめします。
35日法要に遺族として参列するときの服装は、喪服が通例です。基本的に3回忌までは喪服を着ると覚えておきましょう。男性は黒のスーツに白シャツを着用し、ネクタイ・靴下・靴は黒で統一します。時計などはきらびやかなものは避け、ベルトも地味なものを選ぶようにします。
女性は、着物もしくはスーツが通例です。夏場でも、袖は七分丈から長袖のものを選ぶようにし、スカート丈は膝下になるようにしましょう。靴は黒のパンプスで、ヒールが高くないものを選びましょう。ブーツやミュールなどは避けるのがマナーです。
子供の場合は、学校指定の制服があれば制服でよいでしょう。制服がない場合は、白シャツと黒などの地味なボトムスなどを揃え、靴はシンプルなスニーカーや革靴にします。
参列者は、略式喪服を身につけるのが好ましいといえるでしょう。目安としては、初七日から忌明け法要までの期間の場合は略式喪服を選び、それ以降の場合では略式礼服などで参列します。略式喪服は、喪服ほどではありませんがフォーマルな装いです。
男性の場合は、落ち着いた色の黒やグレー、紺などのスーツを選びましょう。色が落ち着いていても、光沢があるものは選ばないようにしましょう。小物や靴なども、きらびやかではないものを身につけることが大切です。
女性は、同じく落ち着いたダークトーンのワンピースやスーツなどを着用します。靴も落ち着いた色味のものであればよいのですが、黒を選ぶのが無難です。ストッキングも同じく黒を選ぶのがベターといえます。小物や化粧なども派手なものは選ばず、控えめにしておくのが賢明です。
法要が終わっても、すべきことはまだまだ沢山あります。最後まできちんとやり遂げることが、故人の供養につながるでしょう。ここでは、35日法要が終わったら行うべきことについて、具体的に紹介します。
参列いただいた親族や故人の友人に、忌明け後のあいさつ状と香典返しをします。香典返しは、いただいた金額の半分もしくは3分の1程度で行うといわれています。葬儀や通夜などでお返しをしていた場合は、その分を差し引いて用意しましょう。
お返しに適しているのは、「消えもの」です。たとえば、調味料や海苔などの乾物、タオルや石鹸などがおすすめです。逆に、適していないものでは、生物などの腐りやすいものやお酒などがあります。
また、忌明けのお返しに使うのしは、弔事用のものを選びましょう。水引は黒と白の結び切りが通常ですが、地域によって異なることもあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。表書きには「志」と書くことが一般的です。「志」という言葉は宗教などに関係なく使えるので、迷ったときは「志」と書いておくとよいでしょう。
「神棚封じ」とは、葬儀のときに貼られた紙のことです。神棚封じをはがして、閉じていた仏壇の扉を開きます。神棚封じの紙は、故人の供養のためのものです。忌明け後に、仏壇の扉を開けたら夕方以降に閉じて、朝開けるようにします。
位牌は、忌明け後お寺に返却した後に新たな漆の位牌を仏壇に納めることになります。法要はここまでで終わりとなりますが、仏壇に手を合わせる、榊を交換する、お墓参りに行くなどして、故人の供養を毎日忘れずにすることが大切です。
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忌明け法要は、35日法要か49日法要のどちらかを行うことが一般的です。初七日以降では、大事な最初の法要にあたります。故人に縁がある親族や友人と一緒に執り行いましょう。
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