お墓からご遺骨を取り出し、墓石があった土地の使用権を管理者に返還することを「墓じまい」と呼びます。
トラブルなく円滑に墓じまいを行いたい方もいるのではないでしょうか。トラブルの解決策がわかると、余計な負担を抱えることなく墓じまいを行えます。仕事や予定の合間に行う方は特に、できるだけ穏便かつ迅速に行いたいものです。
そこでこの記事では、墓じまいのトラブルの事例や解決策について紹介します。
<この記事の要点>
・墓じまいは親戚に相談することが多いため、反対されてトラブルになることがある
・親戚とのトラブルでは「墓じまいをしても先祖に対して失礼には当たらない」と説明することが大切
・高額な離檀料を請求されるなど、寺院とトラブルになるケースもある
こんな人におすすめ
墓じまいの際に起こるトラブルを知りたい方
墓じまいのトラブルの事例を知りたい方
墓じまいのトラブルを防ぐ方法を知りたい方
墓じまいを行う上で「トラブルは絶対に起こらない」とは言い切れません。墓じまいは独力で行うことは難しく、話し合いや調査が必要であるため、必然的に多くの人や業者との接点が生まれます。それに伴いトラブルが起こる可能性も高くなるので、あらかじめ対策しておくことは重要といえるでしょう。
しかし、一口に「墓じまいのトラブル」といってもさまざまトラブルがあります。トラブルを起こさないことが重要ですが、万が一トラブルが起きた際に想定外がないように、どのようなトラブルがあるのかを認知しておきましょう。
墓じまいは独断ではなく、親族に相談して要否を決定することが多いので、親族とのトラブルは珍しいものではありません。特に親世代と子供世代とでは、お墓に対する価値観の違いがあるため、ギャップが生まれやすくなります。
親族と揉めたまま墓じまいを行ってしまうと、親族との関係に深い亀裂が生じる可能性があります。トラブルを未然に防ぐために、親族とのトラブルの実例と解決策について紹介します。
親戚とのトラブルでよく見られるのは「墓じまいを親戚から反対されたケース」です。親戚が墓じまいを反対する理由は以下が考えられます。
親族の中には「お墓を取り外してしまうのは無礼ではないのか」「ご先祖様から祟られるのではないか」「墓を取り外すなんて無責任だ」などと感じる人もいます。
一昔前では、お墓は代々引き継ぐのが一般的でした。よって、その考えを引き継いでいる方が多いのが理由として挙げられます。
墓じまいを担当する人には少なからずさまざまな負担がのしかかるので、墓じまいを担当したくないと考える人もいるようです。「墓じまいの要否」や「どの業者に頼むか」といった話し合いは円滑に進んでいたものの、金銭面に関する話し合いになると急に膠着状態に陥ることもあります。
先祖が身近に感じられるのがお墓参りだけであるため、親戚の中にはお墓参りを大切にされている方もいます。その方々に一切の断りなく墓じまいを行ってしまうとトラブルに繋がりかねません。
お墓の維持や管理は代々引き継がれるのが一般的な考え方でしたが、最近ではその考え方も変わってきています。実際に、一代で墓じまいする家庭も増えてきているほどです。
ただし、親戚の中でも特に高齢の方は、お墓の維持や管理は代々受け継ぐことが常識という考え方があることが多いでしょう。そこで解決策としては、完全否定せず「墓じまいをしても先祖に対して失礼には当たらない」ということを説明しましょう。
また、名義人がお墓に関する責任能力を保有しているため、墓じまいはその名義人が行うのが一般的です。誰が墓じまいを行うかで揉めている場合は、名義人を中心に墓じまいを行いましょう。
「どうしてもお墓を残してほしい」という親族の方がいるならば、遺骨を「永代供養墓」と呼ばれる継承の要らないお墓に移すことも可能です。
「お墓参りする場所を無くさないでほしい」と感じている方の中には、遠方に住んでいる方も多いでしょう。移す先である永代供養墓の場所に制限はないため、親戚の自宅の近くにお墓を移すとトラブルの解決に繋がります。
親戚の反対を押しきれずにお墓を引き継ぐ人がいない状況となり、お墓を放置しているとかえって先祖に対して失礼になるので、無理してお墓の維持や管理を行っている方は墓じまいを検討しましょう。
お墓の解体や取り外しは石材店が請け負うため、墓じまいにおいて石材店は必ず接点のできる業者です。つまり、石材店の協力がなければ墓じまいを行うのは難しくなります。石材店との間に起こり得るトラブルに対応するためにも、あらかじめ実例を確認しておきましょう。
石材店を吟味せずに選んだ結果、相場よりも高い数百万円もの大金を払ってしまい後から泣き寝入りするケースも存在します。墓じまいの費用の目安は約70万円であり、その内訳は基本的に以下の通りです。
・お墓の撤去費用
・お布施
・離檀料
・引っ越し先のお墓の費用
・手続きのための費用
また、家庭の状況によって費用は変動し、その変動の多くは「引っ越し先のお墓の費用」に依存します。新しいお墓への引っ越しは100万円~300万円ほど、散骨だと数万円~30万円ほどが目安です。
破格の安さで工事を依頼できたが、その出来栄えがあまりにもひどく、再工事が必要になるといったことも考えられます。
お墓を取り付けたかと思えば、地面に埋めていただけだったり、取り外しはしたが近くの山に不法に捨てられていたりと悪質な工事を行う石材店も存在するので注意が必要です。
石材店の工事費用には目安があります。それゆえ、目安を大幅に超えるような請求をしてくるようであれば、その石材店との取引は一旦中止しましょう。できるならば、あらかじめ複数の石材店に見積もりを出してもらい見比べましょう。ただし、寺院によっては石材店が指定されることもあるので注意が必要です。
また、目安を大幅に下回る価格の石材店にも気をつける必要があります。依頼しようとしている石材店の工事費用があまりにも安い場合は、口コミやレビューなどを参考にしてみましょう。
寺院ともまた石材店と同じように必然的に関係が生まれます。さらに、石材店とは異なり、寺院では証明書の発行などの繊細なやり取りが必要なため、トラブルも起きやすくなります。
複雑な手続きを円滑に行うためにも、あらかじめトラブルの事例を確認しておきましょう。
離檀料とは、いままでお墓を管理してくださったことに対する感謝の気持ちとして包むものです。気持ちを金額として表すため値段はプライスレスではありますが、数万円~20万円ほどが傾向としては多く見られます。また、法要1回分の費用を包む家庭もあるようです。
しかし、その離檀料の目安を大幅に超えて寺院が請求してくるケースもあります。
目安を大幅に超えた離檀料を請求された場合は、その場では支払わずに、話し合いの場を設けましょう。その上で離檀料は寺院が決めるものではなく「こちら側がお気持ちで包むものだ」ということを伝えましょう。それでも解決しない場合は、弁護士や専門家に相談するのが賢明です。
また、寺院側が離檀料を高額請求する理由の一つに「いきなり『墓じまいを行う』といわれたのが不満だった」といった理由があります。お互いに持ちつ持たれつの関係が大切であるため、墓じまいを計画する場合は事前に寺院と相談しながら行いましょう。
「親戚間」「石材店」「寺院」以外にも、墓じまいの際のトラブルの実例は存在します。他の実例も確認しておき、トラブルが起きた際に適切な対応ができるようにしておきましょう。
お墓の維持や墓じまいには、少なからず費用が生じます。そのため、費用が払えない方も少なくはありません。
お墓の維持費や墓じまいの費用を支払わずにいると郵便で支払いの催促状が届きます。さらに一定期間滞納し続けると墓地の使用権が取消しになり、墓石は撤去される可能性があります。
お墓の維持費や墓じまいの費用が払えない時は、まず墓地の管理者に相談しましょう。支払えない旨を伝えると、なるべく費用を抑えられるように助力してくれることが多いでしょう。また、費用を抑える方法の一つに「永代供養墓」に引っ越すという方法もあります。
墓じまいのトラブルの解決策を知ることは重要なことですが、未然に防げると尚よいでしょう。トラブルの多くは、親族と面と向かって話ができていない場合や、事前に連絡していないなどコミュニケーションが原因であることが多いです。
そのため、墓じまいを行う際は、計画の段階で「親族」「石材店」「寺院」などとしっかりコミュニケーションを図ることが大切です。
「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。
喪主を務めるのが初めてという方に役立つ情報が満載です。いざというときの事前準備にぜひご活用ください。
\こんな内容が丸わかり/
・病院から危篤の連絡がきたときの対応方法
・親族が亡くなったときにやるべきこと
・葬儀でのあいさつ文例など
「小さなお葬式」では、お電話・WEBから資料請求をいただくことで、葬儀を割引価格で行うことができます。お客様に、安価ながらも満足できるお葬式を心を込めてお届けいたします。
小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上※の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。(※2024年4月 自社調べ)
お墓から遺骨を取り出し、墓石があった土地の使用権を管理者に返還する墓じまいですが、その行いにはトラブルが生じる可能性があります。「親戚の反対」や「石材店の工事が粗悪である」など、トラブルの内容はさまざまです。
トラブルのリスクを考えてしまい、墓じまいを行いたいのになかなか手をつけられない家庭が存在するのも事実です。しかし、解決策も存在するため、墓じまいの進行が滞っている場合は試してみることをおすすめします。
また、墓じまいのトラブルは未然に防ぐことが可能です。多くのトラブルがコミュニケーション不足により発生しています。事前の連絡や話し合いなどを綿密に行い、各々の認識に齟齬が生じないようにしましょう。
墓じまいには、今回紹介したトラブルの他にもさまざまな事例があります。現在抱えているトラブルや悩みが解決されない場合は小さなお葬式にご相談ください。専門の知識を持ったスタッフが墓じまいに関するお客様のお悩みに心から寄り添い、解決に向けて尽力します。
お亡くなり後の手続き・直近の葬儀にお悩みの方は 0120-215-618 へお電話ください。
年金制度には大きく分けて公的年金制度と私的年金制度の2種類があります。ホゥ。