人が亡くなった際の「弔意」の示し方には、実にたくさんの種類が存在しています。「合掌し故人の冥福をお祈りする」という方法も一つの弔意の示し方です。そのほかにも、一般的に連想される「不祝儀をお渡しする」「供物や花を供える」といった行為も弔意を示す手段です。
また、弔意を示す手段の中には「弔電」も含まれています。この記事では、弔電とはどのようなものか、その決まり事や作法、送り方などについて詳しく解説します。自身で弔電を送る際の参考として、ぜひお役立てください。
<この記事の要点>
・弔電とは、お通夜や葬儀に参列できないときに送る電報のことを指す
・弔電を送る際は喪主から見た故人との続柄で敬称を記載し、祖母はお祖母様、祖父はお祖父様となる
・弔電を送るときの宛名は喪主の名前にするのが一般的
こんな人におすすめ
身内にご不幸があった方
弔電を送ろうと考えている方
弔電の注意点が知りたい方
弔電とは、お通夜や葬儀・告別式に参列できないときに送る電報のことをいいます。
人が亡くなると、通夜や告別式などが速やかに行われます。葬儀に参列したくても、遠方に住んでいるなどの理由からどうしても参列が難しい方もいるでしょう。その際に役立つのが弔電(電報)です。
現在では通信機器の発達により連絡などが容易に行えるようになりましたが、昔はそうはいきませんでした。離れている親族などへ家族が亡くなったことを連絡したくとも、手紙が主流の時代にはどうしても日数がかかりました。
しかし、通信機器の発達、特に電話の発達によってこのような問題は解決されるようになりました。遠隔地に居住している親族へも容易に連絡することが可能になり、葬儀への対応も迅速に行えるようになりました。
電報は電話が発達したあとに登場し、冠婚葬祭の場において非常に活躍しました。電報は、簡単な文章であればカタカナを使用し、遠隔地などへメッセージを届けることができます。そのため、訃報を聞き、お通夜などへ駆けつけることができない場合でも、電報を使用してメッセージを届けることができるようになりました。そして現在では、「弔事に送る電報」ということから、「弔電」と呼ばれ親しまれるようになりました。
昨今ではSNSの発達などにより、手紙などの昔からの通信手段である文化が薄れている印象も受けますが、未だに弔電という文化は葬儀の場において活躍しています。また、その機能は昔よりも進化しており、カタカナ以外のメッセージを送ることも可能になったほか、お供え物を一緒に送り届けるといったサービスも登場しています。
遺族へ弔電を送る際には、ある程度のマナーや作法が決められています。親族へ送る場合だけでなく、取引先企業の社員が亡くなった際、上司や同僚の家族が亡くなった際などに送る場合は、マナーを踏まえた上で送るようにしましょう。とはいえ、弔電はあまり送る機会がないため、覚えられないという方が多いのも無理はありません。
ここでは、弔電のマナーや文法のルールを解説しながら、実際の文例を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
弔電の文面に関しては、ある程度のひな型が存在します。また、宗教ごとに多少の文面の違いもあるため、その点は事前に注意して確認するようにしましょう。以下で文面の一例を紹介します。
●仏教の場合
「ご逝去を悼み 心からお悔やみ申し上げます」
「ご訃報に接し 心よりご冥福をお祈り申し上げます」
「ご生前のご功績を偲び 謹んで哀悼の意を表します」
●キリスト教の場合
「出会えたことを神へ感謝いたします 安らかなお眠りを心より申し上げます」
「神の御許に召され 安らかな眠りにつかれますようお祈りいたします」
「訃報に接し 謹んで哀悼の意を表し 天での平安をお祈りいたします」
あくまでもこちらは一例です。また弔電を送る際には、各種電報サービス取り扱い業者によって文面が用意されていることも多いため、そこから文面を選択して送ることも可能です。
弔電を送る際には、「喪主」から見たときの故人との続柄で敬称を記載するようにしましょう。喪主から見たときの記載方法を以下にまとめているので参考にしてください。
【続柄】 | 【敬称】 |
妻 | ご令室様、ご令閨様、奥様 |
夫 | ご夫君様、ご主人様 |
息子 | ご子息様、ご令息様 |
娘 | ご息女様、ご令嬢様 |
実父 | お父上様、お父様、ご尊父様 |
実母 | お母上様、お母様、ご母堂様 |
義理の父 | ご岳父様 |
義理の母 | ご岳母様 |
祖父 | お祖父様 |
祖母 | お祖母様 |
必ず喪主との続柄での敬称になるので、事前の確認を忘れずに行いましょう。
忌み言葉とは、代表的なものとしては「かさね言葉」といわれる「たびたび」や「ますます」など繰り返し使用する言葉のことです。これらは不幸の連鎖、繰り返しを連想させるといわれているため、使用は避けるようにしましょう。
電報サービスを提供している企業を利用し文面を選択する場合には、忌み言葉が含まれることはないでしょう。しかし、オリジナルの文面を考える際には、忌み言葉の使用に注意が必要です。
このほかにも一例として「消える」「落ちる」など、基本的にネガティブなイメージへとつながる言葉は避けます。どうしても、そのような意味合いの言葉を使いたいときには、遠まわしな表現を用いるようにしましょう。遺族のことを想い、励ましたいと思ったとしても、あまり前向きすぎる言葉の使用は避けたほうが賢明です。意図せずに遺族の心を傷つけてしまうこともあるため、その点にも注意しましょう。
弔電には、葬儀等に迅速に対応することを目的に発展してきた歴史があります。そのため、基本的には訃報を受け取ったらすぐに手配を行うことが一般的です。手配を行えば、行った当日中、もしくは翌日には到着するため、早めの対応を心がけましょう。
また、弔電の本来の用途としては、「取り急ぎの対応として」「どうしても葬儀にいけない」方が送るものです。そのため、送ることができる期間はお通夜から葬儀、告別式までの間に限られています。どうしても送るのがそれ以降になってしまう場合には、封書を使用した手紙での送るのが理想的です。
送るときの宛名は、喪主の名前にするのが一般的です。ただし社葬の場合は、葬儀責任者の方の名前を記入するようにしましょう。また、喪主や最高責任者の方の名前がわからない場合には「ご遺族様」や「責任者様」で問題ありません。宛名の表記は個人向けの場合は「●●家」、社葬の場合は「葬儀会場名」もしくは「●●家」とするようにしましょう。
差出人の表記に関しては、必ず自身のフルネームを記入するようにします。また故人との関係性の記載も行うと、遺族の方がどなたかわかりやすくなるため、その点にも留意しましょう。社葬の場合には、自身の会社名と代表者の名前を記入します。
届いた葬儀の案内に、「家族葬で執り行う」という記載がある場合は注意が必要です。この場合は、家族・親族でない方の参列は控えます。とはいえ、弔いの意思を示したい、弔電を送りたいと思う方も多いことでしょう。そのような際には、まず訃報にしっかりと目を通すのが大切です。
訃報に「弔電辞退」の旨の記載があった場合には、弔電を送ることは必ず控えるようにしましょう。この場合、辞退している遺族の方々へ弔電を送ることは失礼に当たるため注意が必要です。一方で、その旨の記載がない場合には弔電を送っても問題ありません。ただし不祝儀などはお断りしている場合もあるため、その点に関してもしっかりと確認を行うようにしましょう。
では、弔電を送る場合、どのように送ればよいのかについて解説します。一連の流れを確認しましょう。
1. | 【弔電を送る際に利用する企業を選択する】 インターネットで電報を送ってくれる企業を検索、もしくはNTTへ連絡します |
2. | 【送信先、送信日を決定する】 弔電の送信先住所、送信日の入力を行います |
3. | 【電報台紙の選択を行う】 送りたい台紙の選択を行います。台紙だけでなく付属品の有無によって値段は変動します |
4. | 【お悔やみの文章の入力を行う】 オリジナルの文章、もしくは作成済みテキストの選択などを行い、文章を入力します。電話応対の場合はオペレーターへ口頭で文章を伝えます |
5. | 【差出人情報を記入する】 差出人の名義、住所等の入力を行います |
6. | 【支払い方法を選択する】 各企業で利用できる決済方法を選択し、お支払いをすれば完了です |
以上で弔電の送信は完了です。あとは企業から送信先住所へ配送が行われます。弔電の料金は一般的に不祝儀の相場目安と同じく3,000円~5,000円程度です。また、弔電自体の料金は「選択した台紙の代金+文字数」によって決まります。
さらに付属品としてはブリザードフラワーやオルゴールなどさまざまなものが選択できるようになっており、選択するものによって価格が変動します。あまり高額すぎるものは遺族側が困る可能性もあるため注意しましょう。
弔電に関しては、送る側だけでなく、受け取った場合の対応についてもわからないことが多いでしょう。電報のみを受け取った場合は、香典返しなどの対応は不要です。一方で、不祝儀を同時に受け取った場合には、お返しが必要です。
また、対応が不要とはいえ、まったく何もしなくてよいというわけではありません。弔電をいただいた場合は、葬儀が終わり落ち着いた頃合いに、丁寧に文章をしたためたお礼状を必ず送るようにしましょう。目安としては1週間~10日以内で問題ないでしょう。
お礼状をしたためる際にもきまりがあります。それは「句読点を用いずに文章を作成する」ということです。句読点を使用しないことには「儀式が全て滞りなく終わりました」という意味合いが込められているといわれています。また、お礼状には必ず故人の名前を記入しましょう。
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